サイト小説の記事一覧

2020/12/17

【第五章 マヤとミル】第四話 ギルド

「タシアナ!イリメリは?」 「まだ!フェムと一緒に外に出ている!」 「はぁ?それなら、ルナは?」 「金髪(ローザス)に呼び出された。それよりも、今日の面接はどうするの?」 「そっちは、ギルドマスターに頼んだ!」 「わかった。サリーカ。私も・・・」 「あ?!あぁそうだね。お願い」  ギルドは、認知され、活動を開始した。王都が荒れたタイミングでの開業だった。そのために、認知される速度も早かった。  王都に貴族たちが混乱して、暗殺だけではなく、町中での襲撃が発生する自体になっている。  当初は、王都だけで収まって…

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2020/12/16

【第二章 王都脱出】第八話 おっさん使者に会う

 おっ(まー)さんは、朝から不機嫌な気持ちを隠そうとしていない。周りに当たらないだけ大人なのだろうが、不機嫌な態度は大人として正しくない。まーさんは、イーリスの研究所で、まーさんを訪ねてきた者と対峙していた。正確には、まーさんを訪ねてきたわけではない。客の素性を聞いて、まーさんはカリンではなく、自分だけが話を聞くことにした。  イーリスに頼んで作らせた、黒の作務衣に愛用していた濃い色が付いている丸サングラスをしている。その状態で、椅子に座って足を組んでいる。手には、蒸留して作ったアルコールに軽く匂いと味を付…

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2020/11/15

【第二章 王都脱出】第七話 おっさん戸惑う

 おっさんは、考えられるだけのテーブルゲームやボードゲームを作成した。カリンも、トランプでできる遊びを書き出した。トランで行うゲームは、商業ギルドに登録することはできないが、トランプの本体は大丈夫だと言われた。カリンのスマホには、タロットカードを使った占いが入っていて、再現は可能だったのだが、おっさんとカリンが”占い”の説明をしても、イーリスはわからない様子だった。神の存在が信じられている世界では、”占い”はあまり意味を持たない。”神託”が存在していると信じられている。それに、”先読み”や”未来視”といった…

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2020/11/13

【第四章 ダンジョン・プログラム】第七話 ダンジョンが変わった?

 ホームのマスターになり、ホームの改革を行い。ホームの旗頭になっていた、シンイチ・アル・マナベがダンジョンに潜ってから1ヶ月以上が経過している。  マスターであるシンイチ・アル・マナベの秘書のカルラがダンジョンから戻ってきて状況を伝えている。  ホームのメンバーたちは、カルラの報告を信じるしか無いが、シンイチ・アル・マナベからの直筆の指示やサインが書かれた書類が手渡されているために、それほど心配はしていない。  ダンジョンの攻略を行い始めたことは、アンチェやヤンチェだけではなく、ダーリオも自らがシンイチ・ア…

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2020/11/08

【第二章 王都脱出】第六話 おっさんいろいろ作る

 辺境伯との話を終えたまーさんは、マスターの店で食事をしながら、アルコールを摂取してから、イーリスの屋敷に帰った。  門番に、付け届けをしてから、屋敷に入る。まーさんの部屋は、奥なのだが、イーリスたちにお願いして、まーさんが寝るだけの部屋を、玄関の近くに作ってもらった。遅くに帰ってきたときには、部屋には向かわずに、寝るだけの部屋に入る。 「おっバステトさん。今日は、カリンの相手をしていなくて大丈夫なのですか?」  まーさんが部屋に入ると、ベッドの上で猫が丸くなって寝ていた。まーさんが帰ってきたのに気がついて…

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2020/10/29

【第二章 王都脱出】第五話 おっさん悪巧みをする

「フォミル殿。お願いがありますがいいですか?」  辺境伯は、まーさんを真っ直ぐに見つめる。 「なんだ?」 「まず、俺たち・・・。カリンと二人で、思いつく限り、前の世界に合った料理やどこぞの貴人が言っている物を再現する」 「ほ、本当か?!それは・・・」  まーさんが、手を上げて興奮した辺境伯を手で制する。 「フォルミ殿。全て、お渡しします。使い方や特許で条件を付けさせてください」 「解っている。まーさんたちに不利益にならないようにする」 「それもあるのですが、材料の調達をお願いしたい。それと・・・」  まーさ…

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2020/10/27

【第四章 ダンジョン・プログラム】第六話 カルラからの報告

「クリス!」 「はい。はい。カルラからの報告書が届いています」 「そうか!アルは無事なのだな!」 「アルノルト様が簡単に死ぬはずがありません。ユリウス様。落ち着いてください」 「俺は、落ち着いている。それよりも、アルは何をしている?戻ってくるのか?」 「はぁ・・・。ユリウス様。アルノルト様が、簡単にご自分で決めた道を破棄されるとお考えですか?」 「・・・。解った。報告には、なんと書かれている?」  クリスティーネは、カルラから送られてきた報告書を、ユリウスに渡した。  自分が読んで問題がないのは確認している…

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2020/10/26

【第五章 マヤとミル】第三話 神殿

「マスター。眷属たちに食事を配り終えました。にゃ」 「ありがとう。ロルフ。マヤの様子は?」 「・・・」 「ロルフ!」 「はいにゃ!神殿に、マヤ様の気配はないにゃ」 「どういうことだ?」 「わからないにゃ」  ミルの首筋を触るが、脈はあるので生きているのは確認できる。鑑定で見てみるが、以前に見た情報と変わっていない。マヤに変わった感じはしていない。  マヤだけが消滅したのか?それなら、ロルフは”気配がない”とは言わない。”消滅した”と説明するだろう。 「ロルフ。どうやって、マヤが”居る”と判断している」 「は…

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2020/10/24

【第十章 エルフの里】第一話 状況確認

 神殿の領域は(・)静かな時間が流れている。  今日は、神殿の各村の代表と各部署の責任者を集めた会議が行われている。  神殿を取り巻く情勢が落ち着いてきたので、後始末と今後の対応を含めた話し合いを行っている。  会議の冒頭で、状況をマルスが皆に説明している。  サンドラやアーデベルトやドーリスは知っていることも多かったが、状況を全ては把握していない。当初は、認識合わせを行おうとしたのだが、ヤスが”神殿として認識している”事実をベースに考えたいと説明したことで、皆がマルスの話を聞いてから、後始末と各自に来てい…

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2020/10/22

【第二章 王都脱出】第四話 おっさん辺境伯にあう

 待ち合わせの時間には少しだけ早かったが、まーさんは、料理をマスターに頼むために、店に向かった。 「マスター」 「まーさん。お客は既に来ているぞ」  意外なことに、待ち人が既に来ていると言われた。偉い人は遅れてくるというイメージを持っていたまーさんは、驚いた顔をマスターに向ける。 「え?まだ約束の時間にはなっていないとおもうけど・・・」 「あぁまーさんに会うのを楽しみにしていたみたいだ。まーさんのレシピや蒸留器を一通り揃えて部屋に置いてある」 「お。助かる」  まーさんは、マスターに持ってきた物を渡した。 …

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2020/10/18

【第四章 ダンジョン・プログラム】第五話 監視ソリューション

 カルラとアルバンとエイダが最下層に挑戦している頃に、俺はダンジョンの監視ソリューションを完成させた。  監視は、それほど難しくは無かった。  プッシュで送られてくるダンジョンからのデータを受信できるポイントを設定して、表示するだけでよかった。よくある、動画を再生する方法と同じだ。  簡単に出来た。ダンジョンが動画を撮影していると仮定してネットワークを繋げてみた。カメラがネットワークカメラとして認識が出来た。  最初は、ネットワークカメラとして認識させた状態で開発を行った。  Motion JPEG のスト…

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2020/10/18

【第五章 マヤとミル】第二話 ジャイアニズム

 魔法陣に光が集まり、強く光りだす。  目を開けていられないくらいに強く光ってから光が明滅した。徐々に、明滅の感覚が長くなっていく、光も弱まっていく。  光だけなのに、肌が刺されたような感覚にとらわれる。 「・・・」  肌を刺す光も弱まり、目が開けられるようになる。  魔法陣には、ミルが立っている。  後ろ姿でも、ミルなのはわかる。  魔法陣の最後の光が消えた。 「ミル!」  ミルが、膝から崩れ落ちるように魔法陣の中で座り込んでしまった。 「ロルフ!」 「わからない。にゃ」  駆け寄って、マヤを抱き寄せるが…

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2020/10/15

【第九章 神殿の価値】第二十七話 ハインツノート2

 王国内が再編されている状態にも関わらず、僕や父上は王都から離れられない。  毎日ではないが会議が行われている。神殿の主の協力(アーティファクト)が必要になる前提ではあるが、物資の輸送が可能になり、生産調整が必要になってしまっているのだ。派閥内で調整は可能だが、派閥に属さない貴族家への配慮も必要になる。もちろん、王家の直轄領や公爵家へ配慮も同様だ。輸送に適さない物は、近隣で調整すればよかったが、長距離搬送が可能になり状況が変わった。  神殿の主が提供するアーティファクトは、神殿に住まう者が教習を受けて運用が…

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2020/10/15

【第二章 王都脱出】第三話 おっさん提案する

 まーさんは、マスターの店に足を向けた。 「おっちゃん!」  少しだけ離れた路地に居た子供がまーさんに話しかける。子供が駆け寄ってくる。目線を落として、まーさんは子どもたちの頭を押さえつける。 「何度も言っただろう。”まーさん”と呼べと!」 「おっちゃんは、おっちゃんだよ。おっちゃん。何か、仕事はない?」  まーさんの足にじゃれ付いてきた子どもたちは、全部で3人。孤児院で生活している子供たちだ。まーさんは、街歩きの時に子どもたちに銅貨を渡して、道案内をさせた。それだけではなく、安い店や親切な店を教えてもらっ…

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2020/10/14

【第四章 ダンジョン・プログラム】第四話 開発!

「エイダ。カルラとアルバンは?」 「今は、レベル4に挑戦しております」 「そうか・・・」  俺と一緒にダンジョンに向かう条件として提示したのは、このダンジョンの階層主と同程度に調整した魔物の討伐だ。  レベル4というのは、40階層にいる魔物たちを倒している最中だということだ。  正直な話をすれば、少しだけ驚いている。 「マスター」 「あぁ」  俺の手が止まっているのをエイダが注意した。  俺は、プログラムを作っている。エイダのバージョンアップだ。エイダは、新しいプログラムがないと固定された状態から解放されな…

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2020/10/13

【第九章 神殿の価値】第二十六話 ハインツノート1

 僕の名前は、ハインツ。クラウス・フォン・デリウス=レッチュ辺境伯の長子だ。  ”俺”という一人称を使ったり、”私”と言い換えてみたりしているが、”僕”が一番しっくりと来る。  今の僕の役割は、妹のサンドラからくる情報を、父や派閥の長(陛下)に伝えるのが仕事になっている。  こんな状況になってしまったのには理由がある。  僕の弟である、ランドルフの問題行動に起因している。  最初に話を、サンドラから聞いた時には、僕が自ら手を汚して殺してやろうかと思った。  サンドラの機転と、神殿の主の温情によって救われた。…

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2020/10/12

【第五章 マヤとミル】第一話 ミルとマヤ

 俺たちは、マガラ神殿に帰ってきた。  ミルには、俺の非道な行いも告げている。それでも、ミルは俺に付いてきた。 「リン?」 「あぁいいのか?」 「うん。僕が、リンの役に立てる。最高な気分。一つだけ心残り」 「え?」 「リンに抱いてもらいたかった」 「それは・・・」 「わかっている。でも、リンの説明だと、僕の身体をマヤが使うのだよね?」 「あぁ」 「それなら、リンが抱くのは、僕の身体で、僕だと言ってもいいよね?」 「え?」 「それに、多分、白い部屋で待つことになると思うから、僕がリンに抱かれるところを見られる…

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2020/10/10

【第二章 王都脱出】第二話 おっさん勇者の願いを知る

 ロッセルと別れたまーさんは、屋台を周って、飲み屋に持っていく手土産を考えていた。 (辺境伯が来るのだよな?まぁいつもの感じでいいか・・・。考えても駄目なことは、考えるだけ意味がないからな)  まーさんは、少しだけ”貴族”を考えたが、貴族という一括で考えることの危険性を考えて、考えるのを止めた。 「まーさん!」 「お!野菜売りのおっちゃん。今日はどうした?もう店じまい?」 「違う。違う。呼び出されて、貴族様の屋敷に行っていた」 「おっちゃん。何かやったのか?逃げるのなら、早いほうがいいぞ?」 「まーさん?違…

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2020/10/09

【第九章 神殿の価値】第二十五話 神殿攻略の余波

 朝から、イーリスとサンドラは、不機嫌を隠さないで来る”客”の対応を行っていた。  想像通りだった。  神殿の迷宮区が”一般公開”されて、皆が考えている状態になった。ヤスというよりも、マルスの読みどおりに、面白いように王国内の貴族が喰い付いた。それだけではなく、教会も前のめりになるくらいに喰い付いてきた。帝国も皇国も喰い付いてきた。  続々と軍を送り込んでくる愚か者たちの相手を、ヤスがするわけがなく、ギルドの代表としてイーリスと辺境伯から委任される形でサンドラが行っている。 「ですから!何度もお伝えしている…

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2020/10/08

【第四章 ダンジョン・プログラム】第三話 ヒューマノイドベア?

「兄ちゃん!」 「アルか?どうした?」 「今日は、どうするの?カルラ姉から”聞いてこい”と言われた!」  言葉遣いを、カルラから注意されていたが、アルバンの言葉遣いは矯正できていない。俺も、別に気にしないのだが、カルラが最低限の言葉遣いは身につけるべきだと言い続けている。 「あ!そうだ、エイダを連れてくるから、カルラと食堂で待っていてくれ」 「え?新しい、ヒューマノイド?」 「あぁ違・・・。わないけど、違う」 「うん。わからないけど、わかった!」  一度、エイダを連れに戻った。  以前は、部屋から出られなか…

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2020/10/06

【第四章 マガラ神殿】第十八話 進化

 柔らかな感触だ。  たしか、コボルトとゴブリンとオークに名付けを行った。  今までと同じように、長と若頭に名付けを行った。配下の者には、”フリークス”を名乗らせる。  ここまでは覚えている。  コボルトとゴブリンとオークの若頭が進化の眠りに落ちたところで、俺の記憶も途絶えている。 「リン。起きた?」  頭の上から声が聞こえてくる。 「・・・」 「リン?」 「ミル?」 「うん。よかった。急に倒れたから心配だった。なんか、猫が鳴いていたけど、わからなかったから、リンが寝られるように、膝枕した・・・。駄目だった…

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2020/10/04

【第二章 王都脱出】第一話 おっさんロッセルと街を歩く

「おはよう。まーさん」 「カリン。何度も話したよな?」 「うん。でも、まーさんが起きてこないから、イーリスとロッセルが困っているよ?」 「約束はしていないと記憶しているが?」  まーさんは、ベッドから起き出して、サイドテーブルに置いてある水差しから、コップに水を注いだ。 「まーさん。お水・・・。冷やす?」 「あっ大丈夫」  まーさんは、コップを両手で覆ってから、魔法を発動する。  常温よりも少しだけ水を冷たくする。  冷えた水を一気に飲んだ。 「それで?イーリスとロッセルが、”なん”の用事で?」 「うーん。…

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2020/09/30

【第四章 ダンジョン・プログラム】第二話 エイダ

 カルラは、3日後に戻ってきた。  報告を提出して、逃げるように帰ってきたと話してくれた。どうやら、俺が感じているクリスの印象と、カルラが思っている上司としてのクリスは同じベクトルのようだ。最下層の報告を出したので、長く逗まっていると、間違いなく呼び出されるか、詳しい話を聞きにウーレンフートまで来ると考えたようだ。俺も、同意見だ。カルラが逃げるように最下層に戻ってきてくれた。クリスに捕まってしまう可能性は低いとは思うが、  カルラが、地上で報告をしている最中に、アルバンと俺で、訓練場の構築を行った。最下層の…

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2020/09/28

【第四章 マガラ神殿】第十七話 今後の方針

「リン。それで、今後の方針は?僕のオススメは、アゾレムの領都に乗り込んで、街中に火を放つかな?魔狼で、魔法が使える者に頼めば証拠も残らない」 「・・・。ミトナル。さすがにそれは・・・。それに、アゾレムが苦しまないのは、俺的にはなしだな。火を着けたら、簡単に終わってしまう」 「そうだった。特に、立花は苦しめないと駄目。トラウマが産まれるくらいにしたほうがいい」 「俺も同意見だな。そうだな。この村が盗賊の根城になるのもいいけど・・・。ロルフ!」 『はい。マスター』 「この村に、転移門を設置したり出来るか?」 『…

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2020/09/26

【第一章 王都散策】第十七話 おっさん人に会う

 まーさんとカリンが、イーリスの屋敷という研究所に住み始めて、20日が経過した。  カリンは、変わらずイーリスと勉強会という名前のお茶会をおこなっている。まーさんは、ロッセルやイーリスの同僚?に日本語を教える代わりに、酒代をもらっている。マスターの店にデポジットを行ってもらっているのだ。  今日も、まーさんは、マスターの店に来ている常連に”うまい飯屋”を紹介してもらって、夕飯を食べてからマスターの店に行く予定にしていた。昼には、日本語の読み聞かせを行っているので、懐も温かい。カリンの勉強会は、イーリスが居る…

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2020/09/25

【第四章 ダンジョン・プログラム】第一話 地下で

「マナベ様?」  カルラが困惑した表情で質問してくる。アルバンは、周りを眺めているが、壁を触って”すげぇ”と騒いでいる。 「とりあえず、二人共、問題はなさそうだな」 「にいちゃん!ここは?」 「ダンジョンの最下層。ボスを倒した後の通路だ。戻ると、ボスの部屋だ」 「本当!」  アルバンは、後ろの扉を開けようとする。カルラが止めようとするが、既に扉に手をかけている。 「アルバン!」  カルラが慌てる。当然だ。  ダンジョンの最下層。それも、ボスの部屋に通じる扉を開けようとしているのだ。 「え?あれ?開かない」 …

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2020/09/24

【第一章 王都散策】第十六話 女子高校生魔法を使う

 まーさんが、王都を散策している時間に、カリンはイーリスに頼んで”生活魔法”が書かれている本を貸してもらった。あと、勇者たちに対抗するためという理由をまーさんに考えてもらって、各種魔法の本を用意してもらった。同時に、勇者たちが持っていない魔法を知るために、聖魔法と闇魔法が書かれた本も用意してもらった。 「まーさん。生活魔法が使えるようになったよ」 「そうか、今度、教えてくれ」 「わかった」  軽い感じで話をしているが、よほど”魔法特性”が高い人物でも”使える”ようになるのに、1-2ヶ月程度は必要になる。その…

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2020/09/23

【第四章 マガラ神殿】第十六話 告白

「リン。何が有ったの?」  ミルが俺に気を使っているのがわかる。マヤがいないことを、俺に問いかけてこない。それに、魔狼たちの存在も気になっているのだろう。 「ミル。どこまで知っている?」 「え?僕は、さっき説明した通り、リンとマヤがマガラ渓谷に落ちたと聞いて・・・」 「そうか、ナナは何も言わなかったのか?」 「ナナさん?聞いていないよ?なんか、王都に使いを出していたけど・・・」  ミルは、俺から目線を外さない。 「そうか、俺とマヤが、血がつながった兄妹では無いのは?」 「マヤから聞いた。でも、黙っていて欲し…

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2020/09/21

【第一章 王都散策】第十五話 おっさん日常を謳歌する

 まーさんたちが、王城を出て、1週間が経過した。  何もすることがなく、惰眠を貪りつつ情報収集を、行っていた。簡単に言えば、やることが無いから、ダラダラしていたが正しい表現だが、まーさんは夜になると”ふらっ”と部屋を出て商業区にある飲み屋に行くようになった。 「まーさん。今日も、飲み屋?」 「バステトさんをお願いします」 「はい」 ”にゃ!”  バステトが、まーさんの部屋からカリンの部屋に移動する。  夕方に、カリンと交わした会話もこれで、4日連続となっている。  最初は、訪ねてきたロッセルに紹介された店に…

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2020/09/21

【第一章 王都散策】第十四話 おっさん納得する

「バステトさん。紋章の件は、把握出来たのですが、称号は偽装したものですよね?」 ”ふにゃ?” 「違うのですか?」 ”にゃ!” 「確かに、バステトさんとの繋がりを感じます」 ”ふにゃ” 「そうですか、バステトさんも繋がりを感じてくれているのですね」  カリンが二人の会話を不思議そうに見ている。 「まーさん。バステトさん。会話が成立しているように思えるのですが?」 「え?成立していますよ?」 ”にゃ!”  バステトも、まーさんの”成立している”を肯定する。カリンは、自分の常識を疑うように頭を左右に振る。 「カリ…

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