~第495代目当主~
2023/08/15
【第四章 連合軍】第二十二話 【神聖国】終わりの始まり
魔王カミドネは日々広がっていく領土を見ながら、聖都に嫌がらせの指示を出している。 時間稼ぎをしているのは、攻略部隊の到着を待っているからだ。 予定は、本日だが時間までは指定されていない。 「カミドネ様」 魔王カミドネの部屋にフォリが報告に訪れた。 「フォリ?」 「はい。報告が来ました」 報告書は、現地からは口頭で報告された情報を、フォリたちがまとめた物だ。 眷属以外にも、獣人族の中から読み書きができる者や、勉強に意欲を見せた者を文官として雇い入れている。流石に、魔王の側仕えには採用はしていないが、地上部分で…
続きを読む2023/08/03
【第四章 連合軍】第二十一話 【神聖国】攻防戦?
魔王カミドネが作戦を承認した。その瞬間から、眷属たちが動き出す。 最初に動いたのは、キャロとイドラのコンビだ。魔王カミドネに頼んで、眷属を増やした。自らの眷属になる同族だ。眷属は30体だ。同時に、ポップする同族を3000体を配下に加えた。 キャロとイドラは、半包囲している聖都の固く閉ざされている門の前に陣取って、イドラたちが遠吠えを行い。キャロたちが遠隔からスキルでの攻撃を行っている。三交代で、昼夜の違いなく攻撃を行っている。 第一段階は、聖都に残っている連中に疲労と恐怖を与える作戦だ。 聖都が半包囲されて…
続きを読む2023/07/23
【第四章 連合軍】第二十話 【神聖国】半包囲状態
神聖国は、既に魔王ルブランから要請を受けた帝国兵と、魔王カミドネの配下に包囲されている。正確には、魔王カミドネの配下が神聖国の首都を半包囲して、距離をあけて、帝国兵が包囲を行っている。 魔王カミドネの包囲網は、緩くは見える。 「なぜだ!なぜ、突破が出来ない!部隊長は何をしている!我らは、神の使徒だぞ!魔王が用意したアンデッドが多くても・・・」 肩で息をしながら、ルドルフは叫んでも何も変らない。 「なぜだ。なぜだ。なぜだ。なぜ!こんな事になっている!!」 聖王ルドルフが、怒鳴り散らしているが、聖王ルドルフの疑…
続きを読む2023/07/04
【第四章 連合軍】第十九話 【連合国】 攻略開始
ロアを連れてバチョウは、ダンジョンを攻略した。 出来たばかりではないが、成長が止まっているダンジョンだ。20階層と浅く、防御も薄い。 ロアとバチョウの二人だけで攻略が完了してしまった。連れてきた者たちは、ダンジョンの外で待機している間に攻略が終わってしまった。 バチョウはロアにボスとの戦闘を任せた。 ボスは、流石に強かったが、ロアが余裕を持って倒せた。カプレカ島にあるダンジョンでいうと10階層のフロアボス程度だ。ロア一人でも過剰戦力だったのかもしれない。 ロアは、ボスを討伐後に魔王の居る部屋に突入した。 部…
続きを読む2023/06/11
【第四章 連合軍】第十八話 【連合国】バチョウと仲間たち
戦場になった場所には、うめき声を上げる連合国の兵士たちが居る。 五体満足で立っているのは、バチョウだけだ。 そのバチョウも、着ている防具は、兵士たちの返り血で赤黒くなっている。 しかし、防具に武器やスキルでつけられた傷は存在しない。 「バチョウ様!」 先頭でバチョウに近づいてきた、狼人族の青年が代表してバチョウの前で頭を下げる。他の者も、一緒に頭を下げるが2歩ほど後ろに下がっている。 「丁度よかった」 バチョウは、狼人と猫人に、笑いかける。 返り血で汚れていなければ、美丈夫な佇まいなのだが、返り血が赤黒くな…
続きを読む2023/06/02
【第四章 連合軍】第十七話 【連合国】
カンウとヒアが王国のダンジョンの攻略を始めている頃・・・。 「ロア!」 バチョウは副官に指名したロアを呼びつけている。 状況の説明を聞く為でもあるが、もっと重要な確認を行うためでもある。 呼ばれたロアは、伝えるべきことが解っている。 バチョウに、軽く頭を下げてから報告を始める。 「バチョウ様。カエデ様とシアから、連合国軍の後方に抜けたと連絡がありました」 把握できている状況を伝える。 実際には、バチョウも状況の確認が出来るのだが、今回の討伐作戦に関しては、副官を育てる意味があり、作戦立案を含めて、ロアたちに…
続きを読む2023/05/19
【第四章 連合軍】第十六話 【神聖国】戦線
カンウとヒアが王国のダンジョンの攻略を始めている頃・・・。 神聖国では、カミドネ・ダンジョンから選出された者たちが、神聖国の軍と戦端を開いていた。 当初は、有利に進めていたが、神聖国の中央部隊が瓦解してから、陣形がカミドネ・ダンジョン側に不利な状況になってしまって、膠着状態になっている。 カミドネ・ダンジョン神聖国遠征部隊。 トレスマリアスたちが、各部隊から上がってきた情報を精査していた。膠着状態になってしまったので、距離を開けて、相手を牽制している。既に、3日が過ぎて、新しい動きを考え始めていた。 「魔王…
続きを読む2023/05/05
【第四章 連合軍】第十五話 【王国】支配
玉座に座る魔王は、”本当に同格だったのか?”という疑問さえも愚かに思えてしまう。 俺が勝てるはずもない。挑もうと考える必要もない。 心が敗北を受け入れている。 隣に居るコアも魔王の力が解るのだろう。自然と跪いている。 魔王は、俺に頼みがあると言った。 「ルブラン。同じ物を魔王に渡して・・・。名前が無いと不便だな。君。ゲームとかでよく使っていた名前とかある?」 「ゲームですか?ギルバートを使っていました」 「ギルバート?赤毛のアン?」 「いえ、初めてやったゲームで、主人公の名前が変えられなくて、なんとなく・・…
続きを読む2023/04/22
【第四章 連合軍】第十四話 【王国】魔王
俺は助かったのか? 着替えをしてくるように言われて、コア・ルームから追い出された。 部屋に辿り着いて、ベッドに倒れ込む。 「コア」 コアが俺に付き添ってくれている。 他の眷属は、玉座とコア・ルームに別れて待機をしている。 「はい」 コアが安心した表情をしている。 心配させてしまったか? 「助かったのか?」 「そのようです。しかし、魔王様。よく・・・」 「あぁ・・。そうか・・・。ハハハ。はぁ・・・」 「??」 「コア。魔王ルブランの主殿と謁見してから、俺の長い話を聞いてくれるか?」 「もちろんです」 魔王ルブ…
続きを読む2023/04/16
【第四章 連合軍】第十三話 【王国】選択肢
何を言っている? 俺に聞きたいこと? 「なんだ。狐人族の少女ミア」 「魔王は、これが読めるのか?」 ん? 読めるのか? 何か、紙片を取り出している。 流石に、俺があそこまで降りていくのは違うような気がする。 「魔王様。私が」 コアが俺の前に出て、少女ミアの所に向かう。 少女ミアが、コアや俺を殺そうと思えば簡単にできるだろう。それくらいは、俺にも理解ができる。 少女ミアは、近づいてきたコアに紙片を渡した。 コアは、受け取った紙片を持って俺の所に戻ってきた。 「魔王様」 紙片を受け取る。 裏返されているのか? …
続きを読む2023/04/07
【第四章 連合軍】第十二話 【王国】ギフト
玉座の間を作った時には、使う事を考えていなかった。 ここが、俺の最後の場所になるとは・・・。 攻めてきた者たちは、玉座の前で休憩をしている。 様式美として作ったセーフエリアで休んでいる。 コアからの報告では、攻略を行っていた者たちは、セーフエリアで何かを見つけて、一人が戻っているようだ。 抜けた一人が戻って来るまで、セーフエリアで休むと決めているようだ。 時間が稼げるのは、俺たちとしてはありがたい。実際には、首の皮一枚で繋がっているような状態だ。3人で攻めてきても俺たちには勝ち目がない。 でも・・・。それで…
続きを読む2023/03/27
【第四章 連合軍】第十一話 ヒアとミア
カンウ様と威力偵察という強行偵察で、王国を蹂躙している時に、モミジ様から連絡が入り、魔王様から新たな指示が伝えられた。 ぼ、俺をとカンウ様は、このまま王国にあるダンジョンの攻略を行う。 モミジ様とミアが合流する。 その後は、モミジ様とミアの考案する作戦で、王国の砦を奪って、ダンジョンの攻略を行う。 本当に、魔王様と同列の魔王なのかと思うくらいに簡単に攻略が進む。 これなら、ミアが設定を行ったギミックハウスは・・・。もちろん、他の者たちが設定したギミックハウスの方が攻略の難易度は高い。 ダンジョンの中でも、ミ…
続きを読む2023/03/16
【第四章 連合軍】第十話 【王国】ダンジョン
どうしよう。どうしよう。 死にたくない。死にたくない。 転生して、”ひゃっは!”して、ポイントを無駄に使ったのが悔やまれる。 楽しくて、使わない武器や防具を交換した。王国の奴らが、喜んでくれたから嬉しくて、ダンジョンの宝物にした。アイツらが居ると、俺のポイントが増える。アイツらは俺から宝物として、武器や防具やポーションを得ている。”WIN-WIN”な関係だと思っていた。 王国の奴らは、深層に降りてこない。 調べても、弱い。俺では勝てないが、俺の眷属で十分に戦える。1対10でも勝てるくらいの戦闘力しかなかった…
続きを読む2023/03/02
【第四章 連合軍】第九話 【王国】魔王
カンウとモミジとヒアとミアは、王国にあるダンジョンの攻略を行っている。 魔王カミドネの支配領域が広がらなかったことから、隠されたダンジョンがあると考えたのだ。 魔王カミドネに連絡を付けて、ダンジョンの当たりを付けた。 支配領域をギリギリまで広げた場所から、等間隔にある場所にダンジョンがあるのではないかと予測していた。 王国の隠し砦が存在している場所を引き当てた。 「どうしますか?」 慎重論を唱えたのは、ヒアだ。 他の3人は自分たちで突破が出来なければ、魔王様に改めて情報の精査をお願いする必要があると考えてい…
続きを読む2023/02/26
【第四章 連合軍】第八話 【王国】
王国には、大きく二つの派閥が存在している。 一つは、今の国王の下にまとまって王国を大陸で一番大きな国に発展させるという思想を持っている派閥だ。 もう一つは、その国王の主義に”否”を突き付けた。前国王の兄である公爵家の当主を中心にまとまっている派閥だ。公爵は、継承権を放棄しているの。しかし、公爵の派閥には、公爵の考えを”是”と考えた継承権第三位の第三王子が身を寄せている。 国王と公爵の派閥争いは、第一・第二王子対第三王子の後継者争いにも発展している。 国王は、王太子を宣言していない。順調なら第一王子が王太子に…
続きを読む2023/02/17
【第四章 連合軍】第七話 王国のダンジョン
「カンウ様!」 王国でゲリラ戦闘を楽しんでいた・・・。 王国でゲリラ戦術で戦闘を行っていた。カンウとヒアに、モミジとミアが合流してきた。 ミアが呼んだのは、カンウだ。 ヒアがミアの姿を見つけたが、ミアはヒアではなくカンウに駆け寄った。モミジは笑いを堪えている。 「モミジとミアか?他は?」 「連れてきましたが、神聖国に向った王国を後ろから攻めています。既に、物資は奪ってあります」 「そうなると、ここからは4人での行動か?」 「はい。魔王様から、王国のダンジョンを潰せと命令を頂いています」 「ヒア!」 「はい」…
続きを読む2023/02/09
【第四章 連合軍】第六話 フォリの覚悟
「どうなっている!」 豪華な天幕で怒鳴っているのは、王国からの遠征軍を率いている任命されたばかりの将軍だ。 「はっ。現在。未確認のアンデッドと交戦中」 「解っている。神聖国はどうした!アンデッドなら、奴らなら対処ができるだろう!」 「それが、神聖国も交戦中で、戦力を送ることができないと・・・」 「ふざけるな!何とかしろ!」 『何とかしろ』は、指示ではない。 将軍は、王国の男爵家の次男で、勝てる戦だと思い込んで、自分を売り込んでいた。長男の跡継ぎを追い落とすために、魔王ルブランおよび魔王カミドネの討伐作戦に参…
続きを読む2023/02/02
【第四章 連合軍】第五話 混乱
「カンウ様!」 「どうした?」 前に居る騎士のような男から繰り出される剣を捌きながら、カンウ様は僕を見て不思議そうな声をあげる。 「”どうした”ではありません。偵察ですよ。偵察!」 「ヒア。これは、王国戦力の偵察だ」 前方の杖を持った者から放たれたスキルを弾きながら、カンウ様に文句をいうが、言ってもしょうがないのは解っている。 「ヒア!左側を任せる!」 左側? スキルを発動して調べると、5人の集団がこちらに向ってきている。 戦闘音が響いていれば、近くに居る者に異変が伝わるのは当然だろう。 「”任せる”じゃな…
続きを読む2023/01/27
【第四章 連合軍】第四話 セバスと二人で
緊急会議は閉会した。皆の戦意が強すぎて、少しだけ怖かった。 それだけ、俺のダンジョンを大事に思ってくれていると、考えておこう。 「セバス」 俺の部屋に場所を移動した。 セバスが、着替えたいと申し出たので許可を出した。すぐに戻ってくるかと思った。戦装束の姿から、薄手のワンピースを羽織っただけの姿だ。正直に言えば、目のやり場に困る。セバスなら、ジロジロと見られたとしても文句は言わないだろう。男の矜持として、視線は動かさない。”見たい”が見ない。 「はい。魔王様」 「どこが、最初に動くと思う?」 「神聖国に攻め込…
続きを読む2023/01/21
【第四章 連合軍】第三話 トップ会談
連合国から提供されたアイテムを使って、会談が実行される運びとなった。 参加国は、神聖国と王国と連合国のトップであるエルプレだ。 今までも、中央の魔王への対応で、三か国は足並みを揃えたことがあった。 しかし、今回は今までよりも大きな脅威に立ち向かう必要がある。 連合国から提供されたのは、意識を別の人間や魔物に乗り移させる道具だ。 そして・・・。 神聖国の教皇が選んだのは、魔物ではなく見目が麗しい男児だ。 王国の国王が選んだのは、自分の子供だ。使い道がなく、殺す一歩手前まで来ていた者だ。 エルプレが選んだのは、…
続きを読む2023/01/08
【第四章 連合軍】第二話 緊急会議
セバスが俺を呼びに来た。 謁見の間に皆が揃ったとの知らせだ。 準備は終わっているので、謁見の間に隣接している控えの部屋に入る。 そこで、俺の案内はセバスからミアに引き継がれる。 「魔王様」 珍しく、ミアから話しかけてきた。俺の返事を待たずに、跪いて頭を下げる。 「どうした?」 ミアが頭を上げる。 「魔王様。この度の作戦・・・。私にお任せ願えないでしょうか?」 ミアは、俺が想像した通りの申し出を行った。 セバスがミアに引き継いだ時点で、ミアが言い出すのは解っていた。セバスも承諾しているのだろう。 「ミア。それ…
続きを読む2022/12/05
【第四章 連合軍】第一話 緊急招集?
説明を終えたミアは、座りなおして、背筋を伸ばしてから深々と頭を下げる。 内容の精査をするという理由で資料はテーブルの上に残してもらう。ミアにはこれから行う会議での資料を準備するように指示を出す。 ミアは、新たな仕事が貰えたことに喜んで、部屋から出ていく。 セバスには残ってもらった。 ミアには、残っているメンバー(眷属)を塔の最上階(玉座)に集まってもらう様に指示を出した。 ミアが部屋から出たのを確認してから、もう一度セバスには俺の正面に座ってもらう。 「セバス」 ミアが居る時には見せなかった微笑だ。ミアたち…
続きを読む2022/11/27
【第三章 魔王と魔王】第二十話 風雲急を告げる
魔王カミドネが配下になったが、支配領域が増えたくらいで何も変わらない。 俺の生活は何も変わっていない。 魔王カミドネ領域の状況も見る事ができる。 そのうえで、ポイントは魔王カミドネに還元するように設定を行っている。 魔王カミドネの領域は、俺の領域とは違った方向性で成長を始めた。ポイントも、魔王カミドネの領域だけで黒字経営が出来ている。 大きくは、森林を残した状態で、防衛を主とした戦略だ。 戦略レベルでは俺も口を出したが、防衛を実際に行う場合の戦術レベルでは、魔王カミドネと眷属が行っている。 戦略は至ってシン…
続きを読む2022/11/13
【第三章 魔王と魔王】第十九話 【帝国】
七番隊の隊長だったティモンが、領地となっている城塞街(村)から帝都に戻ってきていた。 魔王ルブランが、魔王カミドネを支配下に置いて、神聖国からの討伐部隊を一蹴した。その後、公式には認められていないが、斥候からの情報で、神聖国と王国の連合で討伐部隊を組織したが、魔王カミドネに完敗している。損傷率7割にもなる。大惨敗だ。 魔王カミドネは、自分が治める領地とでもいうつもりなのか、柵を設置した。 そして、柵の中に獣人族を住まわせた。森となっている場所や、水場があり、獣人族は以前よりも安心して生活ができる状況になった…
続きを読む2022/11/05
【第三章 魔王と魔王】第十八話 【カミドネ】
魔王カミドネの生活は、神聖国からの攻撃を退けてから、さらに変わった。 大きくは、領土が広がった。 当初は、モノリスの魔王から、ポイントの補助を貰わなければ難しかった維持も、今では自ダンジョンだけで維持ができるようになってきた。魔王カミドネは、それで独立をしようとは考えていない。独立を考えて、実行に移すことは可能だ。しかし、独立して維持するのは不可能だと考えている。 魔王カミドネの領地が広がった事で、神聖国と連合国と王国と接する境が広がった。 それだけではなく、奪ったのは神聖国の領土が殆どだ。 使い道が無かっ…
続きを読む2022/10/23
【第三章 魔王と魔王】第十七話 【王国】
私は、連合国近くの城塞都市に、店舗を構える商人だ。 行商から初めて、城塞都市に店舗を持つ事ができた。商才は、それほど持っていない。自分のことなので、よくわかっている。一つの店舗を回すだけで精一杯だ。店舗を持てたのも、運が良かったに過ぎない。 行商は続けている。 王国に属している城塞都市だが、食料が絶対的に足りていない地域が多い。 慈善事業ではないが、やはり感謝されると嬉しく思える。行商の醍醐味の一つだと言える。 そんな私が、店舗を持てたのは、嫁の言葉と獣人のおかげだ。 王国は、獣人を奴隷として使いつぶす事で…
続きを読む2022/09/19
【第三章 魔王と魔王】第十六話 【神聖国】
神殿の広間。 神聖国は、宗教国家であり、玉座は存在しない。身分としての”王位”はない。神の代弁者である”聖王”が存在している。 聖王は、広間の中央に座っている。背後には、地球に住んでいる人ならほとんどの人が知っている。神の像が置かれている。これだけで、知るものが見れば、神聖国は”ダンジョン”や”魔王”と関わりがあると解ってしまう。それでも、聖王は十字架を掲げている。転生前は、それほど”神”を信じていたわけではない。しかし、ダンジョンマスターになり、”神”の存在を感じるようになった。そして、まだダンジョンが小…
続きを読む2022/09/12
【第三章 魔王と魔王】第十五話 今後?
神聖国からの遠征部隊を、カミドネとセバスが撃退した。 カミドネに、今後の運営の提案を行った。最終的には、カミドネが決めればいいと思っていた。 戦場の様子を見て、そのあとで設定案を送付した。 あとの事は、戦場に居た者たちに任せて、俺は普段の生活に戻ることにした。やりかけの改修を考え始める。 「魔王様」 部屋にセバスが一人で訪ねてきた。 何か、問題が発生しているのなら、当事者を連れて来るから、大きな問題ではない。 「セバスか?」 「はい」 扉の前から返事をしている。 「いいぞ」 「ありがとうございます」 扉を開…
続きを読む2022/08/29
【第三章 魔王と魔王】第十四話 確定?
ふぅ 神聖国と魔王カミドネの戦闘は、勝てそうだな。 初手が決まったのが大きかった。そこからは、消化試合のような感じだ。 セバスが、助力に向かっている。 一人で観戦している。寂しくはないが・・・。何か、物足りない。 アンデッドで、神官を倒すのは、いい試みだ。 今度、アンデッドだけのフロアを作って見るか? でも、俺たちの居城まで攻め込んでくる連中が居ないから、仲間内で試すことになりそうだ。 それでは面白くない。 魔王カミドネの所は、今後、彼女に任せるとして、神聖国に接している場所に、アンデッドだけのギミックハウ…
続きを読む2022/08/21
【第三章 魔王と魔王】第十三話 【カミドネ】戦闘
戦闘開始のトリガーは、私が持つことに決まった。 ルブラン殿から、戦況を見るために、モニタールームを作ることを提案された。 魔王様から作成に必要なポイントを貰ってきてくれているようだ。 魔王様に感謝しながら、モニタールームを作成した。 「カミドネ様。これなら・・・」 モニタールームの見学に来たフォリは、これなら私が前線に立たなくて済むと安心してくれた。 それは嬉しいのだが・・・。 「魔王カミドネ。貴殿の眷属である。フォリ殿に、”念話”スキルを与えて、各眷属との連絡要員にしたいが、大丈夫か?」 「え?連絡要員?…
続きを読む