罠の記事一覧
2022/04/01
【第二章 ギルドと魔王】第二十七話 【連合国】ギルド
私は、連合国にあるギルドで働いている。 名前?それは、内緒でお願いします。 今、連合国のギルドは盛り上がっている。盛り上がっている理由は、情けない事に、中央部に産まれた新しい”魔王”のおかげだ。緩やかな衰退に向かっていたギルドだったのが、趨勢を見守る必要がなくなった。私の給金もしっかりと支払われるようになった。 以前から、ギルドの中は2つに分かれていた。変革派と温故派だ。変革派は、人族での運用をすすめる人たちで権力に近いところにいることが自慢だと思っている人たちだ。温故派は、獣人たちを含めて多種族での運用が…
続きを読む2022/03/14
【第二章 ギルドと魔王】第二十六話 平穏
連合国側に作った砦の機能は大丈夫だ。 最初はモニタリングをしていたが、セバスたちに任せてしまっている。最初に俺が設定したハウスは不評だった。やりすぎだと酷評だった。 連合国側に作った砦(ハウス)は、赤字にならなければいいと思っていたのだが、収支で言えば十分な黒字になっている。 新しく作った砦の鍵となる家は、連合国にあるギルドから、”ギミックハウス”とか呼ばれ始めているらしい。 攻略者への対応が、リポップする魔物で対処が十分だとは思わなかった。メルヒオールとか名乗った、神聖ギルドに寝返った奴が言っていたけど、…
続きを読む2022/03/07
【第二章 ギルドと魔王】第二十五話 【連合国】魔王
どういう事だ。 なぜ、新参の魔王があれほどの施設(魔王城)を!! 「誰か答えろ!」 俺が築き上げた、連合国という仕組みを使っても、攻略できない? 新参の魔王は、中央に位置する魔王領だ。攻略と同時に勢力を伸ばそうと考えていた。 前回は、帝国が攻略を行った。 やっと戦力が揃って、序列2-4位も戦力に数えられるようになってきた。やっと、これで、中央の魔王を討伐して、産まれたばかりの魔王を、味方(下僕)にできる。そう考えていて、実際に寸前までうまく行っていた。 帝国の阿保が、中途半端な戦力で討伐を・・・。”獣(獣人…
続きを読む2022/02/23
【第二章 ギルドと魔王】第二十四話 【新生ギルド】受付
私は、魔王様に助けられた。元奴隷です。現在はカプレカ島にあるギルドで受付の仕事をしています。名前は、魔王様から頂きました。名前は、秘密です。乙女の秘密としています。それに、大切な名前なので、仲間にしか教えていません。カプレカ島のギルドでは許可を得て偽名を使っています。 これは業務日誌のような日記です。 モミジ様からの指示で、受付は些細な事でもメモとして残して、報告を上げることになっています。新生ギルドのギルド長であるボイド様には、モミジ様が精査した報告が上がる仕組みです。出勤した時には、必ず書いている…
続きを読む2022/02/17
【第二章 ギルドと魔王】第二十三話 【カプレカ島】メア
私の名前は、魔王様から頂いた大切な物(名)だ。 奴隷だった私たちは、魔王様から名前だけではなく、命を含めてすべてを与えられた。だから、私たちの命は魔王様に捧げる。お目にかかったときに、私たちの覚悟を魔王様にお伝えした。でも、魔王様は笑いながら、”命は大事にしよう”と言われた。だから、私たちは皆で集まって相談した。 命を大事にする。大事な命に順番を付ける。一番は魔王様。次は、自分の命。そして同族、元奴隷たち。ルブラン様やカエデ様は、自分たちは考える必要はないとおっしゃった。だから、魔王様の御命を守るため…
続きを読む2022/02/09
【第二章 ギルドと魔王】第二十二話 【神聖国】ルドルフ
帝国の東側に位置して、政教一致体制国家。 聖王がトップとして君臨する。神聖国がある。 その神聖国のトップが、中央都市の中央に聳え立つ白亜の城の住人。聖王ルドルフだ。 聖王ルドルフは、自らを神の代弁者を名乗っている。 そんな、神の代弁者である聖王ルドルフは、豪奢な神殿の最上階に作られている。自らの居住地と定めた部屋で荒れていた。 「まだ捕えられないのか!」 ワインが並々と注がれているグラスを、目の前で頭を床に付けて恐縮している男に投げつける。 勢いで、ワインは魔物の皮で作られた絨毯を汚す。 グ…
続きを読む2022/01/31
【第二章 ギルドと魔王】第二十一話 【ギルド】ボイド
私たちは間違ったのだろうか?私たちは、間違っていない。笑顔で、遊ぶ子供たち。猫人族の少女と、エルフ族の男の子が、人族の女性と手を繋いで、買い物をしている。こんな風景は、この場所を除けば、もう一つしか知らない。 帝国も、この城塞町も、私たちのギルドも、発展している。間違いなく、いい方向に進んでいる。 城塞町は、魔王ルブランが設定した領域から出ないようにしている。名前が示すように、城塞で守られている。それでも、地方都市以上の人が生活している。私たちが夢見た。種族に捕らわれずに生活できる場所だ。獣人族と人族…
続きを読む2022/01/23
【第二章 ギルドと魔王】第二十話 ハウス
潜り込ませていた諜報部隊や城塞村のギルドから、連合国の情報がレポートとして上がってきた。 四天王たちに、敗れ去った連合国の”討伐軍”は、各国に逃げ帰った。 各国で事情は異なるが、参加した国では粛清の風が吹き荒れたようだ。嵐のようだと表現した諜報部隊も存在していた。 粛清が激しかったのは、序列2位のカルカダン国だ。 序列1位のエルプレ国から戦犯のような扱いをされてしまったからだ。エルプレ国も、デュ・ボアを失った損失は大きく、権力闘争に発展した。民衆からの突き上げも発生してしまった為に、目先をごまかす…
続きを読む2022/01/19
【第二章 ギルドと魔王】第十九話 新しい施設
会談が終わって、セバスが帰ってきた。 内容は、聞いていたので把握している。しかし、セバスからの報告を聞くのも、俺の役割だろう。 「マスター」 「いいよ。入ってきて」 「はい」 セバスが入ってくる。 ミアとヒアも付いてくるのかと思ったけど、どうやらセバスだけのようだ。 入口で二人に指示を出して、下がらせた。 「マスター。ギルドとの会談を行いました」 「聞いていたから大丈夫。それで、セバスはどうしたらいいと思う?」 「城塞村に本部を作ったギルドは、現状でよいと思います」 「そうだな。問題は、連合国のギ…
続きを読む2022/01/01
【第二章 ギルドと魔王】第十八話 会談
与えられたミッションは、ギルドとの会談を成功させることだ。 魔王様からは、指示を頂いていない。 島の運営と城塞村との関係は、任されている案件だ。 入ってきたのは、二名。報告にあった、ボイドとメルヒオールだろう。 メルヒオールが、連合国にあるギルド本部のギルド長を勤めていたのは把握ができている。ボイドは、うまく経歴を隠しているようだが、ギルドの暗部を取り仕切っていたのは把握ができている。 ヒアとメアがソファーに誘導する。カエデは、後ろで控える形にした。横に座るのは、メアとヒアだ。幹部として、城塞村…
続きを読む2021/12/04
【第二章 ギルドと魔王】第十七話 【ギルド】会談前
朝から・・・。いや、正確には3日前から、緊張してしまっている。 今までの会談とは、持っている意味が違う。メルヒオール様が控えているが、自分が全面に出なければならない。 魔王ルブランは、理知的な魔王だ。いきなり、激昂して我らを処断するような状況にはならないだろう。 今までの報告では、魔王ルブランは従者たちを愚弄した者や、自ら作り出した物を粗雑に扱った者には、厳罰をもって接しているが、自分自信への暴言には寛容な態度を示している。それが、苦言だとしたら、その者に褒美を取らせたこともある。 「ボイド。今から…
続きを読む2021/11/23
【第二章 ギルドと魔王】第十六話 【ギルド】城塞町
帝国の辺境地域にある城塞町に、一通の召喚状が届いた。 「ボイド。魔王ルブランからの召喚状だ」 部屋に入ってきた、メルヒオールは執務机に座っているボイドに投げかける。 メルヒオールは、新ギルドの相談役のような役割になっているが、現状では、城塞町の領主になっているティモンの所で食客のような立場になって、新ギルドと帝国を繋ぐ役割を担っている。 入ってきたのが、メルヒオールだとわかっても、ボイドは言葉遣いを変えない。 今のギルドは、ボイドがトップの体制になっている。前ギルドマスターであるメルヒオールでも敬…
続きを読む2021/11/17
【第二章 ギルドと魔王】第十五話 開戦
開戦? バチョウもカンウも連合国の背後に回っている。見つかったら、見つかったで、突撃を許可していた。わざと見つかるような愚かな行為はしなかった。しかし、連合国は、進軍するときに斥候を放たないのか? 確かに距離を開けていたが、苦もなく迂回が成功した。 うーん。 次に造る施設?アトラクションは、レベルを落としたほうがいいのか?こいつらだけが愚か者だと思いたい。アトラクションを楽しんでもらえる程度には知恵を持っていると嬉しい。 行軍が遅かった理由が、心の底からくだらないと言える理由だった。 ”奴隷の男…
続きを読む2021/11/06
【第二章 ギルドと魔王】第十四話 魔王は暇
「マイマスター。もうしわけありません」 「いいよ。セバス。見ていたから・・・。ふぅ・・・。連合国は何がしたいのかわからない。それに、あんなに弱いとは思わなかった」 モニターに映されるのは、監視罠(罠とつければ、何でも許されると思っている)から送られてきている映像だ。森の端に、監視用に設置している物だが、今は連合国からの侵略者を迎え撃つために使っている。 砦を築いていたのは、最初は5,000人程度だったので、モミジとカエデとナツメだけで戦ってみることになった。 バチョウとカンウの部隊編成が終わっていない…
続きを読む2021/11/05
【第二章 ギルドと魔王】第十三話 【連合国】
連合国は公称10万の兵で、魔王ルブランの討伐を掲げて、進軍を開始した。 総指揮は、序列1位の”エルプレ国”の騎士デュ・ボアがとっている。 連合国の序列4位の国オラブルから、出陣した公称10万の兵は、砦の構築を行うために先行した1万(公表した数字は5万)の奴隷兵を除いた。9万(実際には4万)の兵が、魔王ルブランの居城を目指している。各国から精鋭部隊(と言っている者たち)が参加している。足並みが揃うはずもなく、進軍速度は予想以上に遅い。 序列4位のオラブルから、魔王城までは通常行軍で5日ほどだが、倍の1…
続きを読む2021/11/04
【第二章 ギルドと魔王】第十二話 御前会議
憂鬱な気分になっている。 しばらくは、マイマスターと楽しい時間が過ごせていた。 書庫で読んだ本の内容を、マイマスターに質問する。マイマスターが解らなければ、また新しい本を取り出していただける。その一連の流れで、マイマスターと楽しい時間が過ごせた。 「ルブラン!」 あぁ”セバス”とは呼んでもらえない。モミジたちだけではなく、ヒアとメアも居るから”セバス”呼びが無理なのは理解している。でも・・・。 そして、ヒアはメアを気にしている。メアの目線は、マイマスターに注がれている。 「はい」 「攻めてきたのは…
続きを読む2021/11/03
【第二章 ギルドと魔王】第十一話 周辺国
「ティモン」 「陛下。御前に」 帝国の帝都にある。高級な宿屋の一室だ。7番隊の隊長であった、ティモンが、一人の男性に跪いて頭を垂れる。 「堅苦しい挨拶は必要ない。余と、貴様しかいない」 「はっ」 玉座の住人が、ひと目を避けるようにして、宿屋に来たのには大した理由はない。 面会の相手が、前7番隊の隊長であるためだ。7番隊は、表向きは解体されている。そして、隊長であったティモンは、責任を取る形で、辺境の”村”の領主となった。玉座では、余人に聞かれてしまう可能性があり、宿屋での面談となった。 「それで、魔王…
続きを読む2021/11/02
【第二章 ギルドと魔王】第十話 【ギルド】
「ギルマスからの連絡は有ったのか?」 「ない。上の方から、新たなギルマスの選定を行うと連絡が入った」 「そうか・・・。メルヒオールも愚かなことをしたな」 「そうだな」 本部のギルドマスターであったメルヒオールが、複数のギルドを新設した。ギルドの新設は、新たなポストと権益が産まれるために、ギルド職員や関係者は、権益のおこぼれに期待をした。 しかし、権益は本部には割り振られなかった。正確には、”現在のギルドを支える者たち”には、新たなポストが割り振られなかった。 メルヒオールが独断で決定して、ギルドマスタ…
続きを読む2021/11/01
【第二章 ギルドと魔王】第九話 確認
平和だ。 帝国のゴミを掃除してから、魔王城に攻め込んでくる者が出てこない。 増えたポイントで領域を広げた。魔王城(仮称)の周りに広がる森の全域が領域に組み込まれた。もう少し広げられるポイントは残っているのだが、存在する村や町を領域内に組み込めなかった。 平和で暇な時間に、先代たちの日記を読み漁ったが、森の向こう側まで領域を広げた例が見当たらなかった。ポイントが足りないのか、それともそもそも不可能なのかわからない。もしかしたら、なにか条件があるのかもしれない。 スキルは多すぎて、まだ”本”での確認が…
続きを読む2021/10/30
【第二章 ギルドと魔王】第八話 日常?平和?
「マイマスター」 マスタールームの拡充をしているとセバスが部屋を訪ねてきた。 前室のような場所を作って、セバス以外は前室で待たせることにしているが、セバスも前室で待ってから、部屋に入ってくる。 今日は、マスタールームの拡充を行っているので、前室で会うことにした。 「どうした?」 セバスの服装が、どんどん過激になっていくのは気のせいだろう。 このままだと、セバスは全裸で俺に会いに来るぞ? 「はっヒア、メアの両名により、帝国から送られてきたゴミの始末が終了しました」 帝国からは定期的に、ゴミが送られ…
続きを読む2021/10/29
【第二章 ギルドと魔王】第七話 【連合国】
連合国の首都にして、加盟国のすべての出先機関がある街は、ある意味で秩序がバランスよく保たれている。連合国の首都は、ギルドの本部が存在している。ギルドからもたらされる情報を扱って、連合国間だけではなく、各国とのバランスを取っているのだ。 その連合国の首都にある。出先機関の一つで重大な会議が行われている。加盟国の出先機関に同じ部屋が設置されることになっている。この部屋の用意が難しい国は、連合国の重大な決定事項には関わることが出来ない。 「どうするのだ!」 円卓には、6名が座っている。 末席という概念はな…
続きを読む2021/10/27
【第二章 ギルドと魔王】第六話 ギルドvsギルド
ボイドは悩んでいた。 ギルド本部に反旗を翻したのは後悔していない。必要なことだと本気で思っていた。昨今のギルドは、あまりにも二つの国家に近づきすぎている。それに、ギルドと神聖国には、秘密があり、その秘密をボイドたち情報部はしっかりと握っている。 「君が、今代のボイドなのか?」 「そうです。情報部の取りまとめをしております」 今日のボイドは、朝から客人との打ち合わせを行っている。 帝国の上級貴族に連なる者との面談や、帝国だけではなく、大陸に根を張る商家との面談を行っていた。そして、今日の最後に面談が、…
続きを読む2021/10/26
【第二章 ギルドと魔王】第五話 リニューアル
魔王城を守るための城壁は三重になった。内壁と六芒壁と外壁だ。外壁は、幹部となった子どもたちと武官であるカンウたちの意見で作った。 六芒の形になっている城壁の周りには、水堀が存在している。幅は10メートルほどだ。その水堀の一部が湖になり、カプレカ島が存在している。湖の中心くらいから、魔王城を囲うように、新たな城壁が出現した。魔王ルブランから、カプレカ島を介して城塞村には伝えられていた。一晩にして現れた城壁は驚愕を持って迎えられた。この城壁の出現で、魔王城の守りは強固になった。野営が出来る場所が、一箇所に絞…
続きを読む2021/10/24
【第二章 ギルドと魔王】第四話 城塞村?
「メイ。おはよう」 狐人の姉妹は、引っ越しを終えて、魔王城の地下での生活をスタートさせた。 姉であるメアは、ルブランの配下になっているが、他の者たちと同じで、モミジや四天王から、いろいろなことを教わりながら生活をしている。 妹のメイは、カプレカ島にある学校で午前中を過ごして、午後は、学校の仲間と、魔王が定めた領域の外側に出来た城塞村で、ギルド員としてお手伝いをしている。子どもたちなりに、自分たちで出来ることを探しているのだ。過保護な魔王が、護衛役を付けているのは知られている。 護衛役が居なくても、子…
続きを読む2021/10/23
【第二章 ギルドと魔王】第三話 【連合国】【ギルド】
”帝国は、新しく産まれた魔王と密約を結んだ” こんな噂が、各国の首脳部に流れたが、帝国は噂だと取り合わなかった。 事実、帝国は魔王と密約を結んでいない。全面降伏だ。”攻めてこないで欲しい”・”魔王城に手を出す輩がいたら、遠慮しないで殲滅しても問題にはしない”。これらが、帝国から魔王に伝えられたことだ。 噂を信じている者たちが居る。正確には、”真実でないと困る”と思っているのだ。 「ギルドは、どういうつもりだ?」 「え?」 ギルド本部がある連合国の首都にある。連合国に属する国の大使館は、朝から新たに産…
続きを読む2021/10/22
【第二章 ギルドと魔王】第二話 元奴隷の日常
「お姉ちゃん。おはよう」 「メイ。おはよう」 ルブラン様。違った、魔王様から、呼び名を貰った、本当の名前は、”家族から貰ったものだから大事にしなさい”と言われて、普段は魔王様から貰った名前で呼び合うことに決まった。 家族も大事だけど、私は魔王様から貰った、”メア”という名前がすごく、すごく、すごく、大事だ。 「うん!」 妹も、貰った名前を気に入っている。 「メイ。今日は、学校だね?」 「うん!ヒカと一緒に行ってくる!」 ヒカは、人族の子供だ。メイが、よく一緒に遊んでいる。 村に居た時には、人族と”…
続きを読む2021/10/03
【第二章 ギルドと魔王】第一話 カプレカ島
セバスに、島に名前が欲しいと言われたので、安直だとは思ったが”カプレカ”と名前を付けた。 セバスが、ルブランとして、島に訪れて、名前を”カプレカ島”と宣言した。従って、セバスは”カプレカの魔王”と呼ばれるようになった。 魔王への感謝が限界突破している子どもたちは、契約を行ったあとで、子どもたちには呼び名を授けた。 子どもたちの話や、大人の奴隷の話を聞いて、”名前”を与える儀式が危険な行為だと解った。セバスとモミジが、名前を持つ者たちを調べた結果、弱い”呪”が埋め込まれていた。人族だけではなく、種族に…
続きを読む2021/10/01
【第一章 ギミックハウス】第二十九話 帝国
俺の討伐部隊が攻め込んできてから、3ヶ月が経過した。 魔王城(仮称)は、今日も平和だ。 帝国からは、奴隷と関係者が、200名ほど連れられてきた。同時に、違法奴隷を扱っていた商人や貴族も連れられてきた。”好きにしてよい”と言われた。元奴隷たちに聞いたら、殺したいほど憎んでいる。 父親を、母親を、家族を殺された。 妻を目の前で犯された。 恋人を殺された。 子供を殺された。 攻め込んできている者たちの中に、獣人や多種族を奴隷にするために、町や村を襲っていた者が居た。しかし、奴隷たちは、商人や貴族た…
続きを読む2021/09/30
【第一章 ギミックハウス】第二十八話 【帝国】魔王の所業
陛下からの呼び出しだ。状況を報告しろとのことだ。 陛下と宰相に連絡をしたので、当然の反応だ。それも、他の予定を飛ばしての面会だ。 昨日の夕方に、ギルド職員と一緒に書状を提出した件に関してだ。 朝には、呼び出された。ギルドは、職員ではなく、ボイドと名乗った、隊員と一緒に戻ってきた者が、会議室に呼ばれている。 会議室に入ると、ギルドのボイドは既に着ていた。 陛下に臣下の礼をしてから、指示された椅子に座る。 「ティモン!本当なのか?」 陛下から、想像していたのとは違う質問が来る。 陛下が聞きたいの…
続きを読む2021/09/29
【第一章 ギミックハウス】第二十七話 魔王の所業
さて、そろそろ不快感が上回ってきた。 今、セバスと一緒に魔王城(仮称)で、武器や防具を持っていた者たちの話を聞いている。 話の内容は、速報として俺のところに届けられるが、気分が悪くなってくる。 「ルブラン!」 どうやら、奴隷たちは、無理やり戦いに参加させられたのは間違いないようだ。 村を襲われて、家族の命と引き換えに奴隷になった者や、目の前で家族を惨殺されて、心が折れてしまって奴隷になった者も居る。 「はっ」 奴隷の前で、セバスが俺に対して頭を下げる。 セバスやモミジからの助言だ。魔王城(仮称…
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