魔法の世界でプログラムの記事一覧

2022/05/18

【第五章 共和国】第二十五話 出発

カルラとシャープが忙しく動き始める。 カルラは商隊と、シャープは反村長派と連絡を取るためだ。カルラは、わざと影からの連絡を受けているように見せかけている。町の中で連絡を受けたり、町から少しだけ離れた場所で連絡を受けたり、見張られている事を意識しながら、動いている。村長たちは、カルラや俺たちに気が付かれていないと思っているようだが、訓練を受けていない者の尾行だ。中途半端な尾行を見破れないほど、落ちぶれていない。 シャープはもっと露骨だ。 町長の娘婿の家に出向いて、こちらが掴んでいる情報を流している。そして、今…

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2022/05/10

【第五章 共和国】第二十四話 急報?

地上に戻って、”町(村)”まで戻った。 「ツクモ様」 カルラが、宿で待っていた。 カルラの誘導に従って、宿から場所を町(村)の外れに移動した。アルバンは、カルラから荷物を渡されて、馬車に片づけるために、席を外した。 カルラの険しい表情と、わざわざ場所を移動した意味を考えると、何かよくない知らせが入ったのだろう。 「何があった?」 でも、本当によくない知らせが入ったのなら、クォート経由でエイダが受け取って、俺に知らせても良かったはずだ。 緊急性は低いが、重大な事案なのかもしれない。 日本人だった頃の記憶が薄れ…

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2022/05/02

【第五章 共和国】第二十三話 帰還

アルバンの宣言通りに、首を切り落とされたレッサーベヒーモスは、崩れ落ちる。 「兄ちゃん!」 アルが俺に向かって駆け寄ってくる。褒めて欲しいのだろう。 「よくやった」 「うん!」 「アル。使った剣を見せてみろ」 「え?剣?」 「あぁ無理していないか?」 アルバンは、素直に剣を俺に見せる。 俺も、剣の良し悪しはある程度は認識できる。簡単なメンテナンスはできる。アルバンの剣は、砥ぎが必要な状態に見える。本格的なチェックが必要な状況には見えないが、芯が歪んで居ると砥いだ時に解るらしい。 「アル。剣を砥ぐぞ。地上に戻…

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2022/04/27

【第五章 共和国】第二十二話 ボス戦

最下層に降りてきて感じたのは、ウーレンフートの最下層と違うということだけだ。 本当に最下層なのか疑問はあるが、それは自分の感覚を信じる。 そして・・・。 「エイダ!」 『最下層です』 エイダが断言したのだから、最下層なのだろう。 ここで、今まで作っていたプログラム(魔法)を試してみる。 W-ZERO3を起動して、準備していたプログラムを起動する。 探索を行うプログラムだが、確かにこの階層から下に降りる階段は見つけられない。扉で塞がれた場所も、空気(魔素?)が入り込めれば探索ができる。やっと完成した魔法だ。ま…

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2022/04/20

【第五章 共和国】第二十一話 悪夢

おいらは知っている。 兄ちゃんは、ダンジョンに潜ったり、おいらたちと雑魚寝したり、剣を持って戦わなくてもいい人だ。 王国に住む人なら、赤子以外なら聞いた事がある。ライムバッハ。 それが、本来・・・。名乗るべき家名だ。王国の辺境伯の跡継ぎだった。難しい事はわからないけど、兄ちゃんは目的があって、辺境伯の名前を外して活動している。 兄ちゃんの朝は早い。 寝ている時間は、誰よりも短い。おいらの半分くらいだとカルラ姉ちゃんが言っていた。 おいらは・・・。違う。カルラ姉ちゃんも知っている。 兄ちゃんは、よく魘される。…

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2022/04/03

【第五章 共和国】第二十話 最下層

W-ZERO3はしっかりと役割を果たしている。プログラムの最終確認をして、アルバンとエイダにも協力してもらった。 空気の膜を作って、俺たちを包んでいる。 割れる様子もない。 これなら、水の中でも大丈夫だ。エイダに外側からスキルで攻撃をさせてみたが、結界に阻まれて、空気の膜は保った状態をキープできている。 アルバンには、物理攻撃を加えさせたが、10回程度の攻撃では問題はなかった。 さすがに、アルバンとエイダの連携では結界が弾けた。 空気の膜だけになってしまうと、スキルでも攻撃でも、膜に触れてしまえば、膜は弾け…

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2022/03/24

【第五章 共和国】第十九話 攻略中?

「ナベ!」 「ΑД‡ο∝ξ∝с」 「しっかりしろよ」 「♭р∝Г∝Ё∝Φ∝Э∝σ∝ж」 「それならいい。お前を名指しで来ている。指名だぞ」 「∝О∝Φ∝О∝Φ∽≧∝χ∝к∝Ж∽′」 「それで?お前、本当に解っているのか?俺のボーナスがかかっているのだぞ!」 「∝Ч∝Ω∝χ∝и∝в∝ΣΔёΘР∝Ж∝σ∝М∽≧∝Ж∝б∽≦♭ο∝К∝О♪Ч‡○∝Й∝Φ∝Ж∝σ∝ж∽≧」 「関係ないって・・・。まぁいい。案件を奪うぞ!」 「∝О∝Φ∝О∝Φ」 — 懐かしい情景の夢を見た。 俺が話している言葉は、どこの言…

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2022/02/26

【第五章 共和国】第十八話 攻略中

 アルバンとダンジョンに入った。  草原フロアと言ってもいい場所で、眠った。  大丈夫だ。覚えている。  起きてから、探索を再開したが、このフロアは広い。  本当に広い。帰りたくなるが、変える方向も解らなくなっている。  俺とアルバンだけでは厳しい状況だけど、魔物は適度に現れるし、修練にはちょうどいい。難易度は低いけど、縛りを付けた戦闘には丁度良かった。  戦闘訓練にはなっている。  ただ、同じような魔物ばかりで飽き始めているのが問題だ。 「兄ちゃん」 「アル。言うな。俺も飽きてきている」 「そうだよね。ゴ…

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2022/02/19

【第五章 共和国】第十七話 攻略開始

 アルバンとダンジョンに向かっている。  道中に現れた獣は無視した。  盗賊たちが使っていると思われる拠点を発見したが、すでに使われなくなっているようなので、燃やして、穴を掘って埋めておいた。新しい盗賊が住みついたり、魔物の巣になったり、何かの拠点に使われるのは俺が望む未来ではない。 「アル。悪いな」 「いいよ。兄ちゃん。これも大事なことだよね」 「あぁ新しい盗賊が住みついたら、町は大変な目にあう」 「うん」 「それに、この前のようなゴブリンが住みついても厄介だろう?」 「そうだね。おいらの最初の村も・・・…

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2022/02/09

【第五章 共和国】第十六話 準備

 アルバンの武器を作った。  結局、投げナイフは諦めた。作成は可能だったが、単価があまりにも高くなってしまう。同じ単価なら、違う武器を作ったほうがいい。  アルバンに、戯れで作った多節棍を見せた所、何が気に入ったのか解らないが。多節棍を主武器に変更すると言い出した。  武器として考えると取り扱いは難しいが、難しい部分は、プログラム(魔法)の補助を組み込むことで対処を行った。複雑な動きは、アルバンの訓練が必要になってしまったが、プログラム(魔法)の補助を得て、アルバンの思い通りに動かすことができた。  単価で…

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2022/02/02

【第五章 共和国】第十五話 予感

 ふぅ・・・。  落ち着いて考えよう。  アルバンが言うように、ダンジョンの中には”魔物”しか存在しない。  言葉を使わないからだ。理解はできるが納得は難しい。言葉という曖昧な理由ではなく、もっと違う理由があるはずだ。 「なぁアル」 「何?」 「ダンジョンで、魔物を倒す時には、魔核を得るよな?」 「うん」 「動物や魔族では、魔核は得られるのか?」 「え?考えたことがなかった。動物は、多分、ないと思う。解体する時に、魔核を見たことがない。魔族は解らない。そういえば、燃やしてしまうよね?」 「そうだな」  魔核…

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2022/01/25

【第五章 共和国】第十四話 散歩

 アルバンと、町から出て森に向かう。  最初は、クォートかシャープが付いてくると言っていたが、二人には俺とアルバンが町に居るように偽装してもらうために、残ってもらった。  カルラは、町から離れることを印象付けるように出て行った。他の町に、物資の調達をするためという理由だ。そのために、馬車と一緒に旅立った。俺たちが残った理由は、『一緒に商売を行う商隊が遅れていて、待っている』ことにした。  間違っていないが、突っ込まれると困る言い訳だ。  だが、町長夫妻だけでなく、町民は誰も突っ込んでこなかった。  町にお金…

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2022/01/19

【第五章 共和国】第十三話 休養

 ウーレンフートからの補給物資が届くまで、休養にあてる事にした。 「旦那様」  カルラが部屋に入ってきて、頭を下げる。  何か用事ができたのか?  休養にあてるようには伝えてあるはずだ。 「どうした?」  カルラは、書類を手に持っている。  報告書なのだろうか?  昨日の段階で、前回までの報告書と、クリスからの返答を貰った。問題になるような記述は無かった。近況報告のようになっていただけだ。皇太孫だけが、わがままを言っているようだが、そこはクリスに頑張ってもらおう。共和国に、皇太孫が身分を隠してでも来られるわ…

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2022/01/09

【第五章 共和国】第十二話 増援

 朝になって、シャープが朝食の用意を始めている。  落ち着く為に、飲み物だけを頼んだ。朝には、コーヒーを飲んでいたが、紅茶を飲むのが多くなった。  紅茶を飲んでいると、アルバンが部屋に入ってきた。 「兄ちゃん!おはよう!」  アルバンの声が頭に響く。 「もうすぐ、朝食だ。アルも食べるだろう?」 「うん!でも、兄ちゃん!おいらも、エイダたちと戦いたかった」  アルバンの分の紅茶が置かれる。朝食まで、ここで待っていて欲しいという意味なのだろう。  カルラもだけど、アルバンは探索や御者以外の能力が欠如しているのか…

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2021/12/31

【第五章 共和国】第十一話 予想外

 町長や、監視している連中が動くかと思ったが、最初に状況が動いたのは、魔物の討伐に向かったエイダたちだった。 『マスター』  夜明けに近い時間帯に、パスカルから連絡が入った。 『どうした?』 『はい。エイダが魔物との戦闘に入ります』  魔物? 『ゴブリンの集団か?』  報告は聞いている。村から少しだけ移動した所に、ゴブリンの集団がいる。エイダが、討伐に向かった。 『いえ、オーガに率いられた、魔物の集団です』 『オーガ?』  パスカルが情報を整理してくれている。  当初、エイダたちが向かった場所には、ゴブリン…

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2021/12/04

【第五章 共和国】第十話 前準備

 婦人が頭を下げて、離れから出ていく。 「カルラ。どう思う?」 「問題の解決は難しいと思います」  そうだよな。  この町の問題は、隣町のダンジョンだけが問題ではない。根本的には、”共和国の無策”に繋がっていくのはわかっている。だからこそ、俺たちに何かができるわけではない。  盗賊団を壊滅させることはできるだろう。  しかし、盗賊団が産まれる原因を排除することはできそうもない。俺たちが、この町や周辺の領主にでもなれるのなら、本腰を入れて考えるのだが、俺たちは”商人”でしかない。もっと、本質的なことを言えば、…

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2021/11/23

【第五章 共和国】第九話 事情と情報

 アルが戻ってくるのを待っていると、アルではなくカルラが戻ってきた。 「旦那様」 「宿は見つかった?」 「はい。私たち以外は、町を訪れる者が居ないようです」 「そうか・・・。それで?」 「はい。宿の店主・・・。町長が言うには・・・」  カルラの話は、シャープが聞いてきた話と同じだ。 「よく宿屋が営業していたな」 「町長を兼ねているらしく、宿屋を閉じると、泊まる場所がなくなるので、営業をしていると言っていました」 「わかった。それで、アルは?」 「エイダと、馬車を見ています」 「ん?あぁそうか、人手が足りない…

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2021/11/03

【第五章 共和国】第八話 アルトワ町?え?

 うーん。  町?  確かに、入り口に掲げられている看板には、”アルトワ町”と書かれている。  自称”町”が正しいように思える。うん。村だな。村でも誇大呼称に思える。集落?廃村?いろいろ、マイナスのイメージが浮かんでくる。 「カルラ。アルと一緒に、宿屋を頼む」 「かしこまりました。アルバン。行きますよ」 「うん!」 「カルラ様。アルバン様。お待ち下さい」  クォートが二人を止めた。  アルは、もう駆け出しそうになっていて、急にストップをかけた車のようにターンを決めている。 「なに?」 「馬車も一緒にお願いい…

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2021/10/22

【第五章 共和国】第七話 共和国

 共和国に入った。  俺たちは、共和国側で注意を受けた。  どうやら、共和国に初めて来る者たちに、注意として共和国の説明をしてくれているようだ。  小さな国が集まって、作った合議制の集まりだったのだが、今では合議制は形だけになってしまっている。野心を持つ3つの国が理由を付けて、周りの国を併呑していった。共和国という形が残ったのは、王国や帝国に対抗するためだ。  現状の説明は、既にカルラ経由で受けている。注意を聞き流すわけにはいかない。拝聴していたが、どうでもいいことまでクドクドと説明をしてくる。一緒に、注意…

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2021/09/16

【第五章 共和国】第六話 検閲

「旦那様。お休みください」  クォートが、食事の後片付けをしながら、俺に馬車の中に入っていて欲しいようだ。 「後は任せる」 「はい。シャープは、旦那様のお手伝いをお願いします」 「かしこまりました」  俺が立ち上がると同時に、シャープも立ち上がる。  カルラは、クォートの近くに移動して、何やら話し始める。  馬車に戻ると、シャープが話しかけてきた。 「旦那様。騒がしくして、もうしわけありません」 「襲撃か?」 「おそらく」  俺たちの周りの馬車が片付けをして、国境から遠ざかるように離れた。それでも、気にしな…

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2021/09/10

【第五章 共和国】第五話 原因

 御者台に座っていたクォートが、俺の所まで来た。 「旦那様。本日は、このまま野営になると思います」  他の馬車も、野営の準備を始めている。馬車の前後に空間があるが、馬車を道と垂直になるように移動するのが、この辺りのマナーのようだ。 「シャープ」 「はい」 「数名で動いている行商人に、野営時のマナーを聞いてきてくれ、付け届けにホワイトベアーの牙を渡してみてくれ、あと、行商人と交渉して、荷物を売ってくれるのなら、買い取ってきてくれ」 「かしこまりました」  シャープが、ホワイトベアーの牙を持って、野営の準備を始…

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2021/08/30

【第五章 共和国】第四話 関所

 馬車は、クォートが御者台に座って、アルバンとエイダが座る。  実質的には、エイダが御者台から、ユニコーンとバイコーンに指示を出している。  御者台から、俺に声がかかる。 「旦那様」 「何かあったのか?」 「いえ、ユニコーンとバイコーンに、幻惑のスキルを使用させてよろしいでしょうか?」 「え?いつ、そんなスキルを?」 「先程、確認いたしました」 「ほぉ・・・」  ユニコーンとバイコーンを見ると、スキルが増えている。  ヒューマノイドタイプでも戦闘を行うと、スキルが芽生えるのは大きな収穫だな。エイダは特殊な産…

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2021/08/23

【第五章 共和国】第三話 野営と

「マナベ様」 「カルラ。これからは、”旦那様”と呼んでくれ、共和国では、ライムバッハ家は名乗らない。商家の人間だと振る舞う。マナベ商会の旦那として活動する。お前は、商会の人間として振る舞ってくれ」 「・・・。かしこまりました。旦那様」  共和国に入る前に、確認しなければならないこともあるし、さっさと襲撃者の情報を共有しておくか・・・。 「襲撃者は?」 「尋問(拷問)をしましたが・・・」 「どうした?」  カルラが、拷問(尋問)して聞き出した情報は、俺たちが考えた想定とは大きく食い違っていた。 「それじゃ、襲…

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2021/08/11

【第五章 共和国】第二話 賊

 俺の合図で、シャープが賊に向かう。カルラは、距離を考えて、一拍の空白を入れてから、指揮官らしき者に向かう。  ユニコーンとバイコーンは、柵を乗り越えて、賊を挟むような位置に移動していた。  戦闘が始まると思ったが・・・。  確かに、戦闘が始まったが、すぐに終わった。  シャープは、4人を瞬殺している。命令通りに、殺してはいない。ユニコーンとパイコーンも、左右からスキルを発動して無力化に成功している。  カルラは、正面から近づいていきなり加速して、背後に回って、首筋を痛打して終わりだ。  戦力的に、過剰だっ…

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2021/07/31

【第五章 共和国】第一話 出国の前に・・・

「兄ちゃん!」  御者台に座っているアルが、中につながる窓を開けて、俺を呼んでいる。  結局、人が居ない場所では、アルとエイダが御者台に座っている。執事とメイドは、—それぞれ”クォート”と”シャープ”と名前を与えた—俺の世話をすることになった。特に、クォートは執事なので、俺が”成そうとしている”内容を説明した。基礎知識は十分ある上に、ダンジョンと繋がっているために、情報の集約をしながら日々”感情”を学んでいる。学んでいるのは、”シャープ”も同じなのだが、シャープはカルラからメイドの振…

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