魔法の世界でプログラムの記事一覧
2020/08/30
【第三章 ダンジョン攻略】第五十六話 模擬戦(後始末)?
ランドル(オークもどき)は、生きていた。十分注意しながら切り落としたから当然なのだが、止血も切る時に、炎をまとった刀で切ったので、焼くことがうまくできたようだ。 両手がなくなって、片目も潰れている。足も腱が切られているから立つのも難しいだろう。 最後に戦った5人以外は、四肢欠損とかにはなっていないと思う。少し傷跡が残る怪我があるかもしれないが、そのくらいは許してもらおう。それに、正式に俺の奴隷になって、話を外部に漏らさない誓約が取れた時に直してもいいと思っている。 「グスタフ殿?」 「マナベ様。やりす…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十五話 模擬戦(後編)?
”鉄壁のダーリオが負けた”とか冒険者や”なんたらの牙”から聞こえてくる。 そうか、こいつ”二つ名”持ちだったのだな。 「どうする?もう一度やるか?」 「勘弁してくれ、腕がもう使い物にならない」 「そうか、それなら、端で見ていろ」 「そうさせてもらう。あぁ俺も奴隷かぁ・・・。いい人に買ってもらわないと・・・な!」 俺をそこで見るな。 思考が読まれたようで気持ちが悪い。 必要だと思えば残しておけばいいし、邪魔だと思えば売ってしまえばいい。訓練相手として残したい気持ちはあるが、考えを聞いてみないと判断で…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十四話 模擬戦(前篇)?
控室はまともだった。 飲み物や軽食が置かれているが、何が入っているかわからないから、自分が持ってきた物だけを口にする事にした。 結局、模擬戦は建前できに1対1になった。どうせ、途中から1対多になるだろう。 俺としては、集団戦で手加減をするいい演習だったのだがしょうがない。 ニヤニヤ笑いをしているオークもどきと仲間たち。 その笑いがいつまで持つのか楽しみだ。 仕切りは、グスタフがしてくれるので、少しは安心する事にする。 「それで、ランドル率いるパーティー”影なる牙(シャドーファング)”と”シンイ…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十三話 模擬戦の前哨戦
やっと書類が出来上がった。 怒鳴ってばかりで何も建設的な意見が言えない脳筋(バカ)と、ギルドマスターの皮を被った一部のギルド員の代理人に成り下がった愚者(腐臭がする人)と、書類の詰めなどできるわけもなく、結局王都から派遣されてきていた人と教会から人を出してもらって書類を作成した。 王都から来ている職員の様子から、ギルドマスターの更迭は間違いないだろう。正しい所が一片も無い事を証明できれば、風通しの面でも良くなるのだろう。そのためにも、パーティー相手にして完勝するのが望ましいのだろう。無様な事をすれば流…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十二話 ランクアップ?
ダンジョンの低階層の攻略を初めて、1週間が経過した。 恐ろしいほどの資金が集まっている。 初日が少なかったのだ。 今では、毎日ソロで40-50万ワトほど稼いでいる。 ギルドの職員が言うには、飛び抜けて多いそうだ。 通常は、パーティーで4-5万ワト程度が稼げればいいそうだ。 何が違うのかわからない。 わからないが、俺が稼いでいることは解る。それが解るのは、俺だけではなく、目の前で悶絶しているバカ共も同じ様だ。 いつものように、ダンジョンの5階層辺りで狩りをしていた。 その頃から視線を感じて…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十一話 探索
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/ しっかり予定していた時間に起きる事ができたようだ。 昨晩は疲れてもいたので、すぐに寝てしまった。 野宿でもそこそこ快適に寝られたけど、やはり屋根がある所で寝るほうがいい。それに、安物で簡単に破られそうな鍵だがあるだけで気持ちがこれほど落ち着くとは思っていなかった。野営の時の魔法をもう少し工夫しようと心に決めた。 食堂に降りていくと、何人かが食事をしていた。 多分冒険者なのだろう。 「ナベさん!」 朝から元気だな。 アルの声で完全に目が覚める…
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【第三章 ダンジョン攻略】第五十話 冒険者ギルド
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/ アルに案内されて入った宿屋はお世辞にも綺麗とは言えなかったが、宿屋で間違いが無いようだ。 「ナベさん!」 「あぁすまん。それで?」 宿の仕組みを聞いた、一泊3,000ワト。銀貨3枚だ。 ダンジョンの探索をしている時には無駄にならないように荷物の預かりだけをしてくれるサービスもあるようだ。宿が信頼できると思ったら頼んでもいいかも知れない。俺には、ステータス袋があるから荷物を全部持っていく事もできるけど、カモフラージュには丁度いいかも知れない。 いろ…
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【第三章 ダンジョン攻略】第四十九話 迷宮街ウーレンフート
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/ 派手ではないが、しっかりとした葬儀が執り行われた。 俺は、マナベ家の者として参列した。ライムバッハ家の者としては出ない事を、直前にユリウスたちに話した。 反対されたが、俺が出ると、共和国の客や貴族連中が良からぬ事を考えるかも知れないと、もっともらしい説明をした所、1人以外は納得してくれた。その1人から、俺が迷宮街ウーレンフートに向かうのを一日伸ばすという条件だった。 今、その条件を出した者と二人っきりで部屋で過ごしている。 「エヴァ。何を怒ってい…
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【第三章 ダンジョン攻略】第四十八話 指輪と魔道具
/*** レイ・エヴァ・マナベ Side ***/ 今、私の隣で、アルが寝ている。 今日は、うなされなかったようだ。アルから贈られた、指輪が左手の薬指に光っている。明日、ギルにお願いして、状態保存の魔法が使える人に保護をお願いしよう。 でも、今は、もう少し、アルを感じていたい。 私が愛する唯一人の人。私を愛していると言ってくれた人。私は、アルを独り占めできるとは思っていない。独り占めしたいとは思っているのだが、多分無理だろう。それは、それでいい、私は、アルの1番最初になる。そして、できれば正妻の座を…
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【第三章 ダンジョン攻略】第四十七話 レイ・エヴァ・マナベ
/*** レイ・エヴァ・マナベ Side ***/ イレーネから衝撃の告白をうけた。 それから、どうしてこうなったのかわからないが、アルから告白された。 この部屋での生活も、既に10日に達している。 そして、昨日始めて、アルと結ばれた・・・・キスだけだが・・・それ以上はしてくれなかった。 クリスの話では、あと10日くらいは時間がかかるという事だ。 アルは、長いと言っているが、私は短いと思う。だって、その10日が過ぎてしまえば、アルは旅立ってしまうのだ。私も、3年間は王都で高等学校に進む事になる。…
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【第三章 ダンジョン攻略】第四十六話 二人での生活
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/ 久しぶりのライムバッハ領。 そして、久しぶりの俺が生まれ育った街の、生まれ育った屋敷の、生まれ育った部屋の中に、俺は軟禁されている。 それは、別に構わない。構わなくは無いが、事情が解るので、別にそれならそれでいい。 一緒にエヴァが居るが別にエヴァが嫌がっていないのなら問題ない。 そして、エヴァはすこぶる機嫌がいい。今も、俺が作った。コンロの実験を手伝ってくれている。 さすがに、ギルが街に居るだけあって、素材で欲しい物が有る時にお願いすると、数…
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【第三章 ダンジョン攻略】第四十五話 ライムバッハ辺境領
/*** レイ・エヴァ・マナベ Side ***/ ライムバッハまでの道のりは、私は、シンイチ・アル・マナベのパーティーメンバーだ。 大勢居る護衛メンバーの中、1つのパーティーとしてだ。 この集団が向かっているのは、ライムバッハ領。アルの実家だ。護衛しているのは、協会関係者の護衛という事になっている。護衛対象は、馬車の中に居て出てこない。 名前を、エヴァンジェリーナ・スカットーラという。聖女の肩書を持っている女性だ。 彼女を、ライムバッハ領まで送り届けるのが私たちの役目になっている。 なんで、こ…
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【第三章 ダンジョン攻略】第四十四話 旅立ち
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/ 「アル。先に行くな!」 ユリウスが仕切っているが 「クリス。クヌート先生お願いします」 「もちろん」 「えぇ任せてください」 ユリウスが、俺の肩を掴むが、払いのけさせてもらう。 「アル。お前!」 「そうだ、ハンス。ギード。頼むな。道中、魔物は出ないとは思うけど、これだけの隊列だ。野党が襲ってこないとは限らない」 「アル。安心しろよ。俺が仕切ってやるからな!」 冒険者組合に、護衛任務の依頼を出した。 ほぼ名指しの依頼で、イーヴォさんは快く引き受けて…
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【第二章 冒険者マナベ】第四十三話 冒険者シンイチ・アル・マナベ
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/ エヴァが終始ごきげんなのは良かった。登録名でやってくれたけど、まぁ些細な問題だ。それに、家名が同じだから、兄妹という事にしてもいいかも知れない。別に、同じ家名だから・・・夫婦であるわけではない。よな。 今日一日、エヴァと歩いてみたが、やはり、あの婆さん達の店は見つからなかった。 メインの武器になってしまっている、刀の予備が欲しかった。ステータス袋が使えるようになって、荷物の心配が少なくなったので、武器になりそうな物を仕入れておきたかった。 「アル?…
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【第二章 冒険者マナベ】第四十二話 エヴァの葛藤
/*** エヴァンジェリーナ・スカットーラ Side ***/ 朝起きたときに、少しパニックになってしまった。 隣で、アルノルト様が眠っている。私は、アルノルト様の服を掴んで眠ってしまったようだ。一緒に寝たのだろう。私にも、知識はある。自分の服装の乱れが無いことを確認してしまった。 安心したが、少しだけ残念に思えてくる・・・が、そういう事は、意識がある時にしてほしいと考えてしまって、身体が暑くなってしまった。しっかり掛かっていた布団が少し暑く感じて、上半身に掛かっている布団をどけた。 どうしよう。先…
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【第二章 冒険者マナベ】第四十一話 神からの忠告
/*** シンイチ・マナベ Side ***/ 『クスクス』『キャハハ』 「誰だよ?」 ん?ここはどこだ? 以前にもどこかで? 『やっと起きた』『起きたね。飲み過ぎ。飲み過ぎ!』 エトとエリ! 『そうだよ。エリだよ』『覚えていた。覚えていた。エトだよ』 とい言うことは、ここは、アリーダ様の? 『前にもいいましたよね?』 え?あっ、アリーダ。ここは? 『私の居城ですよ。貴方の妹さんが眠る場所とつなげる事ができましたのよ』 そうですか? それで、今日は、その連絡ですか? 『それも有りましたけど、今…
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【第二章 冒険者マナベ】第四十話 別れ
「エヴァ。案内・・・頼めるか?」 「はい!」 振り返って、まだ、袋を眺めて、ワイワイ言い合っているユリウスをみる。 「俺は、今から、ユリアンネとラウラとカウラに、少し、王都を離れる事になりそうだという報告をしてこようと思う。ユリウスたちはどうする?」 「もちろん。行く。多分、俺達のほうが、長く王都を離れる事になるだろうからな」 他の皆も、陛下たちも含めて、挨拶をしてくれる事になった。 ユリアンネたちが眠る場所は、寮から少し離れた場所にある森の中にあった。 俺が、静かに眠らせたいという要望を聞いてくれ…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十九話 新たな力
「ユリウス。この後どうする?何も無ければ、エヴァに、ユリアンネとラウラとカウラの眠る場所に案内してもらおうと思っているのだが?」 「アル。すまん。少し待って欲しい」 「ん。いいけど、どうした?」 「あぁ」 ドアがノックされた。 エヴァの母親が入ってきて、来客だと告げた。どうやら、ユリウスが待っていた人なのだろう。 「お父様!!」 フォイルゲン辺境伯が入ってきた。 クリスは知らされていなかったのだろう。びっくりして立ち上がっている。 その後ろから、この国の王である陛下と皇太子も一緒に入ってきた。 …
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【第二章 冒険者マナベ】第三十八話 今後の方針
エヴァと連れ立って、食堂に降りる。 皆がそろっているようだ。 所定の位置に座る。ラウラとカウラの場所を、誰もが見つめている。 「それで?」 「アルの話の前に、皆、すまなかった」 それだけ言って、ユリウスは、皆に向かって頭を下げた。 何が有ったのか、想像ができるが、話が進まなくなりそうなので、スルーさせてもらおう。 「クリス。それで?」 「私ですか?」 クリスが盛大にため息をつく 「ユリウス様。よろしいのですか?」 「ダメだ。俺から、話をする」 「と、いうことですわ。アルノルト様」 「アル。いや、…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十七話 旅立ちの前に
/*** シンイチ・アル・マナベ(アルノルト・フォン・ライムバッハ) Side ***/ 久しぶりに寮に戻ってきた。着替えが欲しくなった事もあるが、ユリアンネとラウラとカウラの事が気になってきた。 尋問(八つ当たり)も俺ができる事は、終わったと思っていいだろう。対面してわかったが、あいつらを相手していると、虚しいとさえ思えてくる。”あいつら”ではダメだ。 俺が使っている部屋に入った。 エヴァは、3人が眠る場所を作ってくれたようだ。俺の部屋・・・こんなに広かったのだな。ラウラ。カウラ。お前たちの声が聞…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十六話 権利と義務
冒険者組合が用意した宿屋は、かなり上等な物だと思う。 食事もかなり高級な物なのだろう。だが、味がしない。宿屋の主人に礼を言ってから部屋に戻る。部屋には、今、判明している事がまとめられている物が置かれている。 これを、ビルドアップしていくしか無いのか? もう少し、アップデートしやすい感じにまとめ直すか? 羊皮紙が大量に・・・いや、和紙を作ってしまおうか、あぁタブレットかパソコンが欲しい、こっちの世界にて、12年が過ぎたかなり慣れたが、メモを作成したり、簡単な覚書をする時に、スマホとは言わないまでも、…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十五話 尋問
床に寝かされているのは、俺が捕縛した奴らのようだ。 リーヌス・フォン・ルットマンらしき奴も居る。よく見ると、ゴミどもは、目隠しをされている。 さて、尋問(八つ当たり)を始める事にしよう。 ラウレンツ殿にお願いして、椅子を二つ持ってきてもらう。床に転がっているゴミどもが何か言っているが、面倒なので、腹を蹴飛ばして黙らせる。 さて、まず適当なやつからやっていくか! 「おい」 手近にいた奴の首を持って、椅子に座らせる。 「おい。お前。名前は?」 「な・・・なんだ。俺は」 刀を抜いて、首筋にあてる。そ…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十四話 目的?
あれから、何日が過ぎたのだろう。 お前らいい加減に起きろよ。俺、疲れたぞ。 光魔法や・闇魔法や、氷魔法をかけ続けている。ステータスが、うなぎのぼりだ。 名前:アルノルト・フォン・ライムバッハ [異世界(日本)語変換:1.69] [鑑定:3.23] [思考加速:1.00] 魔法制御:4.71 精霊の加護 地の加護:2.18 火の加護:2.79 炎の加護:0.79 [水の加護:2.35] 氷の加護:1.03 木の加護:2.09 風の加護:3.11 雷の加護:0.35 [闇の加護:0…
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【第二章 冒険者マナベ】第三十三話 ライムバッハ家
「ユリアンネ。帰ろう。ラウラとカウラの所に・・・。父上も母上も、そうだ、ルグリタもロミルダも待っているよ」 ”あぎゃ。あぎゃ。” ん? 奥の茂みから赤ちゃんの泣き声がする。 俺が、初めてユリアンネにあげたぬいぐるみを持った赤ん坊が、泣いている。 ユリアンネは、この子を守ったのか? そうか、カール。おまえだけは生き残ってくれたのだな。 「カール。ユリアンネ。帰ろう。もう大丈夫だ」 カールを肩に固定して、片手でユリアンネを持ち上げた。 「ユリアンネ。軽いな。しっかり食べなきゃダメだぞ」 ユリアン…
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【第一章 少年期】第三十二話 撃退
★☆★☆ Side エルマール 「アトリア!」 「はい」 「いそげ!」 「・・・ラウラは?」 「あとから来る」 「わかりました。ルグリタ。ロミルダ。最低限だけまとめて行きます」 「はい。奥様」「かしこまりました」 「あなた、ユリアンネとカールは?」 「カウラと護衛数名で先に逃した」 「・・・。それなら、もう何もありません。逃げましょう」 「あぁ」 確かに俺はいろんな貴族には恨まれているとは思うが、襲撃を行うほどの者など居ないはずだ。 盗賊なのか?ちらっと見た感じだと、武具が揃っていた。それもかなりの品質…
続きを読む2020/08/30
【第一章 少年期】第三十一話 襲撃
「イーヴォさん。何が有ったのですか?」 「・・・落ち着いて聞いてくれ」 イーヴォさんに連れられて入った場所は、冒険者ギルドにある会議室だ。 「解りました」 「俺が昔パーティを組んでいた奴からの話しで、俺も裏取りはしていない。そのつもりで聞いて欲しい」 「はい」 「ルットマン子爵家が、冒険者や憲兵崩れや野盗を集めている。そして、ベルリッツに向かっている」 「ベルリッツ?」 「あぁ王都から3日位の距離にある。服飾や小物の生産がメインの街で、この時期に貴族が集まる」 「まさか・・・・。あぁ俺の聞いた話では、ライ…
続きを読む2020/08/30
【第一章 少年期】第三十話 ラウラとカウラ
★☆★☆ Side ラウラ 「ロミルダさんまで一緒に来られて大丈夫だったのでしょうか?」 「アルノルト様の事?」 「えぇ私だけでも残っていれば・・・」 「そうね。でも、今回は伯爵様からのご命令だし、ラウラとカウラにしっかりした物を着せて、卒業式に出させたいというお考えですからね」 「ロミルダさんまで・・」 「私は、カウラの母親役ですからね。ラウラは、ルグリタが母役なのでしょ」 「あっはい。そうです。でも・・・私達は、アル様の従者です。アル様のお側にこそ居るべきでは無いでしょうか」 「う~ん。実はね。この話を…
続きを読む2020/08/30
【第一章 少年期】第二十九話 逆恨み
★☆★☆ Side リーヌス・フォン・ルットマン 「リーヌス。おまえは、どこまで、儂に恥をかかせれば気が済むのだ!」 「父上。違うのです。俺は何も、あの”マナベ”が全部悪いのです」 「おまえは、”マナベ”と言うが、ライムバッハ辺境伯の跡継ぎで間違いないのだぞ」 「違います。父上。実際に、奴は弟に後継ぎを奪われたではありませんか!」 「愚か者。おまえは・・・。あれは、アルノルトが自分から言い出した事で、”自分は貴族としての振る舞いが出来ません。父が弟に辺境伯としてふさわしい教育を行ってください”と、言って譲っ…
続きを読む2020/08/30
【第一章 少年期】第二十八話 冒険者ギルド
俺とラウラとカウラは、先に拠点に向かった。そのまま、学校に戻る事にした。 夜間の移動になってしまったが、拠点に居るよりはマシと思った、これ以上の面倒事を避ける意味もあった。 学校に着いた時には、翌朝になっていたが、そのまま先生方に事情を説明する為に、集まっている場所に移動した。 説明が終わって、寮に戻ってきたのはもうかなりの時間が過ぎていたが、皆起きていた。 食堂に集まってもらって、簡単に顛末を話す。疲れたので、今日はそのまま休ませてもらう。座学の試験は明日。大丈夫だろうとは思うが・・・今は、疲れ…
続きを読む2020/08/30
【第一章 少年期】第二十七話 救出劇
連れて行かれた部屋では、数名の生徒と先生方が話していた。 「遅くなりました。特待生クラスのライムバッハ。アーベントロート。フォイルゲン。3名を連れてきました」 「クヌート先生。ご苦労様です」 確か、校長だったよな。 名前は・・・忘れた。まぁ校長先生と呼びかければ問題無いだろう。 今は、状況を注視する方が大事だろう。 ”火付け現場”では、後から来た人間は質問もしないほうがいい。前のめりになるにしても、相手から頼まれて作業に加わる事が重要だ。 その為にも、聞かれた場合にだけ”答える事”が肝要だ。 「…
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