サイト小説の記事一覧
2021/05/29
【第二章 王都脱出】第十七話 女子高校生の困惑
私は、糸野(いとの)夕花(ゆうか)。女子(J)高校生(K)をやっていた。今は、異世界に召喚されて、カリン(偽名)と名乗っている。 一緒に召喚された元(・)・同級生たちから離れて、まー(おっ)さんと一緒に召喚した国の姫様に匿ってもらっている。 私たちは、王城から無事に脱出して、今は王都からの脱出を考えている。 ”考えている”と言ったが、主に考えるのはまーさんの役目になってしまっている。準備に時間がかかる為に、私は私にできることをやっていた。それが”初代”様と同時期に書かれた文章(日記)の解読だ。 日…
続きを読む2021/05/27
【第二章 帰還勇者の事情】第十一話 記者会見.2
「それでは、記者会見を始めます。始めに、生還者の情報を・・・」 司会が、ユウキたちの情報を話し始める。 記者たちには、事前に情報として渡されているが、名前を呼ばれるときに立ち上がるだけでも、情報としては十分なのだろう。 10分ていどかかって、ユウキたちの諸元が発表された。 記者たちが黙って聞いているのには理由があった。まずは、ユウキたちが未成年だったことが大きな問題だ。ユウキたちは、記者会見で語られた情報に関しては公にしても問題はないと伝えている。しかし、姿かたちに関しては明言されていない。 そこ…
続きを読む2021/05/27
【第十章 エルフの里】第八話 エルフたち
「リーゼ様。ヤス殿。私は、エルフの里長候補の1人で、ペドロと言います」 ヤスを、射殺すような目線で見てから、リーゼに頭を下げながら”ペドロ”と名乗った。ヤスは、面倒な流れだと思いながらも、ペドロを観察し始める。 ヤスの存在は、ペドロの中からは完全に消えていた。リーゼの従者としてしか認識をしていない。 ペドロが、リーゼに美辞麗句を並び立てている所で、ドアがノックされた。 「誰だ!リーゼ様が、この俺様!ペドロ様の話をお聞きしているのを邪魔するのは!」 ヤスは、ペドロから出たこのセリフだけで、目の前に居る…
続きを読む2021/05/26
【第二章 帰還勇者の事情】第十話 記者会見.1
ユウキは、記者会見が始まるギリギリまで、佐川に捕まっていた。 佐川からの質問攻めに少しだけ・・・。本当に、少しだけ面倒に思い始めていた。 「ユウキ君。時間だ」 今川が、ユウキに声をかける。 ユウキは、少しだけ”ほっと”した表情をする。 「わかりました。佐川さん。それでは・・・」 「今川君!記者会見の時間は、もう少しだけ後だと思うが?」 ユウキは、信じられないことを言い出す佐川の顔を二度見してしまった。 確かに時計を見ると、1時間くらいの余裕はある。それに、記者会見には佐川も出席する予定だと教えら…
続きを読む2021/05/19
【第二章 帰還勇者の事情】第九話 邂逅
「ユウキ!」 「あっ今川さん。どうしました?」 「どうしたじゃない。お前こそ・・・」 息を切らしながら今川は、ユウキに駆け寄ってきた。 「あぁ皆さん。疲れが溜まっているのか、寝てしまいましたよ。部屋も寒かったから、冬眠でもしたのでしょうかね?」 「・・・。お前・・・。まぁいい。本当に悪かった。上にも文句を言ったけど、その上の上から無理矢理押し込まれた」 「大丈夫ですよ。ポーションを公にしたら、湧いて出てくるのは想定していました。台所に居る黒い虫と同レベルですよね」 「そうか・・・。次は、大丈夫だ。本当に、…
続きを読む2021/05/17
【第二章 リニューアル】第一話 再開
タンブラーに入った茶色の液体を喉に流し込みながら女性は、バーテンダーを見ている。 最後の一口を含んでから、ウィスキーの味を感じながら呑み込む。 「マスター。もう一杯」 「同じ物で?」 「うん。カウボーイをお願い」 マスターは、テーブルに磨かれたタンブラーを置いて、氷を入れる。そこに、アーリータイムズを45ml注ぎ込む。そこに、ミルクを105ml注いで、砂糖を小さじに1杯入れる。軽くビルドをする。ミルクが落ち着いたのを確認してから、ナツメグを振りかける。 「カウボーイ。『今宵もあなたを思う』」 女性は…
続きを読む2021/05/17
【第二章 帰還勇者の事情】第八話 前哨戦
「ユウキ。会見の場所はわかるのか?」 「サトシ・・・。マイ。任せた」 「はい。はい。サトシ。場所は、この前、皆で見に行ったでしょ?」 「え?どこ?」 「はぁ・・・」 皆が笑い出すが、サトシは本当にわからないという表情をしている。 マイやユウキも悪い。記者会見を行う場所を、見に行ったわけではなく、近くの公園から記者会見を行う建物を見ただけだ。 「ユウキ。今日は、公共機関を使うのだろう?バラバラに行くのか?」 「いや、俺とサトシ以外は、偽装した状態で、纏まっていこう」 都内の(オリビアが熱烈に希望した)秋…
続きを読む2021/05/14
【第二章 帰還勇者の事情】第七話 雑誌
今川が手掛ける記事が掲載された雑誌が店頭に並んだ。 スクープ記事なのは間違いではない。しかし、世間の意見は2:8に分かれた。好意的な意見としては、子どもたちが集団催眠に有っているのだという考えだ。しかし、それでも、アメリカやドイツで行方不明になった子供が日本で発見された説明にはなっていない。 大手マスコミも雑誌が発売された当日に、ユウキたちに接触を試みたが、どこに居るのか調べたが、所在は不明な状態になっていた。 「おい。ユウキ!」 『あっ今川さん。なんでしょうか?見世物(記者会見)の日取りにはまだある…
続きを読む2021/05/13
【第二章 帰還勇者の事情】第六話 取り巻く状況
ユウキたちが、地球に帰還してから、数日が経過していた。 レナートは、特に王城は火が消えたような状態になっていた。 「お父様?」 「セシリアか・・・」 「どうされたのですか?」 「騒がしかった日々が懐かしくて・・・」 「そうですね。でも、ユウキ様は約束通りに・・・」 「そうだが・・・。そうだ、セシリア。ユウキからの”お願い”はどうするのだ?」 「受けます。ユウキ様だけではなく、サトシ様やマイ様のご両親ですよ?」 「そうだな。儂も、ユウキたちの”チキュウ”での両親に会って話をしたい」 「はい」 セシリアは…
続きを読む2021/05/12
【第二章 帰還勇者の事情】第五話 記者
俺は、週刊誌のしがない記者だ。政治や経済に関するゴシップを得意としていた。 少し前に、話題になった集団失踪事件が発生した施設の院長から連絡をもらってから、俺の日常は変わった。 「今川さん?」 俺の前に座っているガキ・・・。いや、新城裕貴(ユウキ)から発する覇気というのか、存在感が・・・。大物政治家や経済界のトップと会った時と同じ・・・。いや、それ以上に圧力を感じる。 「おっおぉ。ユウキでいいのだよな?」 「はい。新城は、捨てた名字ですし、記事では”ユウキ”でお願いします」 「わかった」 「それで?」 …
続きを読む2021/05/08
【第二章 帰還勇者の事情】第四話 今後
「エリク?」 「ユウキは、説明で忙しいだろうし、サトシは無理だろうし、レイヤはユウキのフォローに回っているだろうと、皆が俺に連絡してきた」 「それは、妥当な判断だが・・・。違う。同じというのは、眠っている場所に連れて行けということか?フィファーナだぞ?」 「異世界だと説明して、魔物が居るし、危険な状況になっている可能性も伝えたそうだが・・・」 「無駄じゃな。ユウキたちには悪いが、行って帰ってこられると聞いて、親が眠っている子供に会いに行かない選択肢を選ぶはずがない」 「そうね。ユウキ?どうなの?私たちを連れ…
続きを読む2021/05/07
【第二章 帰還勇者の事情】第三話 父と母
ユウキたちは、食堂に入った。 自分たちの席がまだ残されている状況が嬉しかった。 マイとヒナが、弥生の席に遺品を置いた。皆の辛そうな表情を、老紳士(父)が更に辛そうな表情で見つめる。 「エリク君とアリスちゃんは、好き嫌いは大丈夫かい?」 奥から、老婦人(母)の声がする。 「大丈夫です!」「私も、大丈夫」 「わかった。マイ。ヒナ!」 「はい!手伝う」「手伝う」「あっ私もできることは少ないけど手伝います」 マイとヒナとアリスは、これから話が開始される弥生の話を一緒に聞く気分にはなれない。 ユウキたちも…
続きを読む2021/05/01
【第二章 帰還勇者の事情】第二話 帰省?
時刻は、午前2時を過ぎている。 「さて・・・」 「行くのか?」 「あぁ俺が一人で様子を見てくる」 「・・・。ユウキ?」 「サトシ。頼む。向こうについたら、念話で知らせる」 「わかった」 サトシは、ユウキについていくつもりで居たのだが、この場所を頼むと言われて、承諾してしまった。サトシが残ると決めた以上、他の者がユウキには付いていかない。ユウキなら、一人でも大丈夫だという安心感がある。サトシは、一人にすると何をしでかすかわからない怖さを持っている。 「行ってくる」 ユウキが、身体強化のスキルを発動した。…
続きを読む2021/04/28
【第二章 帰還勇者の事情】第一話 帰還
最後になったが、ユウキとサトシとマイが浜石岳のいつもの場所に転移してきた。 魔法陣の周りには、先に地球に来ていた勇者たちが待っていた。 勇者たちは、日本で10日ほど過ごすことにしている。 世界中で、子(・)供(・)が消えたという報道は、されていない。消えたのが、孤児が中心のために、消えてから3ヶ月程度の時間が経過していても、騒いでいる国は少ない。 「さて、ひとまず10日後に、集まろう。念話はオープンにしておくけど、”時差”を考えてくれよ!」 ユウキの宣言に、皆がうなずく。 これから、辛い現実を告…
続きを読む2021/04/26
【第一章 勇者の帰還】第十話 勇者の帰還
ユウキたちは、レナート王国の各地を回る者と、ユウキと一緒に地球に行って、スキルの検証を行う者に分かれた。 皆も、スキルの検証には前向きだ。地球とレナートで連絡が取れる可能性が出てきたからだ。 特に、残留組が積極的だ。偶然なのか、スキルの構成が残留組と帰還組に分散している。ユウキが帰還組なのを、残留組が気にしている(主にサトシ対策として・・・)。セシリアとマイからも、ユウキとの連絡方法の確立だけはお願いされていた。 地球とフィファーナとのスキルを使った連絡は出来なかった。 アリスが認識できる魔力の繋…
続きを読む2021/04/21
【第一章 勇者の帰還】第九話 帰還の為に
残留組が地球で行った検証結果を聞いて、帰還組もスキルの検証を行ってから、今後の作戦を考えることになった。 特に、アリスのスキルは、フィファーナの防衛に関わってくる部分だ。 まずは、アリスとエリクをだけを連れて、地球に行くことになった。 3人だけなら、すぐに戻ってこられると考えたからだ。残留組で、港に転移できる者が、アリスの眷属を見守る。 アリスが、地球に戻ったことで、解除されないか調べるためだ。 「アリス。エリク。準備はいいか?」 二人は、自動調整が付与された服に着替えた。サトシの話を聞いて、必…
続きを読む2021/04/20
【第一章 勇者の帰還】第八話 残留組の検証
「ユウキ?マイは?」 「・・・。あぁそうか、サトシは、知らないのだったな。すぐに戻ってくるだろうから、マイに聞けよ。俺からは、それしか言えない」 「・・・。わかった・・・」 サトシは、口では解ったと言っているが、納得していないのは表情を見れば解る。 「はぁ・・・。あとで、マイに聞けよ」 「あぁ」 「マイが、俺たちとは違うのは理解しているよな?」 「あぁ」 サトシもユウキも片親だったが、サトシは親が病死して施設に入った。ユウキは、親が事故死して施設に入った。 マイは、両親が揃って事件に巻き込まれる形で亡…
続きを読む2021/04/19
【第一章 勇者の帰還】第七話 残留組の探索
「ふぅ・・・」 ユウキは、前回と同じ浜石岳のキャンプ場に転移した。 周りを見回すと、全員が揃っている。 (魔力は大丈夫だな。すぐの発動は無理だけど、ポーションを飲めば回復できる量だ) 「ユウキ!大丈夫?」 「マイ?すごく、可愛くなって・・・」 「ユウキには言われたくない!それよりも、魔力は大丈夫?14人、全員はきつかった?」 「大丈夫だ。魔力は3/5程度消費したから、全員は無理だな。14人が限界だと思う」 「そう・・・。どのくらいで回復しそう?」 「予想通り、1時間ってところだな」 「え?」 よこから…
続きを読む2021/04/17
【第一章 勇者の帰還】第六話 残留組の帰還
「それじゃ、地球に行って帰ってくるか!」 サトシが場の空気が湿っぽくなったのを感じて、立ち上がった手をたたきながら、皆を鼓舞するように大きな声で宣言する。 「ハハハ。サトシだな」 ユウキの声をきっかけに皆が笑いながらも立ち上がった。 29名の勇者たちは、こうやって立ち上がってきた。29人になってしまった日に、仲間が傷ついた日に、勇者の中の勇者と言われる”サトシ”は皆を鼓舞してきた。ユウキには出来ない。だから、サトシがリーダーなのだ。 「陛下。将軍。作戦の詳細は、後日に決めましょう。まずは、国内が大丈夫…
続きを読む2021/04/16
【第一章 勇者の帰還】第五話 報告(偵察)
将軍が、ユウキが持ってきた物を預かることでユウキの話は終わった。 休憩を挟んで、勇者たちがマイの召喚した”ゴーレムのような物”を使って偵察を行った内容の報告が始まる。 マイから報告が始まって、2時間ほどの時間を使って偵察内容の報告が行われた。 レナート王国にあるギルドが得ている情報は、将軍がある程度は引き出してきてくれていた。 勇者や聖職者や権力者が多くいる場所が狙われたようだ。 「ユウキ。どう思う?」 サトシが、皆の話を黙って聞いていたユウキに話を振る。 「なぁマイ。魔物たちの種類は?皆の話だ…
続きを読む2021/04/15
【第一章 勇者の帰還】第四話 報告(ユウキ)
(さて、2時間が経過したようだな。これ以上、降りると人に見られる可能性があるな) ユウキは、浜石岳から降りてきている。途中にある小学校の跡地まで降りてきた。 生命探知で人を避けてきたが、難しくなってきていると感じていた。目的だった廃棄されているペットボトルも確保できた。同時に、アルミ缶やスチール缶も確保出来た。レナート王国に居る鍛冶屋に見せて加工が可能なのか確認したいと思っていた。 (少しだけ時間をずらしてみるか?) ユウキは、元学校の道路から死角になっている場所で、スキルを発動する。 レナート王国…
続きを読む2021/04/14
【第一章 勇者の帰還】第三話 偵察
「どこでやる?」 マイのスキルは、テイムではない。他に適切なスキル名がないので、召喚と言っているが、フィファーナにあった召喚スキルとも違う。 魔力で、マイが思い描く”動物”や”昆虫”や”魔物”を作り出せる。魔力で作り出した物は、意識が有るわけではない。そのために、マイが動かすのだが、同時に動かすことができる物には限界がある。 魔力で出来た”ゴーレムのような物”だが、魔力は譲渡できる特性を利用して、制御を他人に任せることができるのではないかと考えたのが、ユウキだ。 マイとユウキで、”ゴーレムのような物…
続きを読む2021/04/13
【第一章 勇者の帰還】第二話 情報収集
「エリク様。それでは、我が国の商隊は?」 「外に出る必要があるのか?」 「え?」 「それに、陸路はたしかに封鎖された状態だが、海路は確保されているぞ?」 視線が、アリスに移動する。 「うん。僕のペットたちは、渡してある”旗”を持っていけば沈めないよ」 「アリス様。あの旗のマークに意味が有るのですか?」 「あぁ・・・。それも、ユウキの指示だけど、マークには意味は無いよ。旗の素材が大事」 「え?なんで・・・。面倒では?」 「うん。面倒だけど、あのマークを見れば、召喚勇者で、よほどのバカでなければ、意味がわかる…
続きを読む2021/04/12
【第一章 勇者の帰還】第一話 レナート王国
ユウキが転移に使った魔法陣が消えてから、勇者たちは移動を開始した。 王城の離れにある勇者たちの荷物が置かれている屋敷だ。 舞踏会が行われる場所だったのだが、勇者たちに与えられて、改良して今は40人ほどが一度に会議ができる場所になっている。 座る場所も決まっている。 上座には、サトシが座る。マイとセシリアが両脇を挟む格好になる。 サトシは、正面にある空席を見つめる。誰もが、座りたがらなかったサトシの正面は、ユウキの席だ。 29名で、レナート王国に流れ着いてから、誰一人として欠けなかったのは、皆の…
続きを読む2021/04/11
【序章 召喚勇者】第五話 地球
「・・・」 ユウキは、小高い山の上にある。キャンプ場に転移していた。 「成功・・・。したのか?」 ユウキは、周りを見回して、小学校の時に遠足で訪れた場所だと認識した。夢でなければ、転移が成功したのだ。 「あとは、時間だな・・・。2022年なら時間が戻った・・・。え?」 ユウキは、自分の手を見た。 明らかに小さくなっている。7年前の15歳のころのサイズになってしまっている。 「そういうことか・・・。戻ったら、どうなる?」 ユウキは、魔法が使えるのか気になってしまった。 精神は、フィファーナで戦闘を…
続きを読む2021/04/10
【序章 召喚勇者】第四話 帰還(後)
「陛下」 「なんじゃ」 「わかりました。全部、飲み込みます。家族のために」 「そうか・・・。ありがとう」 「いえ、それで、陛下。一つ、頂きたい物があります」 「なんだ?アメリアを連れていきたいというのなら、喜んで差し出すぞ?侍女もつけるぞ?」 「陛下?殴っていいですか?」 貴族たちから、”いいぞ!許す”とか声が聞こえてくる。他の国ではありえない状況だ。 「まてまて、お主に殴られたら、儂の頭が軽くなってしまう」 「大丈夫です。少しだけ痛いだけです。陛下の身体が、明日から頭の重さに耐える必要がなくなると喜ぶか…
続きを読む2021/04/09
【序章 召喚勇者】第三話 帰還(中)
「陛下」 「勇者ユウキよ。魔物の王の討伐を成し遂げたようだな」 「はっ仲間たち、それに陛下のおかげです。感謝の言葉だけでは・・・」 「よい。余たちにも利があること、勇者ユウキ。目的のものは見つかったか?」 「はい。無事入手いたしました。明日、試したく思っております」 「・・・。そうか、勇者ユウキ・・・。ユウキ。余は・・・。儂は、お主を、お主たちを本当の子供のように思っている。后も、儂と同じ気持ちだ」 「ありがたきお言葉」 「解っている。わかっている。ユウキ。お主たちにはやらなければ・・・。目的があるのは、理…
続きを読む2021/04/09
【第一章 バーシオン】第三話 夜を隠す
「マスター。いつもの!」 カウンターに座る女性の注文を受けて、ブランデーの瓶と、カカオ・ホワイトリキュールの瓶をカウンターに用意した。ブランデーをシェーカーに適量(30ml)を注いで、カカオ・ホワイトを半分(15ml)を注いで、生クリームを適量(15ml)を注いだ。シェイクしてショートグラスに注ぐ。 女性は、シェイクしているマスターの手元をうっとりとした目線で眺めている。 「ホワイト・アレキサンダー」 女性は、白く甘い香りがする液体を暫く見つめた。 「ねぇマスター?」 「どうしました?」 「アレキサン…
続きを読む2021/04/08
【序章 召喚勇者】第二話 帰還(前)
サトシたちは、身を寄せている小国(レナート)に転移した。 勇者のスキルだ。サトシやユウキは、”ル○ラ”と呼んでいるが、内容は違っている、一度マーキングした地点に戻ることができるのだ。スキルに込める魔力で、同時に移動できる範囲が変わってくる。 「サトシ様!」 転移のマーキングしてあったのが、王宮にある庭園だ。 王宮から一人の女性が勇者たちに駆け寄ってくる。サトシの名前を読んで駆け寄ってくる女性を見た、勇者の一人がサトシの前に立ちはだかる。 「なんですか?マイ様!私は、私の婚約者であり、未来の王であるサ…
続きを読む2021/04/08
【序章 召喚勇者】第一話 召喚勇者
1つの戦いが終わろうとしていた。 人族の悲願。”魔物の王”討伐が実現しようとしていた。 「ユウキ!どうだ」 「あと、5000!1割。リチャードの一撃で削れる」 「フェルテ!俺に補助を!」 「解った!”根源なる力よ。汝に力を”リチャード!!」 「おぉぉぉぉぉぉ!!!」 聖剣を持つサトシがリチャードの後に続く、”魔物の王”にダメージを与えられるようにできるのは、聖剣を使える勇者だけだ。 ”うぉぉぉぉ!!!” 強化されたリチャードの攻撃で、”魔物の王”を守っていた結界が砕ける。新たな結界をはられないように…
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