【第三章 スライム今度こそ街へ】第二話 確認
服は・・・。さすがに、制服はダメだろう。
でも、困った。平日の昼間に、街に行ったら、間違いなく怪しまれる。最悪は、警察の厄介になってしまう。
学校を辞めているから、補導されても困らない。でも、身元を証明するもの・・・。あ!
(マイナンバーカード!)
良かった。作っておいて・・・。
写真も入っている。身分証明書として使える。親も親戚も居ないから、補導されたら・・・。うーん。
補導されない様にすればいいのか?
学校がある時間はダメだ。
夕方は、移動を考えると、難しい。まず、過保護な家族から許可が出ないだろう。
そうなると、学校が休みになる時を狙うしかない。
スライムになってから、曜日を意識していなかった。
スマホを見ると、今日は水曜日だ。完全に曜日の感覚が無くなってしまっている。
学校のサイトを除くと、休日が書かれている。
やっぱり、土曜日かな?
天気予報も、晴れになっている。大丈夫だろう。
そうだ!
擬態で、身体がどこまで再現しているのか確認しておこう!
ライに分体を作ってもらって、意識を移して女の子になる。自分の分体で偽装する。
うん。見た目は、自分自身だ。
ここでチェックするのは恥ずかしから、お風呂場に行く。アニメなら、”光さん”が頑張ってくれる所まで確認する。自分の身体だけど、恥ずかしかったとだけ覚えておこう。
そして、解ったことがある。私は、女の子だ。意味が解らないけど、女の子だった。意識を移した女の子は、”年齢の関係だから”と、いう理由が考えられるが、私も女の子と同じだ。人間だった時には、確かに存在していた。面倒でも、手入れをしていた。誰に見せるでもなかったが、下も上もしっかりと手入れをしていた。これからは、手入れの必要はなさそうだ。
でも、髪の毛は・・・。あっ!もしかして!
擬態をする時に、髪の毛の長さとか調整できるのでは?と、考えて実践してみた。見事に、髪の毛の長さの調整ができた。便利だ。一度、ベリーショートにしてみたかった。ちなみに、脇や下も生やすことができた。やらないけど・・・。
マイナンバーの写真と雰囲気が変わってしまうと問題だから、外に出る時には、セミロングにするけど、家の中なら問題はないよね?
髪の毛の色も変えられる。
なんか、ゲーム?のキャラクターを作っているみたいな感じだ。でも、色は変えられるのに、おっぱいのサイズが変えられないのは謎だ。どんなに頑張っても、巨乳にはなれないようだ。身長も伸ばせない。目の色が変えられるのに・・・。
ヘテロクロミアとか興味があってやってみたけど、似合わない。肌の色も変えてみたけど、私の顔はどう頑張っても、日本人以外にはならないようだ。
ベリーショートは、楽だけど・・・。
うーん。やっぱり、見慣れたセミロングかな。あっ!ロングにしてみよう。
ロングはいい感じだ。
毛先を茶色にして・・・。うん。違和感が少ない。
でも、邪魔だな。セミロングに戻そう。
結局、お風呂場で鏡を見ると、いつもの私が居る。
スライムの内臓ってどうなっているのだろう?
上も下も見える所は、女の子と同じようになっている。子宮とかあるのかな?あると、生理があるよね?それが嫌だな。スライムだから、子供は無理だろうし、欲しいとも思わない。私には、大切な家族ができた。それで十分だ。
そして、素敵スライムボディは、お風呂に入ったあとで、身体を拭かなくても大丈夫。人の状態から、スライムに戻って、水分を吸収すれば、渇いた状態になる。お風呂は、人の姿で入ったほうが、断然、気持ちがいい。
そうだ。今度、裏山の頂上付近に、露天風呂でも作ろう。
そのためにも、いろいろ買い物をしないと・・・。
土曜日に、街に行くとして、それまでどうしよう?
そうだ。
ギルドに、送るかどうかは別にして、今までの経緯をまとめておこう。
あと、人だった時の家族の情報も集めておこう。
持ち歩けば、補導されても、情状酌量で許してもらえるよね?
確か、戸籍とかはコンビニで取れたよね?
コンビニは遠いけど・・・。あっスマホ!
調べたら、私のスマホは対応している。クレジットカードはデビットカードだけど大丈夫だよね?
やってダメなら、コンビニに行けばいいか・・・。
結果、スマホに戸籍謄本と住民票が取得できた。
よかった。これで、私が天涯孤独なのが証明される。
”にゃぁ”
パロットが私の足下で鳴いてから丸くなる。
そうね。私は、天涯孤独じゃない。
沢山の家族に囲まれている。
スマホでちまちま文章をかくのは苦手だ。
人の姿になって、パソコンで文章にしよう。私のパソコンで、入力すればいいよね。
夏休みから書けば・・・。
・・・ポク・・・ポク・・・チン
やってしまった。
水曜日から、金曜日の夜まで徹夜で・・・。登校日からのことを書いていたら、小説になってしまった。
高校生の時に、この寝なくてもいい身体が欲しかった。
多少の疲れもあるが、眠くならなかった。若いからという理由ではない。スライムになる前は、すぐに眠くなってしまった。
そして、作られた文章をどうしようか悩んでいる。
ギルドに送っても信じてもらえるとは思わない。
PDFにして、スマホに送っておこう。超大作のスペクタクル小説・・・。あっ誤字発見。
「ライ」
『はい』
「皆のスキルは?」
『まだ、把握が終わっていません』
「わかった。急がなくてもいいからね」
『はい』
「そうだ。天使湖からの子たちは?」
『全員、揃っています。途中で、増えたので、カーディナルとアドニスが割り振りを行っています』
「割り振り?」
『はい。マスターの領地を守る為に、分布を行う必要があると考えました』
領地?裏山の事だけじゃないよね?
私が、結界を設置した場所を、領地だと思っている?
「え?あっライ。私が守るべき場所は、私たちが住んでいる家の周りと、裏山だけだよ?」
『・・・。はい』
あっ裏山以外も領地に含めていたな。
でも、裏山は完全に私の持ち物だけど、他の山も別に問題にはならない・・・。よね?元々、居た動物たちが、魔物が出てこないようにするだけだよね?
「ライ。裏山は認識している?」
何度も、行っている。
それに、認識阻害の結界を張っているのは、裏山と自分の家だ。
『もちろんです』
「それ以外の場所は、結界だけだよね?」
『はい』
よかった。
私の認識と同じだ。それなら、共通認識として話ができる。
「魔物が発生しないように、あと、人が迷い込まないように、割り振れる?」
人が迷い込んでも、問題ではないけど、何日も過ごされると、ライたちが巡回しているのを知られてしまう可能性がある。
『魔物は、駆除で、動物は保護で、人はどうしますか?』
うん。魔物は、駆除で大丈夫。
動物は保護して、裏山に連れて来る。魔物になっていないのなら、裏山で過ごしてもらえば、安全は守られるだろう。
「裏山以外は、基本は、監視だけにして、何か目的がありそうなら、追跡かな?」
問題は人だな。
天使湖の様になってしまうのは困る。
だから、発生した魔物は、さっさと駆除する。魔物になりそうな動物は確保する。
昆虫が問題だけど・・・。これから、寒くなっていくから、昆虫は大丈夫だろう。黒い奴とか、アブラギッシュな奴は駆除対象だ。
他は出現した時に考えよう。
『わかりました。追跡は、山から出ても行いますか?』
「可能な範囲で、やってみて・・・。無理をする必要はない」
『わかりました。カーディナルとアドニスと相談します』
「うん」
そうだ。
ギルドに売ってもいい物の一覧を作ろう。
魔石とか魔石とか、魔石はかなりの数が入手出来ている。あっでも、魔石は使い道があるから、魔物の素材かな・・・。優秀なスライムボディで確保しているから、腐っては居ないけど、使い道がない物が多すぎる。
オーガの角とかどうするの?
皮や肉は使い道があるから、嬉しいけど、角とか骨とかなんだか解らない金属とか処理に困る。ライに確認したけど、家族で欲しがる者が居なかった。
宝石っぽい物もある。魔石ではない。なんだか”綺麗な石だな”程度の物で、売れるのか解らないけど、ドロップした物だから拾ってある。
まだまだ入りそうだから、邪魔にはなっていないけど、一覧で表示した時に、大量に表示されて・・・。
やっぱり、なんとかギルドに連絡したいな。
まだ貯金は大丈夫だけど、現金収入が欲しい。
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