非ハーレムの記事一覧
2023/07/30
【第九章 ユーラット】第二十二話 侵攻(1)
エルフの里に、救援に向かう部隊の編成を行った。 エルフの里への救援の目的は持っているが、神殿やユーラットからエルフの里に避難させる意味合いもある。 ヤスは、リーゼを救援部隊のトップにしようと考えていたが、リーゼが神殿に残ると固辞した。 リーダは、アフネスにも拒否された。同じように、ドーリスやサンドラやアーデルベルトにも拒否されてしまった。 カイルやイチカでは、救援部隊のトップには経験が足りていないとなり、ギルドに依頼を出すことで落ち着いた。子供たちを避難させることが目的なのだが、”密約”に関係していることも…
続きを読む2023/07/29
【第三十一章 本腰】第三百十二話
雑談だったが、船長から有力な情報を貰った。 船長には悪いとは思ったが、ルートガーを含めて正式に話を聞く場を設けた。 そこで、ルートガーにも情報が伝えられた。 船長が、俺が使っている船室から出た。船長を何時までも拘束していては、船の運航が滞ってしまう。俺たちの安全を考えて、話は俺から質問をして、短時間で終わらせた。雑談を含めると、かなりの時間、船長を拘束してしまう結果になる。それに、ルートガーは雑談が苦手だ。 船長は、問題はないと言っていたが、俺たちの安全の為に、通常業務に戻ってもらった。 今の所、考えられる…
続きを読む2023/07/28
【第八章 王都と契約】第六話 奴隷商
馬車が目的地に到着して停まった。 やっと説教から解放される。 「待て!リン・フリークス」 馬車から降りようとしたときに、ハーコムレイに肩を掴まれた。 「はい。なんでしょうか?」 ハーコムレイの手を払いながら振り返る。 「迎えを出しておく」 「は?」 いきなり、”迎え”と言われても意味が解らない。 そんな思いを込めて、ハーコムレイを睨んだが、俺の意思は伝わらなかったようだ。 「お前の用事が終わったら、屋敷に来い。ローザスにも報告が必要になっているはずだ」 「・・・」 一応、説明をしてくれたのだが、それでも意味…
続きを読む2023/07/23
【第三章 復讐の前に】第三十話 病気と怪我
前田果歩さんが起きてから、前田教諭はすぐに両親にポーションを使った。 最初に忠告をしておいたが、忠告は無駄になった。 神経系の問題である場合には、より上位のポーションが必要になる。 前田教諭の両親は、精神的な衰弱と怪我が原因だったために、ポーションと果歩さんが顔を出すことで治ってしまった。 そして、前田教諭は学校を辞めた。 学校を辞めた日に二人は、俺たちの拠点を訪ねてきた。 俺は、学校に行っていたために、ヒナが対応を行った。 すぐに今川さんが呼び出されて、取材を受けてもらう事になった。 全て実名での告白だ。…
続きを読む2023/07/23
【第三章 帝国脱出】第四十八話 おっさん困惑?
イーリスが、辺境伯領の独立を考えている頃、おっさんはカリンと会話(対峙)していた。 聖獣を連れたカリンが帰ってきたのだ。そして、おっさんに”聖獣を眷属にした”と告げたのだ。 「糸野さん。聖獣を眷属にした弊害は理解していますよね?」 おっさんは、カリンを日本で使っていた苗字で呼んだ。驚いたのは、おっさんだ。自分で思っていた以上に感情が外に出てしまっている。理由にも心当たりがある。そして、”いつか”が近づいて来ているように思える。 そして、その”いつか”を・・・。待っているのか?受け入れているのか?感情が制御で…
続きを読む2023/07/22
【第九章 ユーラット】第二十一話 帝国国内
帝国の情報は、確かに、オリビアから得る事が出来た。 しかし、オリビアが持っている情報は、第三皇女として得た情報でしかない。そして、大きな問題として、帝国は王国よりも男尊女卑が強い傾向にある。また、政務などの情報も入手が難しい立場だった。オリビアの頭脳が優れているために、ある程度の情報から正解を導き出すことが出来てしまっていた。 情報の齟齬があるとしたら、帝国国内の情報ではない。 オリビアにも小さいながらも派閥が存在していた。後見してくれる貴族も存在していた。その為に、帝国内の情報は、遅くても入手が出来ていた…
続きを読む2023/07/20
【第三十一章 本腰】第三百十一話
ゼーウ街から、チアル大陸には、デ・ゼーウが用意した船で向かうことになった。 チアル大陸に本拠地を置いている商人に頼む予定だったのだが、デ・ゼーウが前に拿捕した船を下賜した者が立ち上げた商家だ。運営実績も問題がない。チアル大陸との取引も行っている。 船は、元アトフィア教の司教が使うために作られていた物なので、豪華になりすぎた感じの船だ。 船倉は、無かったと言っていたが、奴隷を連れ帰る為の場所が存在していた。アトフィア教らしい船だ。 その奴隷を詰め込んでいた場所を船倉に改造した。 この船で、アトフィア教の港にも…
続きを読む2023/07/17
【第八章 王都と契約】第五話 ハーコムレイ
皆と別行動になった。 ナナは、フェムサリムの実家に顔を出して、王都との状況を確認したあとで、こちらの状況の説明を行うようだ。あとは、宿屋の性質を知っている為に、状況次第では神殿の中に宿屋を作ってもらう提案をすると言っていた。 リカールは、先ぶれをアッシュの所に出してから、王都の顔馴染みを回るようだ。集合場所は、フェムサリムの実家に決まった。 久しぶりに訪れた王都を一人で歩いている。 アッシュの所には、リカールが情報を流しているはずだ。許可を求めてきたので、リカールが知っている内容なら流しても大丈夫だと伝えて…
続きを読む2023/07/03
【第三章 復讐の前に】第二十九話 前田果歩
起き上がろうとして失敗した前田果歩(推定17歳)は、自分の状況を”ほぼ”正しく把握していた。 シーツをしっかりと身体に巻き付けて体勢を整える。 寝たきりの状態が長かったために、体力はもちろんだが筋力も低下している。 ポーションである程度の筋力は回復しているが、自分の身体を支えられるほどには回復していない。 シーツを握るのがやっとの状況なのは自分が解っているのだろう。 無理はしていない。 支えられている状態を受け入れている。 「アニキ。ゴメン」 小さな声だが、前田教諭の耳にはしっかりと届いた。 声を発していな…
続きを読む2023/07/02
【第三章 帝国脱出】第四十七話 おっさんの企み
おっさんの話を聞いて、イーリスは何かを感じた。と、考えている。 実際に、解っていたことだ。今の帝国には未来がない。 そして、勇者召喚に巻き込まれたおっさんに帝国の問題を押し付ける行為は間違っている。 イーリスは、来た時とは違った表情に変っている。 考えがまとまったのではなく、気持ちが固まったのだ。覚悟ができたと表現してもいいかもしれない。 イーリスとロッセルは、二人だけで話す時間が欲しいとおっさんに申し出て、部屋の用意をお願いした。 おっさんは、近くに居たメイドを呼んで部屋の用意と案内を頼んだ。 部屋に残っ…
続きを読む2023/07/01
【第九章 ユーラット】第二十話 エルフの里
”コア:マリア” ”はい。マルス様” ”コア:マリア。貴方の巫女は近くにいますか?” ”最終候補者は、里に戻っております” ”急がなくても良いのですが、神託を降ろしてください” ”かしこまりました” マルスから、エルフの里に居る者たちに神託を降ろすように依頼が出た。 エルフの里は、アデヴィト帝国とは直接は国境を接していない。 しかし、帝国の複数の属国とは国境を接している。 帝国が、神殿への圧力と同時に、エルフの里に侵攻する可能性は低い。 しかし、マルスは、可能性の一つとして考えていた。 マルスは、ヤスにはマ…
続きを読む2023/06/29
【第三十章 新種】第三百十話
デ・ゼーウに情報を提供するために、ルートガーが部屋から出て行った。 方針も決まったのだし、もう大丈夫だろう。 もういい加減にチアル大陸に戻りたい。差し迫ってやることは思いつかないが、適当な理由を考えて帰ってしまおうか? ルートガーが戻って来るまで、新種に関して、解っていることを考察しておこう。考えるだけしかできないけど・・・。 中央大陸は安定してくれた方が嬉しいが、荒れたら荒れたで接し方を変えるだけで、チアル大陸への影響は少ない。少なくなるように動けばいい。 そうなると、安全面や今後の動きを考慮すれば、”新…
続きを読む2023/06/26
【第八章 王都と契約】第四話 村々
盗賊退治は、大きな・・・。大きすぎる問題に直結する物を見つけてしまった。誰かに丸投げが正しい対応だろう。 教会が、村々を襲わせていた。 それだけでもかなりのスキャンダルになるのだが、その先の指示が、教会の尊厳だけではなく、国の根幹を揺るがす可能性がある。 ツインズは、早々に情報の権利を放棄した。 立場が微妙な自分たちが持っていていい情報ではないというのが、ツインズの主張だ。 そして・・・。 もう一人の当事者になりえる人物は・・・。 「リン君。はい」 ナナは資料を見てから、俺に渡してきた。 こうなるとは思って…
続きを読む2023/06/25
【第三章 復讐の前に】第二十八話 奇跡
「先生。準備が終わるまでに、先生も湯あみをしてきてください」 「シャワーでいいのか?」 「はい。それから、できるだけ金属がついていない服を着てください」 「わかった」 「それから、女性陣に、妹さんの身体を清めさせます。下着や服はできるだけのない方がいいので、タオルやシーツで身を隠します」 「・・・。そうか、わかった」 先生が頷いたのを見て、3人は準備を始める。 女性陣が、服を脱がして身を清め始めるタイミングで、ユウキは部屋を出た。 隣の部屋を借りて、持ってきた白い布に、魔法陣を書き始める。 魔法陣を書くのは…
続きを読む2023/06/23
【第三章 帝国脱出】第四十六話 おっさん建国?
一人だけ意味が解っていなかったイザークが、カップに注がれた飲み物を飲み干した。 「イザーク。”おかわり”は居るか?」 「うーん」 イザークは、周りに居る者に視線を送るが、皆が首を横に振っている。 「おっちゃん。ダメみたい」 「そうか、残念だな。それなら・・・」 近くに立っていた者に、おっさんは視線を向ける。 頷いて部屋から出ていく。 「まー様?」 「気にするな。さっきの物とは違う。別の飲み物も用意している」 別の飲み物と聞いても、イーリスとロッセルの警戒が緩むわけではない。 おっさんが用意したのは、アキとイ…
続きを読む2023/06/22
【第九章 ユーラット】第十九話 王国
国王の下に、辺境伯からの書状が届いた。 普段と同じ書き出しであるが内容は、石納の眉を顰めるのに十分な威力を持っていた。 「クラウスを王都まで呼び出す」 「陛下!」 「宰相か?なんだ?余の判断に異を唱えるのか?」 「いえ違います。クラウス辺境伯からの情報は、確かな物でしょう。ならば、陛下と私が辺境伯領に向い・・・」 「そうか・・・。御仁と会う事も考えた方が良いと言うのだな」 「はい。ユーラット一つで王国の安全が・・・」 「言うな。考えるまでもないが、ユーラットは、切り離さない(約束を違えるわけには・・・)」 …
続きを読む2023/06/21
【第三十章 新種】第三百九話
新種の話は一旦、棚上げすることにした。新種は気になるが、すぐに動くことができない。情報も不足している。今、動いても無駄になってしまう可能性が高い。 それ以上にやらなければならないことも残っている。 ルートガーからの報告は、大きな問題はなさそうだ。 ドワーフたちが思っていた以上に理性的だったのは、予想とは違ったが、いい誤算だ。 ドワーフたちは、求めていた鉱石を、デ・ゼーウから譲り受ける事で合意した。 必要な分量を確保することを、デ・ゼーウが約束したからだ。 デ・ゼーウは、ダンジョンを公開すると約束して、攻略を…
続きを読む2023/06/19
【第八章 王都と契約】第三話 盗賊退治
ナナの行動は早かった。 ”ツインズ”という双子の夫婦に話をつけて、俺たちも同行することに決まった。 イベント発生だ。 ゲームでは、サブクエストという扱いになるのだろう。 一番、ワクワクしているのがマヤなのはどうなのかと思うが、マヤは留守番(?)になる。ミトナルの中からサポートを行うことになっている。留守番という表現が正しいか解らないが、本人が留守番と表現したので、留守番が正しいのだろう。 ミトナルのスキルは、マヤのスキルで補完ができる事が解っている。 そして、マヤはミトナルの中から”第三の目”というべきなの…
続きを読む2023/06/09
【第三章 復讐の前に】第二十七話 覚悟
前田教諭は、黙って俺の手順を聞いている。 かなり・・・。違うな、傷口に塩を刷り込むような行為だ。認識している。 当初の予定とは違っている。 ポーションで治せるのは、身体の傷だ。脳神経も治せるのだが、心の傷は治せない。 心と記憶を分離する。 記憶が希薄になり、ドラマでも見たかのような感じになる。自分に発生したことだと認識は出来るのだが、どこか他人事のように感じるように分離を行う。この処置を行うために、前田教諭には苦痛を伴う記憶遡行を受けてもらう。妹さんが受けた身体と心の痛みを、全てを受け止めてもらわなければな…
続きを読む2023/06/09
【第三章 帝国脱出】第四十五話 おっさん招き入れる
おっさんは、裏(本当)の拠点に建築した屋敷で寛いでいた。 表の拠点の作業も概ね終わって、現在は街道の整備を行っている。 そして、おっさんは意外なことを知ってしまった。 ドワーフたちは、”酒”特化なのは想定していたのだが、他のサラマンダーやウィンディーネやエルフも酒造りを行って、かなりの人手を割いてしまっている。 種族で役割分体でもあるのか、ドワーフたちは武器と防具しか作らない。小物か日用品は、サラマンダーの方が得意なのだ。エルフは、仕掛け物が好きで馬車などを作るのを得意としている。材料の加工もおこなえるので…
続きを読む2023/06/08
【第九章 ユーラット】第十八話 そのころ
ヤスが慣れないことをしている頃。 リーゼは、神殿に来ていた。 サポートは、ファーストだけだが、マルスが監視をしているので、大きな問題になっていない。 リーゼが神殿に足を踏み入れるのは、今回が初めてではない。 エルフの里から戻ってきてから、皆が忙しそうにしている時に、黙って神殿に入ろうとした。武器と防具の一式を持ち出して・・・。 マルスからファーストに連絡が入って、アタックする前に見つかってしまった。 リーゼは、皆がヤスの為に知恵を絞っているのを、自分では知恵の面では役に立たないから、力をつけようとしたようだ…
続きを読む2023/06/07
【第三十章 新種】第三百八話
話を進めるほどに、ルートガーの表情が変わる。 「それで?お前の考えは?」 実際に発生した事案としての話を終えた。 もちろん、俺の考察は出来るだけ省いた。ルートガーの意見を聞きたいだけだ。 「先に、ルートの考えを聞きたい。俺の話だけだから、誘導してしまったかもしれないけど・・・。感想でいいから、聞きたい。考えの補填に使いたい」 俺の主観での説明だから、俺が導き出した結論がベースになっている。 ルートガーの見解が同じになってもしょうがないと思う。 話はできるだけ、贅肉をそぎ落として実際に発生していることだけを語…
続きを読む2023/06/05
【第八章 王都と契約】第二話 メリット
王都に向かう前に、セトラス商隊からの要望を受け入れて、大回りをすることに決定した。 セトラス商隊は、体裁を整えたいと事情を語った。 セトラス商隊の荷は王都を出た時の状態から大きく変っていない。メルナで増減はしたのだが、荷の性質は同じ状態だ。これで、王都に入るときに不思議に思われる可能性がある。そこまで見る者は少ないが・・・。 そこで、大回りになるが、王都での詰問を避けるために、現在の荷物を売って、新たに仕入れをおこなう。商隊として体裁を整えるためだ。 俺も、まだ神殿の状況を知られたくない。あと、王都に入ると…
続きを読む2023/05/18
【第三章 復讐の前に】第二十六話 ポーション
準備が出来たので、前田教諭に連絡をした。 留守電になってしまったので、一言だけ残してから、吉田教諭に連絡をして、状況を聞くことにした。 どうやら、前田教諭は、妹さんだけではなく、両親が事故で入院をしているらしい。それも、普通の事故ではないようだ。 吉田教諭から話せる範囲で、前田教諭が追い詰められている状況の説明を求めた。 やはりというか、クズが関係している可能性が高い。 証拠がないと言っているが、証拠が有っても関係がないのだろう。 吉田教諭と話をしていると、前田教諭から折り返しの連絡が入った。 「はい」 『…
続きを読む2023/05/17
【第三章 帝国脱出】第四十四話 そのころ(2)
おっさんが、拠点の建築をドワーフの代表であるゲラルトと行っている。 ダミー拠点は、自分たちの屋敷と宿に使える建物と商店に使える建物とギルドに使える建物を建築した所で、適度な広さを持つ様に城壁を建築した。 街道側に二重の門を設置した。 城壁は、おっさんの趣味で星形になっている。三角形部分は独立した防衛のための施設になっている。内部の五角形部分に施設がまとまっている。防衛の為の塔は作っていないが土台だけは準備している。 住民が増えたら塔の建築を行えばよいと思っている。 — おっさんが、ダミー拠点の出…
続きを読む2023/05/16
【第九章 ユーラット】第十七話 慣れない事をする
カイルとイチカとドッペルたちが揃ってオペレーションルームに入ってきた。 「旦那様」 「ありがとう。セバス」 ドアを開けて、カイルとイチカが中に入ったのを確認した。セバスは、全員が部屋に入ったのを確認してから深々と頭を下げた。 ドッペルは、ドッペルだと解る姿に戻って、オリビアの横に移動する。オリビアが、自分のドッペルから”痛み”の情報以外を貰い受ける。ドッペルから見ていた情報をオリビアが必要だと判断した。 ヒルダの蛮行を誰かに聞かれた時にしっかりと自分の言葉で説明を行うためだ。 そして、カイルとイチカにしっか…
続きを読む2023/05/16
【第三十章 新種】第三百七話
ゴブリンの巣を殲滅した レベル5の”猛毒”という新しいカードを取得した。 他にも、レベル1-3のカードを大量に入手した。戦果としては、十分なのだが、しっくりこない。 ”蟲毒”が行われたのは想像出来るのだが、”蟲毒”が新種発生のプロセスなのか? 人為的に”蟲毒”が行われたのか?自然発生なのか?偶然にしては出来すぎている。 「ライ。近くには、ゴブリンは居ないよな?」 『居ない』 「ゴブリン以外は?」 『居ない』 洞窟の探索では、新しい発見はなかった。 洞窟を出て、高台になっている場所に上がってみる。 違和感が凄…
続きを読む2023/05/15
【第八章 王都と契約】第一話 ナナ
神殿から出て、王都に向かうことになっている。 シミュレーションを兼ねて森の中の出口を使った。 今は、セトラス商隊が神殿から出て来るのを待っている。 商隊の全員が現状で考えられる手続きをした場合に、商隊がフリークス村から廃墟の村に抜けるまでにどの程度の時間が必要になるのかを計測している。言い出したのは、リカールだ。 フリークス村と廃墟の村の住民以外からは、入場料を取ることに決まっている。 俺としては、銅貨2-3枚でいいと思っていたのだが、セトラス商隊から待ったがかかった。 提案されたのが、商隊が抜けるのに必要…
続きを読む2023/05/07
【第七章 神殿生活】第二十四話 王都へ
新規住民の話は、整理を行ってから、割り振りを含めて考慮することに決まった。 そして、イリメリが連れてきた住民が柔軟に対応をしてくれた。割り振りで揉めなかったのもよかった。 また、森の外周部には、まだ隠里があるようで、イリメリが住んでいた村の住民が、他の隠里を説得してくれることになった。 問題が全くなかったわけではない。 隠里から来た者たちは、身元が解ってしまうと、”脱税”の疑いで、奴隷階級に落されてしまう可能性が出てきた。 これは、セバスチャンが指摘したことだが、隠里の者たちも可能性として考えていたようだ。…
続きを読む2023/05/04
【第三章 復讐の前に】第二十五話 人員
前田教諭から、妹さんの詳しい状態を聞いた。 確かに、ミドル・ポーションなら快癒も可能だろう。準備が出来るのなら、ハイ・ポーションを用意しよう。 しかし、もう一つの可能性を考えて、該当するスキルを持っている者からの協力を取り付けたい。万全を期したい。 治療などと大きなことを言うつもりはないが、頼まれて、承諾したからには、しっかりと対処を行うつもりだ。ポーションを渡して終わりにはしたくない。せっかくの駒になりそうな人物だ。しっかりと恩を売っておきたい。 学校では、他に大きなイベントが起きなかった。 憎しみが込め…
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