いじめの記事一覧

2020/08/27

【何度でもあの子を愛する】僕が愛した人

 塾の帰り道、公衆電話で親友が電話をかける。  そして、少しだけ話をして僕に受話器を渡す。  僕は、誰だろうと思って受話器に耳を当てる。  最初は何も聞こえない。  永遠に思える5秒間が過ぎた。  親友は少し離れた所に居る。相手が誰か聞く前に離れてしまった。  僕は、勇気を振り絞って話しかける 「もしもし。静間(しずま)誠司(せいじ)だけど?」  相手の息遣いが聞こえてくる。小さな吐息のようだ。  僕が緊張しているように、相手も緊張しているのだろうか? 「ねぇ。誠司くん。まだ私の事、好き?」  え?  この…

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2020/08/27

【バレンタイン】初めて食べた手料理はしょっぱかった

 俺が通う高校までは電車で30分くらいかかる。  朝早い電車で駅員が居ない日もある。  市にある工業高校に通っている。そこで、部活をやっている。  最寄り駅までは、家から自転車で通っている。  自転車置場はすぐにいっぱいになってしまうのだが、朝練に向かうような早い時間帯なら自転車置き場も空いている。  毎日、電車に乗るわけでも無いのに、ベンチに座って居る2人のおばちゃんにも挨拶をする。  寝ているのか起きているのかわからないけど、挨拶しないでいると後で思いっきり怒られたりする。 「隆史(たかし)今日も部活か…

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2020/08/27

【発覚】大事な事は、奴らが教えてくれる?

 俺は、心霊現象と言われる類の物が好きになれない。  怖いからではない。見えてしまうからだ。  いつ頃からだろうか?  俺は、心霊現象を認知する事ができる。幽霊と言われる物がはっきりと見えてしまうのだ。相手も、俺が見えている事が解るのだろう。コンタクトを取ってきたりする。 「田村!どうした?疲れ切っているぞ?」 「うるさい。話しかけるな」 「おっおぉ・・・」  会社の同僚の村田だ。  同期だという事もあり、よく飲みに行ったりしている。お互いの事情もある程度は知っている。  違うな。奴の事情は、奴から聞いたわ…

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2020/04/05

【目が覚めるとそこには】夢で終わらない

 あぁこれは、いつもの夢だ。誰にでも、1つくらいあるだろう。  同じような夢。疲れた時に見る夢。誰かを殺したいと思っている時に見る夢。  窓も、ドアも、部屋の調度品がなにもない部屋。上も下もわからない白い部屋に私が全裸で居る夢をよく見る。  私は、部屋の中を抜け出すために走りまくる。床だけでなく、壁や、天井を使って、走りまくる。走って、走って、走って、疲れ切って、倒れる。最後は、なぜか部屋から抜け出す。  その時に、必ず振り返ってしまう。白かった部屋が、真っ赤に染まったシーンで目をさます。  目を覚ますと、…

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2020/03/29

【紙とペンと復讐】復讐を誓った男の行動

 そこは、寂しい港町。始発を待つ者は誰も居ない。  誰も居ないと解っていながら、1人の男性は毎日ホームに立つ。  ホームで始発電車が到着するのを待っている。  男が持つメモ用紙には、電車の時刻表と到着時間がメモされている。  ホームに電車が滑り込んでくるのを待っている。  数分後に、電車がホームに滑り込んできた。  男は、ホームに吊り下げられている時計を見る。毎朝、男が調整している時計だ。  電車が止まって扉が開く。  寂れた港町の駅では降りる客も少ない。  始発となれば、0人が規定の数字だ。  男は、ホー…

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