【第五章 共和国】第二十四話 急報?

 

地上に戻って、””まで戻った。

「ツクモ様」

カルラが、宿で待っていた。
カルラの誘導に従って、宿から場所をの外れに移動した。アルバンは、カルラから荷物を渡されて、馬車に片づけるために、席を外した。

カルラの険しい表情と、わざわざ場所を移動した意味を考えると、何かよくない知らせが入ったのだろう。

「何があった?」

でも、本当によくない知らせが入ったのなら、クォート経由でエイダが受け取って、俺に知らせても良かったはずだ。
緊急性は低いが、重大な事案なのかもしれない。

日本人だった頃の記憶が薄れてきているけど、篠原の旦那がよくこんな方法を使っていた。俺は、煙草を吸わないのに、わざわざ喫煙所まで連れて行って、他の人が居なくなるまで、与太話をしてから、重大だが緊急性のない話をしてきた。与太話に愚痴さえ入れなければ・・・。

揉め事の匂いはしていないが、カルラの様子からは判断ができない。

「失礼いたしました。揉め事ではありません。ウーレンフートから出発した商隊の到着が遅れそうです」

商隊?
あぁ補給物資を運んできている者たちを、商隊としたのだな。

確かに、ウーレンフートから人を移動させようとしていると、商隊として紛れ込ませるのが良いだろう?

「・・・。あぁ。そろそろ到着予定だったな。何があった?」

たしか、早ければ、明日。遅ければ、3日後に到着予定だった。だから、アルバンとダンジョンに潜っている日数を調整した。
遅れているのなら、ダンジョンの整備を・・・。そうか、もう、遠隔からの調整が可能になっている。ウーレンフートのダンジョンから、ヒューマノイドを派遣すればいい。

「移動中に問題が発生しました」

移動中?
関所か?違うな。関所なら・・・。

「ん?関所?でも、ウーレンフートから・・・。あぁいやがらせ?」

関所での問題なら、情報が手元に届くのが早すぎる。関所では止められていない。それでも、遅れているのなら、街道上で何かがあったのだろう。ウーレンフートから関所までは、比較的に安全な街道だけど、一部・・・。どこかの愚か者が仕掛けたのか解らないけど、いやがらせを受けたのだ。

「はい。配慮が足りませんでした」

「いいよ。いいよ。どのくらい遅れそう?足止め以上のことは無理だろう?」

配慮が足りなかったのは、カルラではない。
ウーレンフートから出した者たちだ。それで言えば、俺の指示が問題だった。もっと配慮すべきだ。

実行した者たちは別にして、どうせ”ウーレンフート”の利権に絡めなくなった貴族家の者が裏に居るのだろう。あぶりだしを行うのなら一気にやらなくては意味がない。小物の貴族を退けても、それだけで終わってしまっては動く意味がない。クリスも同じ考えなのだろう。動いている様子はない。どっかの孫は違う考えを持っているかもしれないが、今は気にしてもしょうがない。

「はい。5日ほどで到着します」

5日なら誤差の範囲だな。
足止めも殆ど効果がなかったのだな。

「そのくらいなら誤差だよ。それよりも、村長たちの動きは?」

俺が消えたら、村長やその周りの奴らが蠢動するかと考えた。

「そちらは、手遅れのようです」

手遅れ?確かに、この村はもう手遅れだろうけど、人間として手遅れなら、処分まで考えなければならない。
でも、処分を行うには、俺には権利がない。俺の身分は、冒険者だ。商人としての顔があるので、ウーレンフートのホームのオーナで、商会のトップだけど、村長を掣肘する権利は持っていない。

厄介な状況になってきたのか?

「手遅れ?」

「それは、クォートから報告があります」

カルラの後ろに、いつの間にかクォートが立っていた。
そういう技能はつけていなかったはずだけど、新しいスキルを身に着けたのか?

「旦那様」

「町長たちがどうした?」

クォートの報告を聞いて頭が痛くなった。”頭痛が痛い”と表現したくなる。頭が悪いとは思っていたが、俺たちの戦力をあまりにも過小評価しすぎている。確かに、見た目には過小評価されてもしょうがないとは思うけど、村に着ていた魔物を討伐したり、盗賊もどきを倒したり、いろいろ行っていると思うのだけど?

「わかった。町長たちは、盗賊団に合図を送って、街道で俺たちを襲わせる。村長に率いられた者たちが背後から俺たちを襲う」

何かが、町長の中で弾けたのだろう。俺たちを襲っても旨味はあるかもしれないが、俺たちは隣国に拠点を持っている商人だぞ?それも、ウーレンフートにホームを持っている。殺して、問題にならないと思っているのか?
俺たちがアルトワ町に滞在しているのは、ウーレンフートに連絡済みだと町長も知っているはずだ。

それとも、愚かなだけで、盗賊団に中途半端な情報を渡して、協力を強要されたか?

「はい。そのように話をしていました」

「カルラ。たしか、町長たちと対立している者が居たな?」

「はい。町長の娘婿です。町長の娘も対立の立場です」

「クォート。町長の娘婿を守れ。もう、軟禁くらいはされているかもしれない」

「はい。シャープを向かわせます」

「町長の思惑に乗ってもいいが・・・。そうだ!」

俺の考えを、カルラとクォートに説明した。
別に、そんなに複雑なことではない。

ウーレンフートからの商隊が到着すれば、町長たちへの牽制にもなるだろう。
今の商隊規模が数倍・・・。数十倍に膨れ上がる。持ってきた物資は、このを町にするだけの資材を持っている。人手を使って、柵を作ってもいい。塩も持ってきている。岩塩だが、人が生活するのに必要な物だ。
それを、俺たちに協力的な”町長の娘婿”に提供してもいい。

そして、せっかくだから、町長にはご退場頂いて、ダンジョンの発見と周辺の整備を行えばいい。
岩塩や共和国で不足している物資が産出するダンジョンにしてしまおう。

強欲な隣町の者が武力に訴えてきても大丈夫な様にすればいい。

「カルラ。ウーレンフートからの商隊の到着を、時間帯で調整してくれ、関所を越えたら、連絡を密に」

「はい」

「クォート。盗賊団の監視を強化。町長を殺そうとしたら守ってやれ」

「はい」

作戦は簡単だ。
商隊が近づいてきていると、町長たちに知られないようにする必要がある。方法を考えるのは面倒だが、町長たちの目は、隣町に向いている。関所から、新たな隊が来ているとは近づくまで気が付かないだろう。目を向けさせない方策は考える必要があるが、それほど難しいとは思えない。
商隊が町に到着する、半日前に俺たちは、町を出て、隣町に移動を開始する。

俺たちが、町を出れば町長たちが動き出すだろうから、町長たちが俺たちの後背を討とうと町を出てから、商隊が到着して、ウーレンフートや俺の(ライムバッハ家以外)身分を公にする。すでに、伝えている情報だが、新しく来た商隊に告げさせる事で、真実だと植え付ける効果が期待できる。

ここからは、時間との戦いだ。
町長たちが居ないことを、町中に知らせて、商隊が慌てて、俺たちを追いかける。

戦闘が始まる寸前か、行われている最中なのがベストだけど、それは難しいだろう。盗賊団の数名と、町長の取り巻き数名を生かしておけば、証人としては十分だろう。捕えて、アルトワ町に戻って、娘婿に事情を説明する。

そこからは、商談だな。
俺たちのホームを置かせてもらうことと、定期的に商隊を派遣すること、ダンジョンや町の整備を俺たちが行う。アルトワ町は、速やかに町長の交代を、国に伝える。盗賊のことは、知らなかったこととして処理をする。

ダンジョンの発見を国に伝える。同時に占有を宣言する。占有は、認められたらラッキーくらいで考えている。元々の土地から言えば、アルトワ町の物だと言い切れる。ウーレンフートからの商隊が到着したら、さっさと実効支配してしまえばいい。
ウーレンフートのホームから人材を引っ張ってくれば、ダンジョンの運営に必要なノウハウも手に入る。アルトワ町としても断る理由はない。はずだ。

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