サイト小説の記事一覧
2023/05/15
【第八章 王都と契約】第一話 ナナ
神殿から出て、王都に向かうことになっている。 シミュレーションを兼ねて森の中の出口を使った。 今は、セトラス商隊が神殿から出て来るのを待っている。 商隊の全員が現状で考えられる手続きをした場合に、商隊がフリークス村から廃墟の村に抜けるまでにどの程度の時間が必要になるのかを計測している。言い出したのは、リカールだ。 フリークス村と廃墟の村の住民以外からは、入場料を取ることに決まっている。 俺としては、銅貨2-3枚でいいと思っていたのだが、セトラス商隊から待ったがかかった。 提案されたのが、商隊が抜けるのに必要…
続きを読む2023/05/07
【第七章 神殿生活】第二十四話 王都へ
新規住民の話は、整理を行ってから、割り振りを含めて考慮することに決まった。 そして、イリメリが連れてきた住民が柔軟に対応をしてくれた。割り振りで揉めなかったのもよかった。 また、森の外周部には、まだ隠里があるようで、イリメリが住んでいた村の住民が、他の隠里を説得してくれることになった。 問題が全くなかったわけではない。 隠里から来た者たちは、身元が解ってしまうと、”脱税”の疑いで、奴隷階級に落されてしまう可能性が出てきた。 これは、セバスチャンが指摘したことだが、隠里の者たちも可能性として考えていたようだ。…
続きを読む2023/05/06
【君はいつも公園で】公園のベンチで
今日も、残業で遅くなった。 最寄り駅は地下三階に改札がある。部屋を借りる時には、気にしなかったのだが、今は少しだけ後悔している。確かに、エレベータやエスカレータの設置はされている。しかし、商店街方面だけだ。俺が住んでいるマンションに近い出口は、階段で地下三階から上がらなければならない。 疲れた身体には、地下三階から地上にあがるのだけでも疲れてしまう。 しかし・・・。今日は、まだましだ。 店が空いている時間に帰ることが出来た。店と言っても、飲み屋だ。食事を摂る雰囲気ではない。 しょうがないので、今日もいつもの…
続きを読む2023/05/06
【第四章 スライムとギルド】第十五話 報告書の前に
ライが、カーディナルに乗って帰っていくのを見送ってから、階段ではない方から帰ることにした。 クロトとラキシは、おとなしいけど、さすがに外を歩かせるのには、リードがない? ”ニャウ!” え? リードがある?主殿から貰った? アイテム袋の中に入っている? はぁ・・・。 確かにリードだ。リードだけど、これは・・・。 私は騙されない。 これは、魔物の素材を使ったリードだ。手に持った事ではっきりとわかった。 でも、確かに見た目はリードだ。 手に持つ場所に魔石が埋まっていたとしても、これはリードだ。武器ではない。 通常…
続きを読む2023/05/05
【第四章 連合軍】第十五話 【王国】支配
玉座に座る魔王は、”本当に同格だったのか?”という疑問さえも愚かに思えてしまう。 俺が勝てるはずもない。挑もうと考える必要もない。 心が敗北を受け入れている。 隣に居るコアも魔王の力が解るのだろう。自然と跪いている。 魔王は、俺に頼みがあると言った。 「ルブラン。同じ物を魔王に渡して・・・。名前が無いと不便だな。君。ゲームとかでよく使っていた名前とかある?」 「ゲームですか?ギルバートを使っていました」 「ギルバート?赤毛のアン?」 「いえ、初めてやったゲームで、主人公の名前が変えられなくて、なんとなく・・…
続きを読む2023/05/05
【第四章 リブート】第三話 エッグノッグ
バーシオンの開店の時間ちょうどに、男が店に入ってきた。 「マスター!」 カウンターに座った男は、マスターの返事を待たずに懐からUSBカードを取り出す。 「ん?」 「時間があるでしょ?確認して」 「わかった」 「クローズにしていいよね?」 「あぁお前が補填してくれるのだろう?」 「それは・・・」 マスターが男を睨む。 「怖い。怖い。ひとまず、中を確認して、それからでも遅くないと思うよ?」 「わかった」 マスターは、店の奥にある事務所スペースに置いてあるパソコンで、USBカードの中身を確認する。 新聞の切り抜き…
続きを読む2023/05/04
【第三章 復讐の前に】第二十五話 人員
前田教諭から、妹さんの詳しい状態を聞いた。 確かに、ミドル・ポーションなら快癒も可能だろう。準備が出来るのなら、ハイ・ポーションを用意しよう。 しかし、もう一つの可能性を考えて、該当するスキルを持っている者からの協力を取り付けたい。万全を期したい。 治療などと大きなことを言うつもりはないが、頼まれて、承諾したからには、しっかりと対処を行うつもりだ。ポーションを渡して終わりにはしたくない。せっかくの駒になりそうな人物だ。しっかりと恩を売っておきたい。 学校では、他に大きなイベントが起きなかった。 憎しみが込め…
続きを読む2023/05/03
【第三章 帝国脱出】第四十三話 そのころ(1)
おっさんが拠点の構築を進めている頃に、カリンは森の探索を行っている。 おっさんには、森の状況を確認すると伝えている。 実際には・・・。 「バステトさん。朱雀か玄武が居るのですよね?」 ”にゃ!” バステトも、本当に居るのかは解らない。 気配を感じているのだが、どこに潜んでいるのかは解らない。 ただ、自分が近づけば出てくると確信している。 朝の早い時間に拠点を出立して、日が落ちるまでには戻ってくる生活をカリンは行っている。 おっさんは、カリンが自分に相談をしないで、行動しているのは解っていた。何も言ってこない…
続きを読む2023/05/03
【第九章 ユーラット】第十六話 観劇
姫様が、攫われた。 私が助けて・・・。 違う。姫様をお救いする為に、本国に救援を求める。 あれは、間違いなく姫様の作戦だ。 その証拠に、私の手元に情報が揃っている。 あとは、私が姫様から託された作戦を・・・。しっかりと、愚かな者たちにも解るように書いた書類を添えて、本国に送れば、”姫様の救出”という名目で・・・。帝国が神殿や王国に攻め入ることができる。 姫様の日記に隠された私に向けた指示にもしっかりと書かれている。 まずは、馬車を確保しなければ、馬車に隠されている帝国に伝わるアーティファクトを利用して、情報…
続きを読む2023/05/02
【第三十章 新種】第三百六話
ゴブリンの新種?が落したスキルカードを見ているのだが、チアル大陸で出現していたゴブリンたちが、落すスキルカードとの違いは見られない。 「カイ!ウミ!」 スキルカードの回収が終わっているが、また奥からゴブリンの新種と思われる気配が近づいてくる。 カイとウミも解っているのだろう、臨戦態勢に戻る。 ライが分体で周りの探索を始める。 スキルに頼ることも出来るのだが、新種のゴブリンは急に湧いた感じがした。 もし、これがダンジョンと同じように、新種として産まれてくるのなら、対策が難しい。チアル大陸でも、街中でいきなり、…
続きを読む2023/05/01
【第五章 共和国】第五十八話 合流
俺とカルラは、荷物や馬車を置いて、アルバンが戦っている場所に急いだ。 アルバンが負けるとは思っていない。 俺とカルラが問題に思っているのは・・・。 アルバンが、相手を殺してしまう可能性があることだ。 アルバンの過去にも影響しているのだが、アルバンにはトリガー(トラウマ)が存在している。トリガーが引かれると俺やカルラが対応しないと、抑えられない。今回は、大丈夫だとは思うが、何があるかわからない。 アルバンを襲った奴らが殺されようが、どんな酷い結末を迎えようが、気にしない。 しかし、アルバンが落ち込むのは避けた…
続きを読む2023/04/23
【第七章 神殿生活】第二十三話 代表者
イリメリが連れてきた代表者との会合を持つことになった。 アデレード殿下は出席をしない。流石に、隠れ里のようになっていた者たちの前に殿下が出るのは、萎縮してしまう可能性が高い。同じ意味で、ルアリーナも最初の会合には参加しない。 イリメリは、案内をしてきたという立場で、会合には参加をしない。イリメリが口を出してしまえば、決定事項になってしまう事を恐れた。 ギルドは、ナッセが出席する。 他には、フリークス村の責任者として、ナナが出席する。 状況と全体の説明を行うために、セバスチャンが参加する。 俺は、参加しない。…
続きを読む2023/04/23
【祝福された卵】祝福を導く卵
完成した。 開発を初めて、10年の時間が必要だった。 あの頃では、考える事が出来なかった世界が広がっている。 誰しもが、恩恵を受け、祝福を受け、情報を受け取り豊かな生活を受け取る。 そう、俺と彼女以外の誰しものが、自分たちの幸せの為に、他人を蹴落とすのを躊躇しない。蹴落とされた側にも、人格があり、感情があり、思考する能力があるとは知らないようだ。 俺は、”祝福を導く卵”を配置した。 情報を分析して、答えを導くだけのツール(卵)だ。 集合知を得た卵は、皆が望む答えを導き出す。 答えを貰った者たちは、卵に依存す…
続きを読む2023/04/22
【第四章 スライムとギルド】第十四話 整理
帰路は、いろいろ考えながら歩いている。主殿は・・・。 クロトとラキシを、主殿が送ってくれることに決まった。 スサノとクシナのスキルを調整したいと言われてしまった。 その都合で、クロトとラキシのスキルが必要になってくるらしい。怖くて、それ以上は聞けなかった。聞いた方が、ギルドとしては正しいけど、聞くのが怖かった。 私の表情を読んで、主殿が簡単に教えてくれた。 簡単に言えば、クロトとラキシが持っている”眷属”の繋がりを、”横に広げる”らしい。 今までは、私が中心になって、クロトとラキシとスサノとタシナに繋がって…
続きを読む2023/04/22
【第四章 連合軍】第十四話 【王国】魔王
俺は助かったのか? 着替えをしてくるように言われて、コア・ルームから追い出された。 部屋に辿り着いて、ベッドに倒れ込む。 「コア」 コアが俺に付き添ってくれている。 他の眷属は、玉座とコア・ルームに別れて待機をしている。 「はい」 コアが安心した表情をしている。 心配させてしまったか? 「助かったのか?」 「そのようです。しかし、魔王様。よく・・・」 「あぁ・・。そうか・・・。ハハハ。はぁ・・・」 「??」 「コア。魔王ルブランの主殿と謁見してから、俺の長い話を聞いてくれるか?」 「もちろんです」 魔王ルブ…
続きを読む2023/04/18
【第五章 共和国】第五十七話 襲撃者?
しまった! 内通者の存在自体が罠の可能性を完全に忘れていた。 王国に帰ることで頭がいっぱいだった。 共和国のダンジョンが弱かったことや、思っていた以上に共和国の連中が弱かったから、気を抜いてしまっていた。 俺たちだけが、共和国内で実践形式の訓練をしていたわけではない。 帝国の奴らも、共和国を狙っていても・・・。それなら、俺たちを見つけて、情報を抜こうとしていても不思議ではない。 俺が、帝国の立場でも同じ事を考えただろう。 そして、実行する。 内通者が仕立て上げられたら、内通者に情報を送らせる。 情報が流れて…
続きを読む2023/04/17
【第七章 神殿生活】第二十二話 待ち人
ナナと一緒に神殿に移動した。 「へぇ中はこうなっているのね?」 「あぁまだ整備中だけどな。何か意見が有れば頼む」 「了解よ。それにしても、本当に・・・。凄いわね」 ナナは、感心しながらも、周りを見て質問を始めた。 表の街道は、両脇に店を構えているが、路地を作ったほうがいいだろうと言われた。 裏にも道があるほうが、住民が、荷物を抱えた状態で、客の前を歩く必要がないから、必要だと言われた。 丁度、タシアナが調整を行っていたので、ナナを紹介する。 タシアナとフェナサリムも一緒になって、質問と改良点を伝えてきた。 …
続きを読む2023/04/16
【第四章 スライムとギルド】第十三話 眷属
いろいろありすぎて、本来の目的を忘れそうになっていました。 頭陀袋に入っていた物は、”プレゼント”だと言われた物以外で、同じ素材が複数個ある物は質が悪(・)そ(・)う(・)な物を受け取ります。主殿が、悪い物で、値段を算出して欲しいと言っていたからですが、良い物でも悪い物でも、大きくは違わないように思えます。 委託販売の件では、値段は気にしないと主殿は言っています。 気にしないと言われても・・・。他のギルドメンバーに知られたら、ギルドが叩かれてしまいます。 そうならない為にも、しっかりとした値付けが必要になっ…
続きを読む2023/04/16
【第四章 連合軍】第十三話 【王国】選択肢
何を言っている? 俺に聞きたいこと? 「なんだ。狐人族の少女ミア」 「魔王は、これが読めるのか?」 ん? 読めるのか? 何か、紙片を取り出している。 流石に、俺があそこまで降りていくのは違うような気がする。 「魔王様。私が」 コアが俺の前に出て、少女ミアの所に向かう。 少女ミアが、コアや俺を殺そうと思えば簡単にできるだろう。それくらいは、俺にも理解ができる。 少女ミアは、近づいてきたコアに紙片を渡した。 コアは、受け取った紙片を持って俺の所に戻ってきた。 「魔王様」 紙片を受け取る。 裏返されているのか? …
続きを読む2023/04/15
【第四章 リブート】第二話 クロンダイク・ハイボール
バーシオンは、営業時間を変更して、店を再開した。 静かなオープンだ。 再開を祝う花束は存在しない。マスターが遠慮してもらうように伝えていた。それでも送ってきた花は、店の中に飾ってある。 営業時間は22時から始発までだ。 各種届け出も済ませた。フードを出すために手続きが必要になった。 繁華街で、4年以上の期間が経過している。 馴染みだった客の殆どが、繁華街を離れている。 しかし、マスターからの再開の連絡を受けて、”客”として顔を見せに来てくれていた。 「マスター。久しぶり」 女性は、以前にマスターに”裏”の仕…
続きを読む2023/04/15
【第三章 復讐の前に】第二十四話 新・協力者?
登校した。 何も変わっていない。バイクを停めて、教室に移動する。 生徒には、俺の情報が流れていないのか、変わった様子はない。視線は感じるが、以前と同じだ。バイクで通っている者への”やっかみ”のようだ。 ホームルームが始まったが、教師の態度も変わっていない。 淡々と進んでいるように思える。 絡んでこないのは残念だ。 誰かが絡んでくるのかと思ったのだが・・・。 昼休みになって、吉田教諭から呼び出しが掛かった。 「吉田先生」 「ユウキ。ちょっと待ってくれ、この採点だけ終わらせる」 「わかりました。昼飯がまだなので…
続きを読む2023/04/14
【第三章 帝国脱出】第四十二話 拠点整備
おっさんは、領都で建築の依頼は出さなかった。 出す必要が無かった。 黄龍は、眷属を持っていないが、他の四龍は、それぞれが眷属を持っていた。 青龍は、ドワーフ族を眷属として使役することができる。四龍のまとめ役も、青龍の役割だ。もう一つの役割を持つ、龍族の中で役割が多いのが青龍だ。 紅龍は、サラマンダー族を眷属として使役することができる。 白龍は、ウィンディーネ族を眷属として使役することができる。 黒龍は、エルフ族を眷属として使役することができる。 黄龍を除く、四龍が、それぞれの眷属を召喚して、おっさんとカリン…
続きを読む2023/04/14
【第九章 ユーラット】第十五話 誤算
姫様が見つからない! 馬車の中を探しても、姫様の姿が見えない! 隠れている?違う。私が助けに来たのだ、隠れている意味はない。 そうか、私が助けに来たことを察知して、馬車から降りたのだな? 「オリビア姉ちゃん!」 誰だ! 二つの車輪が付いたアーティファクトに乗った子供が二人、馬車に近づいてきた。 「カイル!イチカ!」 姫様が、馬車の中から出てきた? 探しても姿が見えなかったのに? どこに居たの? アーティファクトに乗ってきた二人の一人が、私に突っ込んできた。 とっさに避けた。 私くらいになれば避けると同時に攻…
続きを読む2023/04/13
【第三十章 新種】第三百五話
ルートガーとファビアンが、俺たちから離れた。ルートガーの従者として連れてきた連中も、ルートガーと一緒に交渉をまとめるように伝えている。ダンジョンの内部の説明を、ファビアンだけに任せるのは、ルートガーの立場が悪くなる。俺が着いて行くことも考えたが、ルートガーに交渉を任せるのに、俺が一緒では意味がない。従者たちは、ダンジョンに潜っている。俺の代わりに、ルートガーにダンジョン内部の説明をする役割を与えた。 それに、記録係りくらいはできるだろう。 ルートガーには必要がないと言っても、従者だけではなく護衛としての役割…
続きを読む2023/04/13
【第五章 共和国】第五十六話 同行者?
クォートとシャープとの合流まで、半日程度の距離に到着した。 順調な行程に、少しだけ不安を覚える。 俺たち側には、問題は出ていない。 アルバンが暇をもてあましたのが、問題と言えば問題になっている程度だ。俺もカルラも、それぞれでやることがある。何もないアルバンだけが暇を持て余している状態になってしまっていた。狩りに出かけようにも、目的が合流なので、俺たちから離れての行動は許可できない。食料の調達や素材の確保も現状では必要ない。流石に、文句(グチ)は言っていないが、何もない状況に飽きているのが目に見えてわかってし…
続きを読む2023/04/11
【第七章 神殿生活】第二十一話 ガルドバ
ナナと話をして、アロイ側に作ってある村を任せることが出来た。 神殿はギルドが管理を行う。森の中の村は、今後の課題として考えるとして・・・。 ナナとガルドバを、アロイ側の村に案内した。 思いっきり怒られた。 ガルドバがいうには、ここまで立派だと、”村”ではなく、”城塞都市”だと言われた。 「リン君。この”村”は、すぐに稼働したい?」 「え?稼働?準備が整ったら・・・。ごめん。考えていなかった」 正直に謝っておこう。 「アスタ。こいつ、頭がよさそうなのに、ニノサと同類だぞ?」 ガルドバが、凄く失礼な事を言ってい…
続きを読む2023/04/09
【桜の祝福】祝福された双子
僕たちは、双子の兄妹だ。 僕たちは、祝福された双子だ。 僕が、君の事を知ったのは、僕が成人した時だ。 成人の報告を教会に告げに行った時に、司祭様から教えられた。 僕は、素顔を隠して、君の前に跪く。僕と同じ顔を持つ君は、僕を見て可愛く笑う。 君は、この国の女王だ。僕は、君に仕える。 王国は、荒れている。 前国王と王妃が、民を苦しめ、特権階級だけを優遇していた。前国王は、桜に祝福された。教会が認めている。祝福された国王だ。 王国では、双子は神に祝福された子供だと言われている。 僕たちは、運命の双子だ。桜に祝福さ…
続きを読む2023/04/09
【第四章 スライムとギルド】第十二話 杖と付与
倉庫の中は、お宝で一杯です。 蒼さんが来ていたら狂喜乱舞していた可能性があります。 頭陀袋は、ラノベの定番でした。 こんな物を作らないで欲しかった。便利だから、使うけど・・・。主殿や家族たちからしたら、大した価値がない物だと解る。 ライは、今は可愛い男児(弟属性付き)だけど、実際には魔王クラスのスライムだ。スキルで、アイテムボックスの様な物があるらしい。主殿も同じようなスキルを持っているようだ。 「茜さん?」 「ごめんなさい。それで、主殿とライのスキルは同じなのですか?」 好奇心が抑えられません。好奇心が抑…
続きを読む2023/04/07
【第四章 連合軍】第十二話 【王国】ギフト
玉座の間を作った時には、使う事を考えていなかった。 ここが、俺の最後の場所になるとは・・・。 攻めてきた者たちは、玉座の前で休憩をしている。 様式美として作ったセーフエリアで休んでいる。 コアからの報告では、攻略を行っていた者たちは、セーフエリアで何かを見つけて、一人が戻っているようだ。 抜けた一人が戻って来るまで、セーフエリアで休むと決めているようだ。 時間が稼げるのは、俺たちとしてはありがたい。実際には、首の皮一枚で繋がっているような状態だ。3人で攻めてきても俺たちには勝ち目がない。 でも・・・。それで…
続きを読む2023/04/06
【第四章 リブート】第一話 ニコラシカ
マスターが”珈琲貴族”で森沢に会って、今までで一番嬉しくて、一番切なくて、一番悔しい手紙を貰ってから、1年が経過した。 港町に新たに作られた拠点は、マスターが譲り受けてから改装を行っている。1年以上の時間をかけたが、まだ完成していない。 施設の名前は、”リブート”と決まった。 マスターが行っている裏の仕事で、逃げる必要がある人たちが居る。一時的に、避難する場所が必要になっていた。組織が持っている別荘が伊豆にあるのだが、隠れ家としての役割は果たしているが、再就職やその先の生活が保証されていない。 マスターが提…
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