復讐の記事一覧
2020/03/30
【第一章 過去】第一話 葬儀
黒い服に、黒いネクタイをした男性が2人で話をしている。 葬式に参列して、顔なじみに会って近況を話し合っているようにも見える。 「なぁ」 「なんだよ」 しかし、二人はここ4ヶ月で、3回の葬式に参列して顔を会わせている。 「少し葬式が多くないか?」 「あぁ?そうか?こんな感じじゃないのか?」 4回を少ないと考えることはできそうに無い。 しかし、二人は多いと考える事ができなかった。 「おっ西沢!久しぶりだな」 西沢と呼ばれた女性が立ち止まって二人を見る。 「なに?立花くんも山崎くんも来ていたの…
続きを読む2020/03/30
【序章】第一話 終わり
すべて終わったわけじゃないけど、ボクにできる事はもうない。 パパ。ママ。ユズ姉。ボクは地獄に行くよね。ボクは、天国には行けないよね。これだけのことをしたのだから、当然だよね。 後悔なんてしていないよ。ヤツラは、奴は、それだけの事をしたのだから、報いを受けないとね。ボクは、喜んで地獄に行くよ。この身体が・・・心が・・・100万回引き裂かれても、悠久の時を苦しもうと後悔はしないよ。ボクは、パパとママとユズ姉とナユ兄のことを思い出して、それだけでボクは大丈夫。だから、ボクのことは安心してね。 パパとママと…
続きを読む2020/03/30
【君と決めたルール】僕がルールを破る時
何気ない日常の何気ない時間。 それが僕にとってかけがえのない物だったと知ったのは、何もかも・・・。”自分の身体”と”君への想い”と”君と決めたルール”だけが残された日だった。 君は、僕にそんな事を望んでいないだろう。 僕は、初めて、君との約束を僕の都合で破る事にする。 君と決めたルールは4つ。この4つは何が有っても変えないと二人で決めた。 1.嫌がる事はしない 2.他人に迷惑をかけない 3.辛くても笑おう 4.大切にする だ。 今から1番と4番のルールを破る。 — 高校1年の最初…
続きを読む2020/03/29
【紙とペンと復讐】復讐を誓った男の行動
そこは、寂しい港町。始発を待つ者は誰も居ない。 誰も居ないと解っていながら、1人の男性は毎日ホームに立つ。 ホームで始発電車が到着するのを待っている。 男が持つメモ用紙には、電車の時刻表と到着時間がメモされている。 ホームに電車が滑り込んでくるのを待っている。 数分後に、電車がホームに滑り込んできた。 男は、ホームに吊り下げられている時計を見る。毎朝、男が調整している時計だ。 電車が止まって扉が開く。 寂れた港町の駅では降りる客も少ない。 始発となれば、0人が規定の数字だ。 男は、ホー…
続きを読む2020/03/20
【感じた重さ】失った物
確かに、僕は、彼女の・・・君の重さを感じていた。ほんの数秒前に、君は僕の腕の中に居た。 彼女は僕の前に現れた。僕は、一目見て君を愛する道を選んだ。そして、彼女もそれを受け入れてくれた。僕の心には、彼女がいて、彼女が側にいる日常が当然の事の様に思っていた。 僕は、彼女の夢を聞いて、彼女は僕の夢を聞いてくれた。そう、二人を別つ事が来ることを考えていなかった。 僕は、彼女と初めて身体を合せた公園に来ている。あの時は、確かに彼女を身体で感じる事が出来た。 そして、彼女も僕の重みを感じてくれていた。二人は、…
続きを読む2020/03/20
【消された証】過去の清算
俺は、消防士をしている。 よくある話だが、この職業をしていると、”バカ”に遭遇する事が多い。 今日も、高校生の”ガキ”が、公園で花火をしていると連絡が入った。”警察に言えよ”とも思うが、公園の遊具が燃えていると言われたら、緊急出動しなければならない。 俺は、大木の様にはなれないだろう。 やつは、中学生の時に、学校で自殺騒ぎがあり、それが後に事故だと言われて、最終的には、いじめの延長で殺されたと知った。その殺人がきっかけで、同窓会で数名が殺されるという事件があった。やつは、それがきっかけで、今でも収…
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