復讐の記事一覧
2022/03/24
【第五章 共和国】第十九話 攻略中?
「ナベ!」 「ΑД‡ο∝ξ∝с」 「しっかりしろよ」 「♭р∝Г∝Ё∝Φ∝Э∝σ∝ж」 「それならいい。お前を名指しで来ている。指名だぞ」 「∝О∝Φ∝О∝Φ∽≧∝χ∝к∝Ж∽′」 「それで?お前、本当に解っているのか?俺のボーナスがかかっているのだぞ!」 「∝Ч∝Ω∝χ∝и∝в∝ΣΔёΘР∝Ж∝σ∝М∽≧∝Ж∝б∽≦♭ο∝К∝О♪Ч‡○∝Й∝Φ∝Ж∝σ∝ж∽≧」 「関係ないって・・・。まぁいい。案件を奪うぞ!」 「∝О∝Φ∝О∝Φ」 — 懐かしい情景の夢を見た。 俺が話している言葉は、どこの言…
続きを読む2022/03/24
【第六章 ギルド】第十三話 王都
ミルが戻ってきた。 怪我もしていないので、相手は問題になるレベルではなかったのだろう。 「リン!」 ミルが駆け寄ってきて、ミアを見つけて、安堵の表情を浮かべる。その表情のまま、俺に抱きついてくる。 ミルの頭を撫でながら、状況を聞く。 「どうだった?」 ミルの様子から、奴らでは無い。貴族関係の者でもなさそうだ。 「関係ない人たちだった。僕や、ミアを見て、奴隷として売ろうと考えたみたい」 それは、それで問題だけど、確かに、ミアは珍しい種族だし、ミルは”美少女”だ。狙うのは理解ができる。でも、簡単に捕まえられない…
続きを読む2022/03/14
【第二章 スライム街へ】第二十六話 ??
オーガ・キング(仮称)が倒れた。 ラストアタックは、私がもらってしまった。別に、ラストアタックだから、特典があるわけではない。多分。 ”ライ!” 『ダークとフィズの一部がオーガの範囲攻撃で怪我をしましたが、かすり傷です。命にも、移動にも、問題はありません』 ”よかった。他は?” 『疲れは出ていますが、問題はありません』 ”わかった。一度、拠点で休んでから、家に戻ろう” 『はい。結界に使った魔石は、回収しますか?』 ”うーん。回収をしておいたほうがいいとは思うけど、難しいよね?” 『いえ、人と接している場所は…
続きを読む2022/03/08
【第二章 スライム街へ】第二十五話 決着
”キング!クイーン!お待たせ” キングとクイーンが、オーガたちにスキルを浴びせかける。 ”ライ!” 『はい。タイミングはマスターがお願いします』 ”わかった。キング。クイーン。離脱!” 二人から、了承が伝えられる。 ”テネシーとクーラーは、キングとクイーンが抜けた場所にスキルを!” 『マスター。サポートに、フィズを!』 ”お願い。皆。キングとクイーンの離脱をサポート。行くよ!” キングとクイーンを追撃しようとしていたオーガがスキルを受けて、立ち止まる。離脱が成功したのを見て、ライから作戦が伝えられる。 『マ…
続きを読む2022/02/26
【第五章 共和国】第十八話 攻略中
アルバンとダンジョンに入った。 草原フロアと言ってもいい場所で、眠った。 大丈夫だ。覚えている。 起きてから、探索を再開したが、このフロアは広い。 本当に広い。帰りたくなるが、変える方向も解らなくなっている。 俺とアルバンだけでは厳しい状況だけど、魔物は適度に現れるし、修練にはちょうどいい。難易度は低いけど、縛りを付けた戦闘には丁度良かった。 戦闘訓練にはなっている。 ただ、同じような魔物ばかりで飽き始めているのが問題だ。 「兄ちゃん」 「アル。言うな。俺も飽きてきている」 「そうだよね。ゴ…
続きを読む2022/02/25
【第六章 ギルド】第十二話 散策
見る物すべてが珍しいのか、ミアは周りを見ては、ミルに質問をしている。 ミルも嬉しそうに、ミアの手を握りながら、説明を行っている。俺から少しだけ前を歩く形になっていて、俺には二人の会話が聞こえない。 「あるじ!」 ミアが、後ろを振り返って俺を見た。 「どうした?」 「ミルお姉ちゃんと、あるじは”ふうふ”なの?」 「ん?ミトナルさん?」 ミルを見ると、視線を逸らした。 レオが目線をそらすという器用な真似をしている。 「レオ!」 ”ワフ・・・” レオは、ミルを見つめる。 やはり元凶は、ミルのようだ。…
続きを読む2022/02/23
【第二章 スライム街へ】第二十四話 掃討
キングとクイーンに、追加の援軍を送った。オークの処置は、後方で待機していた者たちに頼んだ。 ”ライ!” 『はい。ダークとドーンで、結界の外を警戒させます』 ”うん。魔物が居たら、討伐を頼める?” 『上位種までなら、色違いが居たら、ピコンとグレナデンを向かわせます』 ”お願い” ダークとドーンなら、結界の外に居ても不自然には思われない。と、いいな。 『マスター。結界の外、2キロ範囲には、魔物は居ないようです』 ”わかった。動物も?” 『魔物になってしまった。猫が3匹だけ確認できました』 ”え?魔物?猫?”…
続きを読む2022/02/19
【第六章 ギルド】第十一話 到着
王都に入る為には、パシリカの時でもなければ、検閲を受けなければならない。 ハーコムレイ辺りと、ギルドが交渉してくれたら、もしかしたら楽になるのかもしれない。 今は、列に並ぶのが自然な事だ。 それに、目立ちたくない俺たちに取っては、列に並ぶ以外の選択肢はない。 結局、列に並ぶ前に、アウレイアの眷属をどうするのか結論が出なかった。 ミアがテイムしている”白狼(ホワイトウルフ)”だということにした。 本人?に確認をしたら、そのままミアの護衛としてテイムされても問題はないということになった。身振り手振…
続きを読む2022/02/19
【第五章 共和国】第十七話 攻略開始
アルバンとダンジョンに向かっている。 道中に現れた獣は無視した。 盗賊たちが使っていると思われる拠点を発見したが、すでに使われなくなっているようなので、燃やして、穴を掘って埋めておいた。新しい盗賊が住みついたり、魔物の巣になったり、何かの拠点に使われるのは俺が望む未来ではない。 「アル。悪いな」 「いいよ。兄ちゃん。これも大事なことだよね」 「あぁ新しい盗賊が住みついたら、町は大変な目にあう」 「うん」 「それに、この前のようなゴブリンが住みついても厄介だろう?」 「そうだね。おいらの最初の村も・・・…
続きを読む2022/02/17
【第二章 スライム街へ】第二十三話 説明
プロジェクターで表示されたデータを食い入るようにギルドのメンバーが見ている。 「それで円香?見えない壁がどうした?」 「孔明。説明の前に・・・。茜」 「はい?」 「把握出来ている魔物の位置を追加して欲しい。あと、獣は除いてくれ」 「難しいことを・・・。少しだけ待ってください」 里見茜が端末で、データの整理を行う。 「円香?」 「予想が当たれば、これからの対応が少しだけ楽になるかもしれないぞ?」 上村蒼は、榑谷円香の言葉を聞いて、浮かせた腰をまた椅子に降ろした。 柚木千明が、里見茜がデータの精査をして…
続きを読む2022/02/09
【第五章 共和国】第十六話 準備
アルバンの武器を作った。 結局、投げナイフは諦めた。作成は可能だったが、単価があまりにも高くなってしまう。同じ単価なら、違う武器を作ったほうがいい。 アルバンに、戯れで作った多節棍を見せた所、何が気に入ったのか解らないが。多節棍を主武器に変更すると言い出した。 武器として考えると取り扱いは難しいが、難しい部分は、プログラム(魔法)の補助を組み込むことで対処を行った。複雑な動きは、アルバンの訓練が必要になってしまったが、プログラム(魔法)の補助を得て、アルバンの思い通りに動かすことができた。 単価で…
続きを読む2022/02/09
【第六章 ギルド】第十話 神殿では
リンとミトナルが、王都に到着しようとしている時、神殿では、マヤが頭を抱えていた。 「え?何?」 マヤは、リンが作成した地下通路の中央部に来ている。 中央部には広場が作成されているのだが、広場から離れて奥まった場所に、ロルフの反対を押し切って、森林を設置して、森林の先に一軒家を作った。森林の広さは、マヤたちが住んでいた村と同じくらいの広さがあり、一本の道が伸びている状態だ。 家には、一つの寝室とキッチンと風呂場とトイレとリビングがあるだけのシンプルな作りになっている。リンとマヤが元々住んでいた家から、…
続きを読む2022/02/09
【第二章 スライム街へ】第二十二話 中盤
結界はまだ作用している。 キャンプ場に居た魔物たちは、討伐できている。人の遺骸も見つかっている。人数は解らないが、マスコミが騒ぎ出すには十分な数なのだろう。 ”ライ。人らしき遺体は、一か所にまとめて” 『すでに指示をだしてあります』 ”ありがとう” さて、中盤戦だ。 オークの上位種と色違いが相手になる。 オークの上位種だけなら、私とカーディナルなら、100体でも対応ができる。 でも、上位種の後ろに色違いが見える。オークが群れになっている。色違いは、戦力分析が難しい。よくわからない。 オークのテ…
続きを読む2022/02/02
【第五章 共和国】第十五話 予感
ふぅ・・・。 落ち着いて考えよう。 アルバンが言うように、ダンジョンの中には”魔物”しか存在しない。 言葉を使わないからだ。理解はできるが納得は難しい。言葉という曖昧な理由ではなく、もっと違う理由があるはずだ。 「なぁアル」 「何?」 「ダンジョンで、魔物を倒す時には、魔核を得るよな?」 「うん」 「動物や魔族では、魔核は得られるのか?」 「え?考えたことがなかった。動物は、多分、ないと思う。解体する時に、魔核を見たことがない。魔族は解らない。そういえば、燃やしてしまうよね?」 「そうだな」 魔核…
続きを読む2022/02/01
【第六章 ギルド】第九話 ギルド(仮)本部では
リンがマガラ神殿で、マヤとミトナルが起きるのを待っている頃。 王都では、いろいろな事が発生していた。 王都の一等地に立つ店舗のような建物の中にある。一つの部屋で、女性だけ8人が集まって会議をしている。 「ルナ。それで?リン君たちはまだ見つからないの?」 王国に初めてできる組織の方向性を決める会議をしていた。先ほどまで、次期国王であるローザス王子とハーコムレイ次期辺境伯とギルドが正式に認められた場合に、ギルド長に内定しているナッセ・ブラウンと人材面のサポートを行うアッシュ・グローズが参加していた。 …
続きを読む2022/01/31
【第二章 スライム街へ】第二十一話 想定外
ゴブリンの上位種や色違いを討伐した。 ”ライ。慎重に対処して” 『はい』 ライから、皆に向けての指示が飛ぶ。 キャンプができる場所の殆どを解放できた。川?湖に隣接部分は、すでに魔物は掃討できている。 ”ライ。こちらの被害は?” 見た感じでは、被害は無いと思っている。 大けがを追えば、ライがすぐに知らせてくれる。撤退を考えなければならない。 気分が悪いだけで戦っている状況だ。無理をする必要はない。 『ナップが、人が放つ光で目をやられましたが、復活しています。アイズが、ゴブリンの色違いの攻撃を受けま…
続きを読む2022/01/25
【第五章 共和国】第十四話 散歩
アルバンと、町から出て森に向かう。 最初は、クォートかシャープが付いてくると言っていたが、二人には俺とアルバンが町に居るように偽装してもらうために、残ってもらった。 カルラは、町から離れることを印象付けるように出て行った。他の町に、物資の調達をするためという理由だ。そのために、馬車と一緒に旅立った。俺たちが残った理由は、『一緒に商売を行う商隊が遅れていて、待っている』ことにした。 間違っていないが、突っ込まれると困る言い訳だ。 だが、町長夫妻だけでなく、町民は誰も突っ込んでこなかった。 町にお金…
続きを読む2022/01/24
【第六章 ギルド】第八話 ステータス
ミアは、自分が従者だと認識はしていても、従者の役割がよくわかっていない。 今も、アウレイアの眷属に跨って・・・。正確には、眷属の白狼に抱きついて眠ってしまっている。俺とミルが、自分に危害を加えないとわかったのだろう。安心して眠ってしまっている。 「リン」 ミルは、ミアの髪の毛を触りながら、僕を見つめて来る。 もう、他の猫人族が離れてしまっているので、神殿にミアだけを向かわせるのは難しい。不可能だと言い切ってもいい。戻すのなら、俺たちも、一度神殿に戻る必要がある。せっかく、マガラ渓谷を抜けたのに、戻っ…
続きを読む2022/01/23
【第二章 スライム街へ】第二十話 序盤
”ライ!状況を常に報告して” 『はい!』 ライにお願いをして、私たちは天子湖のキャンプ場に向かう。 向かっている最中も、外周部から攻めている者たちの状況が報告されてくる。 先行していた、フィズとナップが結界の中に入って、魔物たちへの牽制を始める。少しでも、私たちの負担を減らそうとしてくれているのだろう。 ”フィズ!魔物よりも、人の牽制をお願い。制服を来ている人と、スキルを持つ人には注意して!結界の内側から牽制をお願い” フィズとナップから了承と返事が来る。 ライとのリンクで、制服を来ている者には注…
続きを読む2022/01/19
【第二章 スライム街へ】第十九話 開戦
夕日が眩しい時間だ。 天子湖から、私たちがいる場所は離れている。私は、スライムになってカーディナルに乗っている。 状況分析と最終確認をしている。 結界も上手く作動しているから、天子湖にいる人たちは中には入られていない。 数名の、—多分自衛官だと思うけど・・・。結界を調べている。もしかしたら、鑑定のスキルを持っている人がいるのかもしれない。何度も、鑑定で調べているけど、私に繋がるような情報は結界では表示されない。 もし、私に繋がったとしても、今の私はスライムだ。問題になったとしたら、逃…
続きを読む2022/01/19
【第五章 共和国】第十三話 休養
ウーレンフートからの補給物資が届くまで、休養にあてる事にした。 「旦那様」 カルラが部屋に入ってきて、頭を下げる。 何か用事ができたのか? 休養にあてるようには伝えてあるはずだ。 「どうした?」 カルラは、書類を手に持っている。 報告書なのだろうか? 昨日の段階で、前回までの報告書と、クリスからの返答を貰った。問題になるような記述は無かった。近況報告のようになっていただけだ。皇太孫だけが、わがままを言っているようだが、そこはクリスに頑張ってもらおう。共和国に、皇太孫が身分を隠してでも来られるわ…
続きを読む2022/01/16
【第六章 ギルド】第七話 ミア
「リン様。一つ、お願いがあります」 突然、猫人族の長が俺に話しかけてきた。 「ん?」 長は、連れてきた少女を呼んでいる。固有名詞が無いのは、不便ではないのだろうか? 少女が、俺の前に出てきて、跪く。 どういう状況なのか解らない。ブロッホを見ても、何か納得した顔をしているだけだ。ミルを見てみても、首を横に振るだけで、俺と同じで困惑している。 「長?」 「リン様。この者を、リン様の従者として連れて行って頂けないでしょうか?」 状況がさっぱり解らない。 「どういうこと?」 ブロッホが耳打ちするように説…
続きを読む2022/01/09
【第五章 共和国】第十二話 増援
朝になって、シャープが朝食の用意を始めている。 落ち着く為に、飲み物だけを頼んだ。朝には、コーヒーを飲んでいたが、紅茶を飲むのが多くなった。 紅茶を飲んでいると、アルバンが部屋に入ってきた。 「兄ちゃん!おはよう!」 アルバンの声が頭に響く。 「もうすぐ、朝食だ。アルも食べるだろう?」 「うん!でも、兄ちゃん!おいらも、エイダたちと戦いたかった」 アルバンの分の紅茶が置かれる。朝食まで、ここで待っていて欲しいという意味なのだろう。 カルラもだけど、アルバンは探索や御者以外の能力が欠如しているのか…
続きを読む2022/01/07
【第六章 ギルド】第六話 猫人族
力の波動?を抑える話になっていたが、元々は、ブロッホに洞窟の奥に潜んでいる獣人との接触を頼むためだ。 「ブロッホ」 「はい」 「洞窟の中に居る獣人は、無事なのか?」 「無事か・・・。解りませんが、こちらを警戒しています」 「わかった。俺とミルは少しだけ離れた方がいいか?アイルが居れば、大丈夫だろう?」 「はい。旦那様たちは、入口から離れた場所でお待ちください」 「ミル。少しだけ離れるよ」 「うん」 ミルが、俺の腕を取る。 洞窟から直接見えない位置まで下がる。丁度いい場所に、露出している岩があったので、…
続きを読む2022/01/01
【第二章 スライム街へ】第十八話 報告
円香さんにお願いされたミッションはクリアでいいのかな? 「千明!」 「あっ円香さん。舞に情報を渡してきました」 「そうか、解った」 「よかったのですか?」 「なにが?」 「舞は、直接報道はしませんが、制作ですよ?」 「構わない。どうせ、どこかに流す情報だ。それに、調べればわかることだ」 確かに、新しい情報もあるけど、調べればわかる事だ。 実際に、ギルドのメンバーになってみて解ったけど、隠すべき情報は、ほとんど存在しない。秘匿コードで呼んでいる、”ファントム”の情報くらいだ。ファントムを秘匿しているのも…
続きを読む2021/12/31
【第五章 共和国】第十一話 予想外
町長や、監視している連中が動くかと思ったが、最初に状況が動いたのは、魔物の討伐に向かったエイダたちだった。 『マスター』 夜明けに近い時間帯に、パスカルから連絡が入った。 『どうした?』 『はい。エイダが魔物との戦闘に入ります』 魔物? 『ゴブリンの集団か?』 報告は聞いている。村から少しだけ移動した所に、ゴブリンの集団がいる。エイダが、討伐に向かった。 『いえ、オーガに率いられた、魔物の集団です』 『オーガ?』 パスカルが情報を整理してくれている。 当初、エイダたちが向かった場所には、ゴブリン…
続きを読む2021/12/26
【第六章 ギルド】第五話 力?
洞窟の中から、こちらを伺っている様子が伝わってくる。 「リン。ぼくが行こうか?」 「どうして?」 「うーん。うまく言えないけど、中から伝わってくる雰囲気が、リンを恐れているように思える」 「俺?人畜無害だぞ?」 「ぼくは知っているから大丈夫だけど、すごい力を感じるよ?」 「え?俺が?」 「うん。気が付いていなかった?」 俺が驚いていると、リデルがミルの肩で頷いている。 気が付くわけがない。ミルもマヤも眷属たちも、態度が変わらないし、そうだ! 「ナナも、何も言わなかったぞ?」 え?なに?ミルが盛大な溜…
続きを読む2021/12/04
【第二章 スライム街へ】第十七話 絶望
望月舞は、迷っていた。 手元にあるネタだけでは、番組にならない。ギルドのメンバーに、昔なじみの”柚木千明”を見つけて話しかけたが、重要な情報は聞き出せなかった。自分たちが持っている情報と違いはなかった。 ギルドから配られた情報には、知らなかった内容が含まれているが、それは皆に共有されてしまっているので、ネタとしては弱い。 本社筋からは、ギルドや警察や自衛隊を無視して、キャンプ場に突入しろと意味がわからない命令まで出ている。 もう、何人も死んでいる。幸いなことに知り合いに犠牲は出ていないが、地元の猟…
続きを読む2021/12/04
【第五章 共和国】第十話 前準備
婦人が頭を下げて、離れから出ていく。 「カルラ。どう思う?」 「問題の解決は難しいと思います」 そうだよな。 この町の問題は、隣町のダンジョンだけが問題ではない。根本的には、”共和国の無策”に繋がっていくのはわかっている。だからこそ、俺たちに何かができるわけではない。 盗賊団を壊滅させることはできるだろう。 しかし、盗賊団が産まれる原因を排除することはできそうもない。俺たちが、この町や周辺の領主にでもなれるのなら、本腰を入れて考えるのだが、俺たちは”商人”でしかない。もっと、本質的なことを言えば、…
続きを読む2021/12/04
【第六章 ギルド】第四話 王都の途中
街道に出るまでは、急いだ。アゾレムからの追っ手を警戒したが、追っ手どころか、俺たちの後ろからは誰もついてきていない。まだ、商人が揉めているのだろうか? 「リン?」 ミルが不思議そうな表情で俺を確認してくる。 「さて、森に向かおう、誰かが来ているだろう」 「うん」 ミルと二人で、近くの森に向かう。 さすがに、王都に向かう街道だけあって、整備されている。 マガラ渓谷を越えてから、1時間くらい走ると、いろいろな街道からの合流地点が見えてくる。この近くに森がある。この辺りで、お供として王都に向かう者がいる…
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