~第495代目当主~

2021/11/23

【第二章 ギルドと魔王】第十六話 【ギルド】城塞町

 帝国の辺境地域にある城塞町に、一通の召喚状が届いた。 「ボイド。魔王ルブランからの召喚状だ」  部屋に入ってきた、メルヒオールは執務机に座っているボイドに投げかける。  メルヒオールは、新ギルドの相談役のような役割になっているが、現状では、城塞町の領主になっているティモンの所で食客のような立場になって、新ギルドと帝国を繋ぐ役割を担っている。  入ってきたのが、メルヒオールだとわかっても、ボイドは言葉遣いを変えない。  今のギルドは、ボイドがトップの体制になっている。前ギルドマスターであるメルヒオールでも敬…

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2021/11/17

【第二章 ギルドと魔王】第十五話 開戦

 開戦?  バチョウもカンウも連合国の背後に回っている。見つかったら、見つかったで、突撃を許可していた。わざと見つかるような愚かな行為はしなかった。しかし、連合国は、進軍するときに斥候を放たないのか?  確かに距離を開けていたが、苦もなく迂回が成功した。  うーん。  次に造る施設?アトラクションは、レベルを落としたほうがいいのか?こいつらだけが愚か者だと思いたい。アトラクションを楽しんでもらえる程度には知恵を持っていると嬉しい。  行軍が遅かった理由が、心の底からくだらないと言える理由だった。 ”奴隷の男…

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2021/11/06

【第二章 ギルドと魔王】第十四話 魔王は暇

「マイマスター。もうしわけありません」 「いいよ。セバス。見ていたから・・・。ふぅ・・・。連合国は何がしたいのかわからない。それに、あんなに弱いとは思わなかった」  モニターに映されるのは、監視罠(罠とつければ、何でも許されると思っている)から送られてきている映像だ。森の端に、監視用に設置している物だが、今は連合国からの侵略者を迎え撃つために使っている。  砦を築いていたのは、最初は5,000人程度だったので、モミジとカエデとナツメだけで戦ってみることになった。  バチョウとカンウの部隊編成が終わっていない…

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2021/11/05

【第二章 ギルドと魔王】第十三話 【連合国】

 連合国は公称10万の兵で、魔王ルブランの討伐を掲げて、進軍を開始した。  総指揮は、序列1位の”エルプレ国”の騎士デュ・ボアがとっている。  連合国の序列4位の国オラブルから、出陣した公称10万の兵は、砦の構築を行うために先行した1万(公表した数字は5万)の奴隷兵を除いた。9万(実際には4万)の兵が、魔王ルブランの居城を目指している。各国から精鋭部隊(と言っている者たち)が参加している。足並みが揃うはずもなく、進軍速度は予想以上に遅い。  序列4位のオラブルから、魔王城までは通常行軍で5日ほどだが、倍の1…

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2021/11/04

【第二章 ギルドと魔王】第十二話 御前会議

 憂鬱な気分になっている。  しばらくは、マイマスターと楽しい時間が過ごせていた。  書庫で読んだ本の内容を、マイマスターに質問する。マイマスターが解らなければ、また新しい本を取り出していただける。その一連の流れで、マイマスターと楽しい時間が過ごせた。 「ルブラン!」  あぁ”セバス”とは呼んでもらえない。モミジたちだけではなく、ヒアとメアも居るから”セバス”呼びが無理なのは理解している。でも・・・。  そして、ヒアはメアを気にしている。メアの目線は、マイマスターに注がれている。 「はい」 「攻めてきたのは…

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2021/11/03

【第二章 ギルドと魔王】第十一話 周辺国

「ティモン」 「陛下。御前に」  帝国の帝都にある。高級な宿屋の一室だ。7番隊の隊長であった、ティモンが、一人の男性に跪いて頭を垂れる。 「堅苦しい挨拶は必要ない。余と、貴様しかいない」 「はっ」  玉座の住人が、ひと目を避けるようにして、宿屋に来たのには大した理由はない。  面会の相手が、前7番隊の隊長であるためだ。7番隊は、表向きは解体されている。そして、隊長であったティモンは、責任を取る形で、辺境の”村”の領主となった。玉座では、余人に聞かれてしまう可能性があり、宿屋での面談となった。 「それで、魔王…

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2021/11/02

【第二章 ギルドと魔王】第十話 【ギルド】

「ギルマスからの連絡は有ったのか?」 「ない。上の方から、新たなギルマスの選定を行うと連絡が入った」 「そうか・・・。メルヒオールも愚かなことをしたな」 「そうだな」  本部のギルドマスターであったメルヒオールが、複数のギルドを新設した。ギルドの新設は、新たなポストと権益が産まれるために、ギルド職員や関係者は、権益のおこぼれに期待をした。  しかし、権益は本部には割り振られなかった。正確には、”現在のギルドを支える者たち”には、新たなポストが割り振られなかった。  メルヒオールが独断で決定して、ギルドマスタ…

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2021/11/01

【第二章 ギルドと魔王】第九話 確認

 平和だ。  帝国のゴミを掃除してから、魔王城に攻め込んでくる者が出てこない。  増えたポイントで領域を広げた。魔王城(仮称)の周りに広がる森の全域が領域に組み込まれた。もう少し広げられるポイントは残っているのだが、存在する村や町を領域内に組み込めなかった。  平和で暇な時間に、先代たちの日記を読み漁ったが、森の向こう側まで領域を広げた例が見当たらなかった。ポイントが足りないのか、それともそもそも不可能なのかわからない。もしかしたら、なにか条件があるのかもしれない。  スキルは多すぎて、まだ”本”での確認が…

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2021/10/30

【第二章 ギルドと魔王】第八話 日常?平和?

「マイマスター」  マスタールームの拡充をしているとセバスが部屋を訪ねてきた。  前室のような場所を作って、セバス以外は前室で待たせることにしているが、セバスも前室で待ってから、部屋に入ってくる。  今日は、マスタールームの拡充を行っているので、前室で会うことにした。 「どうした?」  セバスの服装が、どんどん過激になっていくのは気のせいだろう。  このままだと、セバスは全裸で俺に会いに来るぞ? 「はっヒア、メアの両名により、帝国から送られてきたゴミの始末が終了しました」  帝国からは定期的に、ゴミが送られ…

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2021/10/29

【第二章 ギルドと魔王】第七話 【連合国】

 連合国の首都にして、加盟国のすべての出先機関がある街は、ある意味で秩序がバランスよく保たれている。連合国の首都は、ギルドの本部が存在している。ギルドからもたらされる情報を扱って、連合国間だけではなく、各国とのバランスを取っているのだ。  その連合国の首都にある。出先機関の一つで重大な会議が行われている。加盟国の出先機関に同じ部屋が設置されることになっている。この部屋の用意が難しい国は、連合国の重大な決定事項には関わることが出来ない。 「どうするのだ!」  円卓には、6名が座っている。  末席という概念はな…

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2021/10/27

【第二章 ギルドと魔王】第六話 ギルドvsギルド

 ボイドは悩んでいた。  ギルド本部に反旗を翻したのは後悔していない。必要なことだと本気で思っていた。昨今のギルドは、あまりにも二つの国家に近づきすぎている。それに、ギルドと神聖国には、秘密があり、その秘密をボイドたち情報部はしっかりと握っている。 「君が、今代のボイドなのか?」 「そうです。情報部の取りまとめをしております」  今日のボイドは、朝から客人との打ち合わせを行っている。  帝国の上級貴族に連なる者との面談や、帝国だけではなく、大陸に根を張る商家との面談を行っていた。そして、今日の最後に面談が、…

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2021/10/26

【第二章 ギルドと魔王】第五話 リニューアル

 魔王城を守るための城壁は三重になった。内壁と六芒壁と外壁だ。外壁は、幹部となった子どもたちと武官であるカンウたちの意見で作った。  六芒の形になっている城壁の周りには、水堀が存在している。幅は10メートルほどだ。その水堀の一部が湖になり、カプレカ島が存在している。湖の中心くらいから、魔王城を囲うように、新たな城壁が出現した。魔王ルブランから、カプレカ島を介して城塞村には伝えられていた。一晩にして現れた城壁は驚愕を持って迎えられた。この城壁の出現で、魔王城の守りは強固になった。野営が出来る場所が、一箇所に絞…

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2021/10/24

【第二章 ギルドと魔王】第四話 城塞村?

「メイ。おはよう」  狐人の姉妹は、引っ越しを終えて、魔王城の地下での生活をスタートさせた。  姉であるメアは、ルブランの配下になっているが、他の者たちと同じで、モミジや四天王から、いろいろなことを教わりながら生活をしている。  妹のメイは、カプレカ島にある学校で午前中を過ごして、午後は、学校の仲間と、魔王が定めた領域の外側に出来た城塞村で、ギルド員としてお手伝いをしている。子どもたちなりに、自分たちで出来ることを探しているのだ。過保護な魔王が、護衛役を付けているのは知られている。  護衛役が居なくても、子…

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2021/10/23

【第二章 ギルドと魔王】第三話 【連合国】【ギルド】

”帝国は、新しく産まれた魔王と密約を結んだ”  こんな噂が、各国の首脳部に流れたが、帝国は噂だと取り合わなかった。  事実、帝国は魔王と密約を結んでいない。全面降伏だ。”攻めてこないで欲しい”・”魔王城に手を出す輩がいたら、遠慮しないで殲滅しても問題にはしない”。これらが、帝国から魔王に伝えられたことだ。  噂を信じている者たちが居る。正確には、”真実でないと困る”と思っているのだ。 「ギルドは、どういうつもりだ?」 「え?」  ギルド本部がある連合国の首都にある。連合国に属する国の大使館は、朝から新たに産…

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2021/10/22

【第二章 ギルドと魔王】第二話 元奴隷の日常

「お姉ちゃん。おはよう」 「メイ。おはよう」  ルブラン様。違った、魔王様から、呼び名を貰った、本当の名前は、”家族から貰ったものだから大事にしなさい”と言われて、普段は魔王様から貰った名前で呼び合うことに決まった。  家族も大事だけど、私は魔王様から貰った、”メア”という名前がすごく、すごく、すごく、大事だ。 「うん!」  妹も、貰った名前を気に入っている。 「メイ。今日は、学校だね?」 「うん!ヒカと一緒に行ってくる!」  ヒカは、人族の子供だ。メイが、よく一緒に遊んでいる。  村に居た時には、人族と”…

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2021/10/03

【第二章 ギルドと魔王】第一話 カプレカ島

 セバスに、島に名前が欲しいと言われたので、安直だとは思ったが”カプレカ”と名前を付けた。  セバスが、ルブランとして、島に訪れて、名前を”カプレカ島”と宣言した。従って、セバスは”カプレカの魔王”と呼ばれるようになった。  魔王への感謝が限界突破している子どもたちは、契約を行ったあとで、子どもたちには呼び名を授けた。  子どもたちの話や、大人の奴隷の話を聞いて、”名前”を与える儀式が危険な行為だと解った。セバスとモミジが、名前を持つ者たちを調べた結果、弱い”呪”が埋め込まれていた。人族だけではなく、種族に…

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2021/10/01

【第一章 ギミックハウス】第二十九話 帝国

 俺の討伐部隊が攻め込んできてから、3ヶ月が経過した。  魔王城(仮称)は、今日も平和だ。  帝国からは、奴隷と関係者が、200名ほど連れられてきた。同時に、違法奴隷を扱っていた商人や貴族も連れられてきた。”好きにしてよい”と言われた。元奴隷たちに聞いたら、殺したいほど憎んでいる。  父親を、母親を、家族を殺された。  妻を目の前で犯された。  恋人を殺された。  子供を殺された。  攻め込んできている者たちの中に、獣人や多種族を奴隷にするために、町や村を襲っていた者が居た。しかし、奴隷たちは、商人や貴族た…

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2021/09/30

【第一章 ギミックハウス】第二十八話 【帝国】魔王の所業

 陛下からの呼び出しだ。状況を報告しろとのことだ。  陛下と宰相に連絡をしたので、当然の反応だ。それも、他の予定を飛ばしての面会だ。  昨日の夕方に、ギルド職員と一緒に書状を提出した件に関してだ。  朝には、呼び出された。ギルドは、職員ではなく、ボイドと名乗った、隊員と一緒に戻ってきた者が、会議室に呼ばれている。  会議室に入ると、ギルドのボイドは既に着ていた。  陛下に臣下の礼をしてから、指示された椅子に座る。 「ティモン!本当なのか?」  陛下から、想像していたのとは違う質問が来る。  陛下が聞きたいの…

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2021/09/29

【第一章 ギミックハウス】第二十七話 魔王の所業

 さて、そろそろ不快感が上回ってきた。  今、セバスと一緒に魔王城(仮称)で、武器や防具を持っていた者たちの話を聞いている。  話の内容は、速報として俺のところに届けられるが、気分が悪くなってくる。 「ルブラン!」  どうやら、奴隷たちは、無理やり戦いに参加させられたのは間違いないようだ。  村を襲われて、家族の命と引き換えに奴隷になった者や、目の前で家族を惨殺されて、心が折れてしまって奴隷になった者も居る。 「はっ」  奴隷の前で、セバスが俺に対して頭を下げる。  セバスやモミジからの助言だ。魔王城(仮称…

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2021/09/28

【第一章 ギミックハウス】第二十六話 追加と拡張

 25人を追加する前に、セバスたちの部屋の拡張を行おう。現状では、25名の部屋は無い。  仕事場は、それぞれの代表に考えさせよう。  基本は、魔王城の4階かな。攻められても、4階までは来ないだろう。それか、子どもたちに用意する予定になっている。地下に施設を作るか?  子どもたちに教えるという役割を持たせるのなら、近くの方がいいよな。  面倒だな。  捕らえる奴隷たちを労働力に使って、施設を作らせるか?  領域は余分に確保している。  外側の壁は、今回はスルーさせたが、本来なら罠として利用出来る。2つの壁との…

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2021/09/27

【第一章 ギミックハウス】第二十五話 補強

 また、”本”を読んでいて、寝てしまった。  解ったことがある。”夜伽”はスキルで存在していて、呪いのような物だ。セバスたちを呼び出す時に”OFF”にしていた俺を褒めてやりたい。  これから、気をつけよう。  ”スキル”として夜伽があるとは思わなかったが、オプションで選択が可能な項目は、全部スキルになっていると思ったほうがいいだろう。チュートリアルが終わって、大丈夫だと思ったら、こんな罠を仕掛けるなんて、簡単に攻略をさせたくないようだ。  でも、セバスたちが夜伽は、本人の意思だというのがわかっただけでも・・…

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2021/09/26

【第一章 ギミックハウス】第二十四話 【帝国】魔王城?

 我たちは、魔王城に作られた壁を突破した。  簡単に突破できてしまった。反対側にしか門が無いために、距離はあるが。魔物も罠も無いために、ただ距離がある以外の意味は持たない。  我の説を裏付ける事態が更に展開される。 「殿下」 「間違いは無いだろう」  門から入った場所で、部隊を集結させる。中央に建つ異様な白い建物が魔王城だと思われるが、我は愚か者ではない。斥候を出して、門の位置や罠の確認を行わせる。その間に、部隊に休息の指示を出す。  斥候が戻ってくる頃には、後ろからやってくる奴隷兵たちも到着するだろう。 …

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2021/09/25

【第一章 ギミックハウス】第二十三話 学習

 セバス(ルブラン)が、マスタールームから出ると、5人が整列して待機していた。 「代表を決めたほうが良いでしょう」  ルブランからの言葉は、上位者からの言葉だ。  代表と言われても、皆が顔を見合わせる。 「そうですね。カエデ。貴方が、皆の代表です。他の者もいいですね?」  文句が出るはずもない。  上位者からの命令は絶対だ。  ルブランは、5人に、知識として”知っている”と思われる内容を含めて、マスターに関する物事の説明を行う。  自分がマスターの眷属になってからの話は、丁寧に、マスターの偉大さを伝えるよう…

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2021/09/24

【第一章 ギミックハウス】第二十二話 【帝国】突破

 部下からの報告で、門に不可解な数字が出現して、数字が減っていると報告を受けた。  意味がわからないために、攻撃を控えるように指示を出した。  増援が向っている状態で、下手に動くのは得策ではない。 「殿下!」  5番隊の隊長と、15番隊の隊長が揃って挨拶に来た。 「よく来てくれた。援軍は、公爵からか?」 「いえ、自分たちは、陛下からの勅命を受けて来ました。7番の軟弱者が撤退を考えているようだと聞いて、殿下の戦歴のために我らを使わせたのだと理解しています」  天幕の中には、7番隊の目が居る。5番隊の隊長も、解…

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2021/09/23

【第一章 ギミックハウス】第二十一話 新たな人材

 起きたが、やることがない。  ポイントを使って、好きだった弁当を取り寄せる。  一度、こっちのパンを食べてみたが、味がしない。いや、味はしているのだが、素朴な味だ。軽く炙ってから、バターをたっぷり乗せたら食べられるかもしれない。そこまでして食べたいとは思わなかった。適材適所なのかもしれないが、パンが食べたくなったら、食パンを仕入れようと思う。それか、こっちの世界でも小麦が存在しているから、パンを作らせてみるのもいいかもしれない。 「マイマスター」 「何かあったか?」 「お部屋に入ってよろしいですか?」 「…

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2021/09/22

【第一章 ギミックハウス】第二十話 【奴隷】穏やかな日々

 ここは?  あっ  私たちは、魔王様に捕らえられて・・・。  部屋を与えられた。産まれて初めて、お風呂に入った。冷たい水ではなく、温かい水で身体を拭いた。汚れで、綺麗だったタオルがすぐに汚くなってしまった。でも、ルブラン様から言われた通りに、石鹸を付けて身体をこすった。いい匂いがして、身体が綺麗になった。ゴワゴワだったしっぽがふわふわになった。それから、温かい水に身体を沈めた。  なぜか、涙が出てしまった。  身体から、全部の悪いものが出ていくように感じてしまった。妹が心配そうに見上げてきたが、頭を撫でて…

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2021/09/21

【第一章 ギミックハウス】第十九話 セバス動く

 私は、セバス。  マイマスターに生み出された。  先程、マイマスターのお力で、魔物を使役して、私の配下になるように設定していただいた。  私が出向けば、目的の達成は容易い。しかし、マイマスターから頂いた”子供たちを頼む”という命題との同時進行では、マイマスターのお側で過ごす時間が減ってしまう。そのために、失礼な話だとは思ったが、マイマスターにお願いをしてしまった。  それにしても、面白い。  魔物ポットという装置は、本当に魔物が産まれてくる、産まれてきた魔物は、私が支配できる。意思の伝達が可能になっている…

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2021/09/20

【第一章 ギミックハウス】第十八話 門を開く

 人族が攻め込んできて、今日で6日だが・・・。魔王城は、今日も平和です。  捕らえた、子どもたちはセバス(二人の時に、ルブランと呼ぶと悲しそうな顔をする)に会ってから、素直に地下の部屋に入ってくれた。地上部は、戦闘になる可能性を考慮して、出入りを禁止した。戦闘が終わってから、地上部で自給自足が可能な状態まで持っていこうと思ったが、”本”で先代の日記を読んでいたら、面白い記述があり試してみた。  地下型の魔王城を作成した者の日記だったのだが、地下に地上と同じような草原を作られるという記述だ。  うーん。ポイン…

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2021/09/19

【第一章 ギミックハウス】第十七話 【帝国】

「宰相。増援部隊は?」 「昨日、帝都を出ました。まもなく、攻略を開始するでしょう」 「そうか・・・。後継者争いが起こる前に、考えなければならないな」 「まだ、その・・・。お言葉は、些か早いように思えます。殿下が、魔王を討伐して」 「宰相。そちも、解っているのだろう?」 「はっ。陛下。ギルドからの申し出は?」 「本部から来るのであろう?会わないわけには行かないだろうな」 「はっ。日程の調整を行います」 「討伐部隊と増援部隊の結果が出てからになるように調整してくれ」 「かしこまりました」  宰相が、余に頭を下げ…

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2021/09/18

【第一章 ギミックハウス】第十六話 魔王の所業?

「魔王様」 「ルブランで良い」  魔王は、マイマスターの称号だ。代理とは言え、”魔王”と呼ばれるのは避けたい。  それに、魔王と呼ばれて良いのは、マイマスターだけだ。 「はい。ルブラン様。食料や毛布をありがとうございます」  子どもたちが揃って頭を下げる。  代表は、狐人族の少女のようだ。人族が居るのに、珍しい。 「お前たちは、真命はあるが、呼び名が無いようだな」 「え?真命?で、ございますか?」  真命を知らないのか?  奴隷だからなのか? 「知らぬのなら、それで構わない。貴様たちは、300名だったな」 …

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