物流の記事一覧
2024/07/04
【第九章 ユーラット】第三十三話 現状把握
「殿下への提案の前に、気になっていらっしゃることをお伝えします」 全てが気になるが、相手の・・・。神殿がどんな情報を持っているのか気になってしまう。 「姉たちのことか?」 視線から、アーティファクトに隔離されている者たちのことだろう。 正直にいえば、神殿が始末してくれるのなら、全面的にお任せしてしまいたい。害悪しかない存在だ。特に、皇国の連中を率いてなど愚かすぎて・・・。どんな条件だったのかききたくもない。皇国に何を吹き込まれたのかわからないが・・・。死んでくれた方が嬉しい。 「彼女たちは、エルフの里…
続きを読む2024/05/05
【第九章 ユーラット】第三十二話 交渉開始
里の入口となっている、エルフの村に迫った。 「殿下?先ぶれを出しますか?」 「そうだね」 食料はまだ大丈夫。 途中で合流した50名が食料を運んできていた。 エルフの里に伝令を出して、僕たちは野営して返事を待つことにした。 「殿下?」 僕の天幕には、帝都から連れてきた侍女しかいない。 僕が帝都から連れ出した者の一人だ。正確に言えば、一緒に居てほしい唯一の人だ。 「何?」 「よろしいのですか?」 「何が?」 彼女が気にしているのはわかるけど、わからないフリをする。 「殿下・・・。私は、貴族といって…
続きを読む2024/03/17
【第九章 ユーラット】第三十一話 選択
神殿の指令室には緊張した空気に満たされ始めた。 今回の戦闘で、犠牲が出る可能性が高い瞬間が近づいている。 だからこそ、ヤスだけではなく、皆がプロジェクターによって大きく映し出された状況を凝視している。 「ねぇヤス。大丈夫だよね?」 リーゼの言葉を皆が聞き耳を立てている。 実際には、作戦を伝える時に、説明はしている。実際に、実行はしっかりと行われた。ただ、指令室に居る者たちが関わっていないために、心配な気持ちが強い。 「あぁ大丈夫だ。ユーラットに居るのは、ドッペルだけだ」 ヤスは言い切る。 正確…
続きを読む2024/01/06
【第九章 ユーラット】第三十話 それぞれの選択
第三皇子が帝都を脱出して、エルフの里に向かっている頃。 第二皇子は、選択を迫られていた。自らが選んだ道なのだが、最後の決断が出来ない。 「殿下。準備が整いました」 自らがユーラットに向かうと宣言してしまっている。 第二皇子は、自らがユーラットに向かう船が整うのを待っていた。事になっていた。その間に、第一皇子側に潜り込ませたスパイから、情報を得ていたのだが、第二皇子が考えていた以上に、戦況が混沌としていない。 「戦況は?」 「・・・」 「第一皇子の・・・。兄は、無事なのか?」 「はい。第一皇子は、帝都…
続きを読む2023/12/20
【第九章 ユーラット】第二十九話 第三皇子
皇都からの脱出に成功した。 皇帝は、第一皇子と第二皇子の対立を利用して、王国にある神殿を攻め落とそうとしている。 僕が調べた限りでは、神殿を攻め落とすのは兄さんたちでは不可能だ。もちろん、僕にも不可能だ。もっと言えば、帝国の勢力が協力して、全方位から同時に攻め込まない限りは攻め落とすのは無理だろう。 皇帝は・・・。父は、焦っているのかもしれない。 それに、兄さんたちは乗せられてしまった。 妹は、上手くやったようだ。 兄さんたちは、妹を追い出したつもりでいるが、僕から見たら、妹は上手く逃げ出して…
続きを読む2023/12/02
【第九章 ユーラット】第二十八話 アラニス
ディアス・アラニスは、モニターに映し出されている戦闘風景を複雑な思いで見ていた。 ディアスは、目の前で行われている戦闘を望んでいた時期もあった。 実際に、帝国から追われた身では、帝国の貴族連中を、憎しみがこもった目で見るのは当然だ。帝国の貴族は、ディアス・アラニスにそれだけのことをした。貴族だけではない。ディアスは、帝国を深く憎んでいる。本来なら、”アラニス”を保護して守る存在であるはずの、皇子が率先して”アラニス”を断罪した。いわれなき罪を被せての断罪だ。しかし、憎んでいるのは貴族連中であり、皇族だ…
続きを読む2023/11/16
【第九章 ユーラット】第二十七話 侵攻(5)
ヤスが、楔の村(ウェッジヴァイク)への出兵を行うと宣言をした。 元々、帝国から攻めてきた戦争だ。それに対して、神殿側は反撃らしい反撃をしていなかった。 帝国の部隊が、神殿の領域に到達する前に瓦解することが多く、散発的な戦闘はこれまでも有った。しかし、まとまった攻撃は、楔の村(ウェッジヴァイク)が初めてだ。待っていたというよりも、神殿の中にも痺れを切らしている者たちが存在していた。その者たちのガス抜きの意味もあり、攻勢に出た方がいいと判断した。 指令室に居る者たちは、交戦を回避したいと考えていたのだが…
続きを読む2023/10/31
【第九章 ユーラット】第二十六話 侵攻(4)
ヤスとリーゼが神殿に戻ってきたのは、帝国が楔の村(ウェッジヴァイク)を完全に包囲した時期と重なった。 指令室になっている会議室に、ヤスとリーゼが戻ってきた。 「戦況は?」 ヤスは、自分の席に座る。リーゼは、当然のようにヤスの隣に座る。 作戦室でオペレータを務めていたのは、オリビアだ。 帝国の侵攻が始まってから、交代でオペレータを務めている。今は、オリビアとメルリダとルカリダが務めている。ヤスには、事後に承諾を貰っているが、監視している箇所は、3箇所に絞っている。 他は、問題や動きがあった場合にアラームが上が…
続きを読む2023/10/12
【第九章 ユーラット】第二十五話 不在の理由
指令室となっている会議室には、ヤスとリーゼの姿が無くなっている。 帝国の侵攻を開始して、2週間が経過した。 帝国の侵攻は遅々として進んでいないが、先行部隊というべき者たちが、トーアヴェルデや楔の村(ウェッジヴァイク)に攻撃を仕掛け始めている。 「サンドラ様。帝国の動きは?」 オリビアの問いかけに、今日の指令室の責任者になっているサンドラが、メインディスプレイに解っている範囲での帝国軍の動きを示した地図を表示する。戦闘になっている部分は、リアルタイムでの情報更新が行われているが、帝国国内の情報にはタイムラグが…
続きを読む2023/09/09
【第九章 ユーラット】第二十四話 侵攻(3)
ヤスは指令室?で、まったりと過ごしていた。 「ねぇヤス。動きがないね」 リーゼは、すでに飽きてしまっている。 地図上に表示されている帝国軍の進み具合を楽しそうに見ていたが、遅々として進まない行軍を見ていても飽きてしまっている。 「ん?あるぞ?」 ヤスの指摘した通りに、微妙な違いだが、動きは見られる。 部隊を二つに分けている。 二つに分かれた部隊の片方が、さらに二つに分裂をしている。 一つは、オリビアを支援する者たちで構成されている。内通者が既に連絡をしてきている。 情報は常に更新されている。 「あるけど、な…
続きを読む2023/08/10
【第九章 ユーラット】第二十三話 侵攻(2)
ヤスとリーゼが、作戦室に到着した時には、オリビアがメルリダとルカリダを連れて待っていた。 「中で待っていれば良かったのに?」 ドアの前で待っていた3人は、ヤスとリーゼが来たのを見て、一歩下がって道を譲った。 「いえ、誰かが来られるまで、私たちだけで中に居るのは・・・」 気にする必要は無いのだが、オリビアは元帝国の姫だ。 神殿に居る状態では、マルスが監視をしているので、大丈夫なのだが、状況を知らない者も居る。その場合に、オリビアの行動で、ヤスに批判の矛先が向いてしまうかもしれない。オリビアだけではなく、アデレ…
続きを読む2023/07/30
【第九章 ユーラット】第二十二話 侵攻(1)
エルフの里に、救援に向かう部隊の編成を行った。 エルフの里への救援の目的は持っているが、神殿やユーラットからエルフの里に避難させる意味合いもある。 ヤスは、リーゼを救援部隊のトップにしようと考えていたが、リーゼが神殿に残ると固辞した。 リーダは、アフネスにも拒否された。同じように、ドーリスやサンドラやアーデルベルトにも拒否されてしまった。 カイルやイチカでは、救援部隊のトップには経験が足りていないとなり、ギルドに依頼を出すことで落ち着いた。子供たちを避難させることが目的なのだが、”密約”に関係していることも…
続きを読む2023/07/22
【第九章 ユーラット】第二十一話 帝国国内
帝国の情報は、確かに、オリビアから得る事が出来た。 しかし、オリビアが持っている情報は、第三皇女として得た情報でしかない。そして、大きな問題として、帝国は王国よりも男尊女卑が強い傾向にある。また、政務などの情報も入手が難しい立場だった。オリビアの頭脳が優れているために、ある程度の情報から正解を導き出すことが出来てしまっていた。 情報の齟齬があるとしたら、帝国国内の情報ではない。 オリビアにも小さいながらも派閥が存在していた。後見してくれる貴族も存在していた。その為に、帝国内の情報は、遅くても入手が出来ていた…
続きを読む2023/07/01
【第九章 ユーラット】第二十話 エルフの里
”コア:マリア” ”はい。マルス様” ”コア:マリア。貴方の巫女は近くにいますか?” ”最終候補者は、里に戻っております” ”急がなくても良いのですが、神託を降ろしてください” ”かしこまりました” マルスから、エルフの里に居る者たちに神託を降ろすように依頼が出た。 エルフの里は、アデヴィト帝国とは直接は国境を接していない。 しかし、帝国の複数の属国とは国境を接している。 帝国が、神殿への圧力と同時に、エルフの里に侵攻する可能性は低い。 しかし、マルスは、可能性の一つとして考えていた。 マルスは、ヤスにはマ…
続きを読む2023/06/22
【第九章 ユーラット】第十九話 王国
国王の下に、辺境伯からの書状が届いた。 普段と同じ書き出しであるが内容は、石納の眉を顰めるのに十分な威力を持っていた。 「クラウスを王都まで呼び出す」 「陛下!」 「宰相か?なんだ?余の判断に異を唱えるのか?」 「いえ違います。クラウス辺境伯からの情報は、確かな物でしょう。ならば、陛下と私が辺境伯領に向い・・・」 「そうか・・・。御仁と会う事も考えた方が良いと言うのだな」 「はい。ユーラット一つで王国の安全が・・・」 「言うな。考えるまでもないが、ユーラットは、切り離さない(約束を違えるわけには・・・)」 …
続きを読む2023/06/08
【第九章 ユーラット】第十八話 そのころ
ヤスが慣れないことをしている頃。 リーゼは、神殿に来ていた。 サポートは、ファーストだけだが、マルスが監視をしているので、大きな問題になっていない。 リーゼが神殿に足を踏み入れるのは、今回が初めてではない。 エルフの里から戻ってきてから、皆が忙しそうにしている時に、黙って神殿に入ろうとした。武器と防具の一式を持ち出して・・・。 マルスからファーストに連絡が入って、アタックする前に見つかってしまった。 リーゼは、皆がヤスの為に知恵を絞っているのを、自分では知恵の面では役に立たないから、力をつけようとしたようだ…
続きを読む2023/05/16
【第九章 ユーラット】第十七話 慣れない事をする
カイルとイチカとドッペルたちが揃ってオペレーションルームに入ってきた。 「旦那様」 「ありがとう。セバス」 ドアを開けて、カイルとイチカが中に入ったのを確認した。セバスは、全員が部屋に入ったのを確認してから深々と頭を下げた。 ドッペルは、ドッペルだと解る姿に戻って、オリビアの横に移動する。オリビアが、自分のドッペルから”痛み”の情報以外を貰い受ける。ドッペルから見ていた情報をオリビアが必要だと判断した。 ヒルダの蛮行を誰かに聞かれた時にしっかりと自分の言葉で説明を行うためだ。 そして、カイルとイチカにしっか…
続きを読む2023/05/03
【第九章 ユーラット】第十六話 観劇
姫様が、攫われた。 私が助けて・・・。 違う。姫様をお救いする為に、本国に救援を求める。 あれは、間違いなく姫様の作戦だ。 その証拠に、私の手元に情報が揃っている。 あとは、私が姫様から託された作戦を・・・。しっかりと、愚かな者たちにも解るように書いた書類を添えて、本国に送れば、”姫様の救出”という名目で・・・。帝国が神殿や王国に攻め入ることができる。 姫様の日記に隠された私に向けた指示にもしっかりと書かれている。 まずは、馬車を確保しなければ、馬車に隠されている帝国に伝わるアーティファクトを利用して、情報…
続きを読む2023/04/14
【第九章 ユーラット】第十五話 誤算
姫様が見つからない! 馬車の中を探しても、姫様の姿が見えない! 隠れている?違う。私が助けに来たのだ、隠れている意味はない。 そうか、私が助けに来たことを察知して、馬車から降りたのだな? 「オリビア姉ちゃん!」 誰だ! 二つの車輪が付いたアーティファクトに乗った子供が二人、馬車に近づいてきた。 「カイル!イチカ!」 姫様が、馬車の中から出てきた? 探しても姿が見えなかったのに? どこに居たの? アーティファクトに乗ってきた二人の一人が、私に突っ込んできた。 とっさに避けた。 私くらいになれば避けると同時に攻…
続きを読む2023/03/29
【第九章 ユーラット】第十四話 襲撃
姫様が、ユーラットの宿屋の女将に頭を下げに来る。 帝国の姫様が、宿屋の・・・。それも、寂れた村にある宿屋の女将なぞに謝罪などありえない。 アイシャがルカリダを連れてきた。そして、姫様が持っていた、連絡用の魔道具を動かすための鍵を・・・。 姫様を騙したわけではない。姫様が正しい道に戻られるための試練なのだ。 ルカリダからは、姫様の行程を事前に調べさせた。 普段の行動でも、姫様が私にメッセージを送っているのが解る。 姫様は、神殿が使っているアーティファクトを使わずに、帝国の馬車でこちらに来るようだ。 やはり、姫…
続きを読む2023/03/21
【第九章 ユーラット】第十三話 挨拶
各陣営の思惑が入り混じった混沌とした作戦の実行が明日に迫っていた。 踊らされている陣営(ヒルダ)が上手く誘導されているのか最終確認に向かった者が先ほど、神殿に帰ってきた。 「首尾は?」 「渡してきました。姫様。本当に、よろしいのですか?」 最後のピースを、ヒルダに渡す役目はルカリダに委ねられた。 オリビアが持っていて、盗ませる方法も考えたのだが、どう考えても不自然な上に、ヒルダが、最後のピースに気が付かないと、作戦が破綻してしまう。作戦の鍵になりえる物を先に渡してしまおうと考えたのだ。 作戦の鍵(・)を託さ…
続きを読む2023/03/08
【第九章 ユーラット】第十二話 騎士
私は、アデヴィト帝国-近衛兵団-オリビア・ド・ラ・ミナルディ・ラインラント・アデヴィット付きの騎士だ。 姫様が、何をお考えになっているのか解らなかった。 しかし、姫様からの私に対する指示だと思える話を聞いた。 「いいか、明日。姫様がこちらに来られる」 「ヒルダ。いい加減に」「うるさい!姫様が、帝国の皇女である姫様が、帝国を裏切ることはない。絶対にない!今までの姫様は、擬態だ。神殿を攻撃して、帝国の物にするための策略に違いない。そうだ。そうでなければならない。姫様は皇女だ。私たちの主なのだ。私と、私たちと、帝…
続きを読む2023/02/21
【第九章 ユーラット】第十一話 裏話
俺は、オリビアとアーデルベルトから、ユーラットを囮にした作戦の詳細を聞いている。作戦が決まったので、会議室で説明をしたいと呼び出された。 危険はあるが、二人だけではなく、皆が作戦の実行を支持しているようだ。 サンドラも途中から加わって、3人から説明を始めた。ドーリスが書類を持ってきて、補足を説明する為に残って、俺の説得に加わった。 作戦には、マルスとセバスも立案に携わっている。 ユーラットのギルドと神殿のギルドも協力を表明している。 この段階で、俺がストップしても止まらないだろう。 それに、いい加減に帝国か…
続きを読む2023/02/15
【第九章 ユーラット】第十話 呼び出し
報告会が行われてから、皆が動き始めた。 アデレードとオリビアとサンドラは、神殿の主であるヤスに許可を求めた。 最悪の状況をしっかりと説明をした。 正直な話として、神殿が受けるメリットは少ない。”ほぼない”と言ってもいいだろう。それでも、ヤスは作戦の実行を許可した。 リーゼの安全が確保されていることや、マルスからも作戦の実行中に神殿部分に被害はないだろうと推測している。 危険なのは、トーアヴェルデとウェッジヴァイクだろう。二つ目には、戦力を配備している。帝国に面している森にも戦力を配置している。 会議が終了し…
続きを読む2023/02/07
【第九章 ユーラット】第九話 最終確認
カイルは緊張した面持ちで、立ち上がった。 イチカも、カイルと一緒に立ち上がったが、カイルよりは余裕が見える。 二人は、報告書で大丈夫というサンドラからの提案を、皆の前でしっかりと発表をしたいと言い切った。質問にも答えると言っている。 まだ早いという意見もあったのだが、二人は神殿に住む子供たちのリーダーの役割を持っている。実際に、子供の数は、成人している者から神殿にアタックしている者と西側に住む者たちを除けば、最大の人数になっている。大人たちがなんとなく、種族でまとまっているのに対して、子供たちは種族でまとま…
続きを読む2023/01/24
【第九章 ユーラット】第八話
「サンドラ。それでは、オリビア殿下は、問題になりそうな行動はしていないのだな」 資料の読み込みの時間を経て、私がオリビア殿下と従者になっている二人の行動を説明する。 神殿への攻撃的な態度や外部への情報流出を含めて、問題がなかった事を報告する。 特に、アフネス様が心配して、ユーラットに居る人たちが心配していたのが、ユーラットに残る問題児たちを処罰した時に、オリビア殿下がどう動くか?リーゼやヤス様に危害を加えようとするのか?そもそも、問題児たちへの対応を考えているのか? 「はい。アフネス様」 結論は出ている。 …
続きを読む2023/01/19
【第九章 ユーラット】第七話 第一回 報告会
今日は、私が議長を務める会議が神殿の一室で行われます。ギルドが入っている場所です。ふぅ・・・。少しだけ、本当に少しだけ心配です。 もう、何度も行っているので、会議には不安はありません。初めての議題で、皆の感心が高いです。感心が高いために、参加者の数も多いのが少しだけ心配です。予定の調整を行って、準備された会議室の広さからも、注目度がわかります。 自分が提案した会議です。資料もしっかりと作り込みました。 新しく加わる議題が少々・・・。では、なく・・・。面倒です。 前半は、報告がメインです。ミスがなければ、問題…
続きを読む2023/01/06
【第九章 ユーラット】第六話 オリビアの日常
オリビアは、すぐに神殿に馴染んだわけではない。 ヤスが用意した家は、屋敷と呼べるような大きさだ。従者と一緒に住むことが考慮されている。可能性は低いが、騎士の3人が神殿に住む場合には、オリビアたちに責任を取らせる意味も含めて、一緒に住める大きさの家をヤスは用意した。 家の手配は、セカンドたちが行い。家具などの準備も行った。 オリビアは、ヤスから屋敷を与えられてから、メルリダとルカリダにも対等に接するように伝えるが、二人は固辞した。 神殿に居る者たちに相談をしたが、”別にいいのでは?”という緩い返事が来た事で、…
続きを読む2022/12/01
【第九章 ユーラット】第五話 オリビア
私は、オリビア・ド・ラ・ミナルディ・ラインラント・アデヴィット。 アデヴィット。この名を持つ者は、私を入れて6名だけだ。 皇帝であるお父様。第一皇子。第二皇子のお兄様。第二皇女のお姉様。第三皇子の弟。そして私だ。 母たちには、アデヴィットを名乗る権利を与えられていない。 私の母は、身分が低かった。 そのために、つけられた従者はメルリダとルカリダの二人だけだ。従者兼メイド兼護衛だ。私も、護衛術は嗜み程度には習得しているが、命が守れるレベルではない。 父である陛下が、御病気になってから、周りが騒がしくなった。 …
続きを読む2022/11/09
【第九章 ユーラット】第四話 審査と予想
結局、神殿にはアイシャがオリビアの護衛として付いてくることになった。 最初は、オリビアが護衛は必要ないと言ったが、全員から却下された。 馬車を守るのは、ヒルダとルルカだ。 神殿には、オリビアとメルリダとルカリダ。そして、護衛としてアイシャが行くことになった。荷物は、オリビアの物を中心に、少なくしてもらった。必要になったら、取りにくればいいと説き伏せた。 俺はFITで向う。オリビアがFITに乗りたいようなことを言ったが、メルリダとルカリダが反対した。オリビアの話を聞いたリーゼが、最初はモンキーで帰ると言ってい…
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