サイト小説の記事一覧

2020/08/31

【序章】第九話

『カズトさま』『あるじさま』  ウルズに、転移門を作ってもらって・・・。  部屋に帰って来て、寝てしまったのだったな。さて、暗闇だと、時間が曖昧になるし、この身体にも良くないだろう。ダンジョン攻略に行く前に、周りを散歩してきてから赴く事にしよう。 「カイ。ライ。おはよう。ウミは?」 『ウミは、外であそ・・・警戒しに行っています』 「いいよ。遊びに行くで・・・俺たちも行こう」 『はい』『はぁーい』  洞窟を出ると、いい天気の空が広がっている。さて、ウミを探すか? 「カイ。ライ。ウミを探してくれ、俺は、裏にある…

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2020/08/31

【序章】第八話

 ライに洞窟の拡張をお願いして、俺は、カイとウミと洞窟の周りを探索する事にした。  敵性生物の存在も気になるが、植生や水場なども気になっている。できれば、近くで確保できたほうが嬉しい。 「カイ。ウミ。魔物をさけて周囲を回りたいができるか?」 『容易な事です』『もちろんです』  カイとウミから、明快な答えが返ってくる。  周辺と言っても、何が有るのかわからないので、洞窟がある岩山を”まず”は一周する事にした。  カイとウミが先導する形で、岩山を右回りで進んでいく。小高い感じになっている場所だが、洞窟の前の開け…

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2020/08/31

【序章】第七話

 階段を降りた場所は、20畳くらいだろうか?広場になっている。ここは、安全地帯になっているようだ。  魔物の気配がない。ダンジョン固有の事なのだろう、”最初”の部屋には、魔物が出入りできない何かが有るのだろう。ここに、転移してくる事になっているのだとしたら、安全の確保にもなるのかもしれないな。  戻るにしろ、進むにしろ、一旦休憩する事にした。ライに、果物と水を出してもらう。水は、作ったコップ(元水筒)で受け止める。カイとウミの為に、水を飲めるように作った深皿を出す。  他に入り口もないらしいし、俺たちしか居…

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2020/08/31

【序章】第六話

/*** カズト・ツクモ Side ***/  足のしびれが気になって起きてしまった。  スカーフで作った掛け布団を取ると、カイは俺の横で丸まっている。ライは、寝ているのかわからないが、カイの側でじっとしている。問題は、ウミだ。ウミは、俺の足・・・腿に捕まるようにして寝ている。安心しているのだろう事は解るが、一晩中その体制だったとしたら、足がしびれていても不思議ではない。軽く爪も食い込んで、微妙に痛い。  ウミを起こして、カイとライも起こす。 『カズト様。今日は?』 「あぁご飯を食べたら、新しくできていた場…

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2020/08/31

【序章】第五話

 分かれ道を、右側に行く。  勾配のゆるい坂道を上っていく、今度は、ほんの少し歩いただけで、広い空間にたどり着いた。  おぉぉ沢山溜め込んだようだな。  でも、ゴミばかりだな。  その場所に有ったのは、錆びた剣や壊れた盾や防具。  ナイフの様な物もあるが使えそうにない。水筒の様な水差しや鍋の様な物まである。  ゴブリン共が、襲った人族から奪ってきたのだろうか?  通貨になりそうな物はなさそうだな。  丸められた、羊皮紙が数個見つかる。こんな物まで溜め込んでいたのか。  一つは、周辺の地図なのだろう。小川が書…

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2020/08/31

【序章】第四話

「カイ。ウミ。この辺りに、洞窟は有ったか?」 『・・・』『あったけど・・・』  二匹が言い淀んだ所から、二匹が根城にしていた場所なのだろう。 「どのくらいの魔物が入り込んでいる?」 『え?あっ僕たちが確認した時には、20体位でした』『うん』  20体か・・・以外と多いな。草を抜いて、地面を露出させる。 「カイ。ウミ。覚えている限りでいいから、その洞窟を書いてみてくれないか?」 『はい』『わかった』  二匹は、何かいいながら、地面に洞窟の見取り図を書いていく。  どうやら、入り口は一つで、それほど大きくないよ…

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2020/08/31

【序章】第三話

 違和感で目を覚ました。  手足は動く、仕事でパイプ椅子3個で寝た時のような疲れではない。  起き上がると、二匹の猫?が、足に絡みついていた。  魔物!?猫?は、寝ているようだ。火に、誘われてきたのだろうか?  茶トラと言われても納得してしまいそうな猫が二匹。短毛と、長毛の違いはあるが、顔立ちや体格が似ている。兄弟なのかもしれない。  そうだ。眷属化を試そう。できてしまった場合には、食い扶持が増えてしまうが、なんとかなるだろう。  短毛の猫に優しく触れて。”眷属化”のスキルを発動する。  短毛の猫が、目を覚…

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2020/08/31

【序章】第二話

 光が消え、あたりを見回してみると、草原の中に、一人立っていた。  約束通り、人が居ない所で、魔物も弱い所に、転移してくれたと思って良さそうだ。  それよりも、本当に転移したのだな。  それに、若返っている。これじゃ、転移系の定番、地球に戻るはなさそうだな。まぁ一度死んだと思って、こちらの世界を楽しむ事にするか!  まずは、知識の確認をしないとな。  言語は、統一されていないのか・・・・。ん?言語?  まずい、そう言えば、言語の事を聞き忘れていた。簡単な英語はできるけど、英語では通じないだろうし、それ以外で…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第七十六話 イヴァンタール博士

 四枚目を読み始める。  イヴァンタール博士は、やはり、AI(アイ)を作ったのだと書かれている。身体は、人造人間(ホムンクルス)なのだと書かれている。人でない理由は、永遠に生きる理由を、”転生して来た魂を博士が無理やり押し込んだ”と信じ込ませるためだと書かれていた。他にも理由があるのだろうが、それ以外には書かれていない。  魔法生物は、俺が魔法で作る”龍”と似て非なるもののようだ。魔物の心臓と魔核を使って居るようだ。  そして、肝心の性格は”パソコンのAI”を埋め込んだと書かれている。記憶が出来て、教えた通…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第七十五話 懐かしの匂い

 目に入ってきたのが”馴染みのある”光だ。蛍光灯だ。LEDではなく、白色灯だ。電気も無いのに、白色灯が灯るわけがない。地球に繋がっているのか?  部屋に足を踏み入れる。  俺が使っていた地下室に似ているが、決定的に違うのは、壁一面に大小様々なディスプレイが配置されている。正直に言おう、憧れる。  中央には、ディスプレイを3枚並べた状態で配置されている。  事務机ではなく、この世界の標準的な机だ。キーボードもマウスも存在している。  近づいてみると、OSはよくわからない。コマンドラインのよう見える物もあれば、…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第七十四話 攻略??

 そして、扉には、何やら文字が書かれている。 「はぁ????なんで?」  扉には、”なぞなぞ”が、”日本語”で書かれていた。 『樽を3つ持っている人の履物はなに?』  本当に、”なぞなぞ”だ。それも、日本語で書かれている。  ダンジョンに日本語が書かれているのもわからないけど、”なぞなぞ”が書かれているのも意味がわからない。  答えの入力は、下の入力パッドにするようだ。  答えは、”さんだる”だと思うけど、”ひらがな”なのか、”カタカナ”なのか、一回だけなのか、複数回なのか、それもわからない。  駄目なら駄…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第七十三話 ダンジョン?

 最下層は、不思議な感じがする。  魔物は一体だけのようだ。  最下層は一本道だ。扉の先には、お約束では、ドラゴン種でも居るのだろう。  5分くらい通路を歩くが何も出てこない。探索を行っても、何も無いのが解っている。意地が悪いゲームだと最下層の一本道に隠し扉があって、貴重なアイテムが隠されていたりする。隠し通路から、裏ボスに繋がっていたゲームもあった。  扉の前に到着した。  結局、魔物は出てこなかった。セーフエリアではないが、魔物が出現しないようになっているのか?  扉の前でゆっくりと身体と心を休めてから…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第七十二話 最下層

 30階層の階層主を倒して、ユリウスとクリスとギルと別れた。  これからは、一人での戦いになる。  気を引き締めて、階段を降りる。  後ろで光っていた、魔法陣の光が消えた。3人が地上に戻ったのだろう。 「・・・」  階段を降りると、そこは草原になっていた。  草原はセーフエリアが存在しない。一人で単独踏破は骨が折れる。 「聞いていた話と違う。31階層は、まだ洞窟のはずだ。変異したのか?」  独り言になってしまっているが、不安な気持ちは誤魔化せない。  立っていても何もならない。  進んでみるか・・・。 &#…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第七十一話 階層主。そして・・・

「アル。もういいのか?」 「大丈夫だ。ユリウスは怖かったら帰っていいからな。ギルが素材を持って帰れば、俺が討伐した証明になるだろう?」 「おま」「ユリウス様。アルノルト様のおっしゃっている内容は、一考する価値があります。ユリウス様が自ら確認なさらずとも・・・」 「クリス。俺が決めたことだ。アルと俺の”差”を確認する」 「わかりました。アルノルト様。もうしわけありませんが、よろしくお願いいたします」 「わかった」  階層主の部屋の前に来ている。  30階層の階層主は少しだけ特殊だと聞いている。強さは同じなのだ…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第七十話 情報交換

 30階層のセーフエリアまで無傷で到着できた。  振り返って、3人の顔を見ると少しだけ複雑な顔をしていた。 「アル?」 「どうした、ユリウス?」 「どうした!?お前!」  クリスが、ユリウスをなだめている。 「マナベ様。いえ、アルノルト様」 「クリス。どちらでもいいよ。それで?何かおかしかったか?」 「はい。アルノルト様。ユリウス様が言いたいのは・・・」  クリスに説明されて納得した。  俺が30階層のセーフエリアに来るまでに、魔法を使わなかったことを聞きたかった・・・。らしい。  ユリウス。”アル?”だけ…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第六十九話 攻略開始?

「旦那様。本当に、一人で行かれるのですか?」 「それが条件だからな」  セバスとサルラから、報告を聞いて問題はないと判断した。  俺の力を見て安心したいのだろう。先方も、待ち合わせの場所を直前に変えてきた。俺が単独で動いていると確信しているのだろう。 「マスター。俺も、セバスと同じ意見です。皇太孫と婚約者は信用できるとしても・・・。だからこそ、マスターと一緒に殺してしまおうと思っている連中には、最高のチャンスだと思います」 「俺もそう思う」 「旦那様。なぜ!」 「セバスと、サルラと、ダーリオを、二人よりも信…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第六十八話 攻略準備

 ダンジョンの攻略を行うための準備を開始した。 「マスター」  ダーリオが俺に声をかけてくる。 「どうした?今日の訓練か?」 「はい。本当に、マスターも参加されるのですか?」 「そのつもりだけど?」 「その・・・。必要なのですか?」 「ん?」 「今日は、ダンジョンに潜るための訓練ですよ?」 「わかっている」 「マスターは単独で、20階層まで行けますよね?」 「あぁそういうことか?俺の攻略は、力で押し通しているだけだ。20階層くらいまでなら通用するだろうけど、その先はわからない。そもそも、ダンジョンの中での戦…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第六十七話 マナベ商会出張所

 各ギルドの関係者を呼び出して、セーフエリアに宿屋と商店を、ホームの運営で展開することを考えていると告げる。  同時に、ホームのメリットやデメリットを説明する。一種の新店舗を展開する時のプレゼンだ。  一通り説明を終えた俺に、グスタフが代表して質問をしたいと言い出した。そのために、プレゼンが終了してから2日後に打ち合わせを行う事になった。  グスタフに指定された時間にギルドを訪れた。 「マナベ様」 「なんだ?」  資料は作っていないようだ。  グスタフの正面に座ったら、質問が始まった。  出された、果実水を…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第六十六話 ダンジョン

 久しぶりにダンジョンに来た。ティネケの体調がよくなったこともあり荷物持ち(ポーター)に立候補してきた。  今回は、俺のリハビリやティネケの能力を見るという意味があるので5階層の階層主を倒して帰ってくる予定にしている。  ティネケが参加することを聞きつけて、アンチェとヤンチェとハンフダとハンネスも一緒に行く事になった。大所帯になってしまったがパーティーで考えると丁度いい人数なのかもしれない。  刀を抜くことなく4階層まで楽に潜る事ができた。 「ティネケ。大丈夫か?」 「旦那様。大丈夫です」 「無理しなくてい…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第六十五話 アンダーカバー

 クリスからの謝罪はケジメという意味以上の意味があるとは思えなかった。  今更言われても誰も幸せになれない。それなら、話を受け入れたほうがいい。少なくても、クリスの心に残った痼は取り除けるだろう。  ギルも、あの事件を引きずっている一人だ。ギルは・・・。違うな。俺以外、誰も悪くない。でも、だからといって”気にするな”の一言で済ます事ができるようなことではない事もわかっている。  ギルは、ウーレンフートのホームと街中に商会主体の商店を立ち上げてくれた。  俺が言ったとおりに、街の中に作った商店は元クリスの部下…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】幕間 ユリウスの決断?

 俺は、皇太孫とか言われているが、この国のことを考えるならば、アルノルト・フォン・ライムバッハこそ国のトップに立つべきだと考えるときがあった。  もちろん今はそんなことを考えていない。俺の親友であるアルノルト・フォン・ライムバッハがやりたい事を成し遂げて帰ってきたときに、思いっきり殴る事を楽しみにしている。  俺は今・・・。  ライムバッハ辺境伯のカール・フォン・ライムバッハの後見人を努めている。進学しないで、実践や国に携わる事がしたかった俺には最適な場所だ。  結果だけを見るならば・・・。と、いう条件がつ…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】幕間 ギルベルトの活躍?

 俺は、ギルベルト。皇太孫のユリウスやライムバッハ辺境伯の第一子であるアルノルトと同級生だ。  正直な話、アルノルトと同級生になれたのはラッキーだと思っていた事もあった。  実際の所は、どうだろうと思えてしまう事も多い。総合的に見れば大幅なプラスで動いているのだろう。特に、実家の商会は”ここ数年”大きくなっている。全部アルのおかげだ。オヤジが言うには、最初は玩具の売上が大きかったが、最近では”燻製”の売上がすごいことになっていると言われた。  オヤジの商会で売り出した所、川や海が近くにある貴族からの引き合い…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第六十四話 謝罪

 もう俺からは何もない。はずだ。忘れている事はあると思うが、クリスからお小言(説教)をもらうような事は無いはずだ・・・よな?  皆が部屋から出ていったのを確認して、クリスは深々と頭を下げた。  はぁ?なんでクリスが頭を下げる。俺が知らない事がまだあるのか? 「クリス。なんのつもりだ」 「アルノルト様。本当に申し訳ありませんでした」 「だから、なんのつもりだ!」  クリスは、頭を上げてから、懐から束になった羊皮紙を取り出した。 「これは?」 「お読みください」  一枚目を読んでみるが、大きな問題はなさそうだ。…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第六十三話 情報交換?

 女性と子供が入ってくる。  女性は初めて見る顔だが、猫族だという事がわかる。子供はよく見た顔だ。 「えへっにいちゃん。ごめん」 「アル!」  アルバンが何故か悪ふざけが成功したかのような顔で部屋に入ってきて、クリスの横に控えるように立った。 「アルノルト様」  アルの横に立っている猫族の女性が”アルノルト”と俺のことを呼んだ。 「マナベだ」  よく見ると、ユリウスもクリスも苦笑しているのがわかる。 「失礼しました。マナベ様」 「”様”はいらない。俺は、冒険者シンイチ・アル・マナベだ」 「かしこまりました。…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第六十二話 皇太孫?

 翌日行動する事にした。  施設を見て回っただけではなく、孤児院を見に行ったときに子供たちに夕ご飯を一緒に食べないかと誘われた。言葉は”誘われた”で間違っていないのだが、俺が居ると院長たちが料理の質を少しだけ上げると思ったのだろう。しっかり者の子供が多い孤児院なのだ。  それでも良かったのだが、今後のことを考えて厨房にお願いをした。料理は”いつもどおり”でかまわないと伝えて、その代わりに食後にデザートを出してもらう事にした。 「マナベ様。よろしいのですか?」 「あぁ子供には腹いっぱい食べて欲しいからな。それ…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第六十一話 ホーム改造

 ユリウスとクリスとおまけでギルが、正式に査察官としてウーレンフートを訪れることが決まったようだ。  当初は数日後と言われていたのだが、ライムバッハ領都での作業が残っていたらしく、約1ヶ月後に延期されることになった。  問題が解決に向かった事や、”シンイチ・アル・マナベ”がホームを得て状況を変えていると報告したことが大きいようだ。”マナベ商会”のことを彼らは知っているので、アルノルトが絡んでいると判断して、急いでくる必要がなくなったと考えたのだろう。  査察官から冒険者マナベにありがたいお手紙が届いた。  …

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】閑話 ベルメルトの驚愕

「ガゼット。それは本当か?」 「ベルメルト様。本当です。俺たちの孤児院が潰されるようです」 「誰だ!」  ベルメルトに話をしたのは、ガゼットと呼ばれた青年だ。  青年と言っても、数年前に成人したばかりで、まだ一人前だとは認められていない。 「ガゼット!もう少し正確に伝えなよ。ベルメルト様。潰されるのは間違いないようですが、ホームに吸収されるようです」 「??」 「模擬戦の話は聞きましたか?」 「あぁランドルのバカとテオフィラとアレミルが犯罪奴隷になって、ランドルのホームをなんとかという餓鬼が引き継いだのだろ…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第六十話 スラムの顔役

 結局、ゼバスをはじめ全ての奴隷を解放する事になった。  本人たちは渋ったのだが、親父さん(ブルーノ)が笑いながら『執事が奴隷では、主人も信用できないな』と言った事が決め手となって、解放を受け入れてくれた。  セバスとツアレの解放が決まって、それならば自分と同格のダーリオが奴隷では、今後入ってくる冒険者がご主人様の事を侮ると言って、ダーリオの解放が決まった。  その後は早かった。全員の解放が決まって、処理を行った。  孤児院も正式に、院長が訪ねてきて、これからよろしくお願いしますと言われた。  働いていたス…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第五十九話 奴隷たち

 孤児院は大丈夫そうだ。  3つの孤児院ともに感触は悪くない。  奴隷になった者たちとの面談を行う事になるのだが、これが意外と時間がかかりそうだ。  冒険者ギルドと商業ギルドと鍛冶ギルドと宿屋ギルドが、ヘルプを出してくれた。 「それで、なんで現ギルドマスターのエフライン殿が居るのですか?」 「私が、マナベ様のヘルプで来たからですが?」 「それは、先程聞きました。ギルドは大丈夫なのですか?」 「大丈夫ですよ。グスタフ殿が仕切ってくれています」  エフラインは少しだけ遠い所を見て寂しそうにした。  少しだけ可哀…

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2020/08/30

【第三章 ダンジョン攻略】第五十八話 孤児院!

 奴隷の面談は、明日に延期した。  孤児院に赴いて、安心してもらう事が、他の何よりも優先度が高いと判断したからだ。 「アル!こっちで間違いないのか?」 「うん。兄ちゃんが言った孤児院ならそうだよ!」  アルに案内させる事にしたのだが、しっかりと大銅貨3枚を要求された。  確かに、案内という仕事だが、少し高いとは思ったが、アルが孤児院の先生も知っていると言っていたので、先生までつなげる事を条件に大銅貨3枚を渡した。  まずは1軒目だが、ウーレンフートの門の近くにあるようだ。  正門から伸びる表通りではなく、2…

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