サイト小説の記事一覧

2020/10/08

【第四章 ダンジョン・プログラム】第三話 ヒューマノイドベア?

「兄ちゃん!」 「アルか?どうした?」 「今日は、どうするの?カルラ姉から”聞いてこい”と言われた!」  言葉遣いを、カルラから注意されていたが、アルバンの言葉遣いは矯正できていない。俺も、別に気にしないのだが、カルラが最低限の言葉遣いは身につけるべきだと言い続けている。 「あ!そうだ、エイダを連れてくるから、カルラと食堂で待っていてくれ」 「え?新しい、ヒューマノイド?」 「あぁ違・・・。わないけど、違う」 「うん。わからないけど、わかった!」  一度、エイダを連れに戻った。  以前は、部屋から出られなか…

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2020/10/06

【第四章 マガラ神殿】第十八話 進化

 柔らかな感触だ。  たしか、コボルトとゴブリンとオークに名付けを行った。  今までと同じように、長と若頭に名付けを行った。配下の者には、”フリークス”を名乗らせる。  ここまでは覚えている。  コボルトとゴブリンとオークの若頭が進化の眠りに落ちたところで、俺の記憶も途絶えている。 「リン。起きた?」  頭の上から声が聞こえてくる。 「・・・」 「リン?」 「ミル?」 「うん。よかった。急に倒れたから心配だった。なんか、猫が鳴いていたけど、わからなかったから、リンが寝られるように、膝枕した・・・。駄目だった…

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2020/10/04

【第二章 王都脱出】第一話 おっさんロッセルと街を歩く

「おはよう。まーさん」 「カリン。何度も話したよな?」 「うん。でも、まーさんが起きてこないから、イーリスとロッセルが困っているよ?」 「約束はしていないと記憶しているが?」  まーさんは、ベッドから起き出して、サイドテーブルに置いてある水差しから、コップに水を注いだ。 「まーさん。お水・・・。冷やす?」 「あっ大丈夫」  まーさんは、コップを両手で覆ってから、魔法を発動する。  常温よりも少しだけ水を冷たくする。  冷えた水を一気に飲んだ。 「それで?イーリスとロッセルが、”なん”の用事で?」 「うーん。…

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2020/09/30

【第四章 ダンジョン・プログラム】第二話 エイダ

 カルラは、3日後に戻ってきた。  報告を提出して、逃げるように帰ってきたと話してくれた。どうやら、俺が感じているクリスの印象と、カルラが思っている上司としてのクリスは同じベクトルのようだ。最下層の報告を出したので、長く逗まっていると、間違いなく呼び出されるか、詳しい話を聞きにウーレンフートまで来ると考えたようだ。俺も、同意見だ。カルラが逃げるように最下層に戻ってきてくれた。クリスに捕まってしまう可能性は低いとは思うが、  カルラが、地上で報告をしている最中に、アルバンと俺で、訓練場の構築を行った。最下層の…

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2020/09/28

【第四章 マガラ神殿】第十七話 今後の方針

「リン。それで、今後の方針は?僕のオススメは、アゾレムの領都に乗り込んで、街中に火を放つかな?魔狼で、魔法が使える者に頼めば証拠も残らない」 「・・・。ミトナル。さすがにそれは・・・。それに、アゾレムが苦しまないのは、俺的にはなしだな。火を着けたら、簡単に終わってしまう」 「そうだった。特に、立花は苦しめないと駄目。トラウマが産まれるくらいにしたほうがいい」 「俺も同意見だな。そうだな。この村が盗賊の根城になるのもいいけど・・・。ロルフ!」 『はい。マスター』 「この村に、転移門を設置したり出来るか?」 『…

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2020/09/26

【第一章 王都散策】第十七話 おっさん人に会う

 まーさんとカリンが、イーリスの屋敷という研究所に住み始めて、20日が経過した。  カリンは、変わらずイーリスと勉強会という名前のお茶会をおこなっている。まーさんは、ロッセルやイーリスの同僚?に日本語を教える代わりに、酒代をもらっている。マスターの店にデポジットを行ってもらっているのだ。  今日も、まーさんは、マスターの店に来ている常連に”うまい飯屋”を紹介してもらって、夕飯を食べてからマスターの店に行く予定にしていた。昼には、日本語の読み聞かせを行っているので、懐も温かい。カリンの勉強会は、イーリスが居る…

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2020/09/25

【第四章 ダンジョン・プログラム】第一話 地下で

「マナベ様?」  カルラが困惑した表情で質問してくる。アルバンは、周りを眺めているが、壁を触って”すげぇ”と騒いでいる。 「とりあえず、二人共、問題はなさそうだな」 「にいちゃん!ここは?」 「ダンジョンの最下層。ボスを倒した後の通路だ。戻ると、ボスの部屋だ」 「本当!」  アルバンは、後ろの扉を開けようとする。カルラが止めようとするが、既に扉に手をかけている。 「アルバン!」  カルラが慌てる。当然だ。  ダンジョンの最下層。それも、ボスの部屋に通じる扉を開けようとしているのだ。 「え?あれ?開かない」 …

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2020/09/24

【第一章 王都散策】第十六話 女子高校生魔法を使う

 まーさんが、王都を散策している時間に、カリンはイーリスに頼んで”生活魔法”が書かれている本を貸してもらった。あと、勇者たちに対抗するためという理由をまーさんに考えてもらって、各種魔法の本を用意してもらった。同時に、勇者たちが持っていない魔法を知るために、聖魔法と闇魔法が書かれた本も用意してもらった。 「まーさん。生活魔法が使えるようになったよ」 「そうか、今度、教えてくれ」 「わかった」  軽い感じで話をしているが、よほど”魔法特性”が高い人物でも”使える”ようになるのに、1-2ヶ月程度は必要になる。その…

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2020/09/23

【第四章 マガラ神殿】第十六話 告白

「リン。何が有ったの?」  ミルが俺に気を使っているのがわかる。マヤがいないことを、俺に問いかけてこない。それに、魔狼たちの存在も気になっているのだろう。 「ミル。どこまで知っている?」 「え?僕は、さっき説明した通り、リンとマヤがマガラ渓谷に落ちたと聞いて・・・」 「そうか、ナナは何も言わなかったのか?」 「ナナさん?聞いていないよ?なんか、王都に使いを出していたけど・・・」  ミルは、俺から目線を外さない。 「そうか、俺とマヤが、血がつながった兄妹では無いのは?」 「マヤから聞いた。でも、黙っていて欲し…

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2020/09/21

【第一章 王都散策】第十五話 おっさん日常を謳歌する

 まーさんたちが、王城を出て、1週間が経過した。  何もすることがなく、惰眠を貪りつつ情報収集を、行っていた。簡単に言えば、やることが無いから、ダラダラしていたが正しい表現だが、まーさんは夜になると”ふらっ”と部屋を出て商業区にある飲み屋に行くようになった。 「まーさん。今日も、飲み屋?」 「バステトさんをお願いします」 「はい」 ”にゃ!”  バステトが、まーさんの部屋からカリンの部屋に移動する。  夕方に、カリンと交わした会話もこれで、4日連続となっている。  最初は、訪ねてきたロッセルに紹介された店に…

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2020/09/21

【第一章 王都散策】第十四話 おっさん納得する

「バステトさん。紋章の件は、把握出来たのですが、称号は偽装したものですよね?」 ”ふにゃ?” 「違うのですか?」 ”にゃ!” 「確かに、バステトさんとの繋がりを感じます」 ”ふにゃ” 「そうですか、バステトさんも繋がりを感じてくれているのですね」  カリンが二人の会話を不思議そうに見ている。 「まーさん。バステトさん。会話が成立しているように思えるのですが?」 「え?成立していますよ?」 ”にゃ!”  バステトも、まーさんの”成立している”を肯定する。カリンは、自分の常識を疑うように頭を左右に振る。 「カリ…

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2020/09/20

【第一章 王都散策】第十三話 おっさん会話をする

 まーさんは、内扉がノックされる音で目を覚ました。 (誰だ?あぁそうか、カリンしか居ないな) 「いいよ。こちらには鍵はかけていない」 「まーさん。入って大丈夫?」 「あぁ」  鍵が開けられる音がする。  内扉には両方に鍵が付けられている。カリンは自分の部屋に付けられていた鍵を開けて、扉を開けた。 「本当だ。まーさん。不用心だよ?」 「ん?カリンは、俺を襲うのか?」 「え?あっ!」  カリンは、自分が開けた扉が内扉だと気がついた。自分が開けなければ、誰も開けないのだ。 「いいよ。それで、こんな時間に訪ねてきた…

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2020/09/17

【第九章 神殿の価値】第二十四話 住民代表会

 ヤスの宣言を、大木の都(ヒュージツリーラント)の代表者で協議した。  実行してもいいだろうと賛成したのは、アフネスとサンドラとルーサとイワンとラナだ。反対したのは、エアハルトとドーリスだ。意見を保留したのは、ヴェストとデイトリッヒだ。デイトリッヒは、冒険者の取りまとめとして参加している。ラナは、住民の代表として参加した。  賛成した者の意見は、別段反対する理由がないという意見だ。アフネスはユーラットに溜まっている貴族からの間者が居なくなれば嬉しいという考えが根本にある。サンドラは、うるさい貴族の問題が片付…

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2020/09/17

【第一章 王都散策】第十二話 おっさん部屋に入る

 イーリスから話を聞いてから、まーさんとカリンは部屋に移動した。  割り当てられた部屋は、隣り合っている。  まーさんは、ベッドで横になると、目をつぶった。疲れていると認識はしているが、眠いわけではない。 (異世界転移か・・・。シンイチ辺りが聞いたら喜ぶか?それとも、カズトの方が好きそうな展開だな。意外な所では、ヤスシ辺りも好きそうだな。シンイチは過労死だったな。カズトも取引をしていた会社を首になった奴に殺された。ヤスシもトラックごと行方不明。あいつらとサクラとカツミだけか・・・)  まーさんは、20歳を越…

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2020/09/14

【第一章 王都散策】第十一話 おっさん話をする

 目の前に置かれた紅茶から湯気が立たなくなった位で、イーリスが部屋に入ってきた。 「おまたせしましてもうしわけございません」 「いや、いい。新しいお茶を貰えるか?」 「・・・。はい」  イーリスは、扉の側に控えていたメイドに目配せをした。  扉が開いた音がして、部屋からメイドが出ていった。 「常識が違う可能性があるから参考程度に聞いて欲しい」 「はい」 「待たせる可能性があるのなら、温かいお茶を客だけに出すな。そして、急に来られなくなったのなら、伝言を誰かに持たせろ」 「あっ」 「まーさん。まーさん」 「ど…

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2020/09/12

【第一章 王都散策】第十話 おっさん王都を移動する

 王城を出て、待っていた馬車に乗り込んだ。王城を出てすぐの場所で待機していたようだ。 「まー様。馬車に乗ってください」 「イーリスから乗らないとおかしいだろう?」 「それもそうですね」  イーリスが、従者と馬車に乗り込む。まーさんとカリンは、周りを警戒するフリをして辺りを見る。 「まーさん」 「見られているな?」 「やっぱり!どうします?」 『にゃ!』  まーさんの懐に入っていた、バステトがまーさんの肩に乗って、二人を見ている方向を向いて鳴き声を上げた。 「バステト?」 『ふにゃ?』 「ふふふ。可愛いですね…

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2020/09/10

【第一章 王都散策】第九話 おっさん王城を出る

 ドアがノックされた。  まーさんとカリンは、テーブルの上に置いていた物でロッセルとイーリスに渡す物以外を、カリンの収納に隠した。バステトの収納もあるが、コミュニケーションの問題もあるので、まずは簡単にしまえる。カリンの収納に全部を入れた。 「カリンさんは、大丈夫?」 「まーさん。私のことは、呼び捨てにしてください」 「ん?カリンと呼べばいい?カーテローゼさん」 「はい!カリンでお願いします。ネットゲームでも同じように呼ばれていました」 「わかった。パステトさんは?」 『にゃぁ!』 「呼び捨てでいいのですか…

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2020/09/09

【第三章 ダンジョン攻略】第七十九話 地下へ

 最下層の話を除いて、説明を終えた所で、カルラは資料をまとめたいと言い出した。 「わかった。どのくらいの時間が必要だ?」 「一日・・・。いや、10時間ほどでまとめます」 「ホームへの資料と、どっかの辺境伯の娘に出す資料だろう?しっかりとまとめてくれ」 「・・・」 「明日一日を資料の作成に使ってくれ、俺はこの部屋で休んでいる。質問があれば訪ねてきてくれ」  カルラはびっくりした表情をするが、慌てて表情を戻して、頭を下げる。  アルも、慌てて頭を下げてから部屋を出ていった。  残されたメイドに、寝られる場所の確…

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2020/09/08

【第九章 神殿の価値】第二十三話 サンドラへの説明

 セバスに連れられて、サンドラが部屋に入ってきた。 「ヤス様。先程の学園村ですが、イワン殿とルーサ殿とヴェスト殿とエアハルト殿とアデーは、賛成しています。ドーリスとアフネス様は、連絡が取れなかったので、後ほど連絡します。クラウス辺境伯。ハインツお兄様は、会議に出ていまして不在でした。家令のガイストに伝言を頼んであります」  部屋に入ってきて、サンドラは状況をヤスに伝える。 「わかった。ドーリスとアフネスの賛成を持って、学園村の建設を始めようと思う。皆で規模を決めてくれ」 「はい」 「場所はこちらで決めるが、…

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2020/09/08

【第一章 王都散策】第八話 おっさん誂う

 ロッセルとイーリスが部屋から出ていったのを確認して、二人は荷物をテーブルに広げる。 「まーさん。本当に、何者ですか?」 「どうして?」  まーさんがポーチから取り出した物を見て、糸野(いとの)夕花(ゆうか)は固まっていた。  不思議な表情で物品を眺めてから、まーさんに質問をした。 「このスマートウォッチ・・・。最新機種ですよ?それが、二つ?それに、折りたたみ式のソーラパネルに、このケーブル・・・。IT会社の人なのですか?」 「あぁ違う。違う。ただ、知り合いに、そういうのが好きな奴が居て、仕事を流したお礼に…

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2020/09/07

【第四章 マガラ神殿】第十五話 ミトナル=アカマース・マノーラ

「ミル。この部屋を使ってくれ」  ミルを案内した部屋は、マヤの部屋だ。破壊された家の中で比較的に破壊が少なかった部屋だ。荷物が少なく、見ただけで何も無いのがわかるためだろう。 「この部屋?僕、リンと同じ部屋でも・・・」 「駄目だ」 「わかった。この部屋は?」 「マヤが使っていた部屋だ。ミルなら使っても文句は言わないだろう」 「・・・。ありがとう」  ミルの”ありがとう”の意味がわからなかった。 「リン。マヤの部屋に入る前に、僕・・・。水浴びがしたい。汗や血で汚れているから、マヤに失礼」 「あぁ悪い。気が付か…

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2020/09/07

【第九章 神殿の価値】第二十二話 ヤスの判断

「それで?」  サンドラは、次の話をする前に、資料をヤスに見せる。 「ヤス様。話は一つですが、その前に状況をお伝えします」 「頼む」 「はい。リップル子爵家から始まった騒動ですが、セバス殿やツバキ殿のご協力を得て、証拠が固められました。本来なら、王家がヤス様にお礼を言いに来るのが筋ですが・・・」 「必要ない」 「ありがとうございます。既に、ヤス様にご報告の通りに、指示を出した、公爵家と侯爵家は当主の交代と、領地の没収が完了しております」 「あぁ聞いている。クラウス殿の領地が増えるのだろう?寄り子に任せたとは…

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2020/09/07

【第一章 王都散策】第七話 おっさん考える

「それでは、まー様。対価はどうしたら良いでしょうか?研究所も、私も自由になるイェーンは多くありません」 「イェーンは、出来る範囲で構わない。それよりも、本には本で対価を支払って欲しい」 「本ですか?」 「研究所なのだろう?初代が書いた魔導書とかの写しがあるよな?俺たちには、使えばなくなってしまうイェーンをもらうよりも、情報がまとめられている本の方が嬉しい」  イーリスは少しだけ考えて、おっさんに二つの条件を提示した。 「まー様。二つの条件をご承諾いただければ、初代様のことが書かれている書籍をお渡し致します」…

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2020/09/06

【第一章 王都散策】第六話 おっさん取引を申し出る

「まーさん様」 「様はやめてくれ、まーさんでいい。それに、”さん”は敬称の役目を持っている」 「それなら、まー様ですね」  おっさんは、”まー様”とか呼ばれるのは初めてではない。融通がきかない真面目なやつほど同じことを言う。あとは、ピンポイントでおっさんが嫌がる呼び名を突いてくる奴が出てくる。目の前に居る女性は、間違いなく後者だと認識をした。  糸野(いとの)夕花(ゆうか)は”まー様・・・。マーライオンみたい”と言い出して笑いをこらえている。おっさんに気が付かれていないと思っていたが、おっさんはしっかりと聞…

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2020/09/05

【第九章 神殿の価値】第二十一話 サンドラへの提案

 ヤスは、サンドラからの二つの報告を聞いて、少しの休憩を挟んだ。ヤスの問題ではなく、サンドラの体調を考えてのことだ。  会議に参加はしていなかったが、マルスからの指示を受けて、ツバキがタイミングを見て飲み物の替えを用意した。一段落したタイミングで飲み物の交換なのだが、サンドラの分だけしか用意されていなかった。  ツバキがお茶を替えている時に、セバスがヤスを探していると告げた。強制的に中断させる方法を取ったのだ。  部屋から一時的に出ていくヤスを、サンドラは見送った。気を使われているのだと解ったが、確かに休憩…

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2020/09/05

【第一章 王都散策】第五話 おっさん忠告する

 糸野(いとの)夕花(ゆうか)は、女子高校生らしく寝る時にスマホのアラームを設定していた。  アラームで起きた糸野(いとの)夕花(ゆうか)は、部屋の鍵を開けてリビングに戻った。 「え?まーさん。寝ていなかったのですか?」  ソファーで考え事をしていたまーさんをみて、糸野(いとの)夕花(ゆうか)は寝ていないと思ったのだが、1時間の睡眠では意味がないと考えて、状況を整理していただけだ。 「大丈夫だよ。おっさんになると睡眠が浅くて・・・ね」 「はぁ・・・」 「糸野(いとの)さんはもう大丈夫?また難しい会話をするか…

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2020/09/05

【第三章 ダンジョン攻略】第七十八話 地上で

 転移してきたのは、他の階層から戻ってくる時の同じ場所だ。  周りには誰も居なかった。もしかしたら、深夜帯なのかもしれない。24時間で待機はしているのだが、深夜は冒険者の動きも少ないので、監視員の数が少なくなっている。  カードを示して、外に出る。周りは暗くまだ夜の時間帯だが、東の空が朝焼けに染まりつつ有るので、日の出が近いのかもしれない。  ホームには向かわずに、そのまま、街の外に作った、村に向かう。  村はすでに動き出している。鍛冶職が多いので、昼夜の区別をしないで人が動いている。それに生活スタイルが合…

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2020/09/04

【第四章 マガラ神殿】第十四話 襲撃者(仮)

 ロルフたちが襲撃者(仮)を捕獲するために、出ていった。  戦闘音が聞こえないから、戦闘にはなっていないのだろう。もしかしたら、一瞬で勝負がついたのかもしれない。  リデルの眷属たちが作った塀に座って、村を見る。  耳を澄ますと、大人たちが何かを叫んでいる。食料庫が燃えているのだ、当然だろう。それだけではなく、今まで無かった村を囲うように出来た壁も恐怖の対象なのだろう。  女性が村の中央広場に出てきて、何か怒鳴っている。数回だけだが言葉を交わしたことがあるのでわかるが、サラナの母親だ。金切り声(かなきりごえ…

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2020/09/04

【第一章 王都散策】第四話 おっさん知る

 おっさんは立ち上がって、居なかったら”恥ずかしい”と思いながら扉を開ける。  無事ロッセルと侍女が扉の脇で荷物を持って待っていた。侍女は、何やらカートの様な物まで持ってきていた。 「もうよろしいのですか?」 「話は終わった」  おっさんは二人を中に入れる。 「まずは、ロッセル殿に頼みがある」 「なんでしょうか?」 「謁見の間がどうなっているのか教えて欲しい。それから、俺たち二人の処遇に関してなにか言われているのか?」  ロッセルはおっさんの質問に眉を動かす。おっさんは、ロッセルの表情を見逃さない。  しか…

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2020/09/04

【第九章 神殿の価値】第二十話 サンドラからの報告

 大木の都(ヒュージツリーラント)に住む者たちは順調に増えている。しかし、神殿の都(テンプルシュテット)に住む者たちは増えていない。  カイルとイチカたちは、神殿の都(テンプルシュテット)で受け入れた。その後に、帝国で二級国民になっていた子どもたちも受け入れた。ヤスが決定したことなので、異議を唱える者は居なかった。神殿の都(テンプルシュテット)に住むには、マルスの審査が必要になる。厳しい審査だ。審査基準が公開されていないので、敬遠する者も多いのだ。しかし、他の村では、審査は王国の町や都市に近い状況なので、移…

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