魔法の世界でプログラムの記事一覧
2021/03/26
【第四章 ダンジョン・プログラム】第十四話 エヴァとギルと・・・
「エヴァ!」 「あ!ギルベルト様」 「辞めてくれよ。友達の嫁さんに、”様”付けされると、気持ちが落ち着かない。”ギル”で頼む」 一気に言い切るが、エヴァの顔色が赤くなっていくのがわかる。 アルノルトの”嫁”と言われるのは慣れないようだ。実感が無いだけかもしれないが、俺たちの中では既定路線だ。 「いえ・・・。そうですね。ギルさん」 「まだ、昔のクセが抜けないな。そうだ!エヴァ。奴から、手紙と贈り物を預かってきた」 「え?」 エヴァは、すでに”聖女”と呼ばれている。 回復だけではなく、アンデット系の魔物…
続きを読む2021/02/24
【第四章 ダンジョン・プログラム】第十三話 ユリウスの覚悟
「クリス。カルラからの報告書が届いたのか?」 「えぇギルベルト様の商会が届けてくれました」 「それで?アルは?」 俺は、アルノルトに勝つためなら、皇太孫の地位なぞ妹に譲り渡しても良いと思っている。 期待されているのは解っている。だが、俺は・・・。 「ユリウス様?」 「すまん。バカの顔を思い出していただけだ」 「そうですか・・・。カルラからの報告では、アルノルト様は共和国に行くつもりのようです」 「それは聞いた。他にも何か有るのだろう?」 カルラからの報告は、”孤児”や”農民”に関しての”噂”だ。 「孤…
続きを読む2021/02/19
【第四章 ダンジョン・プログラム】第十二話 カルラからの報告.2
アルバンとエイダが、”地上に出る”ことにしたようだ。 エイダの新装備を軽く試すのが主題だ。それと、外に居る魔物を倒して、新装備の長子を確かめてくることになった。4-5日の予定だと報告された。ついでに、共和国への遠征に伴う準備の状況を確認してくるように指示を出した。 カルラもアルバンとエイダについていってホームの様子を見てくると言っていた。 久しぶりに、2-3日は1人で過ごすことになった。食事は、ヒューマノイドたちが準備をしてくれる。 訓練所の難易度を上げて、魔法や武器の調整に時間を使う。 カルラ…
続きを読む2021/01/31
【第四章 ダンジョン・プログラム】第十一話 エイダの新しい装備?
返事をすると、アルがエイダを抱きかかえて入ってきた。 「兄ちゃん!カルラ姉?」 「どうした?」 用事があるのは、エイダのようだ。 アルの腕から、飛び降りて俺の前までエイダが歩いてきた。 『旦那様』 「エイダ。いろいろ呼び名が変わっているけど、結局、”旦那様”にするのか?エイダの見た目なら、マスターとかがいいと思うけど?」 『それなら、マスター』 「なんだ?」 『アルバンと、ダンジョンの外に出ました。半日・・・。正確には、8時間ほど魔力の供給を受けられない状況で稼働しました』 「大丈夫なようだな」 『は…
続きを読む2021/01/16
【第四章 ダンジョン・プログラム】第十話 カルラからの報告.1
カルラが地上から戻ってきた。俺に報告があるようだ。ギルドの事は、皆にまかせてしまっている。もうしわけなく思えてくるが、彼らならダンジョンに関わる問題が発生していない限り、対処は可能だろう。 執務室代わりに使っている部屋で、カルラから外の様子を聞きながら報告を聞く。 カルラからの報告は、報告書になっている物と、口頭での報告があると言われた。 「まずは、報告書を頼む」 「はい」 カルラは、渡している書類ケース(容量は増量済み)から、書類の束を出す。 「え?これ?」 「はい。報告書と一緒に、提案書や要望書…
続きを読む2021/01/14
【第四章 ダンジョン・プログラム】第九話 避難訓練
カルラとアルバンとエイダは、俺が出した条件をクリアした。 ギリギリだったようだが、クリアしたのだから、共和国に一緒に行く。 「カルラ。移動手段の準備は?」 「はい。馬車の手配をしています」 「解った。ダンジョンの設定を変えられる魔法(プログラム)を作るから、1週間くらいは自由にしてくれ」 「かしこまりました。アルバンは?」 「おいら?」 「そうだな。エイダにウーレンフートの街を案内してやってくれ、エイダはアルと一緒に街に出て、ダンジョンの外での活動を確認してくれ」 「うん!」「わかりました」 「俺は、奥…
続きを読む2021/01/01
【第四章 ダンジョン・プログラム】第八話 DEAREST
兄ちゃんは、俺と姉ちゃんに、一緒に行くための条件(試練)を出してきた。 俺と姉ちゃんは、一緒に行けるものだと思っていた。姉ちゃんは、兄ちゃんと一緒に居なければならないので、出された条件(試練)をクリアするために頑張った。 「アル!」 カルラ姉ちゃんから、指示が出る。 俺が魔物に一撃を加えろというのだろう。だけど、今、使っている武器は一撃ではなく、相手を弱らせて、手数で勝負を有利にすすめるための武器だ。 「解っている!エイダ!」 エイダなら、姉ちゃんからの指示も聞いていて、俺と武器に付与魔法を使って…
続きを読む2020/11/13
【第四章 ダンジョン・プログラム】第七話 ダンジョンが変わった?
ホームのマスターになり、ホームの改革を行い。ホームの旗頭になっていた、シンイチ・アル・マナベがダンジョンに潜ってから1ヶ月以上が経過している。 マスターであるシンイチ・アル・マナベの秘書のカルラがダンジョンから戻ってきて状況を伝えている。 ホームのメンバーたちは、カルラの報告を信じるしか無いが、シンイチ・アル・マナベからの直筆の指示やサインが書かれた書類が手渡されているために、それほど心配はしていない。 ダンジョンの攻略を行い始めたことは、アンチェやヤンチェだけではなく、ダーリオも自らがシンイチ・ア…
続きを読む2020/10/27
【第四章 ダンジョン・プログラム】第六話 カルラからの報告
「クリス!」 「はい。はい。カルラからの報告書が届いています」 「そうか!アルは無事なのだな!」 「アルノルト様が簡単に死ぬはずがありません。ユリウス様。落ち着いてください」 「俺は、落ち着いている。それよりも、アルは何をしている?戻ってくるのか?」 「はぁ・・・。ユリウス様。アルノルト様が、簡単にご自分で決めた道を破棄されるとお考えですか?」 「・・・。解った。報告には、なんと書かれている?」 クリスティーネは、カルラから送られてきた報告書を、ユリウスに渡した。 自分が読んで問題がないのは確認している…
続きを読む2020/10/18
【第四章 ダンジョン・プログラム】第五話 監視ソリューション
カルラとアルバンとエイダが最下層に挑戦している頃に、俺はダンジョンの監視ソリューションを完成させた。 監視は、それほど難しくは無かった。 プッシュで送られてくるダンジョンからのデータを受信できるポイントを設定して、表示するだけでよかった。よくある、動画を再生する方法と同じだ。 簡単に出来た。ダンジョンが動画を撮影していると仮定してネットワークを繋げてみた。カメラがネットワークカメラとして認識が出来た。 最初は、ネットワークカメラとして認識させた状態で開発を行った。 Motion JPEG のスト…
続きを読む2020/10/14
【第四章 ダンジョン・プログラム】第四話 開発!
「エイダ。カルラとアルバンは?」 「今は、レベル4に挑戦しております」 「そうか・・・」 俺と一緒にダンジョンに向かう条件として提示したのは、このダンジョンの階層主と同程度に調整した魔物の討伐だ。 レベル4というのは、40階層にいる魔物たちを倒している最中だということだ。 正直な話をすれば、少しだけ驚いている。 「マスター」 「あぁ」 俺の手が止まっているのをエイダが注意した。 俺は、プログラムを作っている。エイダのバージョンアップだ。エイダは、新しいプログラムがないと固定された状態から解放されな…
続きを読む2020/10/08
【第四章 ダンジョン・プログラム】第三話 ヒューマノイドベア?
「兄ちゃん!」 「アルか?どうした?」 「今日は、どうするの?カルラ姉から”聞いてこい”と言われた!」 言葉遣いを、カルラから注意されていたが、アルバンの言葉遣いは矯正できていない。俺も、別に気にしないのだが、カルラが最低限の言葉遣いは身につけるべきだと言い続けている。 「あ!そうだ、エイダを連れてくるから、カルラと食堂で待っていてくれ」 「え?新しい、ヒューマノイド?」 「あぁ違・・・。わないけど、違う」 「うん。わからないけど、わかった!」 一度、エイダを連れに戻った。 以前は、部屋から出られなか…
続きを読む2020/09/30
【第四章 ダンジョン・プログラム】第二話 エイダ
カルラは、3日後に戻ってきた。 報告を提出して、逃げるように帰ってきたと話してくれた。どうやら、俺が感じているクリスの印象と、カルラが思っている上司としてのクリスは同じベクトルのようだ。最下層の報告を出したので、長く逗まっていると、間違いなく呼び出されるか、詳しい話を聞きにウーレンフートまで来ると考えたようだ。俺も、同意見だ。カルラが逃げるように最下層に戻ってきてくれた。クリスに捕まってしまう可能性は低いとは思うが、 カルラが、地上で報告をしている最中に、アルバンと俺で、訓練場の構築を行った。最下層の…
続きを読む2020/09/25
【第四章 ダンジョン・プログラム】第一話 地下で
「マナベ様?」 カルラが困惑した表情で質問してくる。アルバンは、周りを眺めているが、壁を触って”すげぇ”と騒いでいる。 「とりあえず、二人共、問題はなさそうだな」 「にいちゃん!ここは?」 「ダンジョンの最下層。ボスを倒した後の通路だ。戻ると、ボスの部屋だ」 「本当!」 アルバンは、後ろの扉を開けようとする。カルラが止めようとするが、既に扉に手をかけている。 「アルバン!」 カルラが慌てる。当然だ。 ダンジョンの最下層。それも、ボスの部屋に通じる扉を開けようとしているのだ。 「え?あれ?開かない」 …
続きを読む2020/09/09
【第三章 ダンジョン攻略】第七十九話 地下へ
最下層の話を除いて、説明を終えた所で、カルラは資料をまとめたいと言い出した。 「わかった。どのくらいの時間が必要だ?」 「一日・・・。いや、10時間ほどでまとめます」 「ホームへの資料と、どっかの辺境伯の娘に出す資料だろう?しっかりとまとめてくれ」 「・・・」 「明日一日を資料の作成に使ってくれ、俺はこの部屋で休んでいる。質問があれば訪ねてきてくれ」 カルラはびっくりした表情をするが、慌てて表情を戻して、頭を下げる。 アルも、慌てて頭を下げてから部屋を出ていった。 残されたメイドに、寝られる場所の確…
続きを読む2020/09/05
【第三章 ダンジョン攻略】第七十八話 地上で
転移してきたのは、他の階層から戻ってくる時の同じ場所だ。 周りには誰も居なかった。もしかしたら、深夜帯なのかもしれない。24時間で待機はしているのだが、深夜は冒険者の動きも少ないので、監視員の数が少なくなっている。 カードを示して、外に出る。周りは暗くまだ夜の時間帯だが、東の空が朝焼けに染まりつつ有るので、日の出が近いのかもしれない。 ホームには向かわずに、そのまま、街の外に作った、村に向かう。 村はすでに動き出している。鍛冶職が多いので、昼夜の区別をしないで人が動いている。それに生活スタイルが合…
続きを読む2020/09/02
【第三章 ダンジョン攻略】第七十七話 地上へ
「アイ。最下層に流れ着いた魔道具はどこにある?」 ”こっちです” AI(アイ)に連れられて入った部屋は、機材が雑多に置かれている場所だ。ハーフラックらしき物が見える。 「アイ。この部屋に出現するのか?」 ”違います。この奥の部屋で、魔道具が出たら、この部屋に置いていきます” 「移動は、アイが?」 ”いえ・・・。ほら、出てきました” そうだよな。 ここはダンジョンで、魔物に指示を出すことも可能なのだろう。 「ゴブリン。いや、ホブゴブリンか?」 ”違います。ヒューマノイド・ゴブリンです。博士がお作りになら…
続きを読む2020/08/30
【第三章 ダンジョン攻略】第七十六話 イヴァンタール博士
四枚目を読み始める。 イヴァンタール博士は、やはり、AI(アイ)を作ったのだと書かれている。身体は、人造人間(ホムンクルス)なのだと書かれている。人でない理由は、永遠に生きる理由を、”転生して来た魂を博士が無理やり押し込んだ”と信じ込ませるためだと書かれていた。他にも理由があるのだろうが、それ以外には書かれていない。 魔法生物は、俺が魔法で作る”龍”と似て非なるもののようだ。魔物の心臓と魔核を使って居るようだ。 そして、肝心の性格は”パソコンのAI”を埋め込んだと書かれている。記憶が出来て、教えた通…
続きを読む2020/08/30
【第三章 ダンジョン攻略】第七十五話 懐かしの匂い
目に入ってきたのが”馴染みのある”光だ。蛍光灯だ。LEDではなく、白色灯だ。電気も無いのに、白色灯が灯るわけがない。地球に繋がっているのか? 部屋に足を踏み入れる。 俺が使っていた地下室に似ているが、決定的に違うのは、壁一面に大小様々なディスプレイが配置されている。正直に言おう、憧れる。 中央には、ディスプレイを3枚並べた状態で配置されている。 事務机ではなく、この世界の標準的な机だ。キーボードもマウスも存在している。 近づいてみると、OSはよくわからない。コマンドラインのよう見える物もあれば、…
続きを読む2020/08/30
【第三章 ダンジョン攻略】第七十四話 攻略??
そして、扉には、何やら文字が書かれている。 「はぁ????なんで?」 扉には、”なぞなぞ”が、”日本語”で書かれていた。 『樽を3つ持っている人の履物はなに?』 本当に、”なぞなぞ”だ。それも、日本語で書かれている。 ダンジョンに日本語が書かれているのもわからないけど、”なぞなぞ”が書かれているのも意味がわからない。 答えの入力は、下の入力パッドにするようだ。 答えは、”さんだる”だと思うけど、”ひらがな”なのか、”カタカナ”なのか、一回だけなのか、複数回なのか、それもわからない。 駄目なら駄…
続きを読む2020/08/30
【第三章 ダンジョン攻略】第七十三話 ダンジョン?
最下層は、不思議な感じがする。 魔物は一体だけのようだ。 最下層は一本道だ。扉の先には、お約束では、ドラゴン種でも居るのだろう。 5分くらい通路を歩くが何も出てこない。探索を行っても、何も無いのが解っている。意地が悪いゲームだと最下層の一本道に隠し扉があって、貴重なアイテムが隠されていたりする。隠し通路から、裏ボスに繋がっていたゲームもあった。 扉の前に到着した。 結局、魔物は出てこなかった。セーフエリアではないが、魔物が出現しないようになっているのか? 扉の前でゆっくりと身体と心を休めてから…
続きを読む2020/08/30
【第三章 ダンジョン攻略】第七十二話 最下層
30階層の階層主を倒して、ユリウスとクリスとギルと別れた。 これからは、一人での戦いになる。 気を引き締めて、階段を降りる。 後ろで光っていた、魔法陣の光が消えた。3人が地上に戻ったのだろう。 「・・・」 階段を降りると、そこは草原になっていた。 草原はセーフエリアが存在しない。一人で単独踏破は骨が折れる。 「聞いていた話と違う。31階層は、まだ洞窟のはずだ。変異したのか?」 独り言になってしまっているが、不安な気持ちは誤魔化せない。 立っていても何もならない。 進んでみるか・・・。 &#…
続きを読む2020/08/30
【第三章 ダンジョン攻略】第七十一話 階層主。そして・・・
「アル。もういいのか?」 「大丈夫だ。ユリウスは怖かったら帰っていいからな。ギルが素材を持って帰れば、俺が討伐した証明になるだろう?」 「おま」「ユリウス様。アルノルト様のおっしゃっている内容は、一考する価値があります。ユリウス様が自ら確認なさらずとも・・・」 「クリス。俺が決めたことだ。アルと俺の”差”を確認する」 「わかりました。アルノルト様。もうしわけありませんが、よろしくお願いいたします」 「わかった」 階層主の部屋の前に来ている。 30階層の階層主は少しだけ特殊だと聞いている。強さは同じなのだ…
続きを読む2020/08/30
【第三章 ダンジョン攻略】第七十話 情報交換
30階層のセーフエリアまで無傷で到着できた。 振り返って、3人の顔を見ると少しだけ複雑な顔をしていた。 「アル?」 「どうした、ユリウス?」 「どうした!?お前!」 クリスが、ユリウスをなだめている。 「マナベ様。いえ、アルノルト様」 「クリス。どちらでもいいよ。それで?何かおかしかったか?」 「はい。アルノルト様。ユリウス様が言いたいのは・・・」 クリスに説明されて納得した。 俺が30階層のセーフエリアに来るまでに、魔法を使わなかったことを聞きたかった・・・。らしい。 ユリウス。”アル?”だけ…
続きを読む2020/08/30
【第三章 ダンジョン攻略】第六十九話 攻略開始?
「旦那様。本当に、一人で行かれるのですか?」 「それが条件だからな」 セバスとサルラから、報告を聞いて問題はないと判断した。 俺の力を見て安心したいのだろう。先方も、待ち合わせの場所を直前に変えてきた。俺が単独で動いていると確信しているのだろう。 「マスター。俺も、セバスと同じ意見です。皇太孫と婚約者は信用できるとしても・・・。だからこそ、マスターと一緒に殺してしまおうと思っている連中には、最高のチャンスだと思います」 「俺もそう思う」 「旦那様。なぜ!」 「セバスと、サルラと、ダーリオを、二人よりも信…
続きを読む