魔法の世界でプログラムの記事一覧
2022/02/19
【第五章 共和国】第十七話 攻略開始
アルバンとダンジョンに向かっている。 道中に現れた獣は無視した。 盗賊たちが使っていると思われる拠点を発見したが、すでに使われなくなっているようなので、燃やして、穴を掘って埋めておいた。新しい盗賊が住みついたり、魔物の巣になったり、何かの拠点に使われるのは俺が望む未来ではない。 「アル。悪いな」 「いいよ。兄ちゃん。これも大事なことだよね」 「あぁ新しい盗賊が住みついたら、町は大変な目にあう」 「うん」 「それに、この前のようなゴブリンが住みついても厄介だろう?」 「そうだね。おいらの最初の村も・・・…
続きを読む2022/02/09
【第五章 共和国】第十六話 準備
アルバンの武器を作った。 結局、投げナイフは諦めた。作成は可能だったが、単価があまりにも高くなってしまう。同じ単価なら、違う武器を作ったほうがいい。 アルバンに、戯れで作った多節棍を見せた所、何が気に入ったのか解らないが。多節棍を主武器に変更すると言い出した。 武器として考えると取り扱いは難しいが、難しい部分は、プログラム(魔法)の補助を組み込むことで対処を行った。複雑な動きは、アルバンの訓練が必要になってしまったが、プログラム(魔法)の補助を得て、アルバンの思い通りに動かすことができた。 単価で…
続きを読む2022/02/02
【第五章 共和国】第十五話 予感
ふぅ・・・。 落ち着いて考えよう。 アルバンが言うように、ダンジョンの中には”魔物”しか存在しない。 言葉を使わないからだ。理解はできるが納得は難しい。言葉という曖昧な理由ではなく、もっと違う理由があるはずだ。 「なぁアル」 「何?」 「ダンジョンで、魔物を倒す時には、魔核を得るよな?」 「うん」 「動物や魔族では、魔核は得られるのか?」 「え?考えたことがなかった。動物は、多分、ないと思う。解体する時に、魔核を見たことがない。魔族は解らない。そういえば、燃やしてしまうよね?」 「そうだな」 魔核…
続きを読む2022/01/25
【第五章 共和国】第十四話 散歩
アルバンと、町から出て森に向かう。 最初は、クォートかシャープが付いてくると言っていたが、二人には俺とアルバンが町に居るように偽装してもらうために、残ってもらった。 カルラは、町から離れることを印象付けるように出て行った。他の町に、物資の調達をするためという理由だ。そのために、馬車と一緒に旅立った。俺たちが残った理由は、『一緒に商売を行う商隊が遅れていて、待っている』ことにした。 間違っていないが、突っ込まれると困る言い訳だ。 だが、町長夫妻だけでなく、町民は誰も突っ込んでこなかった。 町にお金…
続きを読む2022/01/19
【第五章 共和国】第十三話 休養
ウーレンフートからの補給物資が届くまで、休養にあてる事にした。 「旦那様」 カルラが部屋に入ってきて、頭を下げる。 何か用事ができたのか? 休養にあてるようには伝えてあるはずだ。 「どうした?」 カルラは、書類を手に持っている。 報告書なのだろうか? 昨日の段階で、前回までの報告書と、クリスからの返答を貰った。問題になるような記述は無かった。近況報告のようになっていただけだ。皇太孫だけが、わがままを言っているようだが、そこはクリスに頑張ってもらおう。共和国に、皇太孫が身分を隠してでも来られるわ…
続きを読む2022/01/09
【第五章 共和国】第十二話 増援
朝になって、シャープが朝食の用意を始めている。 落ち着く為に、飲み物だけを頼んだ。朝には、コーヒーを飲んでいたが、紅茶を飲むのが多くなった。 紅茶を飲んでいると、アルバンが部屋に入ってきた。 「兄ちゃん!おはよう!」 アルバンの声が頭に響く。 「もうすぐ、朝食だ。アルも食べるだろう?」 「うん!でも、兄ちゃん!おいらも、エイダたちと戦いたかった」 アルバンの分の紅茶が置かれる。朝食まで、ここで待っていて欲しいという意味なのだろう。 カルラもだけど、アルバンは探索や御者以外の能力が欠如しているのか…
続きを読む2021/12/31
【第五章 共和国】第十一話 予想外
町長や、監視している連中が動くかと思ったが、最初に状況が動いたのは、魔物の討伐に向かったエイダたちだった。 『マスター』 夜明けに近い時間帯に、パスカルから連絡が入った。 『どうした?』 『はい。エイダが魔物との戦闘に入ります』 魔物? 『ゴブリンの集団か?』 報告は聞いている。村から少しだけ移動した所に、ゴブリンの集団がいる。エイダが、討伐に向かった。 『いえ、オーガに率いられた、魔物の集団です』 『オーガ?』 パスカルが情報を整理してくれている。 当初、エイダたちが向かった場所には、ゴブリン…
続きを読む2021/12/04
【第五章 共和国】第十話 前準備
婦人が頭を下げて、離れから出ていく。 「カルラ。どう思う?」 「問題の解決は難しいと思います」 そうだよな。 この町の問題は、隣町のダンジョンだけが問題ではない。根本的には、”共和国の無策”に繋がっていくのはわかっている。だからこそ、俺たちに何かができるわけではない。 盗賊団を壊滅させることはできるだろう。 しかし、盗賊団が産まれる原因を排除することはできそうもない。俺たちが、この町や周辺の領主にでもなれるのなら、本腰を入れて考えるのだが、俺たちは”商人”でしかない。もっと、本質的なことを言えば、…
続きを読む2021/11/23
【第五章 共和国】第九話 事情と情報
アルが戻ってくるのを待っていると、アルではなくカルラが戻ってきた。 「旦那様」 「宿は見つかった?」 「はい。私たち以外は、町を訪れる者が居ないようです」 「そうか・・・。それで?」 「はい。宿の店主・・・。町長が言うには・・・」 カルラの話は、シャープが聞いてきた話と同じだ。 「よく宿屋が営業していたな」 「町長を兼ねているらしく、宿屋を閉じると、泊まる場所がなくなるので、営業をしていると言っていました」 「わかった。それで、アルは?」 「エイダと、馬車を見ています」 「ん?あぁそうか、人手が足りない…
続きを読む2021/11/03
【第五章 共和国】第八話 アルトワ町?え?
うーん。 町? 確かに、入り口に掲げられている看板には、”アルトワ町”と書かれている。 自称”町”が正しいように思える。うん。村だな。村でも誇大呼称に思える。集落?廃村?いろいろ、マイナスのイメージが浮かんでくる。 「カルラ。アルと一緒に、宿屋を頼む」 「かしこまりました。アルバン。行きますよ」 「うん!」 「カルラ様。アルバン様。お待ち下さい」 クォートが二人を止めた。 アルは、もう駆け出しそうになっていて、急にストップをかけた車のようにターンを決めている。 「なに?」 「馬車も一緒にお願いい…
続きを読む2021/10/22
【第五章 共和国】第七話 共和国
共和国に入った。 俺たちは、共和国側で注意を受けた。 どうやら、共和国に初めて来る者たちに、注意として共和国の説明をしてくれているようだ。 小さな国が集まって、作った合議制の集まりだったのだが、今では合議制は形だけになってしまっている。野心を持つ3つの国が理由を付けて、周りの国を併呑していった。共和国という形が残ったのは、王国や帝国に対抗するためだ。 現状の説明は、既にカルラ経由で受けている。注意を聞き流すわけにはいかない。拝聴していたが、どうでもいいことまでクドクドと説明をしてくる。一緒に、注意…
続きを読む2021/09/16
【第五章 共和国】第六話 検閲
「旦那様。お休みください」 クォートが、食事の後片付けをしながら、俺に馬車の中に入っていて欲しいようだ。 「後は任せる」 「はい。シャープは、旦那様のお手伝いをお願いします」 「かしこまりました」 俺が立ち上がると同時に、シャープも立ち上がる。 カルラは、クォートの近くに移動して、何やら話し始める。 馬車に戻ると、シャープが話しかけてきた。 「旦那様。騒がしくして、もうしわけありません」 「襲撃か?」 「おそらく」 俺たちの周りの馬車が片付けをして、国境から遠ざかるように離れた。それでも、気にしな…
続きを読む2021/09/10
【第五章 共和国】第五話 原因
御者台に座っていたクォートが、俺の所まで来た。 「旦那様。本日は、このまま野営になると思います」 他の馬車も、野営の準備を始めている。馬車の前後に空間があるが、馬車を道と垂直になるように移動するのが、この辺りのマナーのようだ。 「シャープ」 「はい」 「数名で動いている行商人に、野営時のマナーを聞いてきてくれ、付け届けにホワイトベアーの牙を渡してみてくれ、あと、行商人と交渉して、荷物を売ってくれるのなら、買い取ってきてくれ」 「かしこまりました」 シャープが、ホワイトベアーの牙を持って、野営の準備を始…
続きを読む2021/08/30
【第五章 共和国】第四話 関所
馬車は、クォートが御者台に座って、アルバンとエイダが座る。 実質的には、エイダが御者台から、ユニコーンとバイコーンに指示を出している。 御者台から、俺に声がかかる。 「旦那様」 「何かあったのか?」 「いえ、ユニコーンとバイコーンに、幻惑のスキルを使用させてよろしいでしょうか?」 「え?いつ、そんなスキルを?」 「先程、確認いたしました」 「ほぉ・・・」 ユニコーンとバイコーンを見ると、スキルが増えている。 ヒューマノイドタイプでも戦闘を行うと、スキルが芽生えるのは大きな収穫だな。エイダは特殊な産…
続きを読む2021/08/23
【第五章 共和国】第三話 野営と
「マナベ様」 「カルラ。これからは、”旦那様”と呼んでくれ、共和国では、ライムバッハ家は名乗らない。商家の人間だと振る舞う。マナベ商会の旦那として活動する。お前は、商会の人間として振る舞ってくれ」 「・・・。かしこまりました。旦那様」 共和国に入る前に、確認しなければならないこともあるし、さっさと襲撃者の情報を共有しておくか・・・。 「襲撃者は?」 「尋問(拷問)をしましたが・・・」 「どうした?」 カルラが、拷問(尋問)して聞き出した情報は、俺たちが考えた想定とは大きく食い違っていた。 「それじゃ、襲…
続きを読む2021/08/11
【第五章 共和国】第二話 賊
俺の合図で、シャープが賊に向かう。カルラは、距離を考えて、一拍の空白を入れてから、指揮官らしき者に向かう。 ユニコーンとバイコーンは、柵を乗り越えて、賊を挟むような位置に移動していた。 戦闘が始まると思ったが・・・。 確かに、戦闘が始まったが、すぐに終わった。 シャープは、4人を瞬殺している。命令通りに、殺してはいない。ユニコーンとパイコーンも、左右からスキルを発動して無力化に成功している。 カルラは、正面から近づいていきなり加速して、背後に回って、首筋を痛打して終わりだ。 戦力的に、過剰だっ…
続きを読む2021/07/31
【第五章 共和国】第一話 出国の前に・・・
「兄ちゃん!」 御者台に座っているアルが、中につながる窓を開けて、俺を呼んでいる。 結局、人が居ない場所では、アルとエイダが御者台に座っている。執事とメイドは、—それぞれ”クォート”と”シャープ”と名前を与えた—俺の世話をすることになった。特に、クォートは執事なので、俺が”成そうとしている”内容を説明した。基礎知識は十分ある上に、ダンジョンと繋がっているために、情報の集約をしながら日々”感情”を学んでいる。学んでいるのは、”シャープ”も同じなのだが、シャープはカルラからメイドの振…
続きを読む2021/07/12
【第四章 ダンジョン・プログラム】第十六話 出発
「パスカル!」 眠っていたヒューマノイドを起動する。 エイダのAIを解析して俺が作り直した、ヒューマノイドだ。異世界に転生する前の自分に似せたヒューマノイドだ。ダンジョンにいる全てのヒューマノイドの上位者になるように設定している。 『はい。マスター』 「パスカル。念話ではなく、声が出せるだろう?」 「はい。マスター」 「よし、皆」 近くに居たヒューマノイドやオペレーションを行っていたヒューマノイドが、俺とパスカルの前に集まってくる。 「パスカルだ。俺が居ない時に、指示を出す」 パスカルが、一歩前に出…
続きを読む2021/06/18
【第四章 ダンジョン・プログラム】第十五話 出国準備
共和国の情報は、意外な所から入ってきた。 「え?ダーリオが?」 「はい。ダーリオ殿の知人が、共和国から逃げ帰ってきたそうです」 「そうか、カルラ。ダーリオは、他になにか言っていたか?」 「はい。共和国との国境は機能していないようです。確認は、出来ていませんが、人の流れから真実だと思われます。ダーリオ殿は、マナベ様が共和国に行くと知っているので積極的に知人から情報を聞き出してくれました。資料としてまとめてあります」 「わかった」 カルラが手にしている資料を受け取る。 スタンビートが発生したいのは、ほぼ間…
続きを読む2021/03/26
【第四章 ダンジョン・プログラム】第十四話 エヴァとギルと・・・
「エヴァ!」 「あ!ギルベルト様」 「辞めてくれよ。友達の嫁さんに、”様”付けされると、気持ちが落ち着かない。”ギル”で頼む」 一気に言い切るが、エヴァの顔色が赤くなっていくのがわかる。 アルノルトの”嫁”と言われるのは慣れないようだ。実感が無いだけかもしれないが、俺たちの中では既定路線だ。 「いえ・・・。そうですね。ギルさん」 「まだ、昔のクセが抜けないな。そうだ!エヴァ。奴から、手紙と贈り物を預かってきた」 「え?」 エヴァは、すでに”聖女”と呼ばれている。 回復だけではなく、アンデット系の魔物…
続きを読む2021/02/24
【第四章 ダンジョン・プログラム】第十三話 ユリウスの覚悟
「クリス。カルラからの報告書が届いたのか?」 「えぇギルベルト様の商会が届けてくれました」 「それで?アルは?」 俺は、アルノルトに勝つためなら、皇太孫の地位なぞ妹に譲り渡しても良いと思っている。 期待されているのは解っている。だが、俺は・・・。 「ユリウス様?」 「すまん。バカの顔を思い出していただけだ」 「そうですか・・・。カルラからの報告では、アルノルト様は共和国に行くつもりのようです」 「それは聞いた。他にも何か有るのだろう?」 カルラからの報告は、”孤児”や”農民”に関しての”噂”だ。 「孤…
続きを読む2021/02/19
【第四章 ダンジョン・プログラム】第十二話 カルラからの報告.2
アルバンとエイダが、”地上に出る”ことにしたようだ。 エイダの新装備を軽く試すのが主題だ。それと、外に居る魔物を倒して、新装備の長子を確かめてくることになった。4-5日の予定だと報告された。ついでに、共和国への遠征に伴う準備の状況を確認してくるように指示を出した。 カルラもアルバンとエイダについていってホームの様子を見てくると言っていた。 久しぶりに、2-3日は1人で過ごすことになった。食事は、ヒューマノイドたちが準備をしてくれる。 訓練所の難易度を上げて、魔法や武器の調整に時間を使う。 カルラ…
続きを読む2021/01/31
【第四章 ダンジョン・プログラム】第十一話 エイダの新しい装備?
返事をすると、アルがエイダを抱きかかえて入ってきた。 「兄ちゃん!カルラ姉?」 「どうした?」 用事があるのは、エイダのようだ。 アルの腕から、飛び降りて俺の前までエイダが歩いてきた。 『旦那様』 「エイダ。いろいろ呼び名が変わっているけど、結局、”旦那様”にするのか?エイダの見た目なら、マスターとかがいいと思うけど?」 『それなら、マスター』 「なんだ?」 『アルバンと、ダンジョンの外に出ました。半日・・・。正確には、8時間ほど魔力の供給を受けられない状況で稼働しました』 「大丈夫なようだな」 『は…
続きを読む2021/01/16
【第四章 ダンジョン・プログラム】第十話 カルラからの報告.1
カルラが地上から戻ってきた。俺に報告があるようだ。ギルドの事は、皆にまかせてしまっている。もうしわけなく思えてくるが、彼らならダンジョンに関わる問題が発生していない限り、対処は可能だろう。 執務室代わりに使っている部屋で、カルラから外の様子を聞きながら報告を聞く。 カルラからの報告は、報告書になっている物と、口頭での報告があると言われた。 「まずは、報告書を頼む」 「はい」 カルラは、渡している書類ケース(容量は増量済み)から、書類の束を出す。 「え?これ?」 「はい。報告書と一緒に、提案書や要望書…
続きを読む2021/01/14
【第四章 ダンジョン・プログラム】第九話 避難訓練
カルラとアルバンとエイダは、俺が出した条件をクリアした。 ギリギリだったようだが、クリアしたのだから、共和国に一緒に行く。 「カルラ。移動手段の準備は?」 「はい。馬車の手配をしています」 「解った。ダンジョンの設定を変えられる魔法(プログラム)を作るから、1週間くらいは自由にしてくれ」 「かしこまりました。アルバンは?」 「おいら?」 「そうだな。エイダにウーレンフートの街を案内してやってくれ、エイダはアルと一緒に街に出て、ダンジョンの外での活動を確認してくれ」 「うん!」「わかりました」 「俺は、奥…
続きを読む2021/01/01
【第四章 ダンジョン・プログラム】第八話 DEAREST
兄ちゃんは、俺と姉ちゃんに、一緒に行くための条件(試練)を出してきた。 俺と姉ちゃんは、一緒に行けるものだと思っていた。姉ちゃんは、兄ちゃんと一緒に居なければならないので、出された条件(試練)をクリアするために頑張った。 「アル!」 カルラ姉ちゃんから、指示が出る。 俺が魔物に一撃を加えろというのだろう。だけど、今、使っている武器は一撃ではなく、相手を弱らせて、手数で勝負を有利にすすめるための武器だ。 「解っている!エイダ!」 エイダなら、姉ちゃんからの指示も聞いていて、俺と武器に付与魔法を使って…
続きを読む2020/11/13
【第四章 ダンジョン・プログラム】第七話 ダンジョンが変わった?
ホームのマスターになり、ホームの改革を行い。ホームの旗頭になっていた、シンイチ・アル・マナベがダンジョンに潜ってから1ヶ月以上が経過している。 マスターであるシンイチ・アル・マナベの秘書のカルラがダンジョンから戻ってきて状況を伝えている。 ホームのメンバーたちは、カルラの報告を信じるしか無いが、シンイチ・アル・マナベからの直筆の指示やサインが書かれた書類が手渡されているために、それほど心配はしていない。 ダンジョンの攻略を行い始めたことは、アンチェやヤンチェだけではなく、ダーリオも自らがシンイチ・ア…
続きを読む2020/10/27
【第四章 ダンジョン・プログラム】第六話 カルラからの報告
「クリス!」 「はい。はい。カルラからの報告書が届いています」 「そうか!アルは無事なのだな!」 「アルノルト様が簡単に死ぬはずがありません。ユリウス様。落ち着いてください」 「俺は、落ち着いている。それよりも、アルは何をしている?戻ってくるのか?」 「はぁ・・・。ユリウス様。アルノルト様が、簡単にご自分で決めた道を破棄されるとお考えですか?」 「・・・。解った。報告には、なんと書かれている?」 クリスティーネは、カルラから送られてきた報告書を、ユリウスに渡した。 自分が読んで問題がないのは確認している…
続きを読む2020/10/18
【第四章 ダンジョン・プログラム】第五話 監視ソリューション
カルラとアルバンとエイダが最下層に挑戦している頃に、俺はダンジョンの監視ソリューションを完成させた。 監視は、それほど難しくは無かった。 プッシュで送られてくるダンジョンからのデータを受信できるポイントを設定して、表示するだけでよかった。よくある、動画を再生する方法と同じだ。 簡単に出来た。ダンジョンが動画を撮影していると仮定してネットワークを繋げてみた。カメラがネットワークカメラとして認識が出来た。 最初は、ネットワークカメラとして認識させた状態で開発を行った。 Motion JPEG のスト…
続きを読む2020/10/14
【第四章 ダンジョン・プログラム】第四話 開発!
「エイダ。カルラとアルバンは?」 「今は、レベル4に挑戦しております」 「そうか・・・」 俺と一緒にダンジョンに向かう条件として提示したのは、このダンジョンの階層主と同程度に調整した魔物の討伐だ。 レベル4というのは、40階層にいる魔物たちを倒している最中だということだ。 正直な話をすれば、少しだけ驚いている。 「マスター」 「あぁ」 俺の手が止まっているのをエイダが注意した。 俺は、プログラムを作っている。エイダのバージョンアップだ。エイダは、新しいプログラムがないと固定された状態から解放されな…
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