大川大地(猫)と女子高校生と行く気ままな放浪生活

2021/09/13

【第三章 帝国脱出】第二話 バステトの冒険

 私は、糸野(いとの)夕花(ゆうか)と日本では名乗っていた。  異世界に勇者の一人として召喚されて、いろいろあって、名前を変えた。今は、カリンという。私が名乗っている名前だ。  まーさん(年齢不詳、本名不明)と、大川大地さんと、王城から脱出して、準備を整えて、王都を脱出した。  今は、辺境伯の領都に向かう馬車の中だ。  日本に居た時に、馬車に乗ることを考えていなかった。少しだけテンションが上がっている。  王都から離れるまでは、なるべく休まずに進んでいたが、王都から離れてからは、馬車の速度を落として進むよう…

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2021/09/01

【第三章 帝国脱出】第二話 バステトの冒険

 我は、”猫”だ。いや、違う。かつて”猫”だった者だ。  名前は、バステト。真命は、雄が我に付けた名だ。雄にしては、珍しく素晴らしく我にふさわしい名だ。  どうやら、今日はこの場所で休むようだ。  我に、雌の守りを頼んで、雄は外で警戒するようだ。  話の流れから、まだ時間はあるようだ。雌だけではなく、雄の安全のためにも、周りに居る”まがい者”たちを狩っておいたほうがいいだろう。雄の他にも、人間が居る。強さのほどはわからないが、安全にしておけば、雄も寛げるだろう。  以前に、雄がしてくれたことを、我は雄に返そ…

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2021/08/26

【第三章 帝国脱出】閑話 大川大地

 我は、”猫”だ。いや、違う。かつて”猫”だった者だ。  我が我だと認識したのは、我が認めた下僕が、我に”名”を付けた時だ。  それまでは、人が”神保町(じんぼうちょう)”と呼んでいた場所にある。公園で、バスケットボールやサッカーを楽しむ人の子を、見守るのが我の日課だった。  ある時から、我が座るベンチに、雄が座るようになった。下僕の人としては、よく出来た者だ。 「おっ今日も居るな。食べるか?」 ”にゃ”  こうやって我に糧を運んでくる。  最初は、”警備員”とかいう奴と揉めていたが、雄はこの辺りの人では、…

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2021/08/20

【第三章 帝国脱出】第一話 おっさんとカリンの馬車での旅

 まーさんとカリンは、王都を無事に脱出できた。  馬車で、半日ほど移動した場所で、一日目の移動は終了した。  街道から少しだけ外れた場所に、馬車を止めて、野営の準備を始める。王都から出たこともあり、まーさんとカリンは、着替えて普段の姿に戻した。 「ふぅ。やっぱり、この格好が楽でいい」 「えぇ執事風の姿も良かったのに・・・」 「カリンは、何を着ても似合うな」  バステトは、カリンの膝の上で丸くなって眠っている。最初は、まーさんの膝の上に居たが、カリンの膝の上に移動した。まーさんは、カリンの膝の上の方が柔らかく…

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2021/07/31

【第二章 王都脱出】第二十一話 傲慢なる勇者

 ちょいグロの表現があります。苦手な人はスルーしてください。本編に、少しだけ影響しますが、勇者たちが傲慢になっているだけの説明です。 —  剣崎(けんざき)凱斗(かいと)は、豪華な部屋で、豪華なベッドに腰を落ち着かせて、無駄に豪華な装飾を施したカップで、ぬるいエールを飲んでいる。  カイト・ケンザキは、空になった装飾が過剰に施されたカップを壁際に立つメイドに投げる。 「キャ!」  メイドは飛んできたカップをギリギリで避ける。勇者が力任せに投げたカップなのだ、当たりどころが悪ければ”死”の可能性も…

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2021/07/10

【第二章 王都脱出】第二十話 王都脱出

 おっ(まー)さんとカリン(糸野夕花)は、馬車の中で執事とメイドの格好をしている。  カリンがおっさんには、執事風の服装が似合うと強弁した結果・・・。おっさんの服装が決定した。執事と一緒に居るのなら、カリンはメイドの衣装を着ることになった。 「そういう姿のまーさんは新鮮です」  カリンが、”褒め言葉”としてまーさんに声をかけるが、本人は少しだけ憮然とした表情をしてしまっている。決められたことだとしても、安全を考えれば変装は必須だ。王都には、まーさんの影武者を置いていくことになった。  普段から、作務衣を着て…

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2021/07/09

【第二章 王都脱出】第十九話 おっさん準備をする

 まー(おっ)さんとカリン(糸野夕花)は、ラインリッヒ辺境伯との話し合いを終えて、食堂に移動していた。 「まーさん?」 「どうした?」  膝に、バステト(大川大地)を載せて、モフモフの毛並みを堪能しながら、カリンがおっさんに、”なに”か、聞きたいような素振りを見せる。  正面に座ったイーリスをチラチラ見ることから、イーリスに聞かせたくないことだろう。 「イーリス。悪いけど、なにか飲み物を頼む」 「え?あっそうですね。わかりました。まー様は何がいいですか?」 「俺は、そうだな・・・。アルコールという気分じゃな…

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2021/06/03

【第二章 王都脱出】第十八話 おっさん現状を把握する

 おっ(まー)さんと元・女子(糸野)高校生(夕花)が、ラインリッヒ辺境伯の従者からギルドカードを受け取る。 「イエーンは、カードの表に魔力を流せば表示されます。確認してください」  ラインリッヒ辺境伯の従者が、おっさんとカリン(糸野夕花)に説明をする。バス(大川)テト(大地)のカードは、おっさんが受け取って、バステトに説明をしている。シュールな絵面だが、本人たちは”シュール”に見えるようにやっているので問題はない。笑い出した者の負けなのだ。  従者は、説明を終えて部屋から出る。  残されたのは、ラインリッヒ…

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2021/05/29

【第二章 王都脱出】第十七話 女子高校生の困惑

 私は、糸野(いとの)夕花(ゆうか)。女子(J)高校生(K)をやっていた。今は、異世界に召喚されて、カリン(偽名)と名乗っている。  一緒に召喚された元(・)・同級生たちから離れて、まー(おっ)さんと一緒に召喚した国の姫様に匿ってもらっている。  私たちは、王城から無事に脱出して、今は王都からの脱出を考えている。  ”考えている”と言ったが、主に考えるのはまーさんの役目になってしまっている。準備に時間がかかる為に、私は私にできることをやっていた。それが”初代”様と同時期に書かれた文章(日記)の解読だ。  日…

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2021/03/23

【第二章 王都脱出】第十六話 おっさん交渉する

 今日のおっ(まー)さんは、召喚された時に来ていた作務衣に似た衣装を着ている。辺境伯と対面して、交渉を行うためだ。正装など持っていないし、どうせわからないだろうと考えて、作務衣が正装だと言い切るつもりでいる。  今日は、カリン(糸野夕花)も同席することになっている。イーリスの頼みでも有った翻訳(読み上げ)に一定の進捗が見られた。進捗に見合う報酬を辺境伯が支払うと言ってきたのだ。読み上げ以外にも、漢字は無理だが、”ひらがな”や”カタカナ”の説明を終えて、数字や英字を説明したのだ。漢字の説明は難しいので、よく出…

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2021/02/28

【第二章 王都脱出】第十五話 辺境伯の憂鬱

 儂・・・。別に、威厳を保つ必要が無いから、普段どおり、私と言うが、私は、フォミル・フォン・ラインリッヒ。アルシュ帝国の貴族だ。  伯爵の位を、陛下より賜っている。辺境の地を預かるために、辺境伯とも呼ばれている。  私のことはどうでもいい。いや、どうでもよくないが、本筋ではない。  本来なら、この時期は領地に居なければならないが、王城に居る愚か者どもが、勇者召喚という過去の遺物であり、禁忌の魔法陣を発動させてしまった。  そして、罪がない7人の異世界人が召喚されてしまった。  止めることが出来なかった、私た…

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2021/02/17

【第二章 王都脱出】第十四話 おっさん話を聞く

 おっ(まー)さんは、いつの間にかソファーで寝てしまっていた。  ドアを叩く音(ノック)で起こされた。 「まーさん。食事の準備が出来たみたいだよ」  カリン(糸野夕花)が、まーさんを呼びにきた。 「わかった。食堂に向かう」 「うん。イーリスとロッセルが、”一緒に食事をしたい”と言っていたよ」 「わかった」  まーさんは、伸びをして固まった筋肉を解した。そんな動作で、まーさんは身体が若返ったことが確認できた。  寝る前に見ていた、スマホの電源を落とした。ソーラーパネルがあるといっても、バッテリーを休ませておく…

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2021/02/01

【第二章 王都脱出】第十三話 それぞれの過去と思い

 まー(おっ)さんは、辺境伯が帰っていった扉を見つめている。  まーさんは、懐に忍ばせていたスマホを取り出す。  一枚の写真を見つめる。フィルム写真だったものをわざわざスマホに取り込んだ物だ。  8人の中学生くらいの男女が笑っている。 「なぁなんで俺なのだろう?お前たちなら・・・」  写真は何も答えない。  まーさんは、愛おしいものを撫でるかのように写真を指でなぞる。  スマホをスライドして、次の写真が表示される。  3人の中学生だ。横に、大きく入学式と書かれた看板がある。1人は、まーさんの面影が残る少年だ…

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2021/01/16

【第二章 王都脱出】第十二話 おっさん辺境伯に会う3

 室内は異様な雰囲気に支配されていた。 「まーさん。カリン殿。レシピは全て、遊具も全て・・・。申請を行うというのですか?」  顔を引き攣らせながらラインリッヒ辺境伯は、前に座るまー(おっ)さんとカリン(糸野夕花)に真意を問う。 「問題はあるのか?」  剣呑な雰囲気にのまれて、カリンは黙ってしまっているが、まーさんは普段と変わりがない口調で辺境伯に質問で返す。 「”ない”と言えば嘘になってしまいます」 「どんな問題だ?」 「申請は大丈夫だと判断します。全部のレシピの申請が降りるとは・・・」 「それはそうだろう…

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2021/01/10

【第二章 王都脱出】第十一話 おっさん悩む

 朝からカリン(糸野夕花)は食堂で、まー(おっ)さんに自分の考えを伝えていた。 「本当にいいの?」 「はい。自分で考えて決めました」  カリンからの話は、予想の斜め上で、まーさんは話を聞いて戸惑ってしまった。同時に、困ったことになりそうだと悩み始めた。  それでも、戸惑っている状況を見せないようにして、カリンの真意を聞き出そうとしている。 「それにしても思い切ったね」 「そうですか?まーさんから言われて、彼ら(勇者たち)の行動を考えてみました。その結果、最善の方法だと思います」 「そうだね。順番に、対処して…

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2021/01/05

【第二章 王都脱出】第十話 女子高校生迷わない

『うん。流されるのも悪くないけど、自分で出した答えのほうが、納得できるだろうね。辺境伯は二日後に来るから、考えてみて、困ったら”バステトさん”に話をしてみるといいよ』  女子高校生だった、糸野(いとの)夕花(ゆうか)は、おっ(まー)さんの言葉を聞いて、悩んだ。答えは出ているのだが、自分で何に悩んでいるのか不安な気持ちになっていたのだ。  少しだけ躊躇はしたが、まーさんに付いていった方が安全だと思っているのだ。  イーリスやロッセルが悪い人間ではないのは、交流してみて解っているし、判明している。しかし、糸野(…

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2021/01/05

【第二章 王都脱出】第九話 おっさん辺境伯に会う2

 おっ(まー)さんが、部屋に戻ると、1人の男性が拍手をしながら出迎えた。その横には、苦笑しながら椅子を勧めている男性が1人座っていた。 「辺境伯」  ロッセルが、拍手をする男性を窘めるように声を上げるが、呼ばれた辺境伯は気にしない様子で、まーさんに話しかける。 「まーさん。すごいね。勇者は、交渉も得意なのか?」 「ん?なにか勘違いしていないか?」 「え?」 「俺は、交渉なんてしていないぞ?」  ロッセルは不思議そうな表情をするが、辺境伯(フォミル・フォン・ラインリッヒ)は、まーさんが言っている内容がすぐに理…

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2020/12/16

【第二章 王都脱出】第八話 おっさん使者に会う

 おっ(まー)さんは、朝から不機嫌な気持ちを隠そうとしていない。周りに当たらないだけ大人なのだろうが、不機嫌な態度は大人として正しくない。まーさんは、イーリスの研究所で、まーさんを訪ねてきた者と対峙していた。正確には、まーさんを訪ねてきたわけではない。客の素性を聞いて、まーさんはカリンではなく、自分だけが話を聞くことにした。  イーリスに頼んで作らせた、黒の作務衣に愛用していた濃い色が付いている丸サングラスをしている。その状態で、椅子に座って足を組んでいる。手には、蒸留して作ったアルコールに軽く匂いと味を付…

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2020/11/15

【第二章 王都脱出】第七話 おっさん戸惑う

 おっさんは、考えられるだけのテーブルゲームやボードゲームを作成した。カリンも、トランプでできる遊びを書き出した。トランで行うゲームは、商業ギルドに登録することはできないが、トランプの本体は大丈夫だと言われた。カリンのスマホには、タロットカードを使った占いが入っていて、再現は可能だったのだが、おっさんとカリンが”占い”の説明をしても、イーリスはわからない様子だった。神の存在が信じられている世界では、”占い”はあまり意味を持たない。”神託”が存在していると信じられている。それに、”先読み”や”未来視”といった…

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2020/11/08

【第二章 王都脱出】第六話 おっさんいろいろ作る

 辺境伯との話を終えたまーさんは、マスターの店で食事をしながら、アルコールを摂取してから、イーリスの屋敷に帰った。  門番に、付け届けをしてから、屋敷に入る。まーさんの部屋は、奥なのだが、イーリスたちにお願いして、まーさんが寝るだけの部屋を、玄関の近くに作ってもらった。遅くに帰ってきたときには、部屋には向かわずに、寝るだけの部屋に入る。 「おっバステトさん。今日は、カリンの相手をしていなくて大丈夫なのですか?」  まーさんが部屋に入ると、ベッドの上で猫が丸くなって寝ていた。まーさんが帰ってきたのに気がついて…

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2020/10/29

【第二章 王都脱出】第五話 おっさん悪巧みをする

「フォミル殿。お願いがありますがいいですか?」  辺境伯は、まーさんを真っ直ぐに見つめる。 「なんだ?」 「まず、俺たち・・・。カリンと二人で、思いつく限り、前の世界に合った料理やどこぞの貴人が言っている物を再現する」 「ほ、本当か?!それは・・・」  まーさんが、手を上げて興奮した辺境伯を手で制する。 「フォルミ殿。全て、お渡しします。使い方や特許で条件を付けさせてください」 「解っている。まーさんたちに不利益にならないようにする」 「それもあるのですが、材料の調達をお願いしたい。それと・・・」  まーさ…

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2020/10/22

【第二章 王都脱出】第四話 おっさん辺境伯にあう

 待ち合わせの時間には少しだけ早かったが、まーさんは、料理をマスターに頼むために、店に向かった。 「マスター」 「まーさん。お客は既に来ているぞ」  意外なことに、待ち人が既に来ていると言われた。偉い人は遅れてくるというイメージを持っていたまーさんは、驚いた顔をマスターに向ける。 「え?まだ約束の時間にはなっていないとおもうけど・・・」 「あぁまーさんに会うのを楽しみにしていたみたいだ。まーさんのレシピや蒸留器を一通り揃えて部屋に置いてある」 「お。助かる」  まーさんは、マスターに持ってきた物を渡した。 …

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2020/10/15

【第二章 王都脱出】第三話 おっさん提案する

 まーさんは、マスターの店に足を向けた。 「おっちゃん!」  少しだけ離れた路地に居た子供がまーさんに話しかける。子供が駆け寄ってくる。目線を落として、まーさんは子どもたちの頭を押さえつける。 「何度も言っただろう。”まーさん”と呼べと!」 「おっちゃんは、おっちゃんだよ。おっちゃん。何か、仕事はない?」  まーさんの足にじゃれ付いてきた子どもたちは、全部で3人。孤児院で生活している子供たちだ。まーさんは、街歩きの時に子どもたちに銅貨を渡して、道案内をさせた。それだけではなく、安い店や親切な店を教えてもらっ…

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2020/10/10

【第二章 王都脱出】第二話 おっさん勇者の願いを知る

 ロッセルと別れたまーさんは、屋台を周って、飲み屋に持っていく手土産を考えていた。 (辺境伯が来るのだよな?まぁいつもの感じでいいか・・・。考えても駄目なことは、考えるだけ意味がないからな)  まーさんは、少しだけ”貴族”を考えたが、貴族という一括で考えることの危険性を考えて、考えるのを止めた。 「まーさん!」 「お!野菜売りのおっちゃん。今日はどうした?もう店じまい?」 「違う。違う。呼び出されて、貴族様の屋敷に行っていた」 「おっちゃん。何かやったのか?逃げるのなら、早いほうがいいぞ?」 「まーさん?違…

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2020/10/04

【第二章 王都脱出】第一話 おっさんロッセルと街を歩く

「おはよう。まーさん」 「カリン。何度も話したよな?」 「うん。でも、まーさんが起きてこないから、イーリスとロッセルが困っているよ?」 「約束はしていないと記憶しているが?」  まーさんは、ベッドから起き出して、サイドテーブルに置いてある水差しから、コップに水を注いだ。 「まーさん。お水・・・。冷やす?」 「あっ大丈夫」  まーさんは、コップを両手で覆ってから、魔法を発動する。  常温よりも少しだけ水を冷たくする。  冷えた水を一気に飲んだ。 「それで?イーリスとロッセルが、”なん”の用事で?」 「うーん。…

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