サイト小説の記事一覧

2020/09/04

【第九章 神殿の価値】第二十話 サンドラからの報告

 大木の都(ヒュージツリーラント)に住む者たちは順調に増えている。しかし、神殿の都(テンプルシュテット)に住む者たちは増えていない。  カイルとイチカたちは、神殿の都(テンプルシュテット)で受け入れた。その後に、帝国で二級国民になっていた子どもたちも受け入れた。ヤスが決定したことなので、異議を唱える者は居なかった。神殿の都(テンプルシュテット)に住むには、マルスの審査が必要になる。厳しい審査だ。審査基準が公開されていないので、敬遠する者も多いのだ。しかし、他の村では、審査は王国の町や都市に近い状況なので、移…

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2020/09/03

【第一章 王都散策】第三話 おっさん偽る

 ロッセルは侍女が帰ってくる前に部屋を出た。  おっさんと女子高校生に”この部屋は自由に使ってください”と言っている。部屋の説明を簡単にした後で、左右にも部屋があり。おっさんと女子高校生の部屋に使って欲しいと告げてから出ていった。 「さて」  おっさんは、女子高校生の横から正面に移動した。 「俺のことは、まーさんと呼んで欲しい。他にも呼ばれていたが、まーさんが一番しっくりくる」 「わかりました。私は、糸野(いとの)夕花(ゆうか)と言います。17歳の高校生です」 「へぇそれが制服だとすると、町田にある駅名にも…

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2020/09/02

【第三章 ダンジョン攻略】第七十七話 地上へ

「アイ。最下層に流れ着いた魔道具はどこにある?」 ”こっちです”  AI(アイ)に連れられて入った部屋は、機材が雑多に置かれている場所だ。ハーフラックらしき物が見える。 「アイ。この部屋に出現するのか?」 ”違います。この奥の部屋で、魔道具が出たら、この部屋に置いていきます” 「移動は、アイが?」 ”いえ・・・。ほら、出てきました”  そうだよな。  ここはダンジョンで、魔物に指示を出すことも可能なのだろう。 「ゴブリン。いや、ホブゴブリンか?」 ”違います。ヒューマノイド・ゴブリンです。博士がお作りになら…

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2020/09/02

【第一章 王都散策】第二話 おっさん教わる

 おっさんは、女子高校生を背中で隠しながら、出口の方にゆっくりと移動する。  できるだけ、武器を持った兵士との距離を開けるためだ。魔法が存在する世界なので、武器だけを警戒すればいいとは思っていない。しかし、武器は目に見える恐怖なのだ。武術の心得が、知り合いの剣道防具屋に誘われて始めた剣道くらいだ。  おっさんとブーリエの間に、宮廷魔術師についてきた魔術師の一人と侍女の一人が割り込んで来た。 「宰相閣下。彼らは、私の方でお話をいたします。宰相閣下は、勇者様をお願いいたします」  ブーリエも勇者の相手で忙しいの…

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2020/09/01

【第四章 マガラ神殿】第十三話 ポルタ村

 村長の首に当てている刀に力を入れる。刀身を手で掴もうとしたので、軽く蹴る。 「村長。なぜ、マヤを殺したのですか?」 「儂は、お前のことを・・・。そうだ、お前のことを考えて」 「はぁ?”俺のこと”を考えて?」 「そうじゃ。リンは、王都で暮らすにふさわしい。それに、どこで拾ってきたかわからない。血が繋がっていない妹なぞ、リンには必要ない。そうじゃ。儂が、邪魔な妹を排除してやった。お前には、領主様から女を与えてもらう。好きにしていい女だ」 「・・・」  首を落としたくなってしまう。  マヤのことを言っているのか…

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2020/09/01

【第一章 王都散策】第一話 おっさん交渉する

”陛下!まずは、勇者様たちのご確認をしなければなりません” ”そうであった。宰相!” ”はっ” ”貴様に任せる。良きに計らえ”  おっさんと女子高校生は、耳を澄ませて外から聞こえてくる言葉を聞いていた。  おっさんは、女子高校生と魔法陣の中央に居る5人に向けて”シィー”と口の閉じるように指示を出す、男子高校生が不満げになにか言おうとしたが側に居た女子高校生に諭されていた。 ”あぁ儂はアルシェ帝国の偉大なる宰相閣下である。エステバン・ブーリエだ。ブーリエ閣下と呼ぶように!” (ブーリエ・・・。ブタだ。確定だな…

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2020/08/31

【序章 勇者召喚】幕間 おっさんの仕事

 東京都内。神田神保町と言えば、古本屋が有名だが、一年を通してウィンタースポーツ用品を売る店舗が多くある。それに伴い、若者も多く訪れる街だ。スポーツ用品店は西日が入っても問題ないが、古本屋には西日は天敵だ。そのために、店舗の棲み分けもしっかりできていている不思議と融合された街になっている。  そんな神保町から靖国通りを東に進んだ場所に、小川町という街がある西に行けば神保町、東に行けば淡路町、もう少し進めば秋葉原。立地面は最高な場所である。喧騒もなく静かな街でもある。住宅街ではなくオフィス街になっている。  …

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2020/08/31

【序章 勇者召喚】第一話 おっさん召喚される

 大陸の覇者。そして、大陸4つある大国の一つであるアルシェ帝国。  首都にある皇帝が住む居城にある。玉座の間と呼ばれる場所は歓喜に包まれていた。 「おぉぉぉぉ!!!」  宮廷魔術師8名が成し遂げたのだ。 ”勇者召喚”  700年前に行われた儀式しか成功例がなく、4代皇帝の時代から禁忌に指定されていた儀式を宮廷魔術師たちが成功させたのだ。  玉座の間に広がる大きな魔法陣。  魔法陣には、大人の男性が1名。子供らしき男性が2名。同じく子供と思われる女性が4名。  召喚された勇者に違いない。その場に居た皆が魔法陣…

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2020/08/31

勇者召喚に巻き込まれたおっさんはウォッシュの魔法(必須:ウィッシュのポーズ)しか使えません。~大川大地と女子高校生と行く気ままな放浪生活~

 勇者召喚に巻き込まれた”おっさん”は、すぐにステータスを偽装した。  ろくでもない目的で、勇者召喚をしたのだと考えたからだ。  一緒に召喚された、女子高校生と城を抜け出して、王都を脱出する方法を考える。  ダメだ大人と、理不尽ないじめを受けていた女子高校生は、巻き込まれた勇者召喚で知り合った。二人と名字と名前を持つ猫(聖獣)とのスローライフは、いろいろな人を巻き込んでにぎやかになっていく。  おっさんは、日本に居た時と同じ仕事を行い始める。  女子高校生は、隠したスキルを使って、おっさんの仕事を手伝う(手…

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2020/08/31

【第二章 救出】第三十話

/*** イサーク Side ***/  食事を終えて、部屋を移動した。  少し低い感じの椅子があり、そこに腰掛ける形になった。フィリーネが、俺の正面に座って、新しくやってきた、ドリュアスが、ピムの正面に座る。  俺の右隣に、ナーシャが座って、左隣がピムだ、その隣に、ガーラントが座る形になった。  テーブルの上には、何種類かの飲み物が置かれている。  飲み物の他には、パンのようだけど、一口サイズの物が置かれて、それが乗っている皿には、蜂蜜だと思われる物と、赤い甘い匂いがする物と、柑橘の同じく甘い匂いがする物…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十九話

/*** フィリーネ Side ***/  私は、フィリーネ。大主様に仕える、ドリュアスの1人です。  ドリュアスの中で、名前持ちは、私と、もう1人だけなのです!  私たちは、ライ様の眷属である、スーン様の配下となるが、ライ様とスーン様から、大主様直轄になることを許されている。  他の眷属も同じ扱いだ。その中で、名前持ちは、魔蟲がそれぞれ6匹。最初に進化した者だと教えられた。エントも同じく、スーン様配下で5体が名前持ちになっている。ドリュアスは、スーン様からのご命令で、ヒト型になって、大主様のお世話をするメ…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十八話

/*** 獣人族 Side ***/ 「猫族よ。それは・・・いや、嘘を言ってもしょうがないな」 「エーリックたちは、知っていたのか?」  今まで、話の成り行きを見守っていた、ロロットが口を開いた。 「いや、もしかしてという気持ちは有ったが・・・伝説級の魔物を眷属に従えている。いや、伝説級に進化したのか?」  エーリックが、ロロットの問いかけに答える。  事実としては、”伝説級に進化した”が正解なのだが、今は、どちらでも結果は、変わらない。 「ヘルズ。これでわかったか?」  ロロットがヘルズに話しかける。 「…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十七話

 さて、どうしたものか?  目の前で行われている事を、どう理解したらいいのだろうか?  俺は、獣人族の救出を行った。ここまでは、俺の気分の問題だ。俺がやりたいから、”やった”だけだ。  救出した獣人族を引き連れて、拠点に帰ってみれば、岩山の麓に、石壁が出来上がっていた。どのくらいの長さがあるのだろうか?  確かに、”獣人族を連れて帰る”と伝えた、伝え方が悪かったのか?2,000名規模なら、こんなにいらないよな?  数キロ・・・スーンからの報告では、5キロ位になるのだろう。扇形に石壁が作られている。俺がなんと…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十六話

/*** スーン Side ***/  大主様が、明後日にはご帰還なさる。  獣人族を、1,274名引き連れてくるようだ。カイ様やライ様から、お聞きした所では、スキルカードや武装をかなりの数、確保されたようだ。  武装に関しては、大主様しか使わないのだが、人族の作る物の研究になるだろう。  当初、カイ様とウミ様が来られた時には、反抗的な態度を取って、ボコボコにされたのが懐かしい。”人族(カズト・ツクモ)に仕えないか?”と言われて、頭に来たのだが、エルダー・エントの我を軽く吹き飛ばす、カイ様と、スキルを使いこ…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十五話

 各所に網を張っていた、人族を倒して、捕まっていた、獣人族を解放していった。  中央に突っ込んでいった、ライとはすぐに合流できた、ライに付けた蜘蛛たちは、保護した獣人族や、捕縛した人族を、エイントたちが作っていた、退避場所に送ったと言っていた。  残ったのは、ライと、一回り大きいリーダに指名した蜘蛛だけだ。  俺と、カイとライで、ウミの援軍に向かう事にした。  苦戦しているわけではなく、捕えられていた獣人族が多いのと、人族も多いので、移動が難しいと連絡が入っている。 「ライ。近くに居る、エントやビーナやアン…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十四話

/***** カズト・ツクモ Side *****/ 「エーリック。戦闘場所に検討がつくのか?」 「すまん。いえ、すみません。話から、黒豹族辺りだとは思います」 「エーリック。別に、言葉遣いは、普段のままでいいぞ。それよりも、場所か・・・戦闘が行われている。そうか!」 『ライ。近くに、スーンの手の者がいるよな?』 『うん』 『逃げた獣人たちは保護しているのだよな?』  近くに居るエントから念話が届く。 『はい。大主のお言いつけ通りに』 『案内はどうしている?』 『エントとドリュアスを付けています』 『わかっ…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十三話

/***** 3人の獣人 Side *****/  スーンが、部屋から出ていった。 「ふぅー」「死んだかと思った」「・・・」 「豹族の。お主」 「すまん。俺は、ブリット=マリー。ブリットと呼んでくれ。白狼族の、熊族の、すまん」  豹族の男は、頭を下げる。  事実、熊族や白狼族が言っている事はわかるが、3人居ればなんとかなると思っていたのも事実だ。それが、見透かされて、殺気だけで、心が折れてしまいそうになる。なんとか踏みとどまったのは、自分の肩に、豹族の命運がかかっている。それだけで、踏みとどまれた。 「いい…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十二話

「それで?」 「はい。奴隷商人も捕えております」 「そっちはいい。獣人族は?」  夕方の時間帯に、野営していた奴隷商人たちを急襲した。  戦闘は、10分もかからず終わったようだ。こちらには犠牲者はいないということだ。奴隷商人の側にも、怪我程度の者は居るらしいが死亡者はいないということで、参加した者たちを褒めることにした。  捕えられていた獣人族も最初は戸惑っていたようだが、食事を与えた所、落ち着いてきたと言う。  眷属たちが護衛している場所で一晩を過ごしてもらうことにした。奴隷商人は、全員に目隠しをして、こ…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十一話

/***** イサーク Side *****/  俺は今猛烈に後悔している。  逃げるのが正解だったのではと思い始めている。しかし、逃げられるものではないと理解もしている。  ガーラントが小声で教えてくれた。  聞かなければよかったと思った。  俺たちを案内した4人だが、エントとドリュアスだという事が判明した。その上位者が居るという事は、エルダーエントである可能性が高い。  エルダーエント。  ”万物を知るもの”。”森の賢者”。そして、ブルーフォレストの支配層の一角。  それを従える者が居る。  俺たちは、…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第二十話

/***** ピム Side *****/  僕はいま執事に抱きかかえられながら、ブルーフォレストの中を疾走しています。  当初は、僕も一緒に歩いていましたが、休憩時に、日数的にギリギリだと執事に相談した所、今のような所業になったのです。  なにこの速度?僕が普通に走るよりも早いそれだけではなく、近寄ってくる魔物を瞬殺している。  目で追っていると、瞬殺された魔物を、フォレストビーナが抱えて持っていっている。あぁこうして、危険が無いように間引いているのだな。  約4日かかった経路が、半日で踏破されてしまいま…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十九話

 俺は、柄にもなく緊張していた。  今日始めて眷属以外の人と会うのだ。数日前から、エントやドリュアスに、客人への対応を教えていた。  教えると言っていたが、俺のリハビリでもある。  生前?は、いろんな人種に会ったが、失礼が無いように事前に知識を入れていたりしたが、こちらの人間の情報はあまりなかった。礼儀作法なんて知識も、与えられていない。もちろん、カイやウミやライは知らないようだし、エントやドリュアスも同じだ。  そこで、俺が考える・・・旅館のシステムを作ったときに、女将に聞いた最低限の礼儀作法(の触り)を…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十八話

/***** ピム Side *****/  岩山の麓で一晩過ごした。  ブルーフォレストの奥地だ。イサークが目指していた山だが、近づいて、その切り立った山肌を目の当たりにすると、ヒルマウンテンだと認識できた。ミュルダから見える山が目の前にある。ミュルダから見える山肌は切り立った崖の様になっていて、サラトガやアンクラムから見える山肌は、木々が生い茂る普通の高い山に見えるのだ。  僕ら、ミュルダで生まれ育った者たちに取ったら、ヒルマウンテンは、”悪いことしたら、ヒルマウンテンに捨てるからな”と言われて育ってき…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十七話

 俺の所に、冒険者から”会談を申し込む”と、いう連絡が来た。正確には、俺ではない。  ”デススパイダー・デスアント・デスビーナの主人に会って話がしたい”と書かれていた。それなら、ライやヌラ/ゼーロ/ヌルなのだろうけど、話ができるとは思えないし、本蟲?から、俺が大主だから、俺が出るのが良いという事になった。  相手も、”あるじ”が言葉が通じるのかわからないようで、羊皮紙に書かれた会談の申し込みを、俺が用意した温泉に貼り付けていったようだ。  言葉が理解できれば、これを持っていくだろうと考えた結果だ。先に、自分…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十六話

 45階層のセーフゾーンは、いつものようになっている。  スキルは、レベル6石化がもらえたようだ。カイとウミとライと、眷属たちも無事スキルを得ている。初踏破時のボーナスは、どうなっているのかわからないが、少しだけいいものが出る時に、全く”ハズレ”の時がある。ガチャだと思っていればいいのだろう。  人数?的な縛りは無いが、ボス戦に参加していなかった者は、通常の踏破ボーナス相当で、初踏破ボーナスは、ボス戦に”はじめから”参加していた者だけで、呼子で呼び寄せた場合は対象にはならない。それでは、最初から大量に連れて…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十五話

 やっと44階層フロアボスの前に来ている。  長かった、主に、カイとウミの喧嘩が、兄妹喧嘩だったのだが、兄が妹に勝てるはずもなく、ウミの主張が通された。  結局、どちらの主張を採用しても、大きな違いがないことは、すぐにわかったんだが、それでもカイとウミは納得できなかったようで、同じ場所にたどり着くのに、二種類の経路をたどることになった 「二人とも満足したか?」 『主様。申し訳ありません』『カズ兄ごめん』 『ウミ。何度も言いますが、主様に向かって!』『だってぇカズ兄は、カズ兄だよ』  はぁいつもの・・・ 「二…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十四話

 俺たちは、朝起きてから、夕方から夜にかけて発生した事を、ライの眷属から報告を受けた。  どうやら、森の中に4人の人族が紛れ込んでいるらしい。魔物を倒しながら、山を目指しているという事なので、こちらに来ているわけではなさそうだ。そこで、蜘蛛と蟻に、人族の様子を見守るようにお願いした。  何か目的らしき物がわかったら、報告するようにお願いした。死なれるのも、目覚めが悪そうなので、水場と狩場がある場所に誘導するようにもお願いした。当面は、、自分たちでやってもらう事にした。  誘導もそれほど難しい事ではなく、ブル…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十三話

/***** ??? Side *****/  三人の冒険者は、サラトガの街を出て、ブルーフォレストの中を進んでいた。  そこに、一人の男性が合流してきた。  リーダ格の男性が女性を気にしながら、合流してきた小柄な男性に声をかける 「どうだ?」 「やっぱり、街道は駄目な様だ」  小柄な男性は、もうひとりの大柄な男性から、水筒をもらって、口に含む。  落ち合ったのは、ブルーフォレストの中だが、魔物やダンジョンに向かう者たちを避けていたので、通常ルートからかなり外れている 「そうか、ブルーフォレストに逃げ込んで…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十二話

 水路を作った翌日堀に十分な水が溜まっている事を確認した。排水用の水路も完成しているらしいので、水が出ているのかを確認した。  立派に、岩の隙間から水が出ている。洞窟の入り口を隠すように綺麗に流れている。  カイとウミは、引き続き44階層の探索を行っている。ライも昨日と同じだ。  堀ができたので、ログハウスの周りの畑仕事を行う事にしている。スキルの実験過程で見つけた使い方だが、速度向上スキルを付与した魔核を畑に入れる事で、果物が俺の常識以上の速度で成長した。  スキルの合計枚もかなりの数が溜まってきている。…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十一話

 気がついたら、転移(転生)してきてから、2年が過ぎた。  洞窟での生活が快適すぎる。ヌルゲーをやっているような感覚だ。転移してきた当初は、食べ物や飲み物に困ったが、飲み物は、スキルを付与した魔核で水が生み出される。それだけではなく、スキルの組み合わせで、エアコンのような物を作る事ができた。  食べ物も、ダンジョン攻略を行っている過程で、食用に適した魔物を倒して、食べている。果物も、十分な量が確保できている。  野菜に関しても、森に自生していた物を、実験的に栽培を行って、現在では食べきれないくらいの量が確保…

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2020/08/31

【序章】第十話

 魔蟲が来てから、洞窟内が劇的に変化した。  当初、炊事場で火を炊いたら当然の様に、煙が洞窟の中に滞留した。それを解決したのが、蟻だった。炊事場から、上に抜ける穴を作成した。竈も、蟻たちが、俺の指示に従って作ってくれる。煙突状に伸びた穴に、煙が誘導されるように”頑張って”設計した。  寝床も同じ様に、蟻たちが作ってくれる。蜘蛛たちの協力で、布団もできた。蜘蛛は糸を自由に組み合わせる事ができるようだ。その蜘蛛の糸を使って、器用に布を作っていた。布団の中身は、森に生息していた、水鳥の羽を使った。匂いや油分は、何…

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