サイト小説の記事一覧

2023/04/15

【第四章 リブート】第二話 クロンダイク・ハイボール

バーシオンは、営業時間を変更して、店を再開した。 静かなオープンだ。 再開を祝う花束は存在しない。マスターが遠慮してもらうように伝えていた。それでも送ってきた花は、店の中に飾ってある。 営業時間は22時から始発までだ。 各種届け出も済ませた。フードを出すために手続きが必要になった。 繁華街で、4年以上の期間が経過している。 馴染みだった客の殆どが、繁華街を離れている。 しかし、マスターからの再開の連絡を受けて、”客”として顔を見せに来てくれていた。 「マスター。久しぶり」 女性は、以前にマスターに”裏”の仕…

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2023/04/15

【第三章 復讐の前に】第二十四話 新・協力者?

登校した。 何も変わっていない。バイクを停めて、教室に移動する。 生徒には、俺の情報が流れていないのか、変わった様子はない。視線は感じるが、以前と同じだ。バイクで通っている者への”やっかみ”のようだ。 ホームルームが始まったが、教師の態度も変わっていない。 淡々と進んでいるように思える。 絡んでこないのは残念だ。 誰かが絡んでくるのかと思ったのだが・・・。 昼休みになって、吉田教諭から呼び出しが掛かった。 「吉田先生」 「ユウキ。ちょっと待ってくれ、この採点だけ終わらせる」 「わかりました。昼飯がまだなので…

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2023/04/14

【第三章 帝国脱出】第四十二話 拠点整備

おっさんは、領都で建築の依頼は出さなかった。 出す必要が無かった。 黄龍は、眷属を持っていないが、他の四龍は、それぞれが眷属を持っていた。 青龍は、ドワーフ族を眷属として使役することができる。四龍のまとめ役も、青龍の役割だ。もう一つの役割を持つ、龍族の中で役割が多いのが青龍だ。 紅龍は、サラマンダー族を眷属として使役することができる。 白龍は、ウィンディーネ族を眷属として使役することができる。 黒龍は、エルフ族を眷属として使役することができる。 黄龍を除く、四龍が、それぞれの眷属を召喚して、おっさんとカリン…

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2023/04/14

【第九章 ユーラット】第十五話 誤算

姫様が見つからない! 馬車の中を探しても、姫様の姿が見えない! 隠れている?違う。私が助けに来たのだ、隠れている意味はない。 そうか、私が助けに来たことを察知して、馬車から降りたのだな? 「オリビア姉ちゃん!」 誰だ! 二つの車輪が付いたアーティファクトに乗った子供が二人、馬車に近づいてきた。 「カイル!イチカ!」 姫様が、馬車の中から出てきた? 探しても姿が見えなかったのに? どこに居たの? アーティファクトに乗ってきた二人の一人が、私に突っ込んできた。 とっさに避けた。 私くらいになれば避けると同時に攻…

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2023/04/13

【第三十章 新種】第三百五話

ルートガーとファビアンが、俺たちから離れた。ルートガーの従者として連れてきた連中も、ルートガーと一緒に交渉をまとめるように伝えている。ダンジョンの内部の説明を、ファビアンだけに任せるのは、ルートガーの立場が悪くなる。俺が着いて行くことも考えたが、ルートガーに交渉を任せるのに、俺が一緒では意味がない。従者たちは、ダンジョンに潜っている。俺の代わりに、ルートガーにダンジョン内部の説明をする役割を与えた。 それに、記録係りくらいはできるだろう。 ルートガーには必要がないと言っても、従者だけではなく護衛としての役割…

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2023/04/13

【第五章 共和国】第五十六話 同行者?

クォートとシャープとの合流まで、半日程度の距離に到着した。 順調な行程に、少しだけ不安を覚える。 俺たち側には、問題は出ていない。 アルバンが暇をもてあましたのが、問題と言えば問題になっている程度だ。俺もカルラも、それぞれでやることがある。何もないアルバンだけが暇を持て余している状態になってしまっていた。狩りに出かけようにも、目的が合流なので、俺たちから離れての行動は許可できない。食料の調達や素材の確保も現状では必要ない。流石に、文句(グチ)は言っていないが、何もない状況に飽きているのが目に見えてわかってし…

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2023/04/11

【第七章 神殿生活】第二十一話 ガルドバ

ナナと話をして、アロイ側に作ってある村を任せることが出来た。 神殿はギルドが管理を行う。森の中の村は、今後の課題として考えるとして・・・。 ナナとガルドバを、アロイ側の村に案内した。 思いっきり怒られた。 ガルドバがいうには、ここまで立派だと、”村”ではなく、”城塞都市”だと言われた。 「リン君。この”村”は、すぐに稼働したい?」 「え?稼働?準備が整ったら・・・。ごめん。考えていなかった」 正直に謝っておこう。 「アスタ。こいつ、頭がよさそうなのに、ニノサと同類だぞ?」 ガルドバが、凄く失礼な事を言ってい…

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2023/04/09

【桜の祝福】祝福された双子

僕たちは、双子の兄妹だ。 僕たちは、祝福された双子だ。 僕が、君の事を知ったのは、僕が成人した時だ。 成人の報告を教会に告げに行った時に、司祭様から教えられた。 僕は、素顔を隠して、君の前に跪く。僕と同じ顔を持つ君は、僕を見て可愛く笑う。 君は、この国の女王だ。僕は、君に仕える。 王国は、荒れている。 前国王と王妃が、民を苦しめ、特権階級だけを優遇していた。前国王は、桜に祝福された。教会が認めている。祝福された国王だ。 王国では、双子は神に祝福された子供だと言われている。 僕たちは、運命の双子だ。桜に祝福さ…

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2023/04/09

【第四章 スライムとギルド】第十二話 杖と付与

倉庫の中は、お宝で一杯です。 蒼さんが来ていたら狂喜乱舞していた可能性があります。 頭陀袋は、ラノベの定番でした。 こんな物を作らないで欲しかった。便利だから、使うけど・・・。主殿や家族たちからしたら、大した価値がない物だと解る。 ライは、今は可愛い男児(弟属性付き)だけど、実際には魔王クラスのスライムだ。スキルで、アイテムボックスの様な物があるらしい。主殿も同じようなスキルを持っているようだ。 「茜さん?」 「ごめんなさい。それで、主殿とライのスキルは同じなのですか?」 好奇心が抑えられません。好奇心が抑…

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2023/04/07

【第四章 連合軍】第十二話 【王国】ギフト

玉座の間を作った時には、使う事を考えていなかった。 ここが、俺の最後の場所になるとは・・・。 攻めてきた者たちは、玉座の前で休憩をしている。 様式美として作ったセーフエリアで休んでいる。 コアからの報告では、攻略を行っていた者たちは、セーフエリアで何かを見つけて、一人が戻っているようだ。 抜けた一人が戻って来るまで、セーフエリアで休むと決めているようだ。 時間が稼げるのは、俺たちとしてはありがたい。実際には、首の皮一枚で繋がっているような状態だ。3人で攻めてきても俺たちには勝ち目がない。 でも・・・。それで…

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2023/04/06

【第四章 リブート】第一話 ニコラシカ

マスターが”珈琲貴族”で森沢に会って、今までで一番嬉しくて、一番切なくて、一番悔しい手紙を貰ってから、1年が経過した。 港町に新たに作られた拠点は、マスターが譲り受けてから改装を行っている。1年以上の時間をかけたが、まだ完成していない。 施設の名前は、”リブート”と決まった。 マスターが行っている裏の仕事で、逃げる必要がある人たちが居る。一時的に、避難する場所が必要になっていた。組織が持っている別荘が伊豆にあるのだが、隠れ家としての役割は果たしているが、再就職やその先の生活が保証されていない。 マスターが提…

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2023/04/06

【第三章 復讐の前に】第二十三話 連絡

バイトも再開した。 森下さんからの連絡で、学校の再開を知った。本来なら、教師が連絡をしてくるのが筋だが、どうやら俺には連絡をしたくないようだ。 自主休校を決め込もうかとも考えたが、学校に行くことにした。 学校側の妥協点を知りたいと思ったのも理由だが、別に同級生と仲良くなりたいとも思っていない為に、孤立しても問題だとは思えない。 それに、実習系の授業も再開される。 中止になっていた理由がなくなったという理由だが、中止になっていた理由の説明がない。 夕方のバイトに出かけてから、拠点とレナートに報告を行っておこう…

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2023/03/31

【第三章 復讐の前に】第二十二話 マスコミ

ネットに警察署から流出したと思われる動画が拡散されている。 原因は、触れられていないが、学校の上層部では揉めに揉めたらしい。今川さん経由で吉田教諭の情報として伝えられた。 また、学校での授業が当面の間は、オンライン授業になると通達があった。環境がない者は、学校に来て、オンライン授業を受ける必要がある。俺は、安全な環境があるうえに家から出られないために、家でオンライン授業を受けている。バイトも休みを貰っている。 マスコミという暴力が押し寄せて来た。家の敷地内に入った場合には、無条件で動画を公開すると警告を行っ…

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2023/03/30

【第三章 帝国脱出】第四十一話 移動

光が収まって、バステトの姿を見た、おっさんとカリンは唖然としていた。 白虎が、おっさんを見ていた。 「バステトさん?」 ”にゃ” 鳴き声が多少は低くなっているが、バステトと同じ鳴き方だ。 『ほぉ。バステト殿は、やはり”白虎(びゃっこ)”だったのか?』 ”にゃにゃ” 『なに?違うのか?』 ”にゃぁに、にゃ!” バステトの言葉に、おっさんとカリンが安堵の表情を浮かべる。 ”白虎”になったのは、力の制御が出来ていないからであって、本来は”猫”の姿が本来の姿だと説明をしている。 制御には、訓練が必要になるが、明日に…

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2023/03/29

【第九章 ユーラット】第十四話 襲撃

姫様が、ユーラットの宿屋の女将に頭を下げに来る。 帝国の姫様が、宿屋の・・・。それも、寂れた村にある宿屋の女将なぞに謝罪などありえない。 アイシャがルカリダを連れてきた。そして、姫様が持っていた、連絡用の魔道具を動かすための鍵を・・・。 姫様を騙したわけではない。姫様が正しい道に戻られるための試練なのだ。 ルカリダからは、姫様の行程を事前に調べさせた。 普段の行動でも、姫様が私にメッセージを送っているのが解る。 姫様は、神殿が使っているアーティファクトを使わずに、帝国の馬車でこちらに来るようだ。 やはり、姫…

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2023/03/28

【第三十章 新種】第三百四話

最下層に、ファビアンとイェレラとイェルンとロッホスとイェドーアが転移してきた。 呼び寄せたので、当然なのだが、本人たちは何が発生したのか混乱していた。 俺が居るのを見て、俺が何かをしたのかと考えているようだ。 表情を変えすぎの気がするが、俺を見て安堵するのは、少しだけ違う気がする。時に、ファビアンを除いた4名は、護衛の役割を含めて、ルートガーに報告して、再教育を受けてもらおう。 「揃ったな」 皆が俺の前に来て、頭を下げる。 「ツクモ様」 「攻略が終わった。今から、地上に帰る。君たちを呼び寄せたのは、コアの力…

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2023/03/28

【第五章 共和国】第五十五話 内通者

準備が出来た馬車を、あえて王国とは逆の方角に馬車を進めた。 カルラは、反対したのだが、俺が押し切った形だ。 3つの情報を流した。流し方にも工夫をした。俺たちの情報だと解るようにした物と、俺たちだと解らないようにした情報だ。 ・アルトワ町に寄ってから共和国内の別の国から王国に帰る ・馬車は囮で、徒歩で王国に向かっている ・数多くの嘘情報を流して、裏切り者を探している。実際にはダンジョン内に隠れている者をあぶりだす。 情報を流して、すぐに効果が現れた。半日程度で状況が変わったのには驚いた。しっかりと、耳が設置さ…

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2023/03/27

【第七章 神殿生活】第二十話 契約

ナナの表情が固まっている。 何を考えているのか想像ができる。多分、俺でも同じ事を言われたら、考えてしまうだろう。 「ねぇリン君。もしかして、新しくマガラ渓谷を越えられる場所を見つけたの?それとも、作ったの?」 「違う。神殿の権能で、ゲートを設置した」 「ゲート?」 「転移ができる門と言えばわかるか?」 「・・・。リン君。頭、大丈夫?それとも・・・。ニノサがうつった?」 「ひどいな。大丈夫。どこにもぶつけていないし。信じられないのは、しょうがないけど、今はゲートがあると思って、話を進めてくれ」 「・・・。わか…

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2023/03/27

【第四章 スライムとギルド】第十一話 聖樹

主殿に案内される形で、主殿の家の中を移動します。 「あっ」 哀しい気持ちになってしまいます。 「何か?」 見て、認識してしまいました。 無視して、通り過ぎるのは、私の気持ちが落ち着きません。 「主殿。あの部屋は?」 「祖父母と父と母の・・・」 「主殿がよろしければ、手持ちはないのですが、お線香を上げさせていただけませんか?お家を移動して、騒がせてしまったので・・・」 「ありがとうございます」 主殿の小さな声。 そして、大人なのか子供なのか、それとも・・・。人であった時なら・・・。違いますね。今でも、主殿と友…

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2023/03/27

【第四章 連合軍】第十一話 ヒアとミア

カンウ様と威力偵察という強行偵察で、王国を蹂躙している時に、モミジ様から連絡が入り、魔王様から新たな指示が伝えられた。 ぼ、俺をとカンウ様は、このまま王国にあるダンジョンの攻略を行う。 モミジ様とミアが合流する。 その後は、モミジ様とミアの考案する作戦で、王国の砦を奪って、ダンジョンの攻略を行う。 本当に、魔王様と同列の魔王なのかと思うくらいに簡単に攻略が進む。 これなら、ミアが設定を行ったギミックハウスは・・・。もちろん、他の者たちが設定したギミックハウスの方が攻略の難易度は高い。 ダンジョンの中でも、ミ…

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2023/03/24

【閑章 テネシー・クーラー】第六話 三年後

墓参りに行ってから、マスターは、まだバーシオンを開けていない。 気持ちの区切りが付いた事で、今後の事を考えると言い出した。バーシオンの奥にある部屋に住み着いていた。 常連客や今まで世話になった人には、詫びの手紙やメールを送った。 チャージ金を置いている客には、返金する旨を伝えている。 店に訪ねて来る者は居たが返金を求める者は居なかった。 「マスター!」 「閉店中だ。帰れ」 「今日は、別件」 「わかった。入れ」 マスターは、男を店に入れてから、扉を閉める。 「へぇ綺麗にはしているのだね。店は開けないの?」 「…

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2023/03/23

【第三章 復讐の前に】第二十一話

森下さんの到着は、2時間後だと言われた。 バイト先には、連絡を入れておいた。 家が近くて、融通が効く人間だと思われているのか、休みの日でも連絡が入る事がある。人が少ないときや、団体の予約が入った時など呼び出されることが多い。 2時間という時間は、何かをやろうと思うと、”帯に短し襷に長し”になる。レナートに行ったら、間違いなく夕方になるまで帰って来られない。 どこかに買い物に行こうにも、1時間程度で行ける場所は、ベイドリームだけど・・・。ジャンボエンチョーがある。あの店舗は、いろいろな意味で”やばい”時空が歪…

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2023/03/22

【第三章 帝国脱出】第第四十話 聖獣

『我は黄龍。龍族の長だ』 黄龍と名乗った龍が、おっさんの前に降りて来る。 まーさんは、降りてきた龍を見て、”竜”ではなく”龍”なのに、感動を覚えていた。カリンも、輝く鱗を見て唖然としていた。ドラゴンが存在しているのは、イーリスに聞いて知っていたが、”龍”が存在しているとは思わなかった。 「私の事は、まーさんと呼んでください。”まーさん”で敬称が付いている状態です」 おっさんの自己紹介を聞いて、カリンは慌てて黄龍を見るが、表情はわからない。もともと、表情があるのかも怪しいが、不快に思ったり、怒ったり、気分を害…

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2023/03/21

【第九章 ユーラット】第十三話 挨拶

各陣営の思惑が入り混じった混沌とした作戦の実行が明日に迫っていた。 踊らされている陣営(ヒルダ)が上手く誘導されているのか最終確認に向かった者が先ほど、神殿に帰ってきた。 「首尾は?」 「渡してきました。姫様。本当に、よろしいのですか?」 最後のピースを、ヒルダに渡す役目はルカリダに委ねられた。 オリビアが持っていて、盗ませる方法も考えたのだが、どう考えても不自然な上に、ヒルダが、最後のピースに気が付かないと、作戦が破綻してしまう。作戦の鍵になりえる物を先に渡してしまおうと考えたのだ。 作戦の鍵(・)を託さ…

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2023/03/20

【第三十章 新種】第三百三話

帰ることにした。 カイとウミとライもそのつもりで準備を行っている。 準備と呼べるような物ではないが、倒したボスの素材は持ち帰ったほうがいい。ダミーコアの準備も終わっている。 使い方も、コアに話を聞いているので大丈夫だ。それに、間違えても、コアがハッキングされたり、クラッキングされたり、乗っ取られなければ間違えた使い方をされても問題にはならない。 チアルの対応が出来ない状況になったら、また攻略すればいいだけだ。その時には、ダンジョンを討伐することになるので、最悪はダンジョンが消滅してしまう可能性が高い。 デ・…

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2023/03/20

【第五章 共和国】第五十四話 密談

アルトワ・ダンジョンの周りには、動物がちらほらと見受けられるが、魔物や人は存在していない。 街道から外れている状況で、且つ、その街道が殆ど使われていないことを考えれば、当たり前の結果だが、野盗が隠れている可能性も考慮した。 動物を見つけられたから、盗賊は居ないと思っていた。 アイツらは、近くに居る動物は狩りつくす。狩りつくした上に、盗賊行為を行う。知恵が付いたゴブリンだ。見つけ次第、殲滅が正しい対応だと思っている。使い道もあるので、殺さずに捕まえることが多いのだが・・・。共和国に入ってからは、野盗は殺してい…

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2023/03/19

【第七章 神殿生活】第十九話 ナナ

久しぶりに見るアロイの町並みには懐かしさは感じない。それどこか、寂れた感じがする。 「リン。どうするの?」 「ナナの店に急ごう」 街に人影はないが、マヤを誰かに見られたら面倒なことになる。 俺の考えが解るのか、マヤがミトナルの肩に乗って、何かを唱えると、マヤの身体がミトナルに入っていった。 「ミル?」 「ナナの店まで、僕の中で起きている」 「わかった」 俺とミトナルだけなら、注目を浴びる可能性はあるけど、問題はないだろう。視線は感じるが無視できる。 不気味な感じはしたが、すんなりと、三月兎(マーチラビット)…

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2023/03/18

【銃弾の行方】最後の銃弾

お前たちが居なくなって、丁度20年が経った。 長いようで、短い20年だ。世の中は変わったよ。お前と娘と三人で住むはずだった家の跡地は公園になった。やっと、財産の処分が出来た。もう、俺も60に手がかかる年齢だ。本当なら、お前と観光地を回っていただろうな。 お前たちの所にはいけない。解っている。お前たちが、こんな事(復讐)を望んでいない。いつも、自分の事よりも、私の事を、娘の事を優先していた。だから、最後も私のやりたいことを優先する。 お前たちを弄んで、火を付けて殺した奴らを許せると思うか? 20年だ。 20年…

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2023/03/17

【第四章 スライムとギルド】第十話 スキルと属性

もう疲れました。本当に、疲れました。これで、本題に入っていないのですから、拷問です。 でも、主殿の呟きを聞いてしまったら、”帰りたい”とは言えない。もっと言えば、私も主殿ともっと話をしていた。内容が心臓と胃に悪いのは諦めます。あとで、ギルドのメンバーを道連れにします。確定した未来です。しっかりと報告するまでが、私の仕事です。 「茜さん?大丈夫ですか?」 「なんでもないです」 「それなら良かったです。魔石の変形は慣れないと疲れますよね。あっ!でも、茜さんは、クロトちゃんとラキシちゃんが居るから大丈夫なのでしょ…

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2023/03/16

【第四章 連合軍】第十話 【王国】ダンジョン

どうしよう。どうしよう。 死にたくない。死にたくない。 転生して、”ひゃっは!”して、ポイントを無駄に使ったのが悔やまれる。 楽しくて、使わない武器や防具を交換した。王国の奴らが、喜んでくれたから嬉しくて、ダンジョンの宝物にした。アイツらが居ると、俺のポイントが増える。アイツらは俺から宝物として、武器や防具やポーションを得ている。”WIN-WIN”な関係だと思っていた。 王国の奴らは、深層に降りてこない。 調べても、弱い。俺では勝てないが、俺の眷属で十分に戦える。1対10でも勝てるくらいの戦闘力しかなかった…

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