復讐の記事一覧
2021/09/24
【第一章 スライム生活】第二十二話 調べ物
今日は、オークを倒した東側に行こうと考えている。考えているだけで、実行するかは未定だ。。 名前を付けてから、パロット(猫)が家に上がってくるようになった。 ナップたちが、家の周りを警戒するように見回っている。前は、巣を作っていたが、名前を付けてから、巣を作らなくなった。いいのかな?食べ物とか困っていない? それに、わたし、少しだけ大きくなっている? 今までは、触手?が2本までしか出せていなかったけど、今は4本まで増やせる。もう何本か出せそうだけど、制御が難しい。全部、同じ動きになってしまう。 触…
続きを読む2021/09/23
【第一章 スライム生活】第二十一話 裏庭
我は、この場所に住み着いた者たちの長をしている。 我らには、主(あるじ)様が居る。丸くて、柔らかそうで、”ぷよぷよ”としているが、ものすごく強いことは、我らの本能が訴えている。 逆らってはダメだ。敵対してはダメだ。 それだけではない。この楽園のような場所を作ったのも主様だ。主様の想いの一部は我らに伝わってくる。山では最上位である我だが、飢餓との戦いだ。しかし、この場所では飢餓を感じない。 『ワシ殿』 ”ワシ”と言うのが、我の仮の名だ。主様は、我の種族だと言っていた。他の者も、種族名を仮の名にしてい…
続きを読む2021/09/22
【第一章 スライム生活】第二十話 名前
うーん。 なんか、裏庭に住み着いた動物たちの様子がおかしい。 私に襲いかかるようなことは無いのだけど、なんだか見られているように感じる。最初は気のせいかと思ったけど、裏山に魔石で作った結界を設置しているときに、フクロウが一定の距離で付いてきた。ハクビシンも、付かず離れずの距離を保っていた。東側に行ったときのような、立体機動はしなかったが、それでも、かなりの速度で移動したけど、二匹とも私を監視するようにしていた。 スライムは珍しいだろうから、不思議な生物だと思って、見ていたのかな? 気にしてもしょう…
続きを読む2021/09/21
【第一章 スライム生活】第十九話 桐元孔明
久しぶりに連絡が来たと思ったら・・・。 奴は、どこから自衛隊の秘匿情報を得ている? それを脅し文句にして・・・。まぁいい。久しぶりに、会うのも一興だ。たしか、奴はギルドの職員だし、情報交換と言えば問題は無いだろう。 指示された場所は、市内にあるカラオケ店だ。カラオケ店の近くで、奴にメッセージを送ると、部屋番号が送られてきた。 「おい!」 部屋では、奴・・・。桐元がマイクを持って熱唱していた。同世代なら誰でも歌える曲だ。 「お!桐元・・・。今は、少佐だったよね。昇進おめでとう」 マイクを持ったまま…
続きを読む2021/09/20
【第一章 スライム生活】第十八話 ファントム
スライムになってしまった彼女の犠牲者が居るとしたら、ギルド日本支部の”情報管理課”兼”スキル管理課準備室”兼”登録者管理課準備室”の職員だろう。その中でも、ほぼ彼女の担当と言っても良いようになってしまっている、里見(さとみ)茜(あかね)だろう。 彼女は、父親が趣味で作った環境が”異常”だとは知らない。今後も気がつくことは無いだろう。そして、スライムになってしまった自分が、外でスマホを持っているのは、おかしいのではないかと考えて、スマホを部屋に置きっぱなしにしている。 彼女が、ここ数日でギルドに与えた衝…
続きを読む2021/09/19
【第一章 スライム生活】第十七話 家の裏
夜に寝られるようになった。スライムです。乙女の敵である体重計に乗ったら、体重が測れなくなっていて、少しだけ落ち込んでいます。 眠くならないのですが、寝る方法が解った。感情を切り離す訓練をしていたら、意識を手放す方法が確立できた。 やっぱり、夜に寝られないと、気持ちが悪い。 しかし、ここ数日は起きるのに、スマホのバイブではない。 なぜか、増えている裏庭の動物たちの鳴き声だ。 結界を張っているのに、なぜか動物が増えている。悪意があるわけでも、私(スライム)を攻撃してくるでもなく、動物同士で喧嘩するわ…
続きを読む2021/09/18
【第一章 スライム生活】第十六話 スライム
僕たちは、産まれたばかりのスライム。自分が、スライムなのを、なぜか理解している。 僕たちが、どうやって産まれたのかわからない。僕たちは、スライムとして一体だけど、一匹ではない。 僕たちは、池で生活をしていた。でも、スライムに生まれ変わった。 今、僕たちは、2つの気持ちに支配されている。 一つは、ご主人さまに会いたい。遠くに居る。ご主人さまに会いたい。僕たちは、産まれた時から、ご主人さまと繋がっている。ご主人さまのために、僕たちは産まれた。でも、僕たち以外の僕たちは、無残にも殺された。なんで、殺され…
続きを読む2021/09/17
【第一章 スライム生活】第十五話 大虐殺
(なぜだ!何故だ!理解できない!) 彼は、塾が終わると、昆虫を魔物(スライム)化して殺していた。すでに、3桁を越えて4桁に届きそうなスライムを殺している。しかし、彼が望むような変化は訪れない。 (虫だからなのか?僕のような天才がスキルを得る為には、虫ではダメなのか?) 彼が次に狙ったのが、中学校の池に居る魚たちだ。もちろん、自然に出来た池ではなく、貯水湖の役割を持っている。彼は、塾に行く前に、貯水湖の栓を抜いている。それほど大きくない池なので、塾が終わる時間には、膝丈以下まで水位は下がっている。目視で鯉…
続きを読む2021/09/16
【第一章 スライム生活】第十四話 結界
今日も、裏庭に来ている。 最近、日付の感覚がなくなってきている。曜日は、リビングにあるTVで認識が出来る。 スライムには、学校も仕事もない。裏庭で遊んでいても、昼まで寝ていても大丈夫だ。積み本や積みゲームの消化が捗る。 裏庭に作った池を覗き込む。魚たちも元気だ。 え?うそ? 2つ設置した巣箱に、何かが入っている。 あと、水瓶近くにも、動物が居る。水瓶の近くには、妹が作った犬小屋みたいな物を置いてみた。 巣箱は、二箇所だけど、両方に何かが入っている。 こんなに早く?前に設置した時には、結局入…
続きを読む2021/09/16
【第五章 共和国】第六話 検閲
「旦那様。お休みください」 クォートが、食事の後片付けをしながら、俺に馬車の中に入っていて欲しいようだ。 「後は任せる」 「はい。シャープは、旦那様のお手伝いをお願いします」 「かしこまりました」 俺が立ち上がると同時に、シャープも立ち上がる。 カルラは、クォートの近くに移動して、何やら話し始める。 馬車に戻ると、シャープが話しかけてきた。 「旦那様。騒がしくして、もうしわけありません」 「襲撃か?」 「おそらく」 俺たちの周りの馬車が片付けをして、国境から遠ざかるように離れた。それでも、気にしな…
続きを読む2021/09/15
【第一章 スライム生活】第十三話 実験室
「どうだ?」 開けられているドアをノックしながら、中に居る人物に声をかける。 「上村中尉。あぁ今は、大尉だったな」 「どっちでもいい。少しだけ給料があがっただけだ。権限も増えないし、使える武器も増えない。その代わり、机の前に居る時間が増えた」 「安全な場所にいて、給料が貰えて、文句を言うな」 「俺には合わないって言っているだけだ。前線がいい。書類整理は、俺には合わない」 俺が差し出した手を、白衣を着た年配の男性が握り返してくる。 「それで、清水教授。実験はどうですか?桐元が気にしています」 このマッド…
続きを読む2021/09/15
【第五章 マヤとミル】第十九話 草案と説明
「ミル。マヤは?」 「うーん」 ミルが渋っているところを見ると、マヤはマヤで用事があるのだろう。 「無理なら無理でいいよ。ロルフ」 今回は、ロルフと話をして、神殿の草案を考えればいい。そのあとの拡張は、ロルフとマヤで行えばいい。 『はい。にゃ』 「神殿の入り口を、マガラ渓谷の挟む形で作って、そこから一直線に通路を作る。両側に、店舗になるような建物を作る。中間地点に、訓練所に向かを場所を作るようにしたい。訓練所の通路を挟んだ正面には、集会場になるような広場を作りたい」 アロイの街は、アゾレムが管理してい…
続きを読む2021/09/14
【第一章 スライム生活】第十二話 実験
うーん。 スキル:結界も、情報が伏(・)せ(・)られている。私としては、安全になる可能性が高いし、使えるようになりたい。 魔石は、ギルドが”買い取ってくれる”ことはわかったけど、私にはギルドに売りに行く手段がない。 魔物(スライム)が、ギルドの窓口で”魔石”を売っていたらシュールだ。考えなくても、無理だとわかる。 私はどうやら成長するスライムらしい。”らしい”と言って、断言出来ないのは、寝て起きたら、サイズが大きくなった・・・。ような、きがする。実際に体積を測っていたわけでも、体重を量っていたわけ…
続きを読む2021/09/13
【第一章 スライム生活】第十一話 裏山
やること(復讐)は、私の中で決定した事柄だ。 そのためには、私は弱すぎる。 幸いなことに、魔物(スライム)になってしまった。魔物(スライム)には、日本の法律、だけではなく、世界中のどの国の法律も、適用が不可能だろう。魔物に感情があり、知恵があるとは思われていない。そもそも、弱肉強食の世界だ。いつ、どこで、殺されても不思議ではないのが、魔物の世界なのかもしれない。 せっかく作った裏庭の池。 ビオトープではないが、水草や周りの環境も整えたい。本当なら、街に出て、ジャンボエンチョーとかで買い物をすれば、…
続きを読む2021/09/12
【第一章 スライム生活】第十話 里見茜
私は、里見茜。 ギルド日本支部で、働いている。英語が活かせる職場だと聞いて、応募した。学生の時に、機械学習を専門にやっていたことを認められて、喜んで居た。過去形だ。こんなに、ブラックな状態になるとは考えても居なかった。 「茜!今日・・・。も、無理そうね」 「うん。ごめん。無理」 「主任は?」 「おじさんたちとデート」 「それは、ご愁傷さま」 「貴女の部署の上司も含まれているのだけど?」 「え?聞こえない。聞こえない。あのハゲは、滅ぼしていいよ。誰も困らない」 「でも、次の会長選に出るのでしょ?」 「え?…
続きを読む2021/09/11
【第一章 スライム生活】第九話 練習
僕が得たスキルは、ギルドで検索を行っても”未知”のスキルのようだ。 やはり、僕だけの素晴らしいスキルなのだ。 当然だ。魔物(スライム)にしてしまうという凶悪なスキルだ。もしかしたら、ギルドは、この偉大なスキル”魔物化”を知っていて、Aランクという規格外のスキルを隠しているのかもしれない。 そうなると、僕もスキルを隠したほうがいいだろう。 スキルを隠すようなスキルを取得すればいい。 なんだ、簡単なことだ。 僕には、魔物を作り出せる能力がある。 スライムを作って、殺せばいい。 どうする? 誰…
続きを読む2021/09/10
【第五章 共和国】第五話 原因
御者台に座っていたクォートが、俺の所まで来た。 「旦那様。本日は、このまま野営になると思います」 他の馬車も、野営の準備を始めている。馬車の前後に空間があるが、馬車を道と垂直になるように移動するのが、この辺りのマナーのようだ。 「シャープ」 「はい」 「数名で動いている行商人に、野営時のマナーを聞いてきてくれ、付け届けにホワイトベアーの牙を渡してみてくれ、あと、行商人と交渉して、荷物を売ってくれるのなら、買い取ってきてくれ」 「かしこまりました」 シャープが、ホワイトベアーの牙を持って、野営の準備を始…
続きを読む2021/09/10
【第一章 スライム生活】第八話 スキル
気持ちよかった。スライムボディは本当に優秀だ。 今になって気がついたけど、もしかしたら・・・。家に帰ったら試してみよう。たしか、丁度いい物があったと思う。私は興味が無かったけど、ママのママが買ってくれた。あまりにも興味がなかったから、天井裏に入れたままになっている。 まずは、アイテムボックスの整理だ。 アイテムリストを見る。 え?ほぉ・・・。並び替えが出来るようになっている。使っていると、レベルでも上がって、機能が増えるの? ゲームみたいだけど・・・。まぁ便利になるのだから、文句はない。 試し…
続きを読む2021/09/09
【第一章 スライム生活】第七話 ギルド日本支部
「主任!」 「どうした?」 主任と呼ばれた女性は、部下の女性からの呼びかけに、資料に落としていた目線を上げる。 「今日の会議での資料です」 「ありがとう。また、ハゲオヤジたちの相手をしなければならないのか・・・。代わりに出ては・・・」 部下の女性は、にっこりと笑ってから勢いよく首を横に降る。 「ギルド内の会議だけならいいのだけど・・・。なんで、利権にしか興味がない議員先生が出てくる必要がある」 「ギルドが利権の塊にでも見えるのでは?」 「赤字団体だぞ?私たちの給料だって、実動部隊を除けば・・・」 「主任…
続きを読む2021/09/08
【第一章 スライム生活】第六話 家
うーん。 ソファーに座り?ながら考える。 学校に行けない(最終学歴は、中卒になるのか・・・)以外で、困ることがなさそうだ。 両親たちの保険が、口座に残っている。多分、前の生活を続けても、死ぬまで困らなかっただろう。 困るのは、食事くらいかと思ったが、スライムボディは優秀だ。一日が経過したが、食事をしたいとも、排泄をしたいとも、思わない。困るのは、睡眠が必要ないこと・・・。正確にいうとしたら、睡眠が出来ないことだろう。目を瞑っても、周りが見えてしまう。そもそも、目を瞑っているのかさえもわからない。 …
続きを読む2021/09/07
【第一章 スライム生活】第五話 魔物化
”なぜ、僕の呼び出しに、誰も・・・” 僕が、魔物化という素晴らしいスキルを得てから、何度も呼び出しているのに、奴らは、一人として呼び出しに応じない。 実験で、待ち合わせ場所に来ていた女子をスライムには出来た。 — 「よし!メッセージは送られた!」 彼は、覚えているアカウントに対して、呼び出しのメッセージを送った。 自分のアカウントだと、知られないように、フリーのアカウントを取得して使っている。 普通に考えて、知らないアカウントから、”お前の秘密を知っている。バラされたくなかったら・・・…
続きを読む2021/09/06
【第一章 スライム生活】第四話 魔物
遅かった。 私の考えが、足りなかった。 私は、このまま魔物(スライム)生を終えてしまうのだろうか? 山の頂上から、丸くなって転がった・・・。までは、よかった(と、思いたい)。木々にぶつかっても痛くは無かった。岩にぶつかって止まってしまったことは有ったが、問題ではなかった。 転がっている最中に、名前が把握できている草木を、取り込みますかと連続で言われて、面倒になって、自動で取り込めないかと考えたのも問題ではない。その結果、自動採取という項目が増えたのも、問題ではない。何も、問題ではない。アイテムボッ…
続きを読む2021/09/05
【第一章 スライム生活】第三話 自衛官
ドアがオックされる音で、部屋で書類を整理していた男は、顔を上げる。 「少佐。報告に来ました」 「入ってくれ」 「はっ」 ドアを開けて入ってきたのは、自衛隊の標準的な制服を来た。男性隊員だ。部屋の主である。少佐と年齢は同じだ。防衛大の同期なのだ。階級に差が出来てしまっているのは、中尉が”不良隊員”だと嘯いて実際に行動で”不良”を示してしまったからだ。 少佐と呼ばれた男は、報告に現れた男の顔を見て、一瞬だけ驚いた表情をした。 上から、本日付けで、少佐の副官が変わると通達が来ていたのを思い出した。上の考え…
続きを読む2021/09/04
【第一章 スライム生活】第二話 山道
学校のなんとも言えない状況を知ってしまった、女子更衣室を抜けて、プールから山道に入った。 山道を、人の足で5分ほど歩けば、小屋が有るはずだ。まずは、小屋を目指す。スライムの身体での、移動時間の目安になるだろう。 私のスライム生は始まったばかりだけど、かなり慣れてきた。跳ねる移動方法も、最初は”うさぎ跳び”の要領で疲れてくるのを心配したが、歩くように移動できる。手が無いのも、触手?を伸ばすことで対応できる。もしかしたら、人だったときの感覚とスライムの感覚が混じって使いやすくなっているのかもしれない。今も…
続きを読む2021/09/03
【第一章 スライム生活】第一話 移動
私は、どうやらスライムになってしまったようだ。 ”魔物になってしまった” なんて例は、掲示板にもギルドにもないだろう。 ”ぽよんぽよん” うーん。自分ながら、可愛い。是非、ペットにしたい。 現実逃避をしていても、何も変わらない。 私が持ってきていた荷物が無い。 そう言えば、着ていた服や下着は?誰かが持っていった?え?やだ! 私・・・。今、全裸? これって、もし、スライムから、人間に戻ったら、全裸になってしまうの? ここに居てはダメだ。 スライムになってしまった理由はわからないけど、ここに…
続きを読む2021/09/03
【第五章 マヤとミル】第十八話 神殿の拡張
ミルは、生き残れていないと判定されてしまうのではないかと考えているようだ。アドラの気持ち次第かもしれないが、多分ミルはまだ排除されていないように思える。アドラなら、負けが確定した時点で、無条件で白い部屋に戻すだろう。 「俺は、ミルはまだ大丈夫だと思っている。でも、たしかに、可能性は広げたほうがいいな」 「うん。僕もそう思う」 「マヤは?」 「うーん。まだダメ」 「そうか、マヤが活動出来るようになったら、話をしよう」 「うん。でも、瞳たちと協力体制は必須だと思うよ?」 「そうか?」 「うん。生き残るだけなら…
続きを読む2021/09/02
【序章】第三話 スキル
怖い。怖い。怖くない。怖くない。怖い。怖い。怖くない。僕なら・・・。そう、僕は、選ばれた存在だ。 一般の人なら見つけられない。コボルトを見つけた。これで、僕の目的が果たせる。 犬と言うよりも、出来損ないの狼男だな。 出来損ないなら、完璧な僕が負けるわけがない。理科準備室は、入られなかったけど、調理クラブに入られて、包丁も借りてきた。ナイフも有った。そして、胡椒と一味を振りかければ、犬科なら撃退できるだろう。やはり。僕は天才だ。 まずは、真っ直ぐな場所に誘い込む。 そこで、一味をぶつける。怯んだ時…
続きを読む2021/09/01
【序章】第二話 登校日
表現には注意していますが、”いじめ”や虐待の描写があります。苦手な人は、スキップしてください。 — なんで、夏休みなのに、学校に行かなければならない? アイツらに会いたくない。僕が何をした。何もしていない。 パパは、助けてくれない。それどころか、僕がアイツらに言われて、パパの財布からお金を盗んでも何も言わない。最初は、1,000円だった。それが、5,000円になって、10,000円になった。パパは、僕に無関心なのだ。僕が、殴られて、顔を腫らして帰ってきて何も言わない。見てもくれない。 …
続きを読む2021/08/31
【序章】第一話 え?
空想上の生き物が目の前にいる。 違う。正確には、ガラスに映るのは、私だ。でも、私ではない。 『認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちというものを・・・』 ダメだ。現実は、何も変わらない。 私史上、言ってみたいセリフの15位(適当)を呟けない。 これってあれだよね? ニュースで流れていた。”モンスター(魔物)”。 私も、人並みにゲームを嗜むから、すぐに理解できた。日本に、地球に、魔物が発生した。そして、モンスターを討伐すると、”スキル(異能)”が芽生える。始めて討伐するときには、高確率で…
続きを読む2021/08/30
【第五章 共和国】第四話 関所
馬車は、クォートが御者台に座って、アルバンとエイダが座る。 実質的には、エイダが御者台から、ユニコーンとバイコーンに指示を出している。 御者台から、俺に声がかかる。 「旦那様」 「何かあったのか?」 「いえ、ユニコーンとバイコーンに、幻惑のスキルを使用させてよろしいでしょうか?」 「え?いつ、そんなスキルを?」 「先程、確認いたしました」 「ほぉ・・・」 ユニコーンとバイコーンを見ると、スキルが増えている。 ヒューマノイドタイプでも戦闘を行うと、スキルが芽生えるのは大きな収穫だな。エイダは特殊な産…
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