サイト小説の記事一覧
2020/09/20
【第一章 王都散策】第十三話 おっさん会話をする
まーさんは、内扉がノックされる音で目を覚ました。 (誰だ?あぁそうか、カリンしか居ないな) 「いいよ。こちらには鍵はかけていない」 「まーさん。入って大丈夫?」 「あぁ」 鍵が開けられる音がする。 内扉には両方に鍵が付けられている。カリンは自分の部屋に付けられていた鍵を開けて、扉を開けた。 「本当だ。まーさん。不用心だよ?」 「ん?カリンは、俺を襲うのか?」 「え?あっ!」 カリンは、自分が開けた扉が内扉だと気がついた。自分が開けなければ、誰も開けないのだ。 「いいよ。それで、こんな時間に訪ねてきた…
続きを読む2020/09/17
【第九章 神殿の価値】第二十四話 住民代表会
ヤスの宣言を、大木の都(ヒュージツリーラント)の代表者で協議した。 実行してもいいだろうと賛成したのは、アフネスとサンドラとルーサとイワンとラナだ。反対したのは、エアハルトとドーリスだ。意見を保留したのは、ヴェストとデイトリッヒだ。デイトリッヒは、冒険者の取りまとめとして参加している。ラナは、住民の代表として参加した。 賛成した者の意見は、別段反対する理由がないという意見だ。アフネスはユーラットに溜まっている貴族からの間者が居なくなれば嬉しいという考えが根本にある。サンドラは、うるさい貴族の問題が片付…
続きを読む2020/09/17
【第一章 王都散策】第十二話 おっさん部屋に入る
イーリスから話を聞いてから、まーさんとカリンは部屋に移動した。 割り当てられた部屋は、隣り合っている。 まーさんは、ベッドで横になると、目をつぶった。疲れていると認識はしているが、眠いわけではない。 (異世界転移か・・・。シンイチ辺りが聞いたら喜ぶか?それとも、カズトの方が好きそうな展開だな。意外な所では、ヤスシ辺りも好きそうだな。シンイチは過労死だったな。カズトも取引をしていた会社を首になった奴に殺された。ヤスシもトラックごと行方不明。あいつらとサクラとカツミだけか・・・) まーさんは、20歳を越…
続きを読む2020/09/14
【第一章 王都散策】第十一話 おっさん話をする
目の前に置かれた紅茶から湯気が立たなくなった位で、イーリスが部屋に入ってきた。 「おまたせしましてもうしわけございません」 「いや、いい。新しいお茶を貰えるか?」 「・・・。はい」 イーリスは、扉の側に控えていたメイドに目配せをした。 扉が開いた音がして、部屋からメイドが出ていった。 「常識が違う可能性があるから参考程度に聞いて欲しい」 「はい」 「待たせる可能性があるのなら、温かいお茶を客だけに出すな。そして、急に来られなくなったのなら、伝言を誰かに持たせろ」 「あっ」 「まーさん。まーさん」 「ど…
続きを読む2020/09/12
【第一章 王都散策】第十話 おっさん王都を移動する
王城を出て、待っていた馬車に乗り込んだ。王城を出てすぐの場所で待機していたようだ。 「まー様。馬車に乗ってください」 「イーリスから乗らないとおかしいだろう?」 「それもそうですね」 イーリスが、従者と馬車に乗り込む。まーさんとカリンは、周りを警戒するフリをして辺りを見る。 「まーさん」 「見られているな?」 「やっぱり!どうします?」 『にゃ!』 まーさんの懐に入っていた、バステトがまーさんの肩に乗って、二人を見ている方向を向いて鳴き声を上げた。 「バステト?」 『ふにゃ?』 「ふふふ。可愛いですね…
続きを読む2020/09/10
【第一章 王都散策】第九話 おっさん王城を出る
ドアがノックされた。 まーさんとカリンは、テーブルの上に置いていた物でロッセルとイーリスに渡す物以外を、カリンの収納に隠した。バステトの収納もあるが、コミュニケーションの問題もあるので、まずは簡単にしまえる。カリンの収納に全部を入れた。 「カリンさんは、大丈夫?」 「まーさん。私のことは、呼び捨てにしてください」 「ん?カリンと呼べばいい?カーテローゼさん」 「はい!カリンでお願いします。ネットゲームでも同じように呼ばれていました」 「わかった。パステトさんは?」 『にゃぁ!』 「呼び捨てでいいのですか…
続きを読む2020/09/09
【第三章 ダンジョン攻略】第七十九話 地下へ
最下層の話を除いて、説明を終えた所で、カルラは資料をまとめたいと言い出した。 「わかった。どのくらいの時間が必要だ?」 「一日・・・。いや、10時間ほどでまとめます」 「ホームへの資料と、どっかの辺境伯の娘に出す資料だろう?しっかりとまとめてくれ」 「・・・」 「明日一日を資料の作成に使ってくれ、俺はこの部屋で休んでいる。質問があれば訪ねてきてくれ」 カルラはびっくりした表情をするが、慌てて表情を戻して、頭を下げる。 アルも、慌てて頭を下げてから部屋を出ていった。 残されたメイドに、寝られる場所の確…
続きを読む2020/09/08
【第九章 神殿の価値】第二十三話 サンドラへの説明
セバスに連れられて、サンドラが部屋に入ってきた。 「ヤス様。先程の学園村ですが、イワン殿とルーサ殿とヴェスト殿とエアハルト殿とアデーは、賛成しています。ドーリスとアフネス様は、連絡が取れなかったので、後ほど連絡します。クラウス辺境伯。ハインツお兄様は、会議に出ていまして不在でした。家令のガイストに伝言を頼んであります」 部屋に入ってきて、サンドラは状況をヤスに伝える。 「わかった。ドーリスとアフネスの賛成を持って、学園村の建設を始めようと思う。皆で規模を決めてくれ」 「はい」 「場所はこちらで決めるが、…
続きを読む2020/09/08
【第一章 王都散策】第八話 おっさん誂う
ロッセルとイーリスが部屋から出ていったのを確認して、二人は荷物をテーブルに広げる。 「まーさん。本当に、何者ですか?」 「どうして?」 まーさんがポーチから取り出した物を見て、糸野(いとの)夕花(ゆうか)は固まっていた。 不思議な表情で物品を眺めてから、まーさんに質問をした。 「このスマートウォッチ・・・。最新機種ですよ?それが、二つ?それに、折りたたみ式のソーラパネルに、このケーブル・・・。IT会社の人なのですか?」 「あぁ違う。違う。ただ、知り合いに、そういうのが好きな奴が居て、仕事を流したお礼に…
続きを読む2020/09/07
【第四章 マガラ神殿】第十五話 ミトナル=アカマース・マノーラ
「ミル。この部屋を使ってくれ」 ミルを案内した部屋は、マヤの部屋だ。破壊された家の中で比較的に破壊が少なかった部屋だ。荷物が少なく、見ただけで何も無いのがわかるためだろう。 「この部屋?僕、リンと同じ部屋でも・・・」 「駄目だ」 「わかった。この部屋は?」 「マヤが使っていた部屋だ。ミルなら使っても文句は言わないだろう」 「・・・。ありがとう」 ミルの”ありがとう”の意味がわからなかった。 「リン。マヤの部屋に入る前に、僕・・・。水浴びがしたい。汗や血で汚れているから、マヤに失礼」 「あぁ悪い。気が付か…
続きを読む2020/09/07
【第九章 神殿の価値】第二十二話 ヤスの判断
「それで?」 サンドラは、次の話をする前に、資料をヤスに見せる。 「ヤス様。話は一つですが、その前に状況をお伝えします」 「頼む」 「はい。リップル子爵家から始まった騒動ですが、セバス殿やツバキ殿のご協力を得て、証拠が固められました。本来なら、王家がヤス様にお礼を言いに来るのが筋ですが・・・」 「必要ない」 「ありがとうございます。既に、ヤス様にご報告の通りに、指示を出した、公爵家と侯爵家は当主の交代と、領地の没収が完了しております」 「あぁ聞いている。クラウス殿の領地が増えるのだろう?寄り子に任せたとは…
続きを読む2020/09/07
【第一章 王都散策】第七話 おっさん考える
「それでは、まー様。対価はどうしたら良いでしょうか?研究所も、私も自由になるイェーンは多くありません」 「イェーンは、出来る範囲で構わない。それよりも、本には本で対価を支払って欲しい」 「本ですか?」 「研究所なのだろう?初代が書いた魔導書とかの写しがあるよな?俺たちには、使えばなくなってしまうイェーンをもらうよりも、情報がまとめられている本の方が嬉しい」 イーリスは少しだけ考えて、おっさんに二つの条件を提示した。 「まー様。二つの条件をご承諾いただければ、初代様のことが書かれている書籍をお渡し致します」…
続きを読む2020/09/06
【第一章 王都散策】第六話 おっさん取引を申し出る
「まーさん様」 「様はやめてくれ、まーさんでいい。それに、”さん”は敬称の役目を持っている」 「それなら、まー様ですね」 おっさんは、”まー様”とか呼ばれるのは初めてではない。融通がきかない真面目なやつほど同じことを言う。あとは、ピンポイントでおっさんが嫌がる呼び名を突いてくる奴が出てくる。目の前に居る女性は、間違いなく後者だと認識をした。 糸野(いとの)夕花(ゆうか)は”まー様・・・。マーライオンみたい”と言い出して笑いをこらえている。おっさんに気が付かれていないと思っていたが、おっさんはしっかりと聞…
続きを読む2020/09/05
【第九章 神殿の価値】第二十一話 サンドラへの提案
ヤスは、サンドラからの二つの報告を聞いて、少しの休憩を挟んだ。ヤスの問題ではなく、サンドラの体調を考えてのことだ。 会議に参加はしていなかったが、マルスからの指示を受けて、ツバキがタイミングを見て飲み物の替えを用意した。一段落したタイミングで飲み物の交換なのだが、サンドラの分だけしか用意されていなかった。 ツバキがお茶を替えている時に、セバスがヤスを探していると告げた。強制的に中断させる方法を取ったのだ。 部屋から一時的に出ていくヤスを、サンドラは見送った。気を使われているのだと解ったが、確かに休憩…
続きを読む2020/09/05
【第一章 王都散策】第五話 おっさん忠告する
糸野(いとの)夕花(ゆうか)は、女子高校生らしく寝る時にスマホのアラームを設定していた。 アラームで起きた糸野(いとの)夕花(ゆうか)は、部屋の鍵を開けてリビングに戻った。 「え?まーさん。寝ていなかったのですか?」 ソファーで考え事をしていたまーさんをみて、糸野(いとの)夕花(ゆうか)は寝ていないと思ったのだが、1時間の睡眠では意味がないと考えて、状況を整理していただけだ。 「大丈夫だよ。おっさんになると睡眠が浅くて・・・ね」 「はぁ・・・」 「糸野(いとの)さんはもう大丈夫?また難しい会話をするか…
続きを読む2020/09/05
【第三章 ダンジョン攻略】第七十八話 地上で
転移してきたのは、他の階層から戻ってくる時の同じ場所だ。 周りには誰も居なかった。もしかしたら、深夜帯なのかもしれない。24時間で待機はしているのだが、深夜は冒険者の動きも少ないので、監視員の数が少なくなっている。 カードを示して、外に出る。周りは暗くまだ夜の時間帯だが、東の空が朝焼けに染まりつつ有るので、日の出が近いのかもしれない。 ホームには向かわずに、そのまま、街の外に作った、村に向かう。 村はすでに動き出している。鍛冶職が多いので、昼夜の区別をしないで人が動いている。それに生活スタイルが合…
続きを読む2020/09/04
【第四章 マガラ神殿】第十四話 襲撃者(仮)
ロルフたちが襲撃者(仮)を捕獲するために、出ていった。 戦闘音が聞こえないから、戦闘にはなっていないのだろう。もしかしたら、一瞬で勝負がついたのかもしれない。 リデルの眷属たちが作った塀に座って、村を見る。 耳を澄ますと、大人たちが何かを叫んでいる。食料庫が燃えているのだ、当然だろう。それだけではなく、今まで無かった村を囲うように出来た壁も恐怖の対象なのだろう。 女性が村の中央広場に出てきて、何か怒鳴っている。数回だけだが言葉を交わしたことがあるのでわかるが、サラナの母親だ。金切り声(かなきりごえ…
続きを読む2020/09/04
【第一章 王都散策】第四話 おっさん知る
おっさんは立ち上がって、居なかったら”恥ずかしい”と思いながら扉を開ける。 無事ロッセルと侍女が扉の脇で荷物を持って待っていた。侍女は、何やらカートの様な物まで持ってきていた。 「もうよろしいのですか?」 「話は終わった」 おっさんは二人を中に入れる。 「まずは、ロッセル殿に頼みがある」 「なんでしょうか?」 「謁見の間がどうなっているのか教えて欲しい。それから、俺たち二人の処遇に関してなにか言われているのか?」 ロッセルはおっさんの質問に眉を動かす。おっさんは、ロッセルの表情を見逃さない。 しか…
続きを読む2020/09/04
【第九章 神殿の価値】第二十話 サンドラからの報告
大木の都(ヒュージツリーラント)に住む者たちは順調に増えている。しかし、神殿の都(テンプルシュテット)に住む者たちは増えていない。 カイルとイチカたちは、神殿の都(テンプルシュテット)で受け入れた。その後に、帝国で二級国民になっていた子どもたちも受け入れた。ヤスが決定したことなので、異議を唱える者は居なかった。神殿の都(テンプルシュテット)に住むには、マルスの審査が必要になる。厳しい審査だ。審査基準が公開されていないので、敬遠する者も多いのだ。しかし、他の村では、審査は王国の町や都市に近い状況なので、移…
続きを読む2020/09/03
【第一章 王都散策】第三話 おっさん偽る
ロッセルは侍女が帰ってくる前に部屋を出た。 おっさんと女子高校生に”この部屋は自由に使ってください”と言っている。部屋の説明を簡単にした後で、左右にも部屋があり。おっさんと女子高校生の部屋に使って欲しいと告げてから出ていった。 「さて」 おっさんは、女子高校生の横から正面に移動した。 「俺のことは、まーさんと呼んで欲しい。他にも呼ばれていたが、まーさんが一番しっくりくる」 「わかりました。私は、糸野(いとの)夕花(ゆうか)と言います。17歳の高校生です」 「へぇそれが制服だとすると、町田にある駅名にも…
続きを読む2020/09/02
【第三章 ダンジョン攻略】第七十七話 地上へ
「アイ。最下層に流れ着いた魔道具はどこにある?」 ”こっちです” AI(アイ)に連れられて入った部屋は、機材が雑多に置かれている場所だ。ハーフラックらしき物が見える。 「アイ。この部屋に出現するのか?」 ”違います。この奥の部屋で、魔道具が出たら、この部屋に置いていきます” 「移動は、アイが?」 ”いえ・・・。ほら、出てきました” そうだよな。 ここはダンジョンで、魔物に指示を出すことも可能なのだろう。 「ゴブリン。いや、ホブゴブリンか?」 ”違います。ヒューマノイド・ゴブリンです。博士がお作りになら…
続きを読む2020/09/02
【第一章 王都散策】第二話 おっさん教わる
おっさんは、女子高校生を背中で隠しながら、出口の方にゆっくりと移動する。 できるだけ、武器を持った兵士との距離を開けるためだ。魔法が存在する世界なので、武器だけを警戒すればいいとは思っていない。しかし、武器は目に見える恐怖なのだ。武術の心得が、知り合いの剣道防具屋に誘われて始めた剣道くらいだ。 おっさんとブーリエの間に、宮廷魔術師についてきた魔術師の一人と侍女の一人が割り込んで来た。 「宰相閣下。彼らは、私の方でお話をいたします。宰相閣下は、勇者様をお願いいたします」 ブーリエも勇者の相手で忙しいの…
続きを読む2020/09/01
【第四章 マガラ神殿】第十三話 ポルタ村
村長の首に当てている刀に力を入れる。刀身を手で掴もうとしたので、軽く蹴る。 「村長。なぜ、マヤを殺したのですか?」 「儂は、お前のことを・・・。そうだ、お前のことを考えて」 「はぁ?”俺のこと”を考えて?」 「そうじゃ。リンは、王都で暮らすにふさわしい。それに、どこで拾ってきたかわからない。血が繋がっていない妹なぞ、リンには必要ない。そうじゃ。儂が、邪魔な妹を排除してやった。お前には、領主様から女を与えてもらう。好きにしていい女だ」 「・・・」 首を落としたくなってしまう。 マヤのことを言っているのか…
続きを読む2020/09/01
【第一章 王都散策】第一話 おっさん交渉する
”陛下!まずは、勇者様たちのご確認をしなければなりません” ”そうであった。宰相!” ”はっ” ”貴様に任せる。良きに計らえ” おっさんと女子高校生は、耳を澄ませて外から聞こえてくる言葉を聞いていた。 おっさんは、女子高校生と魔法陣の中央に居る5人に向けて”シィー”と口の閉じるように指示を出す、男子高校生が不満げになにか言おうとしたが側に居た女子高校生に諭されていた。 ”あぁ儂はアルシェ帝国の偉大なる宰相閣下である。エステバン・ブーリエだ。ブーリエ閣下と呼ぶように!” (ブーリエ・・・。ブタだ。確定だな…
続きを読む2020/08/31
【序章 勇者召喚】幕間 おっさんの仕事
東京都内。神田神保町と言えば、古本屋が有名だが、一年を通してウィンタースポーツ用品を売る店舗が多くある。それに伴い、若者も多く訪れる街だ。スポーツ用品店は西日が入っても問題ないが、古本屋には西日は天敵だ。そのために、店舗の棲み分けもしっかりできていている不思議と融合された街になっている。 そんな神保町から靖国通りを東に進んだ場所に、小川町という街がある西に行けば神保町、東に行けば淡路町、もう少し進めば秋葉原。立地面は最高な場所である。喧騒もなく静かな街でもある。住宅街ではなくオフィス街になっている。 …
続きを読む2020/08/31
【序章 勇者召喚】第一話 おっさん召喚される
大陸の覇者。そして、大陸4つある大国の一つであるアルシェ帝国。 首都にある皇帝が住む居城にある。玉座の間と呼ばれる場所は歓喜に包まれていた。 「おぉぉぉぉ!!!」 宮廷魔術師8名が成し遂げたのだ。 ”勇者召喚” 700年前に行われた儀式しか成功例がなく、4代皇帝の時代から禁忌に指定されていた儀式を宮廷魔術師たちが成功させたのだ。 玉座の間に広がる大きな魔法陣。 魔法陣には、大人の男性が1名。子供らしき男性が2名。同じく子供と思われる女性が4名。 召喚された勇者に違いない。その場に居た皆が魔法陣…
続きを読む2020/08/31
勇者召喚に巻き込まれたおっさんはウォッシュの魔法(必須:ウィッシュのポーズ)しか使えません。~大川大地と女子高校生と行く気ままな放浪生活~
勇者召喚に巻き込まれた”おっさん”は、すぐにステータスを偽装した。 ろくでもない目的で、勇者召喚をしたのだと考えたからだ。 一緒に召喚された、女子高校生と城を抜け出して、王都を脱出する方法を考える。 ダメだ大人と、理不尽ないじめを受けていた女子高校生は、巻き込まれた勇者召喚で知り合った。二人と名字と名前を持つ猫(聖獣)とのスローライフは、いろいろな人を巻き込んでにぎやかになっていく。 おっさんは、日本に居た時と同じ仕事を行い始める。 女子高校生は、隠したスキルを使って、おっさんの仕事を手伝う(手…
続きを読む2020/08/31
【第二章 救出】第三十話
/*** イサーク Side ***/ 食事を終えて、部屋を移動した。 少し低い感じの椅子があり、そこに腰掛ける形になった。フィリーネが、俺の正面に座って、新しくやってきた、ドリュアスが、ピムの正面に座る。 俺の右隣に、ナーシャが座って、左隣がピムだ、その隣に、ガーラントが座る形になった。 テーブルの上には、何種類かの飲み物が置かれている。 飲み物の他には、パンのようだけど、一口サイズの物が置かれて、それが乗っている皿には、蜂蜜だと思われる物と、赤い甘い匂いがする物と、柑橘の同じく甘い匂いがする物…
続きを読む2020/08/31
【第二章 救出】第二十九話
/*** フィリーネ Side ***/ 私は、フィリーネ。大主様に仕える、ドリュアスの1人です。 ドリュアスの中で、名前持ちは、私と、もう1人だけなのです! 私たちは、ライ様の眷属である、スーン様の配下となるが、ライ様とスーン様から、大主様直轄になることを許されている。 他の眷属も同じ扱いだ。その中で、名前持ちは、魔蟲がそれぞれ6匹。最初に進化した者だと教えられた。エントも同じく、スーン様配下で5体が名前持ちになっている。ドリュアスは、スーン様からのご命令で、ヒト型になって、大主様のお世話をするメ…
続きを読む2020/08/31
【第二章 救出】第二十八話
/*** 獣人族 Side ***/ 「猫族よ。それは・・・いや、嘘を言ってもしょうがないな」 「エーリックたちは、知っていたのか?」 今まで、話の成り行きを見守っていた、ロロットが口を開いた。 「いや、もしかしてという気持ちは有ったが・・・伝説級の魔物を眷属に従えている。いや、伝説級に進化したのか?」 エーリックが、ロロットの問いかけに答える。 事実としては、”伝説級に進化した”が正解なのだが、今は、どちらでも結果は、変わらない。 「ヘルズ。これでわかったか?」 ロロットがヘルズに話しかける。 「…
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