大川大地(猫)と女子高校生と行く気ままな放浪生活

2022/09/15

【第三章 帝国脱出】第三十話 少年走る

俺は、イザーク。 おババに手紙を届けた。おばばから、まーさんが凄い奴だと聞かされた。 「まぁいい。まーさんからの指示を伝える。イザーク。お前には、拒否はできない。解っているか?」 解っている。アキ姉がまーさんと一緒に居る。アキ姉の所に帰る為にも、まーさんから出された指示はしっかりと実行する。 「うん」 俺の返事を聞いて、おババが俺を見て来る。いつものような視線ではない。 どこか優しい感じがする。 「まずは、イザーク。この手紙を持って、領主の館に向かいな。門番に、手紙を見せれば、いい」 「え?」 「なんだい。…

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2022/09/08

【第三章 帝国脱出】第二十九話 期待する

私の名前は・・・。名前を、呼ぶ者は居ない。名前を忘れたわけじゃないけど、”おばば”と呼ばれている。 産まれてからいろいろな名前で呼ばれていた。 今の場所に落ち着いたのは、80年以上前だ。長命種から見たら、一瞬とは言わないが、短い期間だ。しかし、これほど長く住み着いた場所は、ラインリッヒの領都だけだ。前の前の領主に頼まれて、居を構えた。それから、代替わりを見守ってきた。 今の当主も無能ではないが、先々代と比べてしまうと、少し中央を向きすぎている。先々代も先代も足下をしっかりと見てから中央と接していた。だから、…

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2022/08/28

【第三章 帝国脱出】第二十八話 少年理解する

俺は、イザーク。 本当の名前は知らない。親の顔も知らない。産まれてから、スラムで生活をしている。 兄ちゃんが、貴族に殺されてから、俺がグループを引き継いだ。 アキ姉が、リーダーになるのかと思ったら、アキ姉から、俺がリーダーをやるべきだと言われた。俺たちのグループは、”盗み”をしない。人を傷つけない。兄ちゃんが決めたルールを守っている。 いや、守っていた。 一番年下のラオが怪我をしてねぐらに戻ってきた。探索者に殴られたようだ。剣で切られた場所もあり、血が流れている。アキ姉が、薬草で治療をした。血は止まったけど…

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2022/08/17

【第三章 帝国脱出】第二十七話 少女従う

門番にも、まーさんは手紙を書いてくれることになった。 順番にしっかりと渡せば、問題が無いようにイザークに教えている。イザークには、男子が一緒に行くことになった。イザークには、まーさんから”短剣”が渡された。他の男の子たちも、イザークが渡された短剣を羨ましそうに眺めていたら、笑いながらまーさんが全員分の短剣を出してくれた。 まーさんが、短剣を皆に渡しながら、イザークと話をしている。 内容は、短剣を渡しながら、短剣を使うなという話だったが、まーさんの話を聞いて、納得してしまった。 「いいか、短剣は武器だ。一番、…

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2022/08/09

【第三章 帝国脱出】第二十六話 少女驚愕!

信頼ができる大人? イザークたちが聞けば、サンドラさん達の名前を上げるだろうけど・・・。彼女たちは”信頼”はできない。 ババ様? 大人で、私たちの話を聞いてくれるのは、ババ様だ。イザークたちは近づかない。大人たちも、ババ様の悪口をいうけど、私には優しいし、いろいろと教えてくれる。間違っていることも有ったけど、ババ様に話をしたら、しっかりと教えてくれた。ババ様が知っていた話が古かっただけで、値段の違いはあるだけ・・・。しっかり、ババ様は謝ってくれた。そして、間違えていた内容を教えてくれて”ありがとう”とお礼を…

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2022/07/31

【第三章 帝国脱出】第二十五話 少女交渉する

「考えはまとまったか?」 まだ、考えはまとまっていない。 でも、目の前に居る人は、”まーさん”と呼んで欲しいと言った人は、私たちの話を聞いていた。 話が途切れたタイミングで、声をかけてきた。 きっとそれがヒントだ。 まーさんを見ると、猫?を肩に乗せて撫でている。 そうだ。先に確認をしないと・・・。 でも、確認で・・・。違う。ここは、まずは、確認して・・・。 嘘はダメ。 正直に答えないと・・・。 「ある程度は、まとまりました。でも、まだ、しっかりと決まったかと言えば・・・」 声がしっかり出せたか心配になるくら…

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2022/07/24

【第三章 帝国脱出】第二十四話 おっさん眺める

なかなかいい人材に育つかもしれない。 アキと呼ばれている少女は、俺を見てから、仲間に話しかけている。 俺が欲しいと思っている情報を語りだしている。 偶然だろうが、ここで、偶然でも、そのカードを握るのは、大きな素質を感じる。何が、正解か解らない時には、自分たちの手持ちで出せるカードを確認して、カードの価値を自分たちで決めないことが大事だ。交渉は、相手が欲しがる物を、テーブルにのせることだ。自分たちで売りたいカードではない、相手が”買いたい”と、思っているカードを見極める必要がある。 少女は、自分たちが持ってい…

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2022/07/15

【第三章 帝国脱出】第二十三話 少女考える

おっさんは、目の前で必死に考えている子供たちを見回した。 「(バステトさん。近くに、魔物が居たら倒してくれますか?)」 ”にゃ!” おっさんは、バステトにお願いをした。実際には、おっさんでも倒せるのだが、子供の前から離れたくなかった。逃げられても困らないが、逃げた子供たちが魔物の餌になるのが困る。そして、魔物の餌だけなら、”子供たちに運と力がなかった”と、考えれば済む話だ。しかし、魔物ではなく野犬や野生動物に襲われたら・・・。野生動物が人の味を覚えるのは、おっさんとしては避けたい。 バステトは、子供たちを見…

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2022/06/29

【第三章 帝国脱出】第二十二話 おっさん脅す

おっさんは、領都を出てからフラフラと歩いて、林を抜けて、草原まで歩いている。 襲ってきた、少年少女たちを、笑顔で出迎えていた。 ナイフを切られた少年は、尻もちを着いた状態で、股間を濡らしている。 少女は、辛うじて立っているのだが、おっさんから向けられた視線で、足下に水が溜まり始めている。 「それで?君たちは、イエーンが欲しいのか?それとも、生きたいのか?」 切られたナイフをおっさんに向けている少年は、恐怖が抜け切れていない。震える声で、何か言っている。 「お願いです。許して・・・。ください」 「ん?君は?」…

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2022/06/14

【第三章 帝国脱出】第二十一話 おっさん撃退する

カリンは王都から届けられた情報を、イーリスと一緒に眺めていた。 「カリン様。どうしますか?まー様にご相談しますか?」 情報は、紙面に書かれていた。羊皮紙ではなく、まーさんが伝授した”紙”に書かれている。 そのために、情報の信憑性も高いと判断された。 イーリスは、カリンから受け取った紙面に書かれた情報を読んでから、紙面をカリンに返却した。 「そうだね。まーさんにも、伝えた方がいいとは思うけど、対策はないよね?」 カリンは紙面を受け取りながら、イーリスに同意を求める。 「はい。難しいと思います」 イーリスは、カ…

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2022/05/30

【第三章 帝国脱出】第二十話 ???

カリンとおっさんが、辺境伯の領都で落ち着いたころ、王都ではいろいろなイベントが行われていた。 勇者召喚が行われて、5人の異世界人が帝国に降り立ったと貴族に通達が行われた。 市井へのお披露目の前に、貴族たちのお披露目が行われる手はずになっている。 ラインリッヒ辺境伯をトップに置いた派閥は、勇者たちから距離を取る事が決まっている。呼びかけに対して、”魔物の襲来”や他国の動向が不安になっていることを理由に応じていない。 集まっている貴族への対応や派閥の貴族からの陳情を受けるという重要な案件を後回しにして、ブーリエ…

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2022/05/05

【第三章 帝国脱出】第十九話 おっさん動く

カリンが、ギルドで労働に勤しんでいる間に、おっさんは辺境伯の領都の隅々を観察するように歩いていた。それこそ、少しだけ柄がよくない連中が屯している場所も歩いていた。 「お!まーさん」 日本に居れば、間違いなく、職質の対象になっているような風体の男たちが、おっさんに近づいてきて声をかける。 「なんだ。お前たち、また昼間から飲んでいるのか?」 「いやぁ・・・」 「仕事は?」 「それを、まーさんが言うのか?まーさんこそ、仕事は?」 「俺?俺は、仕事をしなくてもいい身分だから、大丈夫だ」 「そりゃぁ大層なご身分だな」…

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2022/04/29

【第三章 帝国脱出】第十八話 カリン働く

辺境伯領に到着してから、おっさんとカリンは着実に足下を固めている。 カリンは、おっさんの期待通りに、ギルドで頭角を表し始めている。 カリンが受けている依頼は、主に採取に偏っている。 それには、深くもない理由が存在していた。 「カリンちゃん。今日こそ、俺たちのチームに」「カリン。お姉様!男。臭い。消えろ!」 ギルドに顔を出すと、毎回の様にいろいろなチームから誘われる。ギルドは、カリンの事情を把握している。ギルドに伝えられている事情は、おっさんが念入りに考えて、イーリスとフォミルと巻き込んで作った事情(嘘)だ。…

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2022/04/05

【第三章 帝国脱出】第十七話 おっさん相談する

カリンを出迎えたおっさんは、カリンに”おかえり”と伝えて、背中を見せる。カリンは、おっさんの背中を呆然と見つめている。 カリンは、怒られると思っていたので、神妙は面持ちで居たのだが、一言だけで終わってしまって、余計に怖くなってしまった。カリンが抱えていた、バステトは、カリンの腕から飛び出て、おっさんの肩に駆け上がっている。おっさんは、バステトの頭をなでながら、後ろを振り返る。 「そういえば、カリンは、夕飯は食べてきたのか?」 普段通りの声色で、おっさんがカリンに話しかける。 これなら、怒られたほうがまだまし…

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2022/03/25

【第三章 帝国脱出】第十六話 おっさん心配する

おっさんとイーリスが、代官の屋敷から出て、宿に向かっている。 「まー様?」 「ん?どうした?対ダストンは、納得したよな?」 「はい。辺境伯様が裏切るとか、非現実的な点を除けば、納得できる内容でした」 「非現実的か・・・。まぁいいよ。それで?」 「まー様は、これから、どうされるのですか?」 イーリスの質問を、おっさんは当然だと受け止めている。イーリスは、帝国の人間だ。今の体制には不満もあるだろうし、問題だという考えは持っていても、権力側の人間で、辺境伯という協力者を持っている。そんなイーリスが恐れるのは、おっ…

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2022/03/06

【第三章 帝国脱出】第十五話 カリン出歩く

カリンは、おっさんとイーリスが代官に会いに行く時に、最初は自分も一緒に行くと言っていたが、イーリスから代官の為人を聞いて、考えを改めた。一緒に言って、言質を取られるのはよくないと、言い訳を伝えた。 実際には、話を聞いただけで面倒な人とは関わりたくない。せっかく、元同級生たちとも離れることができたのに、自分からおっさん以外の面倒な人とかかわりを持ちたいとは思えなかった。 カリンは、バステトと一緒に宿?で待っていることになった。イーリス付きの護衛は居るのだが、元々は辺境伯の部下だ。その辺境伯からの命令で、イーリ…

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2022/02/20

【第三章 帝国脱出】第十四話 おっさん笑う

 ダストンは、完全に理解する前に、おっさんに言質を与えてしまった。  イーリスの目の前だ。さらに悪い事に、このおっさんはぬかりがない。スマホを使って、言動を記憶している。勇者の使う道具だと説明して、録音している音声の一部を再生して、ダストンに聞かせた。  最終的には、秘書官を呼び寄せて文章を作成する事態になってしまった。  イーリスは、”そこまで”しなくても・・・。と、いう表情を浮かべているが、おっさんはダストンを一切信じていない。信じているのは、”風見鶏”な部分だ。今、この場ではおっさんが一番の権力を握っ…

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2022/02/13

【第三章 帝国脱出】第十三話 おっさん勝ち取る

 ダストンは、おっさんとイーリスに見られていることにも気が付かないで、自分の保身を考えるのに必死になっていた。  ダストンは、おっさんとカリンを匿う以外にも、辺境伯から指示を受けていた。  指示の実現の為にも、おっさんとカリンとは友好関係を結ばなくてはならなかった。先ぶれを受けて、息子が居ないことに、安堵していたが自分が大きなミスをしてしまった。友好関係を結ぶのが最低条件であった人物に不快な思いをさせてしまった。 「え?」  やっと二人の視線に気が付いて、自分が話しかけられていることに気が付いたのだが、二人…

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2022/02/06

【第三章 帝国脱出】第十二話 おっさん代官に会う

 奥まった所にある屋敷に到着した。  馬車から降りて、代官が居る屋敷に入っていく、通された部屋で待つことになった。  おっさんは、待っている部屋で代官とは関係がないことを考えていた。 「なぁイーリス。為政者は、なんで奥まった場所に居住を作る?」  この代官の屋敷は、奥まった場所に作られている。  領主の館は、元々は門に近い場所に作られていたのだが、今の代官になってから、場所を奥に移動させたいきさつがある。 「え?攻められた時に、指揮を取るため・・・。と、いう言い訳をするためでは?」  イーリスの言い方も、お…

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2022/01/28

【第三章 帝国脱出】第十一話 おっさん諭す

 馬車は、行き先が変わった。  イーリスの目論みが判明したことで、おっさんが馬車の行き先を変更させた。まずは、宿に行って、荷物を置いてから身支度を整える。  おっさんが提案したのは、カリンとバステトを宿に置いて、”おっさんとイーリスで代官に挨拶を行う”と、いうものだ。最初は、カリンが自分も行くと言い出したのだが、イーリスがカリンにはやって欲しいことがあると、伝えることで引いてもらった。  おっさんは、イーリスが代官に会う必要があると言っていた。  しかし、おっさんには、不明瞭なことがある。イーリスを問い詰め…

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2022/01/22

【第三章 帝国脱出】第十話 おっさん安堵する

 おっさんとカリンを載せた馬車は、中央通りを進んでいる。 「イーリス。どこに向かっている?」  馬車は、どんどん、領都でもっとも栄えた場所から離れている。馬車の目的先はイーリスが指示を出していた。おっさんは、イーリスをまっすぐに見つめて、質問を行っている。 「・・・」  イーリスは、感情を読み取られないように、バステトを見るように視線を外した。イーリスは、おっさんの追及を躱せた。と、考えたが、おっさんの追及は止まらない。  イーリスの態度から、追及ではなく、確認になってしまった。 「イーリス。もしかして、自…

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2022/01/12

【第三章 帝国脱出】第九話 おっさん入領する

 領都の門には、長蛇の列ができている。  距離にして、800mはあるだろう。  距離に対して、待機している人数が少ないのは、馬車や護衛が居るために、隊列が伸びてしまっているだけだ。 「まー様。カリン様。少しだけお待ちください」  カリンは、馬車の扉を開けて、護衛の者を呼び寄せる。伝令を頼むつもりのようだ。 「ちょっと待って。なぁイーリス?」  伝令が走り去ろうとした瞬間に、まーさんが伝令を止めた。  止められた伝令も、馬車に戻ろうとしていたイーリスもなぜ、呼び止められたのかわからない。まーさんの顔を見てしま…

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2021/12/31

【第三章 帝国脱出】第八話 おっさん家名を知る

 途中で、村に立ち寄って補給と情報収集を行った。王都からの追跡や捕縛命令が出ていないことを確認した。  おっさんの一行は、辺境伯領の領都まで移動ができた。  領都が目前に迫った事で、まーさんは思い出したかのように、イーリスに質問をぶつけた。 「そういえば、イーリス。辺境伯領の名前と、領都の名前を聞いていなかったが?」 「え?」  おっさんの質問に、イーリスは固まった。おっさんが聞きたい事はわかるが、”なぜ”名前を聞く必要があるのか解らないのだ。 「辺境伯領は、他にもあるのだろう?それに、領都は別にして、街は…

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2021/12/14

【第三章 帝国脱出】第七話 おっさん移動をする

 カリンが魔力切れを起こして馬車に戻ってきた。 「それで、イーリス。秘匿魔法は、さっきの説明では、各属性を”刃”のように飛ばす魔法に思えるけど、その認識でいいのか?」 「私の解釈は、まー様のおっしゃっている通りです」  丁度、おっさんとイーリスの話が”秘匿魔法”になっていた。 「まーさん。イーリス。バステトさん。ただいま。疲れた」 「おぉおかえり。収穫はあったようだな」  まーさんは、帰ってきたカリンの表情を見て、カリンを褒める。頬を赤くするカリンを、イーリスが”生”暖かい表情で見ている。 「うん!」  普…

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2021/11/24

【第三章 帝国脱出】第六話 おっさん認識を改める

 馬車に戻ったおっさんは、残っていた飲み物を一気に喉に流し込む。  一息ついて、また目を閉じる。 ”にゃぁ” 「バステトさん。一緒に寝ますか?」  おっさんが膝を叩くと、バステトは床からジャンプをして、おっさんの膝の上に乗って、くるくると回って、何かを確認してから、丁度いい場所が見つかったのか、前足で”カシカシ”とおっさんの膝を掻いてから、その場所で丸くなる。  おっさんは、丸くなったバステトの背中をなでながら、また目をつぶる。 「まー様。少しだけお時間をいただきたいのですが、よろしいでしょうか?」  おっ…

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