スキルイータの記事一覧

2023/05/16

【第三十章 新種】第三百七話

ゴブリンの巣を殲滅した レベル5の”猛毒”という新しいカードを取得した。 他にも、レベル1-3のカードを大量に入手した。戦果としては、十分なのだが、しっくりこない。 ”蟲毒”が行われたのは想像出来るのだが、”蟲毒”が新種発生のプロセスなのか? 人為的に”蟲毒”が行われたのか?自然発生なのか?偶然にしては出来すぎている。 「ライ。近くには、ゴブリンは居ないよな?」 『居ない』 「ゴブリン以外は?」 『居ない』 洞窟の探索では、新しい発見はなかった。 洞窟を出て、高台になっている場所に上がってみる。 違和感が凄…

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2023/05/02

【第三十章 新種】第三百六話

ゴブリンの新種?が落したスキルカードを見ているのだが、チアル大陸で出現していたゴブリンたちが、落すスキルカードとの違いは見られない。 「カイ!ウミ!」 スキルカードの回収が終わっているが、また奥からゴブリンの新種と思われる気配が近づいてくる。 カイとウミも解っているのだろう、臨戦態勢に戻る。 ライが分体で周りの探索を始める。 スキルに頼ることも出来るのだが、新種のゴブリンは急に湧いた感じがした。 もし、これがダンジョンと同じように、新種として産まれてくるのなら、対策が難しい。チアル大陸でも、街中でいきなり、…

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2023/04/13

【第三十章 新種】第三百五話

ルートガーとファビアンが、俺たちから離れた。ルートガーの従者として連れてきた連中も、ルートガーと一緒に交渉をまとめるように伝えている。ダンジョンの内部の説明を、ファビアンだけに任せるのは、ルートガーの立場が悪くなる。俺が着いて行くことも考えたが、ルートガーに交渉を任せるのに、俺が一緒では意味がない。従者たちは、ダンジョンに潜っている。俺の代わりに、ルートガーにダンジョン内部の説明をする役割を与えた。 それに、記録係りくらいはできるだろう。 ルートガーには必要がないと言っても、従者だけではなく護衛としての役割…

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2023/03/28

【第三十章 新種】第三百四話

最下層に、ファビアンとイェレラとイェルンとロッホスとイェドーアが転移してきた。 呼び寄せたので、当然なのだが、本人たちは何が発生したのか混乱していた。 俺が居るのを見て、俺が何かをしたのかと考えているようだ。 表情を変えすぎの気がするが、俺を見て安堵するのは、少しだけ違う気がする。時に、ファビアンを除いた4名は、護衛の役割を含めて、ルートガーに報告して、再教育を受けてもらおう。 「揃ったな」 皆が俺の前に来て、頭を下げる。 「ツクモ様」 「攻略が終わった。今から、地上に帰る。君たちを呼び寄せたのは、コアの力…

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2023/03/20

【第三十章 新種】第三百三話

帰ることにした。 カイとウミとライもそのつもりで準備を行っている。 準備と呼べるような物ではないが、倒したボスの素材は持ち帰ったほうがいい。ダミーコアの準備も終わっている。 使い方も、コアに話を聞いているので大丈夫だ。それに、間違えても、コアがハッキングされたり、クラッキングされたり、乗っ取られなければ間違えた使い方をされても問題にはならない。 チアルの対応が出来ない状況になったら、また攻略すればいいだけだ。その時には、ダンジョンを討伐することになるので、最悪はダンジョンが消滅してしまう可能性が高い。 デ・…

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2023/03/14

【第三十章 新種】第三百二話

魔法陣が歪んだ。魔法陣が消えてしまえば、脱出が難しくなってしまう。 ダメなのか? 「ライ!」 『カズ兄。終わった』 ライからの返事が聞こえてきたと同時に、魔法陣が正常に戻った。 それだけではなく、壁が崩れ始めていたのも止まった。 コアの吸収が終わったのか? チアルが作り出したコアと融合したのか? ライからの呼びかけに従って、コアが置かれているはずの、コアルームに移動する。 一つのコアが明滅している。 コアの横には、ライがいつもの姿で待っていた。 「ライ」 『カズ兄。新しいダンジョン・コアに、名付けをお願い』…

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2023/03/07

【第三十章 新種】第三百一話

俺たちのボス戦を見学して、これ以上は付いていけないと判断をした。 イェレラとイェルンとロッホスとイェドーアは、途中で引き返す事にした。ファビアンと一緒に待っている。武器と防具は、持たせたので途中で県令や戦闘訓練を行っているように伝えた。物資も持たせたので、1週間くらいなら大丈夫だろう。 俺とカイとウミとライだけになると、ダンジョンの攻略は気持ちが悪いくらいに順調だ。 途中ですれ違った攻略者たちから聞いた、最高到達階層に到着した。 ここまで、俺は戦っていない。 ライは、ほぼ荷物持ちだ。 カイとウミ。正確に言え…

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2023/02/21

【第二十九章 鉱山】第三百話

ファビアンと10階層のセーフエリアで別れた。 4人には改めて説明をした。 これからが本当の戦いだと認識させるためだ。4人の顔つきも変わってきた。 ルートガーが居ない事に最初は戸惑っていたが、強くなろうという意識はあったのだろう。 10階層までの戦闘で、戦闘の入り方や終わらせ方が洗練され始めている。 「どうする?」 「ツクモ様。どうするとは?」 「スマン。スマン。10階層のフロアボスは、低階層と中階層を繋いでいるボスで、中階層の階層主と同じ強さだ。俺の見立てでは、お前たちだけで討伐は可能だと思う。しかし、少し…

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2023/02/14

【第二十九章 鉱山】第二百九十九話

ゼーウ街に着くまで、ルートガーは抵抗していたが、決定は変えなかった。ルートガーに悪いが、ゼーウ街で、ゆっくりとデ・ゼーウの手伝いをして欲しい。 ゼーウ街から、ダンジョンまではスムーズに移動が出来た。 デ・ゼーウが手配を終わらせていて、俺たち6名はすんなりとダンジョンに入ることが出来た。 カイとウミとライは、俺の側に居る。 ダンジョンには、俺とイェレラとイェルンとロッホスとイェドーアとデ・ゼーウからのごり押しで、ファビアンが一緒に潜っている。 ファビアン以外の4人には、ルートガーの”ツケ”で武器と防具を渡して…

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2023/02/06

【第二十九章 鉱山】第二百九十八話

新種の話は、十分ではないが、船長からの証言が取れた。 やはり、海上だろうと、新種は存在している。 問題は、”どこから来たのか?”だ。 最初に考えたことは、船長の言葉で潰された。 中央大陸よりも、他の大陸の方がおおいと感じているようだ。 もしかしたら、中央大陸では既に”新種”になっていて、”できそこない”が居ない可能性もある。 そう考えると・・・。 やはり、新種は人為的に作られているのか? 解らないことが増えただけだが・・・。知らないよりは”まし”だと考えておこう。 「ツクモ様」 船長からの伝言を受け取る。 …

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2023/01/24

【第二十九章 鉱山】第二百九十七話

船の中で、食事を摂って、カイとウミとライと遊んでいたら、扉がノックされた。 「ツクモ様」 ルートガーの声だ。 船長に余裕ができたのか? 「いるよ?」 「はぁ・・・」 「鍵は開けてある」 「はぁ・・・。入るぞ?」 ルートガー。ため息はないだろう、ため息は・・・。 「あぁ」 扉が開けられて、ルートガーと従者が入ってきた。 後ろには、乗船の時に挨拶をした船長ともう一人が付き従うように入ってきた。 少しだけ、本当に少しだけ狭く感じてしまう。 ルートガーを抗議の意味を込めて睨んでおく。ルートガーも意味が解るのだろう、…

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2023/01/17

【第二十九章 鉱山】第二百九十六話

船は、海原を進んでいく、何度かウミの魔物が襲ってきたが、ライが仕留めた。吸収したが正しいのか? 甲板で、海原を眺めていると、よく知る気配を持つ者が近づいてきた。 誰なのかわかっているので首も動かさずに、殺気を向ける。視線を向けることで、認識していると説明をした。つもりだ。 俺が”何を”したのか解ったのだろう。慌てては居ないが、周りを見回している。魔物が居ると誤解したのだろう。 周りに、危険がないと判断して、少しだけ大きめの声で俺を呼んだ。 「カズト・ツクモ!」 よく見ると、ルートガーの後ろに4人の従者(正確…

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2023/01/04

【第二十九章 鉱山】第二百九十五話

よくわからない状況になった。 中央大陸に向っている。もう、港に辿り着いた。 船の手配も終了している。 竜族に乗っていくという話も有ったが、中央大陸に行くのには向かないと判断された。 一人、強固に反対した者が居たので、今回は船で移動する。 船も、通常なら数日から待つ時には2-3週間は待機の日数が必要になるのだが・・・。俺たちの予約は、すんなりと通って、今は船の上だ。 あと数時間で出港する。 横に居る人物に声を掛ける。 「ルート。本当に大丈夫なのだな?」 本来なら俺の代わりに、チアル大陸を統治する。ルートガーが…

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2022/12/07

【第二十九章 鉱山】第二百九十四話

ダンジョンを俺たちが攻略してしまえば、ダンジョンの所有権は俺たちが取得することになる。 そのうえで、ゼーウ街に借用するような契約にすればいい。 近隣の街から文句を言われたら、デ・ゼーウは俺たちに交渉を丸投げすればいい。 俺たちは、面倒だからゼーウ街に”ダンジョンを丸投げしている”立場を取る。そのうえで、他の街が交渉してきたら、デ・ゼーウ以上の好条件を出さない限りは提供しないと言えばいい。 それでも、ダンジョンにアタックする奴らは出てくるだろう。 見逃してもいい。自己責任でアタックするのなら、勝手にすればいい…

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2022/11/08

【第二十九章 鉱山】第二百九十三話

ファビアンの話を聞いて、少しだけ考える。 新しく入れてもらったカップの縁を指で弾きながら状況を整理する。 現在、ゼーウ街には二つの問題がある。 一つが、ドワーフ族だ。これは、鉱石を求めている。厳密に言えば、自分たちが自由にできる鉱山が欲しいのだろう。ドワーフ族は、鍛冶をしていなければ、たんなる酒飲みだ。そして、鍛冶をやらせていても、多くは愚か者の集団だ。話を聞けば、ゼーウ街で文句を言っている氏(うじ)族は、武器を得意とする者たちだ。 武器の需要は確かにある。しかし、武器は消耗品になってしまっているために、品…

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2022/11/03

【第二十九章 鉱山】第二百九十二話

ファビアンの話を聞いても、よく解っていないことだけが解った。 「本当か?」 ファビアンが知っている限りだという前提だが、中央大陸にはドワーフ”だけ”が住む街や村は存在しない。エルフの様に、大陸を支配しているわけではない。 「はい。過去には、一つの大陸をドワーフ族が支配していましたが・・・」 「どうした?」 「いえ、ご存じだと・・・」 「いや。俺は、歴史に詳しくない。説明してくれると助かる」 「わかりました」 ファビアンが知っている。 中央大陸とドワーフ族の関わりと、ドワーフ族の公になっている歴史を教えてもら…

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2022/10/26

【第二十九章 鉱山】第二百九十一話

結婚騒動は、子供ができた場合でも、仕事に配慮すること、産まれた子供を安全に預かる場所を作ること、これらのことを、ルートガーに宣言をさせた事で、落ち着いた。 獣人族は”子供は皆で育てる”が染み付いているので、それに倣った形だ。 ルートガーは、最初は抵抗したのだが、クリスからの説得を受けて、最後には受け入れて、宣言を出すのに賛成した。ルートガーが反対していた理由も理解ができる。上流階級で産まれて教育を受けてきたルートガーには、獣人族のやり方が正しいと言われても納得ができないだろう。俺も、クリスも、獣人族が正しい…

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2022/09/28

【第二十八章 新婚】第二百九十話

ギュアンとの話を終えて、崖の住居に戻ることにした。 シロも一緒だ。フラビアとリカルダは、フリーゼが帰ってくるのを待って、決まったことを、フリーゼに説明を行う。 崖の下に移動したら、久しぶりに顔を見る面子が揃っていた。 シロが、俺の前に出るが、肩を叩いて下がらせる。俺が前に出ると、一人の男が、俺の前に出てきて頭を下げる。 「どうした?イェレラ?皆で揃って来た理由は?俺に解るように説明してくれるよな?クリスとルートガーの従者であり、護衛であるお前たちが職場を放棄してきたとは考えていない。だから、緊張しなくていい…

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2022/09/28

【第二十八章 新婚】第二百八十九話

フラビアとリカルダの案内で、ギュアンとフリーゼが仕事をしている舟屋に向かった。住居は以前に与えた物で変わっていない。仕事場としている舟屋で待っていると教えられた。 舟屋の数は増えていない。 船の数が増えているように思える。当然だな。当初の数では、増え続ける人口を支えるだけの魚を確保するのは不可能だろう。 「ツクモ様」 ギュアンが俺に気が付いて舟屋から出てきた。どうやら、フリーゼは、所用で出かけているようだ。ギュアンが、フリーゼの不在を詫びてきた。 ギュアンの態度が少しだけ固いように思える。表情も前に会った時…

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2022/09/28

【第二十八章 新婚】第二百八十八話

湖の集落に行く前に、フラビアとリカルダから報告を受ける。 湖の集落は、ギュアンとフリーゼが仕切っていたのだが、人が増えた。フラビアとリカルダも運営の手伝いを行ったが、限界が近いようだ。 元々は、別荘地にする予定で整備を行っていた。 そのために、交通の便や、移動のしやすさや、生活を行う為の設備が少ない。 フラビアとリカルダは、馬車の本数を増やして対応を行っていた。 「そもそも、湖の集落は、別荘地だぞ?そこに、利便性を求めるような奴は、他に移動した方がいい」 俺の言葉に、フラビアが反応した。 どうやら、最初はそ…

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2022/09/28

【第二十八章 新婚】第二百八十七話

シロとのデートを終えて、部屋に戻ってきた。 途中で、ギュアンたちが居る”湖の集落”に寄ろうという話も有ったが、時間も遅くなってしまったために、明日以降に行くことにした。 「シロ。今日は、上で過ごすか?」 「はい!」 シロが嬉しそうにする。 崖の上に作られた、屋敷?は、改修に改修を加えて、十分に屋敷としての機能を持たせることが出来ている。 地下に作った部屋は、部屋で実験が行える状況になっているので、残している。地下には、俺とシロと眷属しか入ることを許していない。ダンジョンからの進入路は、既に潰してある。 部屋…

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2022/09/28

【第二十八章 新婚】第二百八十六話

リヒャルトは、俺と話をして、安心したのか、来た時とは違う表情で、部屋から出て行った。 おかしい。 俺も新婚なはずなのに、忙しい。忙しくなりたくなかったから作った仕組みがうまく行けば、また忙しくなってしまう。 「カズトさん」 シロが、部屋に入ってきていた。 テーブルの上に乗ったカップを片づけている。 今まで居たはずのメイドは下がらせたようだ。 「どうした?」 「僕が、カズトさんと・・・」 「いいよ。少しだけ話をしよう」 「はい!」 帰ってきてから、シロとの時間はそれほど無かった。誰かが訪ねて来たり、用事が出来…

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2022/09/28

【第二十八章 新婚】第二百八十五話

執務室で、カトリナと打ち合わせを行った。俺の後ろにはメイドが控えている。必要ないと思ったが、シロからの指示だと言われて受け入れた。 「ツクモ様。本当に、いいのですか?」 「構わない。それよりも、もう一度だけ聞くけど、本気か?」 「はい」 カトリナから提出された計画書だが、長老たちでは判断ができなくて、ルートガーに回されて、奴は考慮の必要がないとばかりに、俺に回してきた。俺にしか判断ができないと言うのが、ルートガーの言い分なのだが、別に俺でなくても大丈夫だと思う。 そして、内容なのだが、ロックハンドを一大リゾ…

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2022/09/28

【第二十八章 新婚】第二百八十四話

ルートガーも平等と公平の違いがわからない。 そもそも、公平なら平等が成り立つと思っているようだ。 「ルート。公平は、誰かが判定している。平等は、皆が等しく冷遇される世界でしか成立しない」 「??」 まぁ解らないだろう。 ルートガーが不思議そうな表情をする。クリスは、思考を放棄しているように見える。 「皆が平等なら、冷遇されるのはおかしくないか?」 「いいか、簡単な例だ。ルートがこの大陸の覇権を目指したとする」 「!」 ルートガーは机を叩いて立ち上がる。ルートガーが覇権を目指していないのはわかる。今は、クリス…

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2022/09/28

【第二十八章 新婚】第二百八十三話

ルートガーも実際に使われ始めた時期や言葉が産まれた経緯は把握していなかった。クリスは、俺が何を問題にしているのか解っていない。ルートガーもクリスも小さな村や町の・・・。支配層の人間だ。 支配層から見れば、身分は解りやすい指標になる。対応する態度を簡単に選択ができる。 「わかった。ルート。他には?」 「他?」 「言葉遊びで、他人を傷つけている連中が居るのか?」 「わからない」 ルートガーを見つめているが、本当に解らないようだ。 長老衆よりも、市井に詳しい人間に聞いた方がいいのか? クリスも俺が気分を悪くしてい…

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