サイト小説の記事一覧
2021/09/28
【第一章 ギミックハウス】第二十六話 追加と拡張
25人を追加する前に、セバスたちの部屋の拡張を行おう。現状では、25名の部屋は無い。 仕事場は、それぞれの代表に考えさせよう。 基本は、魔王城の4階かな。攻められても、4階までは来ないだろう。それか、子どもたちに用意する予定になっている。地下に施設を作るか? 子どもたちに教えるという役割を持たせるのなら、近くの方がいいよな。 面倒だな。 捕らえる奴隷たちを労働力に使って、施設を作らせるか? 領域は余分に確保している。 外側の壁は、今回はスルーさせたが、本来なら罠として利用出来る。2つの壁との…
続きを読む2021/09/27
【第一章 スライム生活】第二十五話 正道
「ねぇ聞いた?」 「なに?なんの話?」 「ほら、中央厨の・・・」 「あぁ」 「また、やらかしたみたいなの?」 「え?また?この前は、市内にゴブリンが出現したとか言って、ロケ隊を引っ掻き回しのでしょう?」 「そうそう、それでニュースで使う画(え)が撮れなくて大変だった」 「ご愁傷さま。それで、今回も?」 「ううん。今回は、視聴者からの情報とか言って、スライムの動画をニュースで流して、スライムの捕縛に懸賞金を賭けたの・・・」 「え?あれって、中央厨の仕業なの?」 「そうなの!私が担当している番組のSNSまで大炎…
続きを読む2021/09/27
【第一章 ギミックハウス】第二十五話 補強
また、”本”を読んでいて、寝てしまった。 解ったことがある。”夜伽”はスキルで存在していて、呪いのような物だ。セバスたちを呼び出す時に”OFF”にしていた俺を褒めてやりたい。 これから、気をつけよう。 ”スキル”として夜伽があるとは思わなかったが、オプションで選択が可能な項目は、全部スキルになっていると思ったほうがいいだろう。チュートリアルが終わって、大丈夫だと思ったら、こんな罠を仕掛けるなんて、簡単に攻略をさせたくないようだ。 でも、セバスたちが夜伽は、本人の意思だというのがわかっただけでも・・…
続きを読む2021/09/26
【第一章 スライム生活】第二十四話 交差する思惑
「桐元!」 ドアをノックもせずに開けて部屋に入ってきた、上村を睨むが、上村の気持ちも理解できる。俺も、同じ気分だ。 「失礼しました。孔明(こうめい)少佐!小官へのご命令に関して質問があります」 「上村中尉。私の名前は、孔明(こうめい)ではない。孔明(よしあき)だ」 「これは、失礼しました。頭脳明晰でいらっしゃる。桐元少佐なので、彼(か)の諸葛孔明の生まれ変わりかと考えてしまいました」 「はぁ・・・」 書類を読む手を止めて、ソファーに移動する。 上村をソファーの対面に座らせる。 「それで?指令書の件か?…
続きを読む2021/09/26
【第一章 ギミックハウス】第二十四話 【帝国】魔王城?
我たちは、魔王城に作られた壁を突破した。 簡単に突破できてしまった。反対側にしか門が無いために、距離はあるが。魔物も罠も無いために、ただ距離がある以外の意味は持たない。 我の説を裏付ける事態が更に展開される。 「殿下」 「間違いは無いだろう」 門から入った場所で、部隊を集結させる。中央に建つ異様な白い建物が魔王城だと思われるが、我は愚か者ではない。斥候を出して、門の位置や罠の確認を行わせる。その間に、部隊に休息の指示を出す。 斥候が戻ってくる頃には、後ろからやってくる奴隷兵たちも到着するだろう。 …
続きを読む2021/09/25
【第一章 スライム生活】第二十三話 マスコミ
「柚木ちゃん。話を調べてくれた?」 面倒な奴に見つかってしまった。 中央に返り咲きたいと常々言っているが、この男がやっているのは、犯罪の”ギリギリ”とかではない、犯罪行為だ。 それで、中央から飛ばされたのに、こりていない。 「はぁ」 「ほら、柚木ちゃんの知り合いに、ギルドの職員が居るでしょ。彼女にちょっと渡してね」 「無理です」 「そんな事はないよ。頼むよ。ほら、なんとかの、なんとかも、金次第とかいうでしょ?なんとかなるよ」 茜に、そんなこと(買収工作)をしたら、私は間違いなく、翌日の朝日は拝めない…
続きを読む2021/09/25
【第一章 ギミックハウス】第二十三話 学習
セバス(ルブラン)が、マスタールームから出ると、5人が整列して待機していた。 「代表を決めたほうが良いでしょう」 ルブランからの言葉は、上位者からの言葉だ。 代表と言われても、皆が顔を見合わせる。 「そうですね。カエデ。貴方が、皆の代表です。他の者もいいですね?」 文句が出るはずもない。 上位者からの命令は絶対だ。 ルブランは、5人に、知識として”知っている”と思われる内容を含めて、マスターに関する物事の説明を行う。 自分がマスターの眷属になってからの話は、丁寧に、マスターの偉大さを伝えるよう…
続きを読む2021/09/24
【第一章 スライム生活】第二十二話 調べ物
今日は、オークを倒した東側に行こうと考えている。考えているだけで、実行するかは未定だ。。 名前を付けてから、パロット(猫)が家に上がってくるようになった。 ナップたちが、家の周りを警戒するように見回っている。前は、巣を作っていたが、名前を付けてから、巣を作らなくなった。いいのかな?食べ物とか困っていない? それに、わたし、少しだけ大きくなっている? 今までは、触手?が2本までしか出せていなかったけど、今は4本まで増やせる。もう何本か出せそうだけど、制御が難しい。全部、同じ動きになってしまう。 触…
続きを読む2021/09/24
【第一章 ギミックハウス】第二十二話 【帝国】突破
部下からの報告で、門に不可解な数字が出現して、数字が減っていると報告を受けた。 意味がわからないために、攻撃を控えるように指示を出した。 増援が向っている状態で、下手に動くのは得策ではない。 「殿下!」 5番隊の隊長と、15番隊の隊長が揃って挨拶に来た。 「よく来てくれた。援軍は、公爵からか?」 「いえ、自分たちは、陛下からの勅命を受けて来ました。7番の軟弱者が撤退を考えているようだと聞いて、殿下の戦歴のために我らを使わせたのだと理解しています」 天幕の中には、7番隊の目が居る。5番隊の隊長も、解…
続きを読む2021/09/23
【第一章 スライム生活】第二十一話 裏庭
我は、この場所に住み着いた者たちの長をしている。 我らには、主(あるじ)様が居る。丸くて、柔らかそうで、”ぷよぷよ”としているが、ものすごく強いことは、我らの本能が訴えている。 逆らってはダメだ。敵対してはダメだ。 それだけではない。この楽園のような場所を作ったのも主様だ。主様の想いの一部は我らに伝わってくる。山では最上位である我だが、飢餓との戦いだ。しかし、この場所では飢餓を感じない。 『ワシ殿』 ”ワシ”と言うのが、我の仮の名だ。主様は、我の種族だと言っていた。他の者も、種族名を仮の名にしてい…
続きを読む2021/09/23
【第一章 ギミックハウス】第二十一話 新たな人材
起きたが、やることがない。 ポイントを使って、好きだった弁当を取り寄せる。 一度、こっちのパンを食べてみたが、味がしない。いや、味はしているのだが、素朴な味だ。軽く炙ってから、バターをたっぷり乗せたら食べられるかもしれない。そこまでして食べたいとは思わなかった。適材適所なのかもしれないが、パンが食べたくなったら、食パンを仕入れようと思う。それか、こっちの世界でも小麦が存在しているから、パンを作らせてみるのもいいかもしれない。 「マイマスター」 「何かあったか?」 「お部屋に入ってよろしいですか?」 「…
続きを読む2021/09/22
【第一章 スライム生活】第二十話 名前
うーん。 なんか、裏庭に住み着いた動物たちの様子がおかしい。 私に襲いかかるようなことは無いのだけど、なんだか見られているように感じる。最初は気のせいかと思ったけど、裏山に魔石で作った結界を設置しているときに、フクロウが一定の距離で付いてきた。ハクビシンも、付かず離れずの距離を保っていた。東側に行ったときのような、立体機動はしなかったが、それでも、かなりの速度で移動したけど、二匹とも私を監視するようにしていた。 スライムは珍しいだろうから、不思議な生物だと思って、見ていたのかな? 気にしてもしょう…
続きを読む2021/09/22
【第一章 ギミックハウス】第二十話 【奴隷】穏やかな日々
ここは? あっ 私たちは、魔王様に捕らえられて・・・。 部屋を与えられた。産まれて初めて、お風呂に入った。冷たい水ではなく、温かい水で身体を拭いた。汚れで、綺麗だったタオルがすぐに汚くなってしまった。でも、ルブラン様から言われた通りに、石鹸を付けて身体をこすった。いい匂いがして、身体が綺麗になった。ゴワゴワだったしっぽがふわふわになった。それから、温かい水に身体を沈めた。 なぜか、涙が出てしまった。 身体から、全部の悪いものが出ていくように感じてしまった。妹が心配そうに見上げてきたが、頭を撫でて…
続きを読む2021/09/21
【第一章 スライム生活】第十九話 桐元孔明
久しぶりに連絡が来たと思ったら・・・。 奴は、どこから自衛隊の秘匿情報を得ている? それを脅し文句にして・・・。まぁいい。久しぶりに、会うのも一興だ。たしか、奴はギルドの職員だし、情報交換と言えば問題は無いだろう。 指示された場所は、市内にあるカラオケ店だ。カラオケ店の近くで、奴にメッセージを送ると、部屋番号が送られてきた。 「おい!」 部屋では、奴・・・。桐元がマイクを持って熱唱していた。同世代なら誰でも歌える曲だ。 「お!桐元・・・。今は、少佐だったよね。昇進おめでとう」 マイクを持ったまま…
続きを読む2021/09/21
【第一章 ギミックハウス】第十九話 セバス動く
私は、セバス。 マイマスターに生み出された。 先程、マイマスターのお力で、魔物を使役して、私の配下になるように設定していただいた。 私が出向けば、目的の達成は容易い。しかし、マイマスターから頂いた”子供たちを頼む”という命題との同時進行では、マイマスターのお側で過ごす時間が減ってしまう。そのために、失礼な話だとは思ったが、マイマスターにお願いをしてしまった。 それにしても、面白い。 魔物ポットという装置は、本当に魔物が産まれてくる、産まれてきた魔物は、私が支配できる。意思の伝達が可能になっている…
続きを読む2021/09/20
【第一章 スライム生活】第十八話 ファントム
スライムになってしまった彼女の犠牲者が居るとしたら、ギルド日本支部の”情報管理課”兼”スキル管理課準備室”兼”登録者管理課準備室”の職員だろう。その中でも、ほぼ彼女の担当と言っても良いようになってしまっている、里見(さとみ)茜(あかね)だろう。 彼女は、父親が趣味で作った環境が”異常”だとは知らない。今後も気がつくことは無いだろう。そして、スライムになってしまった自分が、外でスマホを持っているのは、おかしいのではないかと考えて、スマホを部屋に置きっぱなしにしている。 彼女が、ここ数日でギルドに与えた衝…
続きを読む2021/09/20
【第一章 ギミックハウス】第十八話 門を開く
人族が攻め込んできて、今日で6日だが・・・。魔王城は、今日も平和です。 捕らえた、子どもたちはセバス(二人の時に、ルブランと呼ぶと悲しそうな顔をする)に会ってから、素直に地下の部屋に入ってくれた。地上部は、戦闘になる可能性を考慮して、出入りを禁止した。戦闘が終わってから、地上部で自給自足が可能な状態まで持っていこうと思ったが、”本”で先代の日記を読んでいたら、面白い記述があり試してみた。 地下型の魔王城を作成した者の日記だったのだが、地下に地上と同じような草原を作られるという記述だ。 うーん。ポイン…
続きを読む2021/09/19
【第一章 スライム生活】第十七話 家の裏
夜に寝られるようになった。スライムです。乙女の敵である体重計に乗ったら、体重が測れなくなっていて、少しだけ落ち込んでいます。 眠くならないのですが、寝る方法が解った。感情を切り離す訓練をしていたら、意識を手放す方法が確立できた。 やっぱり、夜に寝られないと、気持ちが悪い。 しかし、ここ数日は起きるのに、スマホのバイブではない。 なぜか、増えている裏庭の動物たちの鳴き声だ。 結界を張っているのに、なぜか動物が増えている。悪意があるわけでも、私(スライム)を攻撃してくるでもなく、動物同士で喧嘩するわ…
続きを読む2021/09/19
【第一章 ギミックハウス】第十七話 【帝国】
「宰相。増援部隊は?」 「昨日、帝都を出ました。まもなく、攻略を開始するでしょう」 「そうか・・・。後継者争いが起こる前に、考えなければならないな」 「まだ、その・・・。お言葉は、些か早いように思えます。殿下が、魔王を討伐して」 「宰相。そちも、解っているのだろう?」 「はっ。陛下。ギルドからの申し出は?」 「本部から来るのであろう?会わないわけには行かないだろうな」 「はっ。日程の調整を行います」 「討伐部隊と増援部隊の結果が出てからになるように調整してくれ」 「かしこまりました」 宰相が、余に頭を下げ…
続きを読む2021/09/18
【第一章 スライム生活】第十六話 スライム
僕たちは、産まれたばかりのスライム。自分が、スライムなのを、なぜか理解している。 僕たちが、どうやって産まれたのかわからない。僕たちは、スライムとして一体だけど、一匹ではない。 僕たちは、池で生活をしていた。でも、スライムに生まれ変わった。 今、僕たちは、2つの気持ちに支配されている。 一つは、ご主人さまに会いたい。遠くに居る。ご主人さまに会いたい。僕たちは、産まれた時から、ご主人さまと繋がっている。ご主人さまのために、僕たちは産まれた。でも、僕たち以外の僕たちは、無残にも殺された。なんで、殺され…
続きを読む2021/09/18
【第一章 ギミックハウス】第十六話 魔王の所業?
「魔王様」 「ルブランで良い」 魔王は、マイマスターの称号だ。代理とは言え、”魔王”と呼ばれるのは避けたい。 それに、魔王と呼ばれて良いのは、マイマスターだけだ。 「はい。ルブラン様。食料や毛布をありがとうございます」 子どもたちが揃って頭を下げる。 代表は、狐人族の少女のようだ。人族が居るのに、珍しい。 「お前たちは、真命はあるが、呼び名が無いようだな」 「え?真命?で、ございますか?」 真命を知らないのか? 奴隷だからなのか? 「知らぬのなら、それで構わない。貴様たちは、300名だったな」 …
続きを読む2021/09/17
【第一章 スライム生活】第十五話 大虐殺
(なぜだ!何故だ!理解できない!) 彼は、塾が終わると、昆虫を魔物(スライム)化して殺していた。すでに、3桁を越えて4桁に届きそうなスライムを殺している。しかし、彼が望むような変化は訪れない。 (虫だからなのか?僕のような天才がスキルを得る為には、虫ではダメなのか?) 彼が次に狙ったのが、中学校の池に居る魚たちだ。もちろん、自然に出来た池ではなく、貯水湖の役割を持っている。彼は、塾に行く前に、貯水湖の栓を抜いている。それほど大きくない池なので、塾が終わる時間には、膝丈以下まで水位は下がっている。目視で鯉…
続きを読む2021/09/17
【第一章 ギミックハウス】第十五話 【帝国】増援部隊
「陛下。派遣部隊から、増援要請が来たのですか?」 「宰相が持ってきた」 執務室で、我が増援の書類を見ていると、7番隊の隊長がやってきた。7番隊の隊長は、今回の増援には加わらない。加えてはならない。呼び出したのは、7番隊と5番隊だ。宰相が、すでに両部隊の隊長を呼び出していたので、訂正が間に合わなかった。 7番隊は、増援には反対するだろう。そして、増援しなければならないのなら、情報を集めて撤退を進めてくるのだろう。 5番隊は、この度の魔王討伐から外れた。小国への遠征を行っていたためだ。しかし、彼らは小国で…
続きを読む2021/09/16
【第一章 スライム生活】第十四話 結界
今日も、裏庭に来ている。 最近、日付の感覚がなくなってきている。曜日は、リビングにあるTVで認識が出来る。 スライムには、学校も仕事もない。裏庭で遊んでいても、昼まで寝ていても大丈夫だ。積み本や積みゲームの消化が捗る。 裏庭に作った池を覗き込む。魚たちも元気だ。 え?うそ? 2つ設置した巣箱に、何かが入っている。 あと、水瓶近くにも、動物が居る。水瓶の近くには、妹が作った犬小屋みたいな物を置いてみた。 巣箱は、二箇所だけど、両方に何かが入っている。 こんなに早く?前に設置した時には、結局入…
続きを読む2021/09/16
【第一章 ギミックハウス】第十四話 魔王(ルブラン)降臨
「マイマスター」 「セバス。そうだな。子供たちの前なら良いかもしれないが、セバス。これから、俺の身代わりを行う時には、”ルブラン”を名乗れ」 「はっルブランが名で、真命をセバスと心に刻みました。マイマスター」 「子供たちには、パンと果物と水を送る。それから、寝ている間に、部屋を作ろうと思うが、地上部には草木を植えたから、地下に作る」 「はっ」 「地下で、通路を隣に作ってある、執事やメイドの部屋に繋げる。扉には、罠を設置した。こちら側の者しか通られない」 「それは?」 「今は、俺とルブランだけだな。そうだな。…
続きを読む2021/09/16
【第五章 共和国】第六話 検閲
「旦那様。お休みください」 クォートが、食事の後片付けをしながら、俺に馬車の中に入っていて欲しいようだ。 「後は任せる」 「はい。シャープは、旦那様のお手伝いをお願いします」 「かしこまりました」 俺が立ち上がると同時に、シャープも立ち上がる。 カルラは、クォートの近くに移動して、何やら話し始める。 馬車に戻ると、シャープが話しかけてきた。 「旦那様。騒がしくして、もうしわけありません」 「襲撃か?」 「おそらく」 俺たちの周りの馬車が片付けをして、国境から遠ざかるように離れた。それでも、気にしな…
続きを読む2021/09/15
【第一章 スライム生活】第十三話 実験室
「どうだ?」 開けられているドアをノックしながら、中に居る人物に声をかける。 「上村中尉。あぁ今は、大尉だったな」 「どっちでもいい。少しだけ給料があがっただけだ。権限も増えないし、使える武器も増えない。その代わり、机の前に居る時間が増えた」 「安全な場所にいて、給料が貰えて、文句を言うな」 「俺には合わないって言っているだけだ。前線がいい。書類整理は、俺には合わない」 俺が差し出した手を、白衣を着た年配の男性が握り返してくる。 「それで、清水教授。実験はどうですか?桐元が気にしています」 このマッド…
続きを読む2021/09/15
【第一章 ギミックハウス】第十三話 【奴隷】
「お姉ちゃん!」 寝ないようにしていたのに、いつの間にか眠ってしまった。 魔王城の檻に捕らえられて、それから・・・。美味しいパンと、美味しい干し肉を食べて、綺麗なお水を飲んで、妹と毛布に包まって・・・。妹を抱きしめていた。離れないように、妹の体温と心の音を聞いていた。 村を襲われてから、初めてゆっくりと寝たかもしれない。 「どうしたの?」 飛びついてきた妹の頭をなでながら、周りを見る。 半分くらいはまだ寝ている。 「ううん。お姉ちゃんと一緒に居られて嬉しいだけ」 妹の言葉が嬉しかった。私も同じ気…
続きを読む2021/09/15
【第五章 マヤとミル】第十九話 草案と説明
「ミル。マヤは?」 「うーん」 ミルが渋っているところを見ると、マヤはマヤで用事があるのだろう。 「無理なら無理でいいよ。ロルフ」 今回は、ロルフと話をして、神殿の草案を考えればいい。そのあとの拡張は、ロルフとマヤで行えばいい。 『はい。にゃ』 「神殿の入り口を、マガラ渓谷の挟む形で作って、そこから一直線に通路を作る。両側に、店舗になるような建物を作る。中間地点に、訓練所に向かを場所を作るようにしたい。訓練所の通路を挟んだ正面には、集会場になるような広場を作りたい」 アロイの街は、アゾレムが管理してい…
続きを読む2021/09/14
【第一章 スライム生活】第十二話 実験
うーん。 スキル:結界も、情報が伏(・)せ(・)られている。私としては、安全になる可能性が高いし、使えるようになりたい。 魔石は、ギルドが”買い取ってくれる”ことはわかったけど、私にはギルドに売りに行く手段がない。 魔物(スライム)が、ギルドの窓口で”魔石”を売っていたらシュールだ。考えなくても、無理だとわかる。 私はどうやら成長するスライムらしい。”らしい”と言って、断言出来ないのは、寝て起きたら、サイズが大きくなった・・・。ような、きがする。実際に体積を測っていたわけでも、体重を量っていたわけ…
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