サイト小説の記事一覧

2022/04/19

【第三章 スライム今度こそ街へ】第二話 確認

服は・・・。さすがに、制服はダメだろう。 でも、困った。平日の昼間に、街に行ったら、間違いなく怪しまれる。最悪は、警察の厄介になってしまう。 学校を辞めているから、補導されても困らない。でも、身元を証明するもの・・・。あ! (マイナンバーカード!) 良かった。作っておいて・・・。 写真も入っている。身分証明書として使える。親も親戚も居ないから、補導されたら・・・。うーん。 補導されない様にすればいいのか? 学校がある時間はダメだ。 夕方は、移動を考えると、難しい。まず、過保護な家族から許可が出ないだろう。 …

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2022/04/19

【第三章 魔王と魔王】第二話 【神聖国】

新参だと思っていた魔王を2年も討伐ができない状況が続いている。奴が、帝国から1-2万の獣を得ているのは解っている。他にも、城塞街とか言っていたか、あそこで家畜を大量に囲っている。 それだけではない。連合国との境に、”ダンジョン”を作成して、餌に群がる家畜を得ている。 不思議なのは、魔王ルブランはどこからポイントを持ってくるのだ? 家畜の数では、余や連合国の魔王の方が多い。 支配領域は、信者からの報告では、連合国よりは狭いようだが、余の支配領域とは同等のようだ。2年前に産まれた魔王に並ばれたと思うと業腹だが、…

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2022/04/12

【第三章 スライム今度こそ街へ】第一話 家族会議

新しい子たちが、我が家の庭と裏庭に揃うまで3週間もかかった。 しょうがないのだろうけど、”転移”のスキルとか無いのかな?移動が面倒だ。私とライだけなら、カーディナルやアドニスに乗っていくこともできるけど、家族で移動を考えると、難しい。 高校を卒業したあとな、免許も取れていただろうけど・・・。今は、免許は無理だ。人の姿になれる。確認したけど、指紋もある。声は出せるようになった。遠征で新しいスキルが沢山芽生えた。まだ、ライや家族たちが検証中だ。私が得たスキルで、一つだけは私だけが得たスキルのようだ。 私が得たス…

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2022/04/12

【第三章 懲悪する惡】第七話 プレリュード・フィズ

今は、深夜の3時を少しだけ過ぎた時間だ。 バーシオンの営業時間は終わって居る。始発が動き出してから、日が落ちるまでがバーシオンの営業時間だ。 「マスター」 男が、バーの入り口からではなく、バーシオンの従業員が使う出入り口から入ってきた。 「なんだ?」 「ごめんね」 何に対しての謝罪なのかわからないが、男はマスターに謝罪の言葉を告げる。 いつもと違う雰囲気の男に、準備をしていたマスターは手を止めて、男を見つめる。 「いい。それで?仕事か?」 「仕事といえば、仕事だけど、今回は別口」 男の言い淀んだ口調に、マス…

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2022/04/12

【第三章 魔王と魔王】第一話 魔王

この世界に転生?してから、2年が経過した。 転生した直後は、軽くパニックになり、そして”モノリス”の理不尽な説明に憤慨していた。 しかし、しかしだ!俺は、難局を乗り切った。 もう大変だった。 大群だぞ。こっちは、俺を含めて数名だ。それなのに、数万の軍とか・・・。ありえないだろう。 でも、ありえないのは、数だけではない。俺を攻めてきた連中が、俺の想定よりも愚かだったことだ。 外壁に作ったトラップを作動させないと、気がすまないのかと思えるくらいに、罠を作動させる。 外壁の門のギミックも、突破が無理なのでは?と思…

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2022/04/10

【第二章 帰還勇者の事情】第三十六話 葬送

ユウキたちは、アメリカに渡っていた。 皆で歩いているのは、よくある街並みだ。 街並みを歩く子どもたちは、人種もバラバラで統一しているのは、”子供”だと思える年齢だということだ。ユウキたちを見つめる視線は存在しない。 今回の作戦で最後に訪れる予定になっていた場所だ。 先頭を黙って歩いているのは、リチャードとロレッタだ。 ユウキだけは、リチャードとロレッタと一緒に来ているので、リチャードの態度は理解ができる。 「リチャード?」 たまらず、ディドが声をかけるが、ユウキがディドだけではなく、皆を手で制する。皆もユウ…

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2022/04/05

【第三章 帝国脱出】第十七話 おっさん相談する

カリンを出迎えたおっさんは、カリンに”おかえり”と伝えて、背中を見せる。カリンは、おっさんの背中を呆然と見つめている。 カリンは、怒られると思っていたので、神妙は面持ちで居たのだが、一言だけで終わってしまって、余計に怖くなってしまった。カリンが抱えていた、バステトは、カリンの腕から飛び出て、おっさんの肩に駆け上がっている。おっさんは、バステトの頭をなでながら、後ろを振り返る。 「そういえば、カリンは、夕飯は食べてきたのか?」 普段通りの声色で、おっさんがカリンに話しかける。 これなら、怒られたほうがまだまし…

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2022/04/05

【第十章 エルフの里】第二十七話 決着?

この神殿。詰んでいないか? いや、まだ大丈夫だ。魔物への対処ができればいい。それに、大物は多くない。対処が可能な魔物だけなら、問題ではない。 どうやら、俺がこのコアを吸収するのはできるようだが、そうなると、エルフたちをどうするのか考えなければならない。神殿に依存している者たちを、俺の神殿に住まわせるだけで終わるのならいいのだけど、問題まで一緒につれていくことになりそうだ。 それでなくても、俺の神殿は”多種族”が住んでいる。 エルフのように他種族を見下す者たちは来て欲しくない。他種族との接触を避けるために、エ…

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2022/04/03

【第五章 共和国】第二十話 最下層

W-ZERO3はしっかりと役割を果たしている。プログラムの最終確認をして、アルバンとエイダにも協力してもらった。 空気の膜を作って、俺たちを包んでいる。 割れる様子もない。 これなら、水の中でも大丈夫だ。エイダに外側からスキルで攻撃をさせてみたが、結界に阻まれて、空気の膜は保った状態をキープできている。 アルバンには、物理攻撃を加えさせたが、10回程度の攻撃では問題はなかった。 さすがに、アルバンとエイダの連携では結界が弾けた。 空気の膜だけになってしまうと、スキルでも攻撃でも、膜に触れてしまえば、膜は弾け…

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2022/04/03

【第六章 ギルド】第十四話 監視

おばちゃんから話を聞いた。 思っていた以上に王都は悪い方向に進んだようだ。これなら、王都を拠点にしないで、ギルドの本部ごと神殿に移動させたほうがいいかもしれない。いや、俺が考えることではない。ギルドのメンバーやハーコムレイたちが考えるべきことだ。 俺は、皆が”神殿”を選んだときに、受け入れるだけだ。 「リン。どうする?」 ミルが、レオの上に乗るミアの手を握りながら、俺に問いかける。 おばちゃんの話はたしかに衝撃的だけど、俺たちに何ができるかわからない。貴族同士の見栄の問題にまで発展しているのなら、俺たちがで…

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2022/04/01

【第二章 スライム街へ】第二十七話 謎?

透明な壁の中に充満していた煙?が消えた。 その後で、ムクドリ?スズメ?種類までは分からないが、鳥が一斉に飛び立った。 どこに、これほどの鳥がいたのか・・・。 それだけでも不思議なことだが、透明な壁の中にいた魔物たちが・・・。倒されている? なぜだ?何があった?戦闘音だけではない。”何も”音がしなかった。 「円香!」 隣にいる円香も、俺と同じように、魔物たちがいた場所を見つめている。 「孔明」 「円香。何が見えた!」 「・・・。聞きたいか?」 「俺も聞きたい」 蒼も俺と同じ考えのようだ。 俺には、何も見えなか…

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2022/04/01

【第三章 懲悪する惡】第六話 アメリカン・レモネード

とある繁華街の雑居ビルの地下。 バーシオンが今日も営業をしている。昼間に営業をしている変わったバーだ。 カウンターに座る女性が飲み干したグラスをカウンターに音を立てないように置く。 グラスを拭いているマスターの手元を見て、グラスをケースに戻したのを確認してから声をかける。 「マスター」 マスターは、女性の様子から、”チェック”だと判断した。 「大丈夫です」 マスターは、手元のメモに目を落としてから、女性に答える。 「そう」 少しだけ意外そうな表情をする。 女性は、足りないのではないかと思っていた。その場合に…

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2022/04/01

【第二章 ギルドと魔王】第二十七話 【連合国】ギルド

私は、連合国にあるギルドで働いている。 名前?それは、内緒でお願いします。 今、連合国のギルドは盛り上がっている。盛り上がっている理由は、情けない事に、中央部に産まれた新しい”魔王”のおかげだ。緩やかな衰退に向かっていたギルドだったのが、趨勢を見守る必要がなくなった。私の給金もしっかりと支払われるようになった。 以前から、ギルドの中は2つに分かれていた。変革派と温故派だ。変革派は、人族での運用をすすめる人たちで権力に近いところにいることが自慢だと思っている人たちだ。温故派は、獣人たちを含めて多種族での運用が…

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2022/03/25

【第二章 帰還勇者の事情】第三十五話 サトシ

俺は、サトシ。 地球から召喚された勇者の一人だ。そして、レナートの次期国王だ。と、なっている。だよな? 地球に居る時から一緒に居る。マイが今でも一緒に居てくれるのは嬉しい。 しかし、しかし、しかし、しかしだ! ユウキやヒナやレイヤは、日本に帰った。俺と一緒にレナートに残ってくれると思っていた。 ディド。テレーザ。ヴァスコ。ニコレッタ。ロミル。イェデア。レオン。フェリア。パウリ。イターラ。オリビア。ヴェル。たちは、レナートに残ってくれた。俺を支えてくれる。 地球に戻った者たちも、やるべきことがあって地球に戻っ…

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2022/03/25

【第三章 帝国脱出】第十六話 おっさん心配する

おっさんとイーリスが、代官の屋敷から出て、宿に向かっている。 「まー様?」 「ん?どうした?対ダストンは、納得したよな?」 「はい。辺境伯様が裏切るとか、非現実的な点を除けば、納得できる内容でした」 「非現実的か・・・。まぁいいよ。それで?」 「まー様は、これから、どうされるのですか?」 イーリスの質問を、おっさんは当然だと受け止めている。イーリスは、帝国の人間だ。今の体制には不満もあるだろうし、問題だという考えは持っていても、権力側の人間で、辺境伯という協力者を持っている。そんなイーリスが恐れるのは、おっ…

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2022/03/24

【第十章 エルフの里】第二十六話 善後策

いい方法が思い浮かばない。 俺は、所詮はトラックの運転手だ。小難しい事を考えるのは、専門にやっている奴が行うべきだと考えてきた。 しかし、このエルフの里の奴らは・・・・。 最低限の事さえもできていない。説明をしても理解ができるとは思えない。最大の問題は、魔物の排除が行える力があるのかさえも怪しい。 「なぁ」 「なに?」 リーゼが、俺の問いかけに返事をするが、俺が聞きたかったのは、リーゼではない。神殿のコアに善後策を考える上での、条件やできる事を聞きたかった。俺が考えた事がどこまでできるのか、確認が必要になっ…

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2022/03/24

【第五章 共和国】第十九話 攻略中?

「ナベ!」 「ΑД‡ο∝ξ∝с」 「しっかりしろよ」 「♭р∝Г∝Ё∝Φ∝Э∝σ∝ж」 「それならいい。お前を名指しで来ている。指名だぞ」 「∝О∝Φ∝О∝Φ∽≧∝χ∝к∝Ж∽′」 「それで?お前、本当に解っているのか?俺のボーナスがかかっているのだぞ!」 「∝Ч∝Ω∝χ∝и∝в∝ΣΔёΘР∝Ж∝σ∝М∽≧∝Ж∝б∽≦♭ο∝К∝О♪Ч‡○∝Й∝Φ∝Ж∝σ∝ж∽≧」 「関係ないって・・・。まぁいい。案件を奪うぞ!」 「∝О∝Φ∝О∝Φ」 — 懐かしい情景の夢を見た。 俺が話している言葉は、どこの言…

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2022/03/24

【第六章 ギルド】第十三話 王都

ミルが戻ってきた。 怪我もしていないので、相手は問題になるレベルではなかったのだろう。 「リン!」 ミルが駆け寄ってきて、ミアを見つけて、安堵の表情を浮かべる。その表情のまま、俺に抱きついてくる。 ミルの頭を撫でながら、状況を聞く。 「どうだった?」 ミルの様子から、奴らでは無い。貴族関係の者でもなさそうだ。 「関係ない人たちだった。僕や、ミアを見て、奴隷として売ろうと考えたみたい」 それは、それで問題だけど、確かに、ミアは珍しい種族だし、ミルは”美少女”だ。狙うのは理解ができる。でも、簡単に捕まえられない…

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2022/03/14

【第二章 スライム街へ】第二十六話 ??

オーガ・キング(仮称)が倒れた。 ラストアタックは、私がもらってしまった。別に、ラストアタックだから、特典があるわけではない。多分。 ”ライ!” 『ダークとフィズの一部がオーガの範囲攻撃で怪我をしましたが、かすり傷です。命にも、移動にも、問題はありません』 ”よかった。他は?” 『疲れは出ていますが、問題はありません』 ”わかった。一度、拠点で休んでから、家に戻ろう” 『はい。結界に使った魔石は、回収しますか?』 ”うーん。回収をしておいたほうがいいとは思うけど、難しいよね?” 『いえ、人と接している場所は…

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2022/03/14

【第三章 懲悪する惡】第五話 サイレントサード

昼間に営業している変わったバーシオン。夜の仕事をしている人たちが通う。 「マスター。ありがとう」 カウンターに座っていた一人の女性が席を立つ。 マスターは、手を上げる。勘定が終わっているという合図だ。 「そう・・・。マスター。まだ残っている?」 女性から言われて、マスターはノートを見てから、うなずく。 マスターからの言葉を聞いて、立ち上がった女性はカウンターに腰を戻す。 「マスター。最後に、一杯いいかな?」 「はい。何に、しましょうか?」 「そうね・・・(シオン。君を忘れない)」 女性は、壁にかかっている紫…

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2022/03/14

【第二章 ギルドと魔王】第二十六話 平穏

連合国側に作った砦の機能は大丈夫だ。 最初はモニタリングをしていたが、セバスたちに任せてしまっている。最初に俺が設定したハウスは不評だった。やりすぎだと酷評だった。 連合国側に作った砦(ハウス)は、赤字にならなければいいと思っていたのだが、収支で言えば十分な黒字になっている。 新しく作った砦の鍵となる家は、連合国にあるギルドから、”ギミックハウス”とか呼ばれ始めているらしい。 攻略者への対応が、リポップする魔物で対処が十分だとは思わなかった。メルヒオールとか名乗った、神聖ギルドに寝返った奴が言っていたけど、…

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2022/03/08

【第二章 スライム街へ】第二十五話 決着

”キング!クイーン!お待たせ” キングとクイーンが、オーガたちにスキルを浴びせかける。 ”ライ!” 『はい。タイミングはマスターがお願いします』 ”わかった。キング。クイーン。離脱!” 二人から、了承が伝えられる。 ”テネシーとクーラーは、キングとクイーンが抜けた場所にスキルを!” 『マスター。サポートに、フィズを!』 ”お願い。皆。キングとクイーンの離脱をサポート。行くよ!” キングとクイーンを追撃しようとしていたオーガがスキルを受けて、立ち止まる。離脱が成功したのを見て、ライから作戦が伝えられる。 『マ…

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2022/03/07

【第二章 ギルドと魔王】第二十五話 【連合国】魔王

どういう事だ。 なぜ、新参の魔王があれほどの施設(魔王城)を!! 「誰か答えろ!」 俺が築き上げた、連合国という仕組みを使っても、攻略できない? 新参の魔王は、中央に位置する魔王領だ。攻略と同時に勢力を伸ばそうと考えていた。 前回は、帝国が攻略を行った。 やっと戦力が揃って、序列2-4位も戦力に数えられるようになってきた。やっと、これで、中央の魔王を討伐して、産まれたばかりの魔王を、味方(下僕)にできる。そう考えていて、実際に寸前までうまく行っていた。 帝国の阿保が、中途半端な戦力で討伐を・・・。”獣(獣人…

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2022/03/07

【第二章 帰還勇者の事情】第三十四話 作戦

ミケールがユウキとの会談を終わらせて、部屋を出た。 当初の予定通りと言っても、ユウキは契約が成立する可能性は、五分五分だと考えていた。実際に、ユウキが提案した内容は、荒唐無稽だと言われてしまうような内容だ。 「ユウキ!」 レイヤが部屋に駆け込んできた。 「レイヤ。落ち着きなさいよ」 カップを片付けながら、ヒナはあきれた表情をレイヤに向ける。親しい人にしか向けない表情だ。 「ヒナ。そういうけど・・・。作戦の可否が決まるのだぞ?」 「はぁ・・・。レイヤ。貴方まで、サトシと同レベルになってしまったの?」 「あ?」…

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2022/03/06

【第三章 帝国脱出】第十五話 カリン出歩く

カリンは、おっさんとイーリスが代官に会いに行く時に、最初は自分も一緒に行くと言っていたが、イーリスから代官の為人を聞いて、考えを改めた。一緒に言って、言質を取られるのはよくないと、言い訳を伝えた。 実際には、話を聞いただけで面倒な人とは関わりたくない。せっかく、元同級生たちとも離れることができたのに、自分からおっさん以外の面倒な人とかかわりを持ちたいとは思えなかった。 カリンは、バステトと一緒に宿?で待っていることになった。イーリス付きの護衛は居るのだが、元々は辺境伯の部下だ。その辺境伯からの命令で、イーリ…

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2022/03/05

【第十章 エルフの里】第二十五話 鍵

いつまでも、神樹を見上げていても何も解決しない。 解っているが、見上げる首が痛くなっても見て居たい気持ちにさせる。 神秘的な風景は、TVや本で見てきたが、一線を画す美しさがある。言葉で表すとチープになってしまうが、他に表現できる言葉が見つからない。 「ヤス。ヤス」 「なんだ?」 「すごいね」 「そうだな」 リーゼも同じ気持ちのようだ。 どんなに言葉を飾っても、チープに思えてしまう。 『(・・・)神殿の主様』 ん?リーゼのはずがない。 マルスも、俺を”神殿の主”とは呼ばない。 「リーゼ。何か、聞こえたか?」 …

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2022/02/26

【第五章 共和国】第十八話 攻略中

 アルバンとダンジョンに入った。  草原フロアと言ってもいい場所で、眠った。  大丈夫だ。覚えている。  起きてから、探索を再開したが、このフロアは広い。  本当に広い。帰りたくなるが、変える方向も解らなくなっている。  俺とアルバンだけでは厳しい状況だけど、魔物は適度に現れるし、修練にはちょうどいい。難易度は低いけど、縛りを付けた戦闘には丁度良かった。  戦闘訓練にはなっている。  ただ、同じような魔物ばかりで飽き始めているのが問題だ。 「兄ちゃん」 「アル。言うな。俺も飽きてきている」 「そうだよね。ゴ…

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2022/02/25

【第六章 ギルド】第十二話 散策

 見る物すべてが珍しいのか、ミアは周りを見ては、ミルに質問をしている。  ミルも嬉しそうに、ミアの手を握りながら、説明を行っている。俺から少しだけ前を歩く形になっていて、俺には二人の会話が聞こえない。 「あるじ!」  ミアが、後ろを振り返って俺を見た。 「どうした?」 「ミルお姉ちゃんと、あるじは”ふうふ”なの?」 「ん?ミトナルさん?」  ミルを見ると、視線を逸らした。  レオが目線をそらすという器用な真似をしている。 「レオ!」 ”ワフ・・・”  レオは、ミルを見つめる。  やはり元凶は、ミルのようだ。…

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2022/02/23

【第二章 スライム街へ】第二十四話 掃討

 キングとクイーンに、追加の援軍を送った。オークの処置は、後方で待機していた者たちに頼んだ。 ”ライ!” 『はい。ダークとドーンで、結界の外を警戒させます』 ”うん。魔物が居たら、討伐を頼める?” 『上位種までなら、色違いが居たら、ピコンとグレナデンを向かわせます』 ”お願い”  ダークとドーンなら、結界の外に居ても不自然には思われない。と、いいな。 『マスター。結界の外、2キロ範囲には、魔物は居ないようです』 ”わかった。動物も?” 『魔物になってしまった。猫が3匹だけ確認できました』 ”え?魔物?猫?”…

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2022/02/23

【第二章 ギルドと魔王】第二十四話 【新生ギルド】受付

 私は、魔王様に助けられた。元奴隷です。現在はカプレカ島にあるギルドで受付の仕事をしています。名前は、魔王様から頂きました。名前は、秘密です。乙女の秘密としています。それに、大切な名前なので、仲間にしか教えていません。カプレカ島のギルドでは許可を得て偽名を使っています。  これは業務日誌のような日記です。  モミジ様からの指示で、受付は些細な事でもメモとして残して、報告を上げることになっています。新生ギルドのギルド長であるボイド様には、モミジ様が精査した報告が上がる仕組みです。出勤した時には、必ず書いている…

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