非ハーレムの記事一覧
2023/02/23
【第三章 復讐の前に】第十八話 警察沙汰
ユウキが学校に通っている時間は、アインスとツヴァイとドライは、敷地内で自由に生活をしている。 そして、アインスとツヴァイとドライは、シルバーフェンリルだ。犬とは違う。そして、毒物への耐性も取得している。 ユウキがバイトから帰ってきて、バイクを駐車場に止めた。 駐車場には、アインスが待っていた。 「アインス?」 いつもなら、転移ゲートの近くに居る事が多いアインスがユウキを出迎えた。 アインスは、シルバーフェンリルたちのリーダー格なので、転移ゲートを守る事を仕事と捉えていた。 そして、ユウキの足下に形が崩れたク…
続きを読む2023/02/22
【第三章 帝国脱出】第三十八話 野営
おっさんは、後始末をダストンとロッセルとイーリスに任せて、バステトと森に向かう。今度は、カリンが一緒だ。イザークは一緒に行きたがっていたが、イーリスに押し付けるようにして、おっさんとカリンとバステトで森に向かった。 「まーさん?」 森に入ってから、おっさんが一言も話していないのに違和感があった。 カリンも単独で森の浅い層くらいなら探索ができる。 「あぁ誘っておいて、悪いな」 「いえ」 「バステトさんが”何か”を見つけて、その場所に向かっているのだけど・・・」 「え?バステトさんが?」 ”にゃ!” バステトが…
続きを読む2023/02/21
【第九章 ユーラット】第十一話 裏話
俺は、オリビアとアーデルベルトから、ユーラットを囮にした作戦の詳細を聞いている。作戦が決まったので、会議室で説明をしたいと呼び出された。 危険はあるが、二人だけではなく、皆が作戦の実行を支持しているようだ。 サンドラも途中から加わって、3人から説明を始めた。ドーリスが書類を持ってきて、補足を説明する為に残って、俺の説得に加わった。 作戦には、マルスとセバスも立案に携わっている。 ユーラットのギルドと神殿のギルドも協力を表明している。 この段階で、俺がストップしても止まらないだろう。 それに、いい加減に帝国か…
続きを読む2023/02/21
【第二十九章 鉱山】第三百話
ファビアンと10階層のセーフエリアで別れた。 4人には改めて説明をした。 これからが本当の戦いだと認識させるためだ。4人の顔つきも変わってきた。 ルートガーが居ない事に最初は戸惑っていたが、強くなろうという意識はあったのだろう。 10階層までの戦闘で、戦闘の入り方や終わらせ方が洗練され始めている。 「どうする?」 「ツクモ様。どうするとは?」 「スマン。スマン。10階層のフロアボスは、低階層と中階層を繋いでいるボスで、中階層の階層主と同じ強さだ。俺の見立てでは、お前たちだけで討伐は可能だと思う。しかし、少し…
続きを読む2023/02/19
【第七章 神殿生活】第十五話 王都へは?
神殿での役割が決まって、これからの事を決める前に、王都の奴隷商(アッシュ)の所に行こうかと思っていた。 王都の様子も気になる。 教会勢力と宰相派閥とローザス派閥。それに、王族を指示する派閥が複雑に絡み合っている。正直、神殿に影響がなければ放置でもいいと思っているが、どうやら宰相派閥の中に、俺たちの”敵”が居るらしい。教会勢力も、いくつかに分断されている状況で、こちらに手を出してくるか解らない。友好的なのか、敵対的なのか、その時の状況次第だろう。 数日は、神殿で皆に意見を聞きながら調整を行っていた。 俺が、神…
続きを読む2023/02/17
【第三章 復讐の前に】第十七話 日常
侵入者の処理をヒナに託して、ユウキは自宅に戻った。 マイとの約束を果たすために準備をしなければならなかった。 準備は、そんなに難しい事ではなかったが、場所の選定に困っていた。 アインスたちが私有地に入り込む侵入者を防いでくれるようになった。それでも、まだ侵入を行う者は出てくるのだが、以前よりは少なくなっている。家の中には、ウミとソラがいる。 家から浜に繋がる場所も、家の一部なのだが、アインスたちのおかげと、立地から人目がない。 ユウキは、マイの依頼を達成するための準備を、この場所で行うことにした。 まずは、…
続きを読む2023/02/16
【第三章 帝国脱出】第三十七話 おっさん探す
おっさんは、バステトと森を駈けている。 バステトが、おっさんを誘導している。 おっさんは帝国の脱出を公言している。 その為には、どこかの国に身を寄せるのが最初に考える方法なのだが、おっさんはもう一つの方法で動いている。 その為に、森の中で不自由なく活動ができる状態には、鍛えている。 正確に言えば、おっさんとバステトが揃っていれば、森の中心部に行かなければ、対処が可能だ。 中心部から溢れ出たイレギュラーな魔物が現れることもあるが、おっさんもバステトも逃げている。試していないが、カリンが居れば十分に対応ができる…
続きを読む2023/02/15
【第九章 ユーラット】第十話 呼び出し
報告会が行われてから、皆が動き始めた。 アデレードとオリビアとサンドラは、神殿の主であるヤスに許可を求めた。 最悪の状況をしっかりと説明をした。 正直な話として、神殿が受けるメリットは少ない。”ほぼない”と言ってもいいだろう。それでも、ヤスは作戦の実行を許可した。 リーゼの安全が確保されていることや、マルスからも作戦の実行中に神殿部分に被害はないだろうと推測している。 危険なのは、トーアヴェルデとウェッジヴァイクだろう。二つ目には、戦力を配備している。帝国に面している森にも戦力を配置している。 会議が終了し…
続きを読む2023/02/14
【第二十九章 鉱山】第二百九十九話
ゼーウ街に着くまで、ルートガーは抵抗していたが、決定は変えなかった。ルートガーに悪いが、ゼーウ街で、ゆっくりとデ・ゼーウの手伝いをして欲しい。 ゼーウ街から、ダンジョンまではスムーズに移動が出来た。 デ・ゼーウが手配を終わらせていて、俺たち6名はすんなりとダンジョンに入ることが出来た。 カイとウミとライは、俺の側に居る。 ダンジョンには、俺とイェレラとイェルンとロッホスとイェドーアとデ・ゼーウからのごり押しで、ファビアンが一緒に潜っている。 ファビアン以外の4人には、ルートガーの”ツケ”で武器と防具を渡して…
続きを読む2023/02/12
【第七章 神殿生活】第十四話 人材
皆が作業と確認を行うために、部屋から出ていく.残ったのは、ミトナル(肩にマヤ)とイリメリだけだった。 「リン君。お願いが」「何?」 イリメリの発言を遮るように、ミトナルが俺の前に現れる。 「ミトナル。そうね」 「うん」 何か、二人で納得している。 「リン。皆に、護衛を付ける」 「あぁ・・・。そんな事を言っていたな」 「それなら、僕が案内する」 ミトナルとマヤが、皆に眷属を紹介しながら、護衛になりそうな者を探すようだ 状況から、アデレード殿下には複数の護衛を付けた方がいいだろう。 「ミル。マヤ。頼めるか?あと…
続きを読む2023/02/08
【第三章 復讐の前に】第十六話 侵入者
伊豆の拠点にフォレストキャットとシルバーフェンリルを連れて帰った。 状況を説明したら、ヒナとレイヤが呆れて居た。サトシのオルトロスを捕まえようとしていたのには、笑い始めてしまった。オルトロスを連れて帰ったら、すぐに話題になって、マスコミで家の周りが埋め尽くされるだろう。世界各国からインタビューという名前の強制撮影が始まるのが解り切っている。 幻影のスキルを使えば、解らないようにするのは可能だが、かけ続けるのは面倒だ。道具に付与しようにも、わざわざオルトロスを眷属にする意味はない。サトシも解っていると思ったの…
続きを読む2023/02/07
【第三章 帝国脱出】第三十六話 おっさん走る
「おっちゃん!」 呼び止める声を聞いて、おっさんは足を止める。 「イザークか?今日はどうした?」 「アキ姉が、カリン姉ちゃんと一緒に素材の採取に出かけた」 「ん?それは聞いているけど、イザークは一緒に行かなかったのか?」 「うん。なんか、ダストンさんが・・・。おっちゃんを探していた」 「ははは。イザーク。先にそれを伝えた方がいいぞ。誰からだ?」 「イーリス姉ちゃん」 「イーリスが許しているからいいけど、ダストンやロッセルが居る所で、しっかりとしろよ?」 「うん。その場合には、姫様と呼んでいるから大丈夫。イー…
続きを読む2023/02/07
【第九章 ユーラット】第九話 最終確認
カイルは緊張した面持ちで、立ち上がった。 イチカも、カイルと一緒に立ち上がったが、カイルよりは余裕が見える。 二人は、報告書で大丈夫というサンドラからの提案を、皆の前でしっかりと発表をしたいと言い切った。質問にも答えると言っている。 まだ早いという意見もあったのだが、二人は神殿に住む子供たちのリーダーの役割を持っている。実際に、子供の数は、成人している者から神殿にアタックしている者と西側に住む者たちを除けば、最大の人数になっている。大人たちがなんとなく、種族でまとまっているのに対して、子供たちは種族でまとま…
続きを読む2023/02/06
【第二十九章 鉱山】第二百九十八話
新種の話は、十分ではないが、船長からの証言が取れた。 やはり、海上だろうと、新種は存在している。 問題は、”どこから来たのか?”だ。 最初に考えたことは、船長の言葉で潰された。 中央大陸よりも、他の大陸の方がおおいと感じているようだ。 もしかしたら、中央大陸では既に”新種”になっていて、”できそこない”が居ない可能性もある。 そう考えると・・・。 やはり、新種は人為的に作られているのか? 解らないことが増えただけだが・・・。知らないよりは”まし”だと考えておこう。 「ツクモ様」 船長からの伝言を受け取る。 …
続きを読む2023/02/05
【第七章 神殿生活】第十三話 計画
アデレード殿下が神殿に関わることが決定した。 アデレード殿下もルアリーナも、神殿には居ない。二人は、ミヤナック辺境伯領で療養していることになっている。 アデレード殿下から、詳しい話を聞いた。 詳しい話も、隠し事をしないで全部を話してくれたようだ。ルアリーナが聞いていた話で補助を行ってくれた。 アデレード殿下とルアリーナという外部との折衝で頼りになりそうな人物が、折衝を行う事ができない。 神殿の勢力が大きくなって、独自の戦力だけで他の勢力と拮抗できるようになれば、二人が表舞台に出ても問題はないだろう。それまで…
続きを読む2023/02/01
【第七章 神殿生活】第十二話 アデレード
私は、”アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーア”、名前からわかっていただけると思うのですが、トリーア王家に連なる者です。 親しい者からは、アデレードではなく、”アデー”と呼ばれています。 大きく物事が動いたのは、今年のパシリカが終わった位です。 私も、パシリカを受けました。授かったスキルは”秘密”です。悪いスキルではなく、ステータスも良かったのですが、少しだけ問題が発生しました。ジョブが”癒し手”と言われる初代様と一緒に・・・。 もっと正確に言えば、初代の王妃様が持っていたジョブです。 王家や上位貴族の…
続きを読む2023/01/25
【第三章 復讐の前に】第十五話 犬と猫
マイが先導する形で王城を案内している。 ユウキも知っている場所なので、場所を教えてもらえれば、移動は可能なのだが、ユウキや地球に戻った者たちは、レナートから出た人間と公表しているために、建前だが、レナートに残った者たちが案内をするという体裁が必要になる。 「ん?庭じゃないのか?」 通された部屋で、ユウキは怪訝な表情を浮かべて、マイに質問をする。 「えぇこの部屋で少しだけ待っていて欲しい」 ユウキは、マイの雰囲気から事情を察した。 「わかった。ヴェルが治療中か?」 マイは、肩をすくめる動作をするに留めた。 「…
続きを読む2023/01/25
【第三章 帝国脱出】第三十五話 周辺事情
おっさんは、代官のダストンを、ロッセルに押し付けることに成功した。 辺境伯領は、好景気に湧き始めている。 ロッセルが辺境伯の領都に来てから5年で辺境伯領だけではなく、近隣や派閥の貴族領を取り巻く情勢は大きく動いた。 まず、ロッセルはおっさんよりも大胆な提案をダストンにおこなった。 市民権を、現在の30万イエーンから、3万イエーンに値下げした。それだけではなく、3万イエーンが払えない者は、貸し付けを行う。返還は、辺境伯領への奉仕活動で捻出させるという事だ。そして、成人前の子供は(仮)市民権を発行することに決ま…
続きを読む2023/01/24
【第九章 ユーラット】第八話
「サンドラ。それでは、オリビア殿下は、問題になりそうな行動はしていないのだな」 資料の読み込みの時間を経て、私がオリビア殿下と従者になっている二人の行動を説明する。 神殿への攻撃的な態度や外部への情報流出を含めて、問題がなかった事を報告する。 特に、アフネス様が心配して、ユーラットに居る人たちが心配していたのが、ユーラットに残る問題児たちを処罰した時に、オリビア殿下がどう動くか?リーゼやヤス様に危害を加えようとするのか?そもそも、問題児たちへの対応を考えているのか? 「はい。アフネス様」 結論は出ている。 …
続きを読む2023/01/24
【第二十九章 鉱山】第二百九十七話
船の中で、食事を摂って、カイとウミとライと遊んでいたら、扉がノックされた。 「ツクモ様」 ルートガーの声だ。 船長に余裕ができたのか? 「いるよ?」 「はぁ・・・」 「鍵は開けてある」 「はぁ・・・。入るぞ?」 ルートガー。ため息はないだろう、ため息は・・・。 「あぁ」 扉が開けられて、ルートガーと従者が入ってきた。 後ろには、乗船の時に挨拶をした船長ともう一人が付き従うように入ってきた。 少しだけ、本当に少しだけ狭く感じてしまう。 ルートガーを抗議の意味を込めて睨んでおく。ルートガーも意味が解るのだろう、…
続きを読む2023/01/23
【第七章 神殿生活】第十一話 事情
皆の視線が集中したアデレード殿下は、大きなため息で、”困っています”をアピールしている。 「アデー?何を困っているの?」 さすがは、”空気を読まない”マヤが、アデレード殿下の目論みを潰す。 ルアリーナが苦笑を浮かべて、アデレード殿下に助け船を出す。 「アデレード殿下。ここには、アデレード殿下の味方しか居ません。それに、アイツらの事なら大丈夫です。私たちの、リン君の敵です」 ルアリーナは、事情を知っているようだ。 ミヤナック家と相談した時に、ルアリーナが事情を聞いたのだろう。 「え?」 アデレード殿下は、俺た…
続きを読む2023/01/21
【第三章 復讐の前に】第十四話 クラスと授業
(今川さん。暴れているな・・・) ユウキは、今川から送られてきたURLを見ながら、呟いた。 開かれたページは、有名なサイトだ。 トイレの落書きと同程度の意味しかないが、それでも多くの人が見ているのは間違いない。 (それにしても面白い方法だ) 今川が行ったのは、吉田教諭から得た情報の一部で、もっともマイルドな不正受験に関する話だ。 今川が行ったのは、某新聞社のフォーマットで記事を作成して、校正を通したような状態で、記事を流出させる。丁寧に、政治案件だと解るような、”没”を示すような状況にしてある。 ネットでは…
続きを読む2023/01/19
【第三章 帝国脱出】第三十四話 ロッセル
ダストンは、おっさんの提案を受け入れた。 もちろん、指示書に対する対応策を質問状の形で、辺境伯に伺いを立てている。 返事を待っている間に、腹心候補を考えていた。 (誰か?俺の代わりに、領内を回る者が欲しい。いきなり、腹心は難しいだろう。俺も忙しくなる。副官が欲しい。俺に従ってくれる副官が・・・) ダストンは、自分で考えて”腹心を欲している”と思い始めている。 実際には、おっさんの入れ知恵だ。それだけではなく、おっさんは次の手を打っていた。 「ダストン様」 辺境伯から、宛がわれている家宰が、ドアをノックしてか…
続きを読む2023/01/19
【第九章 ユーラット】第七話 第一回 報告会
今日は、私が議長を務める会議が神殿の一室で行われます。ギルドが入っている場所です。ふぅ・・・。少しだけ、本当に少しだけ心配です。 もう、何度も行っているので、会議には不安はありません。初めての議題で、皆の感心が高いです。感心が高いために、参加者の数も多いのが少しだけ心配です。予定の調整を行って、準備された会議室の広さからも、注目度がわかります。 自分が提案した会議です。資料もしっかりと作り込みました。 新しく加わる議題が少々・・・。では、なく・・・。面倒です。 前半は、報告がメインです。ミスがなければ、問題…
続きを読む2023/01/17
【第二十九章 鉱山】第二百九十六話
船は、海原を進んでいく、何度かウミの魔物が襲ってきたが、ライが仕留めた。吸収したが正しいのか? 甲板で、海原を眺めていると、よく知る気配を持つ者が近づいてきた。 誰なのかわかっているので首も動かさずに、殺気を向ける。視線を向けることで、認識していると説明をした。つもりだ。 俺が”何を”したのか解ったのだろう。慌てては居ないが、周りを見回している。魔物が居ると誤解したのだろう。 周りに、危険がないと判断して、少しだけ大きめの声で俺を呼んだ。 「カズト・ツクモ!」 よく見ると、ルートガーの後ろに4人の従者(正確…
続きを読む2023/01/15
【第七章 神殿生活】第十話 アデー
会議室に入ってきた、ミトナルの肩に座っていたマヤがいきなり、アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアを愛称で呼んだ。 呼ばれたアデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアも、目を”パチパチ”して、マヤを確認している。 そして、不思議な物を見たような表情で、マヤと名前を呼んだ。 知り合いのようだ。 そして、俺がアデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアを知っている事が前提にあるようだ。 アデレード殿下を見ると、俺を見て少しだけ困った表情をしている。 何に、困ることがあるのだろうか? 「マヤ」 「何?」 マヤが…
続きを読む2023/01/08
【第三章 復讐の前に】第十三話 入学式
ユウキは、今川からSDカードを渡された。 手の中で、SDカードを弄んでいた。 しかし、渡されたSDカードを今川に返した。それも、今川の手を持って、無理矢理に握らせた。 「ユウキ?」 今川は、訳がわからない状況で、ユウキの顔を見る。 手渡されたSDカードは、ユウキが行おうとしている事(復讐)に必要な情報が詰まっている。必ず、必要になるとは言わないが、”必要ではない”情報は、存在しない。些細な情報でも、ユウキが必要としているのは、皆が認識している。それだけ、相手は巨大だ。 何度も、何度も、話し合っている。殺すだ…
続きを読む2023/01/07
【第三章 帝国脱出】第三十三話 奴隷条例
帝国史上もっと愚かで、最も人々を狂乱に落とし込んだ”条例”が、宰相のブーリエから発布された。 一部の貴族から出された懸案を、最も容易に・・・。そして、問題を解決するために、考え出された、画期的だと本人たちが本気で思っている”条例”だ。 ”奴隷条例” いくつかの条文で構成された”条例”だ。 もともと、帝国には”奴隷法”という”法”がある。借金奴隷や犯罪奴隷や戦争奴隷があり、それぞれ区分されている。 愚か者たちが奴隷を殺すことで、スキルアップが行えることを覚えてしまった。 帝国から、犯罪奴隷が消えるまで、時間が…
続きを読む2023/01/06
【第九章 ユーラット】第六話 オリビアの日常
オリビアは、すぐに神殿に馴染んだわけではない。 ヤスが用意した家は、屋敷と呼べるような大きさだ。従者と一緒に住むことが考慮されている。可能性は低いが、騎士の3人が神殿に住む場合には、オリビアたちに責任を取らせる意味も含めて、一緒に住める大きさの家をヤスは用意した。 家の手配は、セカンドたちが行い。家具などの準備も行った。 オリビアは、ヤスから屋敷を与えられてから、メルリダとルカリダにも対等に接するように伝えるが、二人は固辞した。 神殿に居る者たちに相談をしたが、”別にいいのでは?”という緩い返事が来た事で、…
続きを読む2023/01/04
【第二十九章 鉱山】第二百九十五話
よくわからない状況になった。 中央大陸に向っている。もう、港に辿り着いた。 船の手配も終了している。 竜族に乗っていくという話も有ったが、中央大陸に行くのには向かないと判断された。 一人、強固に反対した者が居たので、今回は船で移動する。 船も、通常なら数日から待つ時には2-3週間は待機の日数が必要になるのだが・・・。俺たちの予約は、すんなりと通って、今は船の上だ。 あと数時間で出港する。 横に居る人物に声を掛ける。 「ルート。本当に大丈夫なのだな?」 本来なら俺の代わりに、チアル大陸を統治する。ルートガーが…
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