~スライムにされてしまいました。意外と快適です~
2024/07/05
【第五章 スライムとダンジョン】第三話 スライムと洞窟?
一緒に探索しているのは、熊から進化したよくわからない種族のディックです。腕が4本と第三の目を持つディックが、禍々しい洞窟を発見しました。 以前から、考察されていました。 『”動物”だけが魔物化するのか?自然物が”魔物化”しないのか?』 実際に私の家の周りでは、木が魔物化しています。家族です。 話すことは発声器官がないので無理なのですが、意思があるのは独特のコミュニケーションが可能であることから正しいと思っています。気持ちも伝わってきます。気持ちはすごく便利で、植え替えや水やりのタイミングがわかります…
続きを読む2024/03/25
【第五章 スライムとダンジョン】第二話 スライムと団体
今日は、学校を休んだ。学校には毎日は通う必要はないのだが、休むと真子が哀しそうな表情で家を訪ねて来る。ギルドだけだけど社会に関わるようになってから授業も面白く感じている。なので真面目に通っている。 今日の休みは、しっかりと真子にも話をしてあるので安心だ。 以前からお願いしていた、裏山の取得が終了したと連絡を受けた。申請が通ったようだ。 行政的な手続きは、ギルドにいる私が担当した。円香さんや茜さんや孔明さんに教えられながらだけど、手続きを行った。次からは、私だけで出来るようになれる(と、思う)。 裏…
続きを読む2024/01/24
【第五章 スライムとダンジョン】第一話 スライムと茜と真子と貴子
茜さんと真子さんと住み始めて1年が経過しました。最初は戸惑いましたが、人?は順応するものです。 家族たちも、購入できた市内の山の探索範囲を広げています。結界で覆ったら、いろいろと問題が発覚しました。不法投棄をしていた企業が発覚したり、盗んだ物が隠されていたり、高校生がいじめに使っていたり、いろいろ隠されていた物が世間に暴かれました。大変でしたが楽しい日々です。なんどか、行政からの呼出しもありました。高校生だった頃よりも充実しています。 1年でいろいろと世間が動きました。まずは、日本ギルドが解体したよう…
続きを読む2023/12/25
【第四章 スライムとギルド】第六十話 神に選ばれた民
急遽、貴子嬢を除く、初期のギルドメンバーが集められました。 私は、円香さんから呼び出されました。 千明は、蒼さんに呼ばれたようです。アトスと訓練中だったようで、アトスが一緒に来ています。 「茜。何か聞いている?」 孔明さんは、昔の資料を調べるために、静岡中央図書館に行っているようです。昔の新聞や週刊誌記事を調べる様です。資料が見つかったと連絡が入っているので、印刷して持って帰ってくるようです。 「千明以上の情報を私が持っていると思う?」 「”思う”から聞いているのよ?」 「え?」 「茜。貴子や真子と…
続きを読む2023/12/07
【第四章 スライムとギルド】第五十九話 退場する者
ギルド日本支部が本格的に施設の拡張と人員の確保を始めていたころ・・・。 その裏では、日本ギルドが看板を降ろしていた。 日本ギルドが入っていた雑居ビルの部屋には、ブローカーと言われる男が入居を行っている。部屋の内装もそのままになっていたために、居ぬきでの契約だ。追加したのは、シャワールームくらいだが、それも家主が負担した。 家主が次の入居可に配慮するほどに、日本ギルドの最後は酷かった。 幹部連中は、連日のように打ち合わせを行っていたが、徐々に参加者が減っていった。そして、参加者が減れば、その参加者が…
続きを読む2023/11/21
【第四章 スライムとギルド】第五十八話 ギルドとスライム(1)
説明回です。読み飛ばしでも大丈夫です。 後から調整が入る可能性が大きいので忘れてくれると嬉しいです。 — 今日は、ギルドの結成式という名前の宴会(二部構成)です。 ギルドは大きく変わりました。 貴子ちゃんのおかげです。人員も増えて、私の仕事が楽になりました。 清水教授・・・。清水さんがギルドに合流しました。加入が正式に承認されました。いろいろ大変でした。主に、自衛隊とのやり取りで・・・。清水さんは、機密情報を握っている立場だったので、それらの保持に関する約定を取り交わさなければならな…
続きを読む2023/11/07
【第四章 スライムとギルド】第五十七話 追い込まれた者たち
千代田区のとある雑居ビルの3階。 この場所は、広くもないが狭くもない。雑居ビルには看板が掲げられているが、3階の部分にあった看板は取り外されている。存在を隠す理由ができてしまったために、看板も表に取り付けていた表札も取り外している。それだけではなく、代表電話も転送されるように設定が変更されている。 30平米程度の部屋は、綺麗に整えられている。 訪ねる客が多いわけでは無いのに、受付が設置されている。しかし、受付には、誰かが座っていた形跡はあるが、現在は使われている様子はない。 空間を仕切っているのはパーテーシ…
続きを読む2023/10/17
【第四章 スライムとギルド】第五十六話 動き出す計画(3)
今日は、久しぶりにギルドでのお仕事です。 私と円香さんは資料をまとめています。 主に、魔石の行方と日本ギルドに関しての情報です。世界的な動きもありましたが、ターゲットは日本ギルドです。そして・・・。 ギルドの電話は鳴りっぱなしです。 主殿に頼んで、遮音の結界で覆ってもらっています。自動応答が電話を捌いてくれています。電話はワイズマンが答えることがあります。合成音声ですが、最初は英語で答えるように設定が行われています。登録されている電話番号からの着信なら、担当する者が座っている机に転送されます。 千明の知り合…
続きを読む2023/10/11
【第四章 スライムとギルド】第五十五話 動き出す計画(2)
時間を少しだけ巻き戻します。 真子ちゃんの治療が終わって、体力も元に戻った。もう大丈夫だと判断されました。孔明さんと真子ちゃんの仮住まいが決まりました。 ギルドとして動き出せるタイミングで、必要がない素材を、主殿がギルドに持ってきてくれました。 ゴブリンの角や(主殿基準で)使い道がない魔石です。大量です。驚くほどの量です。横流しをして、オークションにかけても余ります。余ったら、各国のギルドに流すことになるようです。 孔明さんと円香さんが話し合って、日本ギルドに横流しを行うブツを決めています。 ギルド日本支部…
続きを読む2023/10/01
【第四章 スライムとギルド】第五十四話 動き出す計画(1)
貴子ちゃんと話し合って、スライムの姿の時には、”主殿”と呼んで、人の姿の時には、”貴子ちゃん”と呼ぶことに決めました。 貴子ちゃんたちが、真子ちゃんを治してから、ギルドは大忙しになりました。私は、以前から忙しかったので、問題はありません。 私だけが忙しくなったのなら文句を言おうかと思ったが、私は楽な忙しさだ。貴子ちゃんと真子ちゃんと一緒に不動産屋さんや、工務店を訪れている。あとは、山の所有が可能なのか?可能なら金額を調べる仕事があったが、そちらはすぐに終わりました。 山は、浅間神社の領有している部分は無理で…
続きを読む2023/09/08
【第四章 スライムとギルド】第五十三話 今後の話(5)
「家の場所が決まったみたいです」 貴子嬢が、茜嬢と真子とライ殿が話している内容を教えてくれた。 「貴子。奥に敷地が増やせるようなら、増やして病院兼研究所を作ろう」 貴子嬢の説明では、通りには間口が狭い通路を作って、通路の両脇には”草木”を植える。 通りに繋がる場所には、門を設置する。 門から、奥の家に繋がる通路は約20メートル。 その先に、離れを作る。離れは、真子と茜嬢が生活をする場所になると言っているが、この場所がギルドの支部になるのだろう。 その先に今のところは3つの空き家があり、それらの敷地を買い取っ…
続きを読む2023/09/07
【第四章 スライムとギルド】第五十二話 今後の話(4)
真子と茜嬢と人に戻ったライが席を立って、ソファーに向う。 これからする話は、確かに、真子に聞かせないほうがいい話だ。 貴子嬢は、少しだけ不思議そうな表情をしてから、俺と円香を見て、何かを納得した。 高校生だと聞いていたが、人の顔色を見て育ったのだろうか? 違うな。家族から愛情を注がれて育ったが、家族が奪われて、汚い大人の世界に叩きこまれた。真子や茜や円香と方向性は違うが、同じなのだろう。 話を終えても、貴子嬢は変わらなかった。 — は? 眷属?俺たち? メリットは解る。 デメリットは・・・。ない…
続きを読む2023/09/05
【第四章 スライムとギルド】第五十一話 今後の話(3)
円香さんから、真子さんを連れてソファーに移動するようにやんわりと言われました。 多分、真子さんに聞かせたくない話なのでしょう。おそらくは、孔明さんが貴子ちゃんに打ち明けるのでしょう。信頼を得るために必要な事などは思いますが、賭けの要素が大きいように思えます。 今までの言動や行動から、貴子ちゃんがギルドというか、組織という物をあまり信用していないのは解っています。ギルドを信用してくれとは言いませんが、私たちを信用して欲しいとは思います。私は、貴子ちゃんの味方になろうと思います。 そして、私の腕に掴まって・・・…
続きを読む2023/09/03
【第四章 スライムとギルド】第五十話 そのころ(5)
円香から、真子の治療が成功したと連絡が入った。 千明と話をしたが、成功率は半々だと思っていた。実際に、真子の四肢が揃って立っている状況を見せられても、合成だと疑ってしまった。 「蒼さん。良かったですね」 「ん?なぜ?」 「え?気が付いていないのですか?涙が出ていますよ?」 千明に言われて、頬を伝う涙の存在に気が付いた。 孔明が真子のために隠れて何かをしているのは解っていた。俺を頼って欲しいとは思ったが、俺には何も出来ない。真子を元気づける事も、孔明の手助けをすることも・・・。俺は、無力だ。スキルを得て、なん…
続きを読む2023/09/02
【第四章 スライムとギルド】第四十九話 今後の話(2)
円香さんからの提案を真剣に考えてみる。 私にとって、デメリット・・・。存在しない。それ以上に、私(スライム)の事を調べてもらう事もできるかもしれない。 「円香さん。私、お金が沢山・・・。あります」 「貴子さん。これからも、増えるぞ、今の倍・・・。いや、10倍くらいにはなる」 「え?今でも、信じられないくらいですよ?私、お金、そんなに使わないですよ?」 「ははは。そうだな」 私の言い方が悪いのか、円香さんと孔明さんが笑ってしまっている。 「あの・・・。円香さん」 「なにかな?」 「呼び捨てにしてもらえると嬉し…
続きを読む2023/09/01
【第四章 スライムとギルド】第四十八話 今後の話(1)
貴子嬢が、話をしている最中に立ち上がった。 真子が起きたから迎えに行ってくると言い出した。俺が行こうとしたが、円香に止められた。 秒針の進みが遅い。まだ、30秒しか経っていない。真子は、大丈夫なのか?本当に治ったのか?立てるのか? 真子が部屋に入ってきた。 貴子嬢に支えられているが・・・。立っている。俺に向って、治った手を広げて見せている。 真子の足が治った。真子が歩いて居るのを見ても信じられなかった。貴子嬢が”幻影で見せている”と言われたほうが・・・。現実味がある。 真子が夜に魘される声を何度も聞いて過ご…
続きを読む2023/08/31
【第四章 スライムとギルド】第四十七話 真子のスキル
そうだ! 思い出してきた。 腕を上げる。 指が・・・。 足は見なくても解る。布団を掛けられている?でも、布団を確かに感じる。足が、私の失っていた足が・・・。 ”プクプク!ププゥ!” 「え?」 ”プク!” 「モモ?」 ”プクプク!” え?これがスキルの影響?モモが何を言っているのか解るようになっている。 凄い! 「モモ。私が言っていることが解るの?」 ”ププゥ!” 嬉しい。 指や足が治ったのも嬉しいけど、モモと話が出来るのが嬉しい。 「モモ。これからもよろしくね!」 ”ププゥ!” モモが、私の胸に飛び込んでく…
続きを読む2023/08/24
【第四章 スライムとギルド】第四十六話 そのころ(4)
おかしい。僕は天才なのに、なぜ新しいスキルが芽生えないのか。最初に得たスキルは天才の僕に相応しいとは思えない。 スキルを得てから、いろいろ研究をした。僕の天才的な頭脳にかかれば、スキルの解析くらいは余裕だ。スキルの検証も進んだ。 僕のスキルは、攻撃に分類される。どんな動物でもスライムにしてしまう。スライムは、核を壊せば簡単に倒すことができる。僕の明晰な解析の結果、容易に魔物を倒すことができるスキルだと判明した。 スライムを何万匹倒しても意味がない。煩いママをスライムに変えて、殺しても何も変わらなかった。 帰…
続きを読む2023/08/21
【第四章 スライムとギルド】第四十五話 治療の裏で(4)
本当に不思議な少女だ。 少女と呼んでいいのか解らないが、茜の隣に座って、手を握って貰って喜んでいる姿は、少女と呼ぶのが適切だろう。 それにしても、頭の痛い問題が重なった。 孔明の澱みが強くなっているのは感じていた。 孔明の裏切りには、情状酌量の余地がある。二人だけになってしまった兄妹だ。真子を助けたい気持ちが強いのは理解している。それでも、相談をして欲しかった。対策が無かったことも確かだが、それでも一言でも貰えれば、いい方向に利用することも考えられた。 孔明からの聞き取りでは、ギルドの情報は流れているが、問…
続きを読む2023/08/20
【第四章 スライムとギルド】第四十四話 そのころ(3)
東京の神保町にある雑居ビルが、その協会の登記場所となっている。実際には、理事の全員が揃っているわけではない。受付や職員は別のビルで仕事のような業務を行っている。 日本異能推進協会。通称、日本ギルド。 豪華な部屋で、豪華な椅子に座りながら、送られてきたリストを見ている男がいる。 魔物素材でもっとも価値がある物はなにか? 魔獣のドロップ品は研究材料としての価値が高い。また、牙や爪も装飾品としての価値がついている。 やはり金銭的な価値という意味では、もっとも価値があるのは”魔石”だと思われている。 ギルド日本支部…
続きを読む2023/08/19
【第四章 スライムとギルド】第四十三話 治療の裏で(3)
発見した盗聴器を、口喧嘩を終えた二人に見せます。 「茜。これは?」 円香さんなら見ればわかるでしょう。 あえて聞いてきたのだとしても、答えは決まっています。 「孔明さんの家に仕掛けられていた盗聴器です」 「それは、見れば解る。なぜ、茜はこれら(盗聴器)が仕掛けられているのがわかった?」 質問の意図はわかっていました。 答えられる物ではないので、解っていることを答えます。 「え?そういえば・・・。スキルの恩恵?」 「ようは、解らないのだな?」 解らないことが解ってもらえました。 「はい」 円香さんの視線が怖い…
続きを読む2023/08/18
【第四章 スライムとギルド】第四十二話 そのころ(2)
男だけ45人が乗った改造されたワンボックスの中は指令室になっている。監視している者たちからの情報が集まってきている。 暫く、動きを見せていなかったターゲットが、動きが活発になってきている。 指令室には、上層部からの指示が出ている。ターゲットが何かを発見したと思われる動きが伝えられている。 ターゲットが、海外のギルドカードに紐付けされた企業に送金していることが掴んでいる。 ターゲットを監視しているのは、自分たちの組織だけではない。民間や別の組織が監視しているのが解っている。 それらの組織を出し抜く為にも、ター…
続きを読む2023/08/15
【第四章 スライムとギルド】第四十一話 治療の裏で(2)
本当に、主殿。貴子ちゃんには、いい加減にして欲しいと伝えたい。 問題の本筋は、貴子ちゃんが”よくわかっていない”ことです。これは、ギルドが持っている。世間に公表している常識を覚えてもらえばいいと思っています。 でも・・・。本当に数時間で・・・。”困った”が溜まってしまいました。 まとめておかないと、後で困るのは私です。間違いなく、円香さんは、私に”丸投げ”してきます。 貴子ちゃんと一緒に居られるのは嬉しいのですが・・・。貴子ちゃん。本当に、ギルドに属してくれないかな? まず、問題になりそうなのは、動物の魔物…
続きを読む2023/08/14
【第四章 スライムとギルド】第四十話 そのころ(1)
ギルドに残った千明は、蒼を問い詰めていた。 「蒼さん!」 二人だけ残されたのが、気に入らなかったのではない。 自分だけ事情を知らないのが気に入らないのだ。 「だから、孔明には、妹が居て、怪我をしていて、それで・・・。あぁ面倒だ!」 蒼は、真子にも会って話をしたこともある。 事情も理解している。真子が治るとも思っていないが、孔明がなんとかして治そうと足掻いている状況も理解している。 「あぁ説明を放棄した!普通の怪我なら、スライムさんが一緒に行く必要はないですよね?茜も一緒なのは何故?私だけ知らされていない!?…
続きを読む2023/08/13
【第四章 スライムとギルド】第三十九話 治療の裏で(1)
円香に、真子の部屋から連れ出された。 茜嬢は理由を察しているようだが、俺には解らない。解らないが、治療に必要な事なのだろう。 10分くらい経っただろうか、貴子嬢が真子の部屋から出てきた。 そして、治療で大量に水分が出てしまう可能性があるから、水分補給用の飲み物を買ってきて欲しいと言われた。 茜嬢が、自分たちの食事も欲しいと言ってきたが、長丁場になると考えれば、当然だ。 貴子嬢は肉がいいと言ったので、肉を買いに行く。あとは、飲むゼリーも買ってくる。治療中の真子が食べられるのなら、食べさせたい。 車は、ギルドか…
続きを読む2023/08/12
【第四章 スライムとギルド】第三十八話 治療(10)終了
真子さんの快楽の波が少しだけ落ち着いたようです。 「たか・・・こちゃん」 「はい」 身体を起こしてくれました。 自分の手を見て、涙を流しています。 指が無かった手にゼリーを渡します。 まだ力が入らないのでしょう。でも、自分の手でしっかりと触れたので、嬉しいのでしょう。手で顔を覆って、涙を流しています。 足の復活はもう少し後になりそうです。 今は、顔や腕や肩の傷が盛り上がって治っていくようです。 再生の速度がゆっくりになっているのは、スキルの調整が出来るようになったからなのでしょうか? あとで、真子さんに話を…
続きを読む2023/08/11
【第四章 スライムとギルド】第三十七話 治療(9)
ライがモモちゃんにスキルを取得させている間に、結界から出て、リビングに向かいます。 茜さんが私に気が付いてくれました。 「貴子ちゃん?どうしたの?何か、問題?」 「貴子嬢。真子は?」 「大丈夫です。デメリットの説明が終わって、真子さんの治療が始まった所です。それで、孔明さんに、お願いがあります」 「なんでも言ってくれ」 「この辺りの地理に詳しくないので解らないのですが、スポーツドリンクを買ってきて欲しいのです」 「わかった。真子が飲むのか?」 「はい。治療時に汗とかで水分が出てしまう可能性が高いこともあり、…
続きを読む2023/08/10
【第四章 スライムとギルド】第三十六話 治療(8)
「あっ最後のデメリットですが・・・」 「え?はい」 真子さんが、姿勢を正して私を見てきます。 「”再生”のスキルが発動している状態で、快楽が身体を襲います」 「え?」 「本来、”再生”は、記憶を再生するので、痛みも再生されます」 「・・・」 「”治療”のスキルは、治療中の痛みを快楽に変えます」 「え?」 「これは、私が試せなかったので、デイジーに聞いた話です」 「治療中?」 「この辺りが微妙なのです。痛みが必ず快楽に変わるわけではないようです。スキルで与えられた痛みが、快楽に変るようなのです」 「・・・。そ…
続きを読む2023/08/09
【第四章 スライムとギルド】第三十五話 治療(7)
言葉は、茜さんが教えてくれるようです。良かったです。 茜さんは優しいから、お姉ちゃんみたいで頼ってしまいます。 「真子さん。話がごちゃごちゃしてごめんなさい」 「いいよ。私は、何をしたらいいの?どうしたら・・・」 真子さんが、布団から出ている手や足を見ます。 足は、欠損の状態がはっきりとわかります。指は、解らないように、ギプスのような物が付いていますが、見れば義指だとわかります。 「最初に伝える事があります」 「はい」 まっすぐに私を射抜くような視線で見てきます。 「モモちゃんと契約すると、モモちゃんの寿命…
続きを読む2023/08/08
【第四章 スライムとギルド】第三十四話 治療(6)
ライが、モモンガちゃんに触れます。 「ライ?」 「うん。大丈夫」 ライが。大丈夫だと言っているので、モモンガちゃんとのパスが繋がったのでしょう。 強制はしたくないのですが、最悪は強制的にスキルを付与させることも出来そうです。 「え?なにが?え?」 「真子さん。治療の方法を説明します」 外に居るライが。孔明さんを抑えておく必要がなくなったと報告を上げてきます。 結界の必要もないですし、外に居るライに結界を解除してもらいます。 ついでに、円香さんと茜さんを呼んできてもらいます。 孔明さんだけに見てもらうよりは、…
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