サイト小説の記事一覧
2021/10/30
【第二章 スライム街へ】第八話 だらける
人の姿にも慣れてきた、元人間です。 女子高校生らしく、制服を着てみましたが、元々自分が着ていただけに似合っています。良かったです。パロットも似合っていると言ってくれている。ライに至っては、自分も人の形状になって制服を着たがったが、男性タイプにしかなれなくて、我慢してもらった。さすがに、自分の制服を男性顔のライが着るのには抵抗があった。 スキルを調整すれば、複数の女性タイプに慣れるのかと思ったけど、ライからの説明で、どうやら素体となった数が影響しているようで、人は女性タイプが一人と男性タイプが一人のよう…
続きを読む2021/10/30
【第二章 ギルドと魔王】第八話 日常?平和?
「マイマスター」 マスタールームの拡充をしているとセバスが部屋を訪ねてきた。 前室のような場所を作って、セバス以外は前室で待たせることにしているが、セバスも前室で待ってから、部屋に入ってくる。 今日は、マスタールームの拡充を行っているので、前室で会うことにした。 「どうした?」 セバスの服装が、どんどん過激になっていくのは気のせいだろう。 このままだと、セバスは全裸で俺に会いに来るぞ? 「はっヒア、メアの両名により、帝国から送られてきたゴミの始末が終了しました」 帝国からは定期的に、ゴミが送られ…
続きを読む2021/10/29
【第二章 スライム街へ】第七話 急報
ギルド日本リージョン本部に備え付けられている。ホットラインが鳴り響く。 その場には、本部に詰めるべき5人が揃っている。 「はい。ギルド本部。榑谷」 『よかった。こちら、清水消防署。森本です』 「魔物が出ましたか?」 『いえ、あっ。少しお知恵を拝借したい。警察にも連絡をしましたが、明確な証拠がないと、警察は動けないと言われてしまって・・・』 「簡単にでも構わないので、状況を教えて下さい」 『はい。通報が有ったのは、3時間ほど前です』 榑谷円香は、スピーカーから音が出来るようにしてから、近くの時計を見る。…
続きを読む2021/10/29
【第二章 ギルドと魔王】第七話 【連合国】
連合国の首都にして、加盟国のすべての出先機関がある街は、ある意味で秩序がバランスよく保たれている。連合国の首都は、ギルドの本部が存在している。ギルドからもたらされる情報を扱って、連合国間だけではなく、各国とのバランスを取っているのだ。 その連合国の首都にある。出先機関の一つで重大な会議が行われている。加盟国の出先機関に同じ部屋が設置されることになっている。この部屋の用意が難しい国は、連合国の重大な決定事項には関わることが出来ない。 「どうするのだ!」 円卓には、6名が座っている。 末席という概念はな…
続きを読む2021/10/27
【第二章 スライム街へ】第六話 凶報
パパとママが離婚する。 別に、僕としては問題ではない。僕の意見を聞いてくれて、パパと今の場所に住むことになった。ママは、やはり奴が出てきたら、一緒に生活をしたかったらしい。パパは、反対した。僕もイヤだと言い放ったら、僕を殴ってきた。 僕が、スキルを発動する前に、パパがママと僕を引き離して、ママに”出ていけ”と言ってくれた。 ママは、奴と一緒に住むことにしたようだ。 僕には、関係がない。もう他人だ。 気分がいい。パパは、仕事で名古屋に行ってしまった。 この家には僕しかいない。 学校も、連絡が来…
続きを読む2021/10/27
【第二章 ギルドと魔王】第六話 ギルドvsギルド
ボイドは悩んでいた。 ギルド本部に反旗を翻したのは後悔していない。必要なことだと本気で思っていた。昨今のギルドは、あまりにも二つの国家に近づきすぎている。それに、ギルドと神聖国には、秘密があり、その秘密をボイドたち情報部はしっかりと握っている。 「君が、今代のボイドなのか?」 「そうです。情報部の取りまとめをしております」 今日のボイドは、朝から客人との打ち合わせを行っている。 帝国の上級貴族に連なる者との面談や、帝国だけではなく、大陸に根を張る商家との面談を行っていた。そして、今日の最後に面談が、…
続きを読む2021/10/27
【第六章 ギルド】第一話 三月兎
ミルは、妖精の姿を気に入っていて、元のサイズに戻ったときにも、背中に羽を生やそうとしていた。 「ミル。やっぱり、羽は・・・」 「僕には、似合わない?」 可愛く言っても・・・。確かに、似合っている。似合っているが、人ではないのが解ってしまう。 「似合うよ。すごく、可愛い。でも、これから、王都に行くのに、スキルやステータスは隠蔽でごまかせるけど、羽は無理だからね?」 「うん。わかった」 ミルは、服の袖を握りながら、目を閉じた。 羽だけを消すようだ。 「これでいい?」 「完璧!」 「よかった」 ミルが腕…
続きを読む2021/10/27
【第二章 スライム街へ】第五話 吉報?凶報?
新生、ギルド日本支部。名前が変更されて、ギルド日本リージョン本部。 50坪程度の狭い場所が、日本のギルド本部になる。 狭い場所だ。居住できる場所を除くと、部屋は3つだ。 打ち合わせを行うための部屋だ。そして、この部屋は、盗聴に関しては、クリアの状態になっている。それ以上に、厳重なセキュリティで守られている場所が存在している。 「円香!」 「なんだ、孔明」 「俺の名前は、孔明(よしあき)だ。お前が、孔明(こうめい)と呼ぶから、里見嬢や柚木嬢まで、俺を孔明(こうめい)と呼びやがる」 「そうか、それなら、…
続きを読む2021/10/26
【第二章 ギルドと魔王】第五話 リニューアル
魔王城を守るための城壁は三重になった。内壁と六芒壁と外壁だ。外壁は、幹部となった子どもたちと武官であるカンウたちの意見で作った。 六芒の形になっている城壁の周りには、水堀が存在している。幅は10メートルほどだ。その水堀の一部が湖になり、カプレカ島が存在している。湖の中心くらいから、魔王城を囲うように、新たな城壁が出現した。魔王ルブランから、カプレカ島を介して城塞村には伝えられていた。一晩にして現れた城壁は驚愕を持って迎えられた。この城壁の出現で、魔王城の守りは強固になった。野営が出来る場所が、一箇所に絞…
続きを読む2021/10/26
【第二章 帰還勇者の事情】第二十三話 客人
ユウキたちは、客人をもてなす準備を始める。客人が、ユウキたちの拠点に来て、ポーションを渡すだけには出来ない事情ができてしまった。 部屋の準備はできているのだが、それ以外の準備ができていない。滞在は、長くはならないと仮定しているのだが、客人の都合で伸びることも考えなければならない。 「今川さん。それで、客人は?」 「明日に、成田で、翌日には来る」 「わかりました。それでどうします?上級を利用しますか?」 「うーん。なぁユウキ。中級と上級の違いは?」 「違いですか?中級は、欠損は治りません、上級は欠損が治り…
続きを読む2021/10/26
【第三章 帝国脱出】第四話 カリン実験をする
イーリスが不思議そうな顔をしてから、護衛の剣を貸してくれた。 「カリン様。剣は、護衛が使っている物です。予備がありますから、壊してしまっても問題はありません」 イーリスが、不思議そうな表情をした意味が解った。 私が、剣を的にするつもりだと思ったのだろう。 剣を手に持つ。 初めて持つけど、少しだけ重いけど、竹刀を持つような感じかな? 護衛は片手で持っていたけど、両手で持つ。 意識を集中する。魔法はイメージ。 「カ、カ、カリン様?それは?」 驚いているイーリスの声が聞こえる。 ん?あぁ成功した…
続きを読む2021/10/26
【第三章 帝国脱出】第三話 カリン戦闘をする
私は、糸野(いとの)夕花(ゆうか)と日本では名乗っていた。 異世界に勇者の一人として召喚されて、いろいろあって、名前を変えた。今は、カリンという。私が名乗っている名前だ。 まーさん(年齢不詳、本名不明)と、大川大地さんと、王城から脱出して、準備を整えて、王都を脱出した。 今は、辺境伯の領都に向かう馬車の中だ。 日本に居た時に、馬車に乗ることを考えていなかった。少しだけテンションが上がっている。 王都から離れるまでは、なるべく休まずに進んでいたが、王都から離れてからは、馬車の速度を落として進むよう…
続きを読む2021/10/24
【第二章 スライム街へ】第四話 キメラ
キメラに意識を移しても、本体はスライムのままだ。 複数になった意識をうまく使い分けるのには訓練が必要だ。そして、キメラの核となっていた魔石を、ライが吸収したことで、新たなスキルが芽生えた。 もしかして、スキルは”魔物の命”か”命の形”ではないのだろうか?検証ができる物ではない。概念なのかもしれない。ただ、スキルが芽生えるのが”命”を奪った時か、”魔石を吸収した”時なのが気になっている。ギルドで調べても、概念の話は書かれていない。専門家を名乗る人たちが書いている物を読んでも、ピンとこない。文章だけで、”…
続きを読む2021/10/24
【第二章 ギルドと魔王】第四話 城塞村?
「メイ。おはよう」 狐人の姉妹は、引っ越しを終えて、魔王城の地下での生活をスタートさせた。 姉であるメアは、ルブランの配下になっているが、他の者たちと同じで、モミジや四天王から、いろいろなことを教わりながら生活をしている。 妹のメイは、カプレカ島にある学校で午前中を過ごして、午後は、学校の仲間と、魔王が定めた領域の外側に出来た城塞村で、ギルド員としてお手伝いをしている。子どもたちなりに、自分たちで出来ることを探しているのだ。過保護な魔王が、護衛役を付けているのは知られている。 護衛役が居なくても、子…
続きを読む2021/10/24
【第十章 エルフの里】第十四話 長老
紅茶を飲み込んでから、ヤスは長老を睨みつける。 諦めたのか、ヤスの前まで歩いてくる。 ヤスは、また指を鳴らす。 今度は、ヤスの対面に椅子が出現する。 「座れよ」 ヤスが自分のカップに注いだポットから、長老の前に置いたカップに紅茶を注ぐ。 ハイエルフだけあって、魔法の素養は人族に劣らない自信があった。 しかし、ヤスが使っている技(魔法)が見抜けない。他の長老との会話も不可能で、一人にされてしまった。 ヤスは、懐からボイスレコーダーを取り出す。 これも、長老には何をするものかわからない。 「警…
続きを読む2021/10/23
【第二章 スライム街へ】第三話 タカとフクロウとキメラ?
私の生活が一変してから、1ヶ月が経過した。 世間は、とある感染病で自粛が続いている。学校も、8月の末から始まる予定だったが、緊急事態宣言が発布されて、延期になったと教えられた。 久しぶりにスマホの電源を入れたら、同級生からメールが来ていた。 私が休学になったのを聞いて、連絡をしてきてくれたらしい。当たり障りのない返事を出したら、それからメールが来なくなった。皆が、自分のことで忙しいのだろう。元々、学校では一人だった。家族が居なくなって、独りになった。学校でも、独りになることが多かった。 でも、今は…
続きを読む2021/10/23
【第二章 ギルドと魔王】第三話 【連合国】【ギルド】
”帝国は、新しく産まれた魔王と密約を結んだ” こんな噂が、各国の首脳部に流れたが、帝国は噂だと取り合わなかった。 事実、帝国は魔王と密約を結んでいない。全面降伏だ。”攻めてこないで欲しい”・”魔王城に手を出す輩がいたら、遠慮しないで殲滅しても問題にはしない”。これらが、帝国から魔王に伝えられたことだ。 噂を信じている者たちが居る。正確には、”真実でないと困る”と思っているのだ。 「ギルドは、どういうつもりだ?」 「え?」 ギルド本部がある連合国の首都にある。連合国に属する国の大使館は、朝から新たに産…
続きを読む2021/10/22
【第二章 スライム街へ】第二話 検証
学校が始まった。 スライムになってしまった。私には、無縁な世界だ。でも、なんとなく寂しいので、学校を覗きに行った。もちろん、私が行こうとしたら、皆から反対された。危ないというのが、家族たちの考えだ。強固に反対をしたのが、ラスカルだ。 ラスカルは、やはり山に捨てられた一族の生き残りだった。飼えなくなった人が、ラスカルたちを山に捨てた。そして、オークに襲われた。辛うじて生き残ったラスカルが私の家族に加わった。そのために、他の者たちよりも、人に対する警戒と嫌悪が強い。私が”元”人だと言っても、私は私だから、…
続きを読む2021/10/22
【第二章 ギルドと魔王】第二話 元奴隷の日常
「お姉ちゃん。おはよう」 「メイ。おはよう」 ルブラン様。違った、魔王様から、呼び名を貰った、本当の名前は、”家族から貰ったものだから大事にしなさい”と言われて、普段は魔王様から貰った名前で呼び合うことに決まった。 家族も大事だけど、私は魔王様から貰った、”メア”という名前がすごく、すごく、すごく、大事だ。 「うん!」 妹も、貰った名前を気に入っている。 「メイ。今日は、学校だね?」 「うん!ヒカと一緒に行ってくる!」 ヒカは、人族の子供だ。メイが、よく一緒に遊んでいる。 村に居た時には、人族と”…
続きを読む2021/10/22
【第五章 共和国】第七話 共和国
共和国に入った。 俺たちは、共和国側で注意を受けた。 どうやら、共和国に初めて来る者たちに、注意として共和国の説明をしてくれているようだ。 小さな国が集まって、作った合議制の集まりだったのだが、今では合議制は形だけになってしまっている。野心を持つ3つの国が理由を付けて、周りの国を併呑していった。共和国という形が残ったのは、王国や帝国に対抗するためだ。 現状の説明は、既にカルラ経由で受けている。注意を聞き流すわけにはいかない。拝聴していたが、どうでもいいことまでクドクドと説明をしてくる。一緒に、注意…
続きを読む2021/10/03
【第二章 ギルドと魔王】第一話 カプレカ島
セバスに、島に名前が欲しいと言われたので、安直だとは思ったが”カプレカ”と名前を付けた。 セバスが、ルブランとして、島に訪れて、名前を”カプレカ島”と宣言した。従って、セバスは”カプレカの魔王”と呼ばれるようになった。 魔王への感謝が限界突破している子どもたちは、契約を行ったあとで、子どもたちには呼び名を授けた。 子どもたちの話や、大人の奴隷の話を聞いて、”名前”を与える儀式が危険な行為だと解った。セバスとモミジが、名前を持つ者たちを調べた結果、弱い”呪”が埋め込まれていた。人族だけではなく、種族に…
続きを読む2021/10/03
【第二章 スライム街へ】第一話 後始末
ギルドの日本支部は荒れていた。 本部からの発表で、”情報管理部”と”スキル管理部”と”登録者管理部”だけが残されて、他が解体されることになった。主な理由は、企業からの献金を着服していた事実と、魔石の横流しの事実と、情報漏えいの事実が見つかった。特に、スキル保持者の情報や魔物の情報をプロトコル(正規の手順)以外の方法で流出させたのが問題になった。 解体された部署を仕切っていた者たちは、多くの者が横領で当局に告発された。 それだけではなく、ギルド本部にて査問に掛けられた。日本での法律では、”白”に出来る…
続きを読む2021/10/03
【第五章 マヤとミル】第二十話 王都へ
神殿の拡張と、運営をマヤとロルフに任せて、俺とミルは、ギルドとの交渉を行うために、王都に向かうことにした。 「ロルフ。マヤ。神殿を頼むな」 「うん!」『かしこまりました』 マヤは、妖精の姿をしている。ブロッホの肩に乗って、元気に承諾をした。 マヤとミルは、二人で一人なのだ。ミルと一緒に王都に向かうと決めてから、いろいろと確認をしなければならなかった。 最初に確認したのは、”マヤとミルが離れても大丈夫なのか”だったが、距離は、問題にはならない。 マヤを乗せた、アウレイアとアイルが、王都を超える距離ま…
続きを読む2021/10/01
【第一章 スライム生活】第二十九話 一匹のスライム
どうやら、カーディナルたちは裏山の東側を、徹底的に調査を行うようだ。 ドーンやフリップやジャックだけではなく、ダークまで呼んでいる。 実際に、ゴブリンが2体と、色が違うゴブリンが1体と角が生え犬のような生き物が居た。 アドニスが誘導して、私が岩を落として仕留めた。 最初は、カーディナルたちが戦おうとしたけど、家族が傷つくのがイヤで私が安全に倒せると説明して、対応した。 どうやら、捜索部隊は、他の山にも分け入って魔物?を探してきている。確かに、裏山だけが安全でも意味がない。救える命が散らされるのは…
続きを読む2021/10/01
【第一章 ギミックハウス】第二十九話 帝国
俺の討伐部隊が攻め込んできてから、3ヶ月が経過した。 魔王城(仮称)は、今日も平和だ。 帝国からは、奴隷と関係者が、200名ほど連れられてきた。同時に、違法奴隷を扱っていた商人や貴族も連れられてきた。”好きにしてよい”と言われた。元奴隷たちに聞いたら、殺したいほど憎んでいる。 父親を、母親を、家族を殺された。 妻を目の前で犯された。 恋人を殺された。 子供を殺された。 攻め込んできている者たちの中に、獣人や多種族を奴隷にするために、町や村を襲っていた者が居た。しかし、奴隷たちは、商人や貴族た…
続きを読む2021/09/30
【第一章 スライム生活】第二十八話 本当の密談
本題だと言って渡された資料に目を落とした孔明と蒼だが、最初の数ページを読んで頭を抱えだした。 常識派だと言ってもいい孔明は解るが、破天荒な性格をしていて、破滅主義な蒼まで資料に書かれている内容には眉を顰める。 「おい。円香?」 「なんだ?」 蒼は、資料を引きつった表情で丸めて、テーブルを叩いている。 「気に食わないか?」 「違う!円香!この情報は正しいのか?違うな、どこから持ってきた!」 蒼は激高して立ち上がる。 孔明は、二人のやり取りを眺めているが、明らかに円香を睨んでいる。 「ふたりとも、少し…
続きを読む2021/09/30
【第一章 ギミックハウス】第二十八話 【帝国】魔王の所業
陛下からの呼び出しだ。状況を報告しろとのことだ。 陛下と宰相に連絡をしたので、当然の反応だ。それも、他の予定を飛ばしての面会だ。 昨日の夕方に、ギルド職員と一緒に書状を提出した件に関してだ。 朝には、呼び出された。ギルドは、職員ではなく、ボイドと名乗った、隊員と一緒に戻ってきた者が、会議室に呼ばれている。 会議室に入ると、ギルドのボイドは既に着ていた。 陛下に臣下の礼をしてから、指示された椅子に座る。 「ティモン!本当なのか?」 陛下から、想像していたのとは違う質問が来る。 陛下が聞きたいの…
続きを読む2021/09/29
【第一章 スライム生活】第二十七話 あらいぐま
よし、今日は裏山の探索を行おう。 先日から、魔石の増え方が遅くなった。すごく嬉しい。魔石は命だ(多分)。小さいかもしれないが、一つ一つが大切な命だ(多分)。 (おはよう。パロット) ”にゃ!” うん。 挨拶が帰ってくるのは嬉しい。言葉が通じたら、もっと嬉しいのだけど、出来ないものは、考えても無駄だ。今、意思の疎通が可能になったことを喜ぼう。 外の巣箱には、カーディナルもアドニスも揃っている。 昼間だから、お願いするのなら、カーディナルがいいかな? (カーディナル!) 私の呼びかけに、カーディナ…
続きを読む2021/09/29
【第一章 ギミックハウス】第二十七話 魔王の所業
さて、そろそろ不快感が上回ってきた。 今、セバスと一緒に魔王城(仮称)で、武器や防具を持っていた者たちの話を聞いている。 話の内容は、速報として俺のところに届けられるが、気分が悪くなってくる。 「ルブラン!」 どうやら、奴隷たちは、無理やり戦いに参加させられたのは間違いないようだ。 村を襲われて、家族の命と引き換えに奴隷になった者や、目の前で家族を惨殺されて、心が折れてしまって奴隷になった者も居る。 「はっ」 奴隷の前で、セバスが俺に対して頭を下げる。 セバスやモミジからの助言だ。魔王城(仮称…
続きを読む2021/09/28
【第一章 スライム生活】第二十六話 密談開始
停泊しているクルーザーに近づく、甲板を見ると見知った顔が手を振っている。 「孔明!」 「円香。俺の名前は、孔明(よしあき)だ」 「おっしっかりと、蒼(あおい)を連れてきてくれたようだな」 円香は、俺の話しをスルーして、上村を見つけて、にこやかに話しかける。円香が載っているクルーザーは俺たちが載ってきたクルーザーよりも、1.5倍ほど大きな船だ。上村が横付けして、円香たちのクルーザーに乗り込む。 「円香。こんな面倒なことをしなくても・・・」 「悪いな。でも、問題が多すぎて、孔明のところでは話せないだろう?私…
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