非ハーレムの記事一覧

2024/03/18

【第四章 噂話】第七話 CB400Rと整備士

 俺は、愚かな姉貴や人間を辞めてしまっている姉貴や、偉ぶって成功者風を吹かせる兄貴たちとは違う。俺が、本当の強者で成功者だ。力の使い方もしっかりとわかっている。 「まだなのか!」 「はい。もうしわけありません。バイクにいろいろ仕掛けがあって、解除ができていません」  あの気に喰わない新入生が、俺の異母兄弟だと知らされた。そして、兄貴がほしかった物を使っている。  アイツが何か出来るとは思えないが、姉貴が使っていた連中が行方不明になっている。姉貴は、アイツが原因だと喚いていたが、どうやって今の日本で証拠を残さ…

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2024/03/17

【第四章 建国騒動】第八話 森の中

 おっさんは、あらためて子供たちを見る。  バステトのスキルで命の灯火が消えそうになっていた者もなんとか持ち直している。しかし、このままではまた同じ状態になってしまう。  見渡すと、子供たちはおっさんを見つめている。 「37人か?全員なのか?」 「え?」  目の前に居る男児は、おっさんの答えに質問で返してしまった。 「ここに居るのが全員なのか?」 「・・・」 「連れて・・・。動かせないのか?」  おっさんの問いかけに、男児は泣きそうな表情で頷いた。 「そうか、バステトさん。お願いします」 ”にゃ!” 「隠れ…

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2024/03/17

【第九章 ユーラット】第三十一話 選択

 神殿の指令室には緊張した空気に満たされ始めた。  今回の戦闘で、犠牲が出る可能性が高い瞬間が近づいている。  だからこそ、ヤスだけではなく、皆がプロジェクターによって大きく映し出された状況を凝視している。 「ねぇヤス。大丈夫だよね?」  リーゼの言葉を皆が聞き耳を立てている。  実際には、作戦を伝える時に、説明はしている。実際に、実行はしっかりと行われた。ただ、指令室に居る者たちが関わっていないために、心配な気持ちが強い。 「あぁ大丈夫だ。ユーラットに居るのは、ドッペルだけだ」  ヤスは言い切る。  正確…

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2024/03/16

【第三十二章 妊娠】第三百二十一話

 お茶会は、和やかに進んでいた。  クリスティーネが落ち込んで、シロが慰める場面はあったが、交流を行うという意味では、目的を達成している。 「ナーシャは戻らないの?」 「ん?戻る?」 「ノービスは、ロングケープから出ている船で行かないとダメな場所で活動しているのでしょ?」  途中から参加している猫族のミーシャが、ナーシャに質問をする。  ノービスは、ナーシャが参加しているパーティーの名前だが、ロックハンドの開拓を任されてからは、パーティーの活動はしていない。ナーシャは、ツクモからもらった家がロックハンドにあ…

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2024/03/01

【第八章 王都と契約】第十八話 マヤのスキル

 別室に通された ナナとミトナルは、リンと違う意味で、行動が出来ない状況になっていた。  別室に入ってすぐにマヤが妖精の姿になって、部屋から出て行ってしまった。  ミトナルとマヤは魂でつながっている。妖精の姿になっている者は、戻ってこようと思えばすぐに戻って来られる。戻って来られるという安心感から、久しぶりの王都を探索するつもりのようだ。  マヤも、妖精の姿では目立つのはわかっている。王都に行くと決まってから、準備を始めていたスキルを発動した。  マヤとミトナルは、妖精の姿になった時に、目立つだろうと考えて…

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2024/01/21

【第四章 噂話】第六話 正当な権利

 噂話が、真実味を帯びるのには、いろいろなファクターが必要になってくる。ユウキは、発生した噂話に、虚実を織り込ませ話を織り交ぜて、真実味を持たせる工作を行っている。  ポーションが実在しているのは、真実だ。しかし、ポーションが簡単に手に入るはずがない。ユウキたちが供給源である。その事実を隠して、前田果歩がどこからか入手したポーションで身体が治ったと噂を流した。身体が治っただけではなく、他にも効用があり、古い傷も肌も治ったと噂が加速した。  人は、信じたい事柄だけを信じてしまう傾向にある。  前田果歩の身体が…

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2024/01/21

【第四章 建国騒動】第七話 おっさん出かける

 ダンジョンと子供たちをカリンに任せて、おっさんはバステトを連れて、アルシェ帝国に来ていた。  道中は、バステトのスキルで姿を隠しながら、黄龍の眷属に運んでもらった。  本来なら、ラインリッヒ公国に立ち寄って筋を通す必要があるのだが、理由があり、おっさんは”拠点”に居る必要があった。 「まーさん。帝国の・・・。そうだ、王都まで、送るけど?いいのか?」 「大丈夫。悪いな」 「気にしないでくれ、それにしても、本当にいいのか?」 「あぁ龍族が来た事は、秘匿しておきたい」 「わかった」  龍族の眷属が、おっさんを送…

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2024/01/06

【第九章 ユーラット】第三十話 それぞれの選択

 第三皇子が帝都を脱出して、エルフの里に向かっている頃。  第二皇子は、選択を迫られていた。自らが選んだ道なのだが、最後の決断が出来ない。 「殿下。準備が整いました」  自らがユーラットに向かうと宣言してしまっている。  第二皇子は、自らがユーラットに向かう船が整うのを待っていた。事になっていた。その間に、第一皇子側に潜り込ませたスパイから、情報を得ていたのだが、第二皇子が考えていた以上に、戦況が混沌としていない。 「戦況は?」 「・・・」 「第一皇子の・・・。兄は、無事なのか?」 「はい。第一皇子は、帝都…

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2024/01/03

【第三十一章 本腰】第三百二十話

 クリスティーネは、緊張した面持ちで、カズトとシロが住んでいる場所に向かっていた。  崖の下に到着した時に、同じように邸宅に向かっていた者たちと合流した。  メイド姿をしたドリュアスが、全員が揃ってから邸宅に案内すると伝えてきた。 「シロ様がこちらにお越しになるのでは?よいのですか?私たちが、邸宅にお邪魔する形になってしまいます」  驚いたのは、メリエーラだ。  立場を考えれば、邸宅に案内されても不思議ではないが、メリエーラだけではなく、ヴィマやヴィミやラッセルやヨナタンも、邸宅に足を踏み入れたことがない。…

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2024/01/01

【第八章 王都と契約】第十七話 契約

 ブロッホはブラックドラゴンで、他のドラゴン族とは感性が違うとは言っていたのだが、俺の所に来てからはドラゴンの姿になっていない。人の姿で、食事をするのが楽しいと言っていたので、無暗に力を使う事はないと思っている。  二人を見ると落ち着いてはいないが、話ができる状態だと思う。  やっと契約の話が切り出せる。二人の様子をみると、契約が必要になるとは・・・。思えない。契約は、ギルドのためには必要だけど、個人で考えれば必要ない。ミヤナック家や王家との話し合いの結果を契約として残す以上の意味はない。 「それで、ミヤナ…

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2023/12/22

【第四章 噂話】第五話 訪問

 学校は、いろいろあって休みになっている。マスコミが殺到していて授業にならないというのが主な理由だ。  学校からの通達が、ユウキには遅れた。休校になる当日になって届いた。吉田教諭が、ユウキに連絡をしたことがきっかけだ。  ユウキはクラスから浮いた存在だ。クラスでは、ユウキは”いじめ”られているようだ。本人は、気にしていないのが、余計に周りから憎々しく思えてしまっている。  ユウキは、元々の性格から飄々としていると見られている。そして姿かたちや性格に大きな欠陥があれば良いのだが、顔は平均以上で、身長は低いが低…

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2023/12/21

【第四章 建国騒動】第六話 少年奮闘する

 イザークは、ラインリッヒ公国と森の拠点で過ごしている。  ダンジョン内で訓練を行って、ラインリッヒ公国で文字や計算の勉強を行う。  訓練は、カリンが一緒に行ける時には、深い階層に行くこともあるが、基本は低階層での戦闘訓練を行っている。安全マージンを十分にとって、一緒に居るアキやラオだけではなく、仲間たちが単独でも倒せる場所で戦っている。  武器に慣れるように戦っている。仲間たちと連携を確認するように訓練を行っている。  カリンと朱里(シュリ)が居れば、皆で連携すれば倒せる階層に潜っている。ギリギリの戦いで…

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2023/12/20

【第九章 ユーラット】第二十九話 第三皇子

 皇都からの脱出に成功した。  皇帝は、第一皇子と第二皇子の対立を利用して、王国にある神殿を攻め落とそうとしている。  僕が調べた限りでは、神殿を攻め落とすのは兄さんたちでは不可能だ。もちろん、僕にも不可能だ。もっと言えば、帝国の勢力が協力して、全方位から同時に攻め込まない限りは攻め落とすのは無理だろう。  皇帝は・・・。父は、焦っているのかもしれない。  それに、兄さんたちは乗せられてしまった。  妹は、上手くやったようだ。  兄さんたちは、妹を追い出したつもりでいるが、僕から見たら、妹は上手く逃げ出して…

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2023/12/19

【第三十一章 本腰】第三百十九話

 久しぶりに忙しい日々を過ごしていた。  シロは、相変わらず体調の調整が出来ないようで、邸で休んでいる。エントやドリュアスたちが看病をしている。フラビアとリカルダは、シロの代わりに湖の集落を見てもらっている。二人同時に行く必要が無くなった為に、交代で湖の集落に行ってもらっている。  シロが邸に籠っている関係で、クリスティーネには負担を掛けてしまっている。  俺やルートガーでは、無難に進められない場所には、クリスティーネやヴィマやヴィミやラッヘルやヨナタンが出向いている。特に、女性が主体になっている行商は、女…

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2023/12/12

【第八章 王都と契約】第十六話 契約の話は?

 ローザスとハーコムレイとアッシュと契約を交わすことに決まった。  ギルドに振ろうかと思ったがダメだった。  神殿の所有者は対外的には、ギルドだけど実質は俺が所有することになっている。ローザスやハーコムレイが、ギルドと契約を行ってしまうと、ミヤナック家や王家以外の貴族がギルドに圧力を掛けた時に、突っぱねられないと説得(脅迫)された。  残念な事に、ハーコムレイの言っていることが正しいように思える。  ギルドの活動を考えれば、貴族からの申し出を断るのは難しい。神殿に戻ってからの調整にはなるが、所有しているのは…

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2023/12/02

【第四章 噂話】第四話 マスコミ

 在京のマスコミ各社は、情報の収集を急いでいた。  特に、広告収入がない放送局は、何者にも影響されないはずであるが、一部の腐った権力者からの要望で、”ポーション”を調べていた。ユウキたちは、表からしっかりとした手順で訪れた者たちには、しっかりとした対応を行っている。研究結果も包み隠さずに伝えている。それでも、実物の入手ができないことには、一部の腐った権力者は満足しなかった。  渡された情報を信じるかどうかは、各マスコミに任せることにしている。  一部は、検証の為に”ポーション”の現物を無償で提供して欲しいと…

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2023/12/02

【第四章 建国騒動】第五話 カリン報告する

 カリンが、邸に帰ったのは、ヤスが公国から帰ってきた翌日だった。 「あ!まーさん!ただいま!」 「お帰り。カリン」  カリンは、ダンジョンから帰ってきたテンションのままおっさんに報告を始めた。 「アキとイザークは、5階層までなら無傷で到達ができるよ。他の子は、3階層か4階層だね」 「そうか、ありがとう。問題は?」 「うーん。そろそろ、武器や防具を考えないとダメかな?それぞれの特性が出始めている」 「そうか・・・。ゲラルトとオイゲンに言って用意してもらうか?」 「うん!あっ!エミリーエに言って、聖樹の杖を作っ…

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2023/12/02

【第九章 ユーラット】第二十八話 アラニス

 ディアス・アラニスは、モニターに映し出されている戦闘風景を複雑な思いで見ていた。  ディアスは、目の前で行われている戦闘を望んでいた時期もあった。  実際に、帝国から追われた身では、帝国の貴族連中を、憎しみがこもった目で見るのは当然だ。帝国の貴族は、ディアス・アラニスにそれだけのことをした。貴族だけではない。ディアスは、帝国を深く憎んでいる。本来なら、”アラニス”を保護して守る存在であるはずの、皇子が率先して”アラニス”を断罪した。いわれなき罪を被せての断罪だ。しかし、憎んでいるのは貴族連中であり、皇族だ…

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2023/11/29

【第三十一章 本腰】第三百十八話

 粛清が始まった。  正確には、アトフィア教だけではなく、チアル大陸外の勢力と繋がっていた者たちを焙り出して捕えた。  流した情報やスキルカードによって懲罰を決めた。  アトフィア教と繋がっていた者に関しては、1段階上の懲罰を行うことに決定した。  行政区の一部に喰い込まれていた。  ここまで喰い込まれているとは考えていなかった。  ルートガーは、身元調査を過信しすぎたといっているが、しょうがない。  まずは、流出した情報の調査が先だ。 「それで?」 「流出した情報は、公開されている物だけだ」 「ん?公開さ…

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2023/11/27

【第八章 王都と契約】第十五話 そのころ・・・3

 西沢は、ゴーチエは宰相派に金を流している豪商の息子だ。所謂、武器を売って稼いでいる所謂武器商人の一族だ。武器の中には、奴隷も含まれている。もちろん、正規のルートから仕入れた奴隷だけではなく、奴隷狩りなどで捕えられた違法奴隷も含まれている。  西沢が、同級生たちのグループからの脱退を考えていた。 (このままではジリ貧だ)  西沢(ロラ・ゴーチエ)は、豪商の息子だ。  ただの豪商ではない。武器商人だ。それも、王国だけではなく、近隣諸国に武器を売り歩いている。武器の代金を、金ではなく、奴隷との引き換えも行ってい…

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2023/11/19

【第四章 噂話】第三話 撫養教

 ユウキたちの拠点がある地区の周りを囲むように、撫養教が教会の建築を開始した。  拠点には直接的なダメージはない。  周りを囲まれても、拠点が属している地区は、小さな町で、独立している。大きな括りには、属していない。  その為に、小さな地方自治が出来上がっている。  そのうえで、住んでいる人たちは、元々の住民と拠点に関係している者たちだけだ。元々住んでいた人たちも、拠点の恩恵を受けている。大きいのは、限界集落になっていた場所に、拠点が出来た事で、病院に変わる治療所が出来た。  拠点ができるまでは、近い病院で…

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2023/11/18

【第四章 建国騒動】第四話 カリン説明する

 おっさんが、イーリスに帝国を追い詰める作戦(悪巧み)を耳打ちして、ラインリッヒ公国の公都の裏路地を慣れた足取りで歩いている頃・・・。  カリンは、”魔の森”改めサイレントヒル自治区に出来たダンジョンにアタックをしていた。  サイレントヒルは、カリンが名付けた。おっさんの出身が静岡県だと聞いて、”サイレントヒル”と付けたのだ。おっさんは、別に名前には拘りが無かったが、”勇者”たちに知られたら厄介だと思っていたが、カリンの中で勇者たちとの対決を望む気持ちが芽生えてきたのかと思って、承諾した。  おっさんは、別…

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2023/11/16

【第九章 ユーラット】第二十七話 侵攻(5)

 ヤスが、楔の村(ウェッジヴァイク)への出兵を行うと宣言をした。  元々、帝国から攻めてきた戦争だ。それに対して、神殿側は反撃らしい反撃をしていなかった。  帝国の部隊が、神殿の領域に到達する前に瓦解することが多く、散発的な戦闘はこれまでも有った。しかし、まとまった攻撃は、楔の村(ウェッジヴァイク)が初めてだ。待っていたというよりも、神殿の中にも痺れを切らしている者たちが存在していた。その者たちのガス抜きの意味もあり、攻勢に出た方がいいと判断した。  指令室に居る者たちは、交戦を回避したいと考えていたのだが…

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2023/11/14

【第三十一章 本腰】第三百十七話

 幹部会議の当日になった。  最初は、シロも出席すると言っていたのだが、だるいようなので、幹部会議は欠席して、部屋で休むようにした。シロには、ステファナとレイニーがついていることになった。  俺には、”必要ない”と言ったのだが、シロから”フラビアとリカルダを連れて行って欲しい”と言われた。ルートガーたちが作る議事録とは別に、フラビアとリカルダがシロに報告を行う為にも、幹部会議に出席させて欲しいということだ。 「ツクモ様」  どうやら迎えが来たようだ。  幹部会議は、俺もルートガーもそれほど乗り気ではなかった…

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2023/11/10

【第八章 王都と契約】第十四話 そのころ・・・2

神殿が表舞台に出る準備を行っていた時に、神殿に行くことを拒絶した者たちも、自らのスキルを使って動き出していた。 最初に動いたのは、教会に伝手があるフレット(昴)・コンラート(松田)だ。 「おじい様!」 「なんだ?」 コンラート家は、王家よりの人間で穏健派の筆頭と考えられる。教会の中では、穏健派をまとめている立場の家だ。 フレットが、父親や母親ではなく、祖父を頼ったのにも理由がある。 「おじい様。教会の武器や防具や服飾関係は、どなたが仕切っていらっしゃるのですか?」 フレットが行おうとしているのは、カルーネ(…

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2023/11/05

【第四章 噂話】第二話 接触

ユウキは、意図的に三保の入口にある家の情報を流した。 しかし、番犬(フェンリル)が居るためにうかつに近づけない。 静岡や近隣のマスコミは一通り洗礼を受けている。 怪我をしたのではない。いつの間にか、違う場所で目が覚めるという失態を繰り返して、いつの間にか、ユウキの家は静岡近隣のマスコミ関係者からはアンタッチャブルな場所として認定されている。 情報を仕入れた者たちも、最初は情報を疑ったが、実際に”噂”と同じような状況に陥れば、信じるしかなくなってしまう。 しかし、そんなマスコミに匂わせている者たちは、そんな中…

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2023/11/01

【第四章 建国騒動】第三話 余波

公国が、帝国を撃退したという情報は、周辺の国々に伝播した。戦闘の開始時点からの情報が、正確に伝えられた。 帝国の7家が連合を組んで、公国に迫った。帝国も負けるとは考えていなかったために、当初からかなりの情報を流していた。公表されていた兵数は、30万。公表された兵数が、実体を捉えていないのは、当然の事だが、建国を宣言したばかりの国を攻めるのには、大げさな兵数を用意した。終戦後に行われる別の戦いの為にも、7家だけではなく、後ろに控えている者たちも兵を貸し与えていた。 帝国は、戦況が判明するにしたがって、情報統制…

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2023/10/31

【第九章 ユーラット】第二十六話 侵攻(4)

ヤスとリーゼが神殿に戻ってきたのは、帝国が楔の村(ウェッジヴァイク)を完全に包囲した時期と重なった。 指令室になっている会議室に、ヤスとリーゼが戻ってきた。 「戦況は?」 ヤスは、自分の席に座る。リーゼは、当然のようにヤスの隣に座る。 作戦室でオペレータを務めていたのは、オリビアだ。 帝国の侵攻が始まってから、交代でオペレータを務めている。今は、オリビアとメルリダとルカリダが務めている。ヤスには、事後に承諾を貰っているが、監視している箇所は、3箇所に絞っている。 他は、問題や動きがあった場合にアラームが上が…

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2023/10/31

【第三十一章 本腰】第三百十六話

二日後に、長老会を開催することに決まった。アトフィア教への警戒を強めることになってしまうが、相手が何をしているのか解らない状況では、攻めるにしても、守るにしても、状況の把握をしなければならない。 ルートガーが長老や関係者の間を駆け回っている。 クリスティーネもルートガーの手伝いをしている。ヴィマやヴィミやラッヘルやヨナタンは、クリスティーネの代わりに各所に連絡を行っている。今回の会議は、最初は長老衆だけで行うが、その後にチアル大陸の幹部を含めた会議を行う。 ルートガーは、長老衆との打ち合わせの準備で忙しいた…

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2023/10/27

【第八章 王都と契約】第十三話 そのころ・・・

リンとマヤとミトナルが王都に向かった。 神殿は、ギルドに任されていた。 リンとマヤが居なくなった神殿では、ロルフが管理を行うのだが、ロルフは、リンの眷属たちの統率を行っていて神殿の運用までは手が回っていない。 リンからも神殿の裏側はロルフが手を出してもいいが、居住区と通路はギルドに任せるように言われている。 残っているメンバーは、それぞれが生き残るため・・・。と、いう思いは持っているが、それ以上に、自分の想いを叶えるために行動を起こし始めている。その中でも、イリメリは精力的に動いている。 森の村とフリークス…

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