非ハーレムの記事一覧

2023/02/12

【第七章 神殿生活】第十四話 人材

皆が作業と確認を行うために、部屋から出ていく.残ったのは、ミトナル(肩にマヤ)とイリメリだけだった。 「リン君。お願いが」「何?」 イリメリの発言を遮るように、ミトナルが俺の前に現れる。 「ミトナル。そうね」 「うん」 何か、二人で納得している。 「リン。皆に、護衛を付ける」 「あぁ・・・。そんな事を言っていたな」 「それなら、僕が案内する」 ミトナルとマヤが、皆に眷属を紹介しながら、護衛になりそうな者を探すようだ 状況から、アデレード殿下には複数の護衛を付けた方がいいだろう。 「ミル。マヤ。頼めるか?あと…

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2023/02/08

【第三章 復讐の前に】第十六話 侵入者

伊豆の拠点にフォレストキャットとシルバーフェンリルを連れて帰った。 状況を説明したら、ヒナとレイヤが呆れて居た。サトシのオルトロスを捕まえようとしていたのには、笑い始めてしまった。オルトロスを連れて帰ったら、すぐに話題になって、マスコミで家の周りが埋め尽くされるだろう。世界各国からインタビューという名前の強制撮影が始まるのが解り切っている。 幻影のスキルを使えば、解らないようにするのは可能だが、かけ続けるのは面倒だ。道具に付与しようにも、わざわざオルトロスを眷属にする意味はない。サトシも解っていると思ったの…

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2023/02/07

【第三章 帝国脱出】第三十六話 おっさん走る

「おっちゃん!」 呼び止める声を聞いて、おっさんは足を止める。 「イザークか?今日はどうした?」 「アキ姉が、カリン姉ちゃんと一緒に素材の採取に出かけた」 「ん?それは聞いているけど、イザークは一緒に行かなかったのか?」 「うん。なんか、ダストンさんが・・・。おっちゃんを探していた」 「ははは。イザーク。先にそれを伝えた方がいいぞ。誰からだ?」 「イーリス姉ちゃん」 「イーリスが許しているからいいけど、ダストンやロッセルが居る所で、しっかりとしろよ?」 「うん。その場合には、姫様と呼んでいるから大丈夫。イー…

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2023/02/07

【第九章 ユーラット】第九話 最終確認

カイルは緊張した面持ちで、立ち上がった。 イチカも、カイルと一緒に立ち上がったが、カイルよりは余裕が見える。 二人は、報告書で大丈夫というサンドラからの提案を、皆の前でしっかりと発表をしたいと言い切った。質問にも答えると言っている。 まだ早いという意見もあったのだが、二人は神殿に住む子供たちのリーダーの役割を持っている。実際に、子供の数は、成人している者から神殿にアタックしている者と西側に住む者たちを除けば、最大の人数になっている。大人たちがなんとなく、種族でまとまっているのに対して、子供たちは種族でまとま…

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2023/02/06

【第二十九章 鉱山】第二百九十八話

新種の話は、十分ではないが、船長からの証言が取れた。 やはり、海上だろうと、新種は存在している。 問題は、”どこから来たのか?”だ。 最初に考えたことは、船長の言葉で潰された。 中央大陸よりも、他の大陸の方がおおいと感じているようだ。 もしかしたら、中央大陸では既に”新種”になっていて、”できそこない”が居ない可能性もある。 そう考えると・・・。 やはり、新種は人為的に作られているのか? 解らないことが増えただけだが・・・。知らないよりは”まし”だと考えておこう。 「ツクモ様」 船長からの伝言を受け取る。 …

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2023/02/05

【第七章 神殿生活】第十三話 計画

アデレード殿下が神殿に関わることが決定した。 アデレード殿下もルアリーナも、神殿には居ない。二人は、ミヤナック辺境伯領で療養していることになっている。 アデレード殿下から、詳しい話を聞いた。 詳しい話も、隠し事をしないで全部を話してくれたようだ。ルアリーナが聞いていた話で補助を行ってくれた。 アデレード殿下とルアリーナという外部との折衝で頼りになりそうな人物が、折衝を行う事ができない。 神殿の勢力が大きくなって、独自の戦力だけで他の勢力と拮抗できるようになれば、二人が表舞台に出ても問題はないだろう。それまで…

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2023/02/01

【第七章 神殿生活】第十二話 アデレード

私は、”アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーア”、名前からわかっていただけると思うのですが、トリーア王家に連なる者です。 親しい者からは、アデレードではなく、”アデー”と呼ばれています。 大きく物事が動いたのは、今年のパシリカが終わった位です。 私も、パシリカを受けました。授かったスキルは”秘密”です。悪いスキルではなく、ステータスも良かったのですが、少しだけ問題が発生しました。ジョブが”癒し手”と言われる初代様と一緒に・・・。 もっと正確に言えば、初代の王妃様が持っていたジョブです。 王家や上位貴族の…

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2023/01/25

【第三章 復讐の前に】第十五話 犬と猫

マイが先導する形で王城を案内している。 ユウキも知っている場所なので、場所を教えてもらえれば、移動は可能なのだが、ユウキや地球に戻った者たちは、レナートから出た人間と公表しているために、建前だが、レナートに残った者たちが案内をするという体裁が必要になる。 「ん?庭じゃないのか?」 通された部屋で、ユウキは怪訝な表情を浮かべて、マイに質問をする。 「えぇこの部屋で少しだけ待っていて欲しい」 ユウキは、マイの雰囲気から事情を察した。 「わかった。ヴェルが治療中か?」 マイは、肩をすくめる動作をするに留めた。 「…

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2023/01/25

【第三章 帝国脱出】第三十五話 周辺事情

おっさんは、代官のダストンを、ロッセルに押し付けることに成功した。 辺境伯領は、好景気に湧き始めている。 ロッセルが辺境伯の領都に来てから5年で辺境伯領だけではなく、近隣や派閥の貴族領を取り巻く情勢は大きく動いた。 まず、ロッセルはおっさんよりも大胆な提案をダストンにおこなった。 市民権を、現在の30万イエーンから、3万イエーンに値下げした。それだけではなく、3万イエーンが払えない者は、貸し付けを行う。返還は、辺境伯領への奉仕活動で捻出させるという事だ。そして、成人前の子供は(仮)市民権を発行することに決ま…

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2023/01/24

【第九章 ユーラット】第八話

「サンドラ。それでは、オリビア殿下は、問題になりそうな行動はしていないのだな」 資料の読み込みの時間を経て、私がオリビア殿下と従者になっている二人の行動を説明する。 神殿への攻撃的な態度や外部への情報流出を含めて、問題がなかった事を報告する。 特に、アフネス様が心配して、ユーラットに居る人たちが心配していたのが、ユーラットに残る問題児たちを処罰した時に、オリビア殿下がどう動くか?リーゼやヤス様に危害を加えようとするのか?そもそも、問題児たちへの対応を考えているのか? 「はい。アフネス様」 結論は出ている。 …

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2023/01/24

【第二十九章 鉱山】第二百九十七話

船の中で、食事を摂って、カイとウミとライと遊んでいたら、扉がノックされた。 「ツクモ様」 ルートガーの声だ。 船長に余裕ができたのか? 「いるよ?」 「はぁ・・・」 「鍵は開けてある」 「はぁ・・・。入るぞ?」 ルートガー。ため息はないだろう、ため息は・・・。 「あぁ」 扉が開けられて、ルートガーと従者が入ってきた。 後ろには、乗船の時に挨拶をした船長ともう一人が付き従うように入ってきた。 少しだけ、本当に少しだけ狭く感じてしまう。 ルートガーを抗議の意味を込めて睨んでおく。ルートガーも意味が解るのだろう、…

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2023/01/23

【第七章 神殿生活】第十一話 事情

皆の視線が集中したアデレード殿下は、大きなため息で、”困っています”をアピールしている。 「アデー?何を困っているの?」 さすがは、”空気を読まない”マヤが、アデレード殿下の目論みを潰す。 ルアリーナが苦笑を浮かべて、アデレード殿下に助け船を出す。 「アデレード殿下。ここには、アデレード殿下の味方しか居ません。それに、アイツらの事なら大丈夫です。私たちの、リン君の敵です」 ルアリーナは、事情を知っているようだ。 ミヤナック家と相談した時に、ルアリーナが事情を聞いたのだろう。 「え?」 アデレード殿下は、俺た…

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2023/01/21

【第三章 復讐の前に】第十四話 クラスと授業

(今川さん。暴れているな・・・) ユウキは、今川から送られてきたURLを見ながら、呟いた。 開かれたページは、有名なサイトだ。 トイレの落書きと同程度の意味しかないが、それでも多くの人が見ているのは間違いない。 (それにしても面白い方法だ) 今川が行ったのは、吉田教諭から得た情報の一部で、もっともマイルドな不正受験に関する話だ。 今川が行ったのは、某新聞社のフォーマットで記事を作成して、校正を通したような状態で、記事を流出させる。丁寧に、政治案件だと解るような、”没”を示すような状況にしてある。 ネットでは…

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2023/01/19

【第三章 帝国脱出】第三十四話 ロッセル

ダストンは、おっさんの提案を受け入れた。 もちろん、指示書に対する対応策を質問状の形で、辺境伯に伺いを立てている。 返事を待っている間に、腹心候補を考えていた。 (誰か?俺の代わりに、領内を回る者が欲しい。いきなり、腹心は難しいだろう。俺も忙しくなる。副官が欲しい。俺に従ってくれる副官が・・・) ダストンは、自分で考えて”腹心を欲している”と思い始めている。 実際には、おっさんの入れ知恵だ。それだけではなく、おっさんは次の手を打っていた。 「ダストン様」 辺境伯から、宛がわれている家宰が、ドアをノックしてか…

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2023/01/19

【第九章 ユーラット】第七話 第一回 報告会

今日は、私が議長を務める会議が神殿の一室で行われます。ギルドが入っている場所です。ふぅ・・・。少しだけ、本当に少しだけ心配です。 もう、何度も行っているので、会議には不安はありません。初めての議題で、皆の感心が高いです。感心が高いために、参加者の数も多いのが少しだけ心配です。予定の調整を行って、準備された会議室の広さからも、注目度がわかります。 自分が提案した会議です。資料もしっかりと作り込みました。 新しく加わる議題が少々・・・。では、なく・・・。面倒です。 前半は、報告がメインです。ミスがなければ、問題…

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2023/01/17

【第二十九章 鉱山】第二百九十六話

船は、海原を進んでいく、何度かウミの魔物が襲ってきたが、ライが仕留めた。吸収したが正しいのか? 甲板で、海原を眺めていると、よく知る気配を持つ者が近づいてきた。 誰なのかわかっているので首も動かさずに、殺気を向ける。視線を向けることで、認識していると説明をした。つもりだ。 俺が”何を”したのか解ったのだろう。慌てては居ないが、周りを見回している。魔物が居ると誤解したのだろう。 周りに、危険がないと判断して、少しだけ大きめの声で俺を呼んだ。 「カズト・ツクモ!」 よく見ると、ルートガーの後ろに4人の従者(正確…

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2023/01/15

【第七章 神殿生活】第十話 アデー

会議室に入ってきた、ミトナルの肩に座っていたマヤがいきなり、アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアを愛称で呼んだ。 呼ばれたアデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアも、目を”パチパチ”して、マヤを確認している。 そして、不思議な物を見たような表情で、マヤと名前を呼んだ。 知り合いのようだ。 そして、俺がアデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアを知っている事が前提にあるようだ。 アデレード殿下を見ると、俺を見て少しだけ困った表情をしている。 何に、困ることがあるのだろうか? 「マヤ」 「何?」 マヤが…

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2023/01/08

【第三章 復讐の前に】第十三話 入学式

ユウキは、今川からSDカードを渡された。 手の中で、SDカードを弄んでいた。 しかし、渡されたSDカードを今川に返した。それも、今川の手を持って、無理矢理に握らせた。 「ユウキ?」 今川は、訳がわからない状況で、ユウキの顔を見る。 手渡されたSDカードは、ユウキが行おうとしている事(復讐)に必要な情報が詰まっている。必ず、必要になるとは言わないが、”必要ではない”情報は、存在しない。些細な情報でも、ユウキが必要としているのは、皆が認識している。それだけ、相手は巨大だ。 何度も、何度も、話し合っている。殺すだ…

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2023/01/07

【第三章 帝国脱出】第三十三話 奴隷条例

帝国史上もっと愚かで、最も人々を狂乱に落とし込んだ”条例”が、宰相のブーリエから発布された。 一部の貴族から出された懸案を、最も容易に・・・。そして、問題を解決するために、考え出された、画期的だと本人たちが本気で思っている”条例”だ。 ”奴隷条例” いくつかの条文で構成された”条例”だ。 もともと、帝国には”奴隷法”という”法”がある。借金奴隷や犯罪奴隷や戦争奴隷があり、それぞれ区分されている。 愚か者たちが奴隷を殺すことで、スキルアップが行えることを覚えてしまった。 帝国から、犯罪奴隷が消えるまで、時間が…

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2023/01/06

【第九章 ユーラット】第六話 オリビアの日常

オリビアは、すぐに神殿に馴染んだわけではない。 ヤスが用意した家は、屋敷と呼べるような大きさだ。従者と一緒に住むことが考慮されている。可能性は低いが、騎士の3人が神殿に住む場合には、オリビアたちに責任を取らせる意味も含めて、一緒に住める大きさの家をヤスは用意した。 家の手配は、セカンドたちが行い。家具などの準備も行った。 オリビアは、ヤスから屋敷を与えられてから、メルリダとルカリダにも対等に接するように伝えるが、二人は固辞した。 神殿に居る者たちに相談をしたが、”別にいいのでは?”という緩い返事が来た事で、…

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2023/01/04

【第二十九章 鉱山】第二百九十五話

よくわからない状況になった。 中央大陸に向っている。もう、港に辿り着いた。 船の手配も終了している。 竜族に乗っていくという話も有ったが、中央大陸に行くのには向かないと判断された。 一人、強固に反対した者が居たので、今回は船で移動する。 船も、通常なら数日から待つ時には2-3週間は待機の日数が必要になるのだが・・・。俺たちの予約は、すんなりと通って、今は船の上だ。 あと数時間で出港する。 横に居る人物に声を掛ける。 「ルート。本当に大丈夫なのだな?」 本来なら俺の代わりに、チアル大陸を統治する。ルートガーが…

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2023/01/01

【第七章 神殿生活】第九話 案内

揉めるかと思ったが、ゲートを入る順番は最初から決めていたようだ。 最初は、ナッセ・ブラウンが入った。 フェナサリム(重久真由)が続いた、最後に残ったのは、イリメリ(静川瞳)だ。 タシアナ(韮山里穂)の弟や妹たちは、まだ商隊と一緒に待機してもらっている。まずは、ギルドのメンバーと商隊の主要メンバーだけが、神殿に入ることに決まったようだ。順番や神殿に向かう人選は、関与していない。 俺とセバスチャンで、ゲートの周りを確認する。 「セブ。こっちは頼む。後で、眷属を向かわせる」 「わかりました。いってらっしゃいませ」…

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2022/12/18

【第七章 神殿生活】第八話 通行証

「リン=フリークス」 リカールが、背筋を伸ばして、俺を真正面から見ながら、名前を呼んだ。 見ていた書類から目を離して、リカールを見つめ返す。 「なんでしょうか?」 「サリーカの言葉を信じて、ここまで来た。まずは・・・」 リカールの言葉を遮る形になるが、手を上げた。リカールも、俺の意図が解るのだろう。言葉を切って、俺を見て来る。 「わかりました。神殿に行きましょう」 安堵の表情を浮かべる。 何があるのか解らないが、商隊の中での駆け引きがあるのだろう。 「助かる。父が・・・。商隊長が煩くて・・・」 父?サリーカ…

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2022/12/07

【第二十九章 鉱山】第二百九十四話

ダンジョンを俺たちが攻略してしまえば、ダンジョンの所有権は俺たちが取得することになる。 そのうえで、ゼーウ街に借用するような契約にすればいい。 近隣の街から文句を言われたら、デ・ゼーウは俺たちに交渉を丸投げすればいい。 俺たちは、面倒だからゼーウ街に”ダンジョンを丸投げしている”立場を取る。そのうえで、他の街が交渉してきたら、デ・ゼーウ以上の好条件を出さない限りは提供しないと言えばいい。 それでも、ダンジョンにアタックする奴らは出てくるだろう。 見逃してもいい。自己責任でアタックするのなら、勝手にすればいい…

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2022/12/06

【第七章 神殿生活】第七話 セトラス商隊

料金や運用を、セバスチャンに任せて、神殿に戻った。 屋敷の隣に設置したゲートの確認の意味もあった。 「ロルフ!」 ゲートの設置場所にロルフが居た。 俺を待っていたわけではないようだが、タイミングがよかった。 『マスター』 「何組のゲートが設置できる?あと、ブロッホやヒューマからゲートの設置依頼はあるのか?」 『マヤ様とミトナル様が、整理をリソースへの還元を行っています。現状では、残りは6組です。リソースへの還元が終了すれば、10組になる予定です』 「そうか・・・」 まずは、ギルドへの依頼をしなければならない…

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2022/12/03

【第三章 復讐の前に】第十二話 雑事と

ユウキは、バイクでの通学を行う為に、免許の取得を行った。 技能はもちろん問題がない。試験も無事に合格した。年齢の問題は残ったが、特例処置が下された。海外の2輪の免許を取得しているのが、理由として上げられていた。ユウキは、準備期間を利用して海外で免許の取得を行っていた。 ユウキは、拠点から学校に通う為の家に移り住んだ。 住民票やら手続きも既に終わっている。 バイト先への初出勤も終わった。 バイトから帰ってきて、CBR400Rを駐車場に停めて、部屋に戻った。 ユウキは、小さなスマホが気にって使い始めた。スマホに…

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2022/12/02

【第三章 帝国脱出】第三十二話 愚か者

勇者たちは、お披露目を行ってからも何も変わらない日々を過ごしていた。 お披露目は、大通りをパレードする形で行われた。 盛大という言葉が相応しい状況だったが、一部の民衆は冷めた気持ちで、パレードを眺めていた。 勇者たちは、宰相派閥の貴族に引き取られるように、貴族家の屋敷に移動した。 貴族家で、傲慢な態度はさらに酷く傲慢に拍車がかかった。勇者たちは、安易な快楽に溺れて行った。 勇者の1人であり聖剣の持ち主である剣崎凱斗(けんざきかいと)は、最初の頃は、剣の訓練をしていたが、徐々に訓練も減り楽な方向に気持ちを動か…

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2022/12/01

【第九章 ユーラット】第五話 オリビア

私は、オリビア・ド・ラ・ミナルディ・ラインラント・アデヴィット。 アデヴィット。この名を持つ者は、私を入れて6名だけだ。 皇帝であるお父様。第一皇子。第二皇子のお兄様。第二皇女のお姉様。第三皇子の弟。そして私だ。 母たちには、アデヴィットを名乗る権利を与えられていない。 私の母は、身分が低かった。 そのために、つけられた従者はメルリダとルカリダの二人だけだ。従者兼メイド兼護衛だ。私も、護衛術は嗜み程度には習得しているが、命が守れるレベルではない。 父である陛下が、御病気になってから、周りが騒がしくなった。 …

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2022/11/28

【第七章 神殿生活】第六話 料金設定

屋敷に戻って、セバスチャンにゲートの説明を行った。 仕組みは、俺も理解していないので、”こういう物”とだけ理解をしてもらった。セバスチャンと屋敷に戻って、神殿側のゲートやアロイ側に作ったゲートに関する修正箇所の聞き取りを行った。セバスチャンが考える問題点を上げてもらった。 簡単に言えば、貴族用は手続きを煩雑にして、”自分が優遇されていると思わせる方がいい”という事だ。簡素な手続きでは、面倒な貴族や豪商は、軽く見られると思うようだ。神殿側のゲートを出た先に、貴族用の個別の部屋を設置する。ここで、手続きを行うの…

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2022/11/26

【第三章 復讐の前に】第十一話 クズ

準備が滞りなく終わって、ユウキは新しい家で過ごす時間を徐々に増やしていた。 母親が亡くなって、父親と名乗る人物に引き取られて、そのあとで捨てられた。しかし、捨てられた施設でも、その後に過ごすことになる異世界でも、ユウキは独りになることは少なかった。 特に、異世界(フィファーナ)では誰かが常に側に居た。ユウキも、誰かが側に居るのが当たり前だと思っていた。 ユウキは、独りでの生活に慣れようとしている。 学校が始まれば、一人で行動をしなければならない。 バイト先は、馬込から紹介された。 バイクを使う理由にもしてい…

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