非ハーレムの記事一覧
2023/11/27
【第八章 王都と契約】第十五話 そのころ・・・3
西沢は、ゴーチエは宰相派に金を流している豪商の息子だ。所謂、武器を売って稼いでいる所謂武器商人の一族だ。武器の中には、奴隷も含まれている。もちろん、正規のルートから仕入れた奴隷だけではなく、奴隷狩りなどで捕えられた違法奴隷も含まれている。 西沢が、同級生たちのグループからの脱退を考えていた。 (このままではジリ貧だ) 西沢(ロラ・ゴーチエ)は、豪商の息子だ。 ただの豪商ではない。武器商人だ。それも、王国だけではなく、近隣諸国に武器を売り歩いている。武器の代金を、金ではなく、奴隷との引き換えも行ってい…
続きを読む2023/11/19
【第四章 噂話】第三話 撫養教
ユウキたちの拠点がある地区の周りを囲むように、撫養教が教会の建築を開始した。 拠点には直接的なダメージはない。 周りを囲まれても、拠点が属している地区は、小さな町で、独立している。大きな括りには、属していない。 その為に、小さな地方自治が出来上がっている。 そのうえで、住んでいる人たちは、元々の住民と拠点に関係している者たちだけだ。元々住んでいた人たちも、拠点の恩恵を受けている。大きいのは、限界集落になっていた場所に、拠点が出来た事で、病院に変わる治療所が出来た。 拠点ができるまでは、近い病院で…
続きを読む2023/11/18
【第四章 建国騒動】第四話 カリン説明する
おっさんが、イーリスに帝国を追い詰める作戦(悪巧み)を耳打ちして、ラインリッヒ公国の公都の裏路地を慣れた足取りで歩いている頃・・・。 カリンは、”魔の森”改めサイレントヒル自治区に出来たダンジョンにアタックをしていた。 サイレントヒルは、カリンが名付けた。おっさんの出身が静岡県だと聞いて、”サイレントヒル”と付けたのだ。おっさんは、別に名前には拘りが無かったが、”勇者”たちに知られたら厄介だと思っていたが、カリンの中で勇者たちとの対決を望む気持ちが芽生えてきたのかと思って、承諾した。 おっさんは、別…
続きを読む2023/11/16
【第九章 ユーラット】第二十七話 侵攻(5)
ヤスが、楔の村(ウェッジヴァイク)への出兵を行うと宣言をした。 元々、帝国から攻めてきた戦争だ。それに対して、神殿側は反撃らしい反撃をしていなかった。 帝国の部隊が、神殿の領域に到達する前に瓦解することが多く、散発的な戦闘はこれまでも有った。しかし、まとまった攻撃は、楔の村(ウェッジヴァイク)が初めてだ。待っていたというよりも、神殿の中にも痺れを切らしている者たちが存在していた。その者たちのガス抜きの意味もあり、攻勢に出た方がいいと判断した。 指令室に居る者たちは、交戦を回避したいと考えていたのだが…
続きを読む2023/11/14
【第三十一章 本腰】第三百十七話
幹部会議の当日になった。 最初は、シロも出席すると言っていたのだが、だるいようなので、幹部会議は欠席して、部屋で休むようにした。シロには、ステファナとレイニーがついていることになった。 俺には、”必要ない”と言ったのだが、シロから”フラビアとリカルダを連れて行って欲しい”と言われた。ルートガーたちが作る議事録とは別に、フラビアとリカルダがシロに報告を行う為にも、幹部会議に出席させて欲しいということだ。 「ツクモ様」 どうやら迎えが来たようだ。 幹部会議は、俺もルートガーもそれほど乗り気ではなかった…
続きを読む2023/11/10
【第八章 王都と契約】第十四話 そのころ・・・2
神殿が表舞台に出る準備を行っていた時に、神殿に行くことを拒絶した者たちも、自らのスキルを使って動き出していた。 最初に動いたのは、教会に伝手があるフレット(昴)・コンラート(松田)だ。 「おじい様!」 「なんだ?」 コンラート家は、王家よりの人間で穏健派の筆頭と考えられる。教会の中では、穏健派をまとめている立場の家だ。 フレットが、父親や母親ではなく、祖父を頼ったのにも理由がある。 「おじい様。教会の武器や防具や服飾関係は、どなたが仕切っていらっしゃるのですか?」 フレットが行おうとしているのは、カルーネ(…
続きを読む2023/11/05
【第四章 噂話】第二話 接触
ユウキは、意図的に三保の入口にある家の情報を流した。 しかし、番犬(フェンリル)が居るためにうかつに近づけない。 静岡や近隣のマスコミは一通り洗礼を受けている。 怪我をしたのではない。いつの間にか、違う場所で目が覚めるという失態を繰り返して、いつの間にか、ユウキの家は静岡近隣のマスコミ関係者からはアンタッチャブルな場所として認定されている。 情報を仕入れた者たちも、最初は情報を疑ったが、実際に”噂”と同じような状況に陥れば、信じるしかなくなってしまう。 しかし、そんなマスコミに匂わせている者たちは、そんな中…
続きを読む2023/11/01
【第四章 建国騒動】第三話 余波
公国が、帝国を撃退したという情報は、周辺の国々に伝播した。戦闘の開始時点からの情報が、正確に伝えられた。 帝国の7家が連合を組んで、公国に迫った。帝国も負けるとは考えていなかったために、当初からかなりの情報を流していた。公表されていた兵数は、30万。公表された兵数が、実体を捉えていないのは、当然の事だが、建国を宣言したばかりの国を攻めるのには、大げさな兵数を用意した。終戦後に行われる別の戦いの為にも、7家だけではなく、後ろに控えている者たちも兵を貸し与えていた。 帝国は、戦況が判明するにしたがって、情報統制…
続きを読む2023/10/31
【第九章 ユーラット】第二十六話 侵攻(4)
ヤスとリーゼが神殿に戻ってきたのは、帝国が楔の村(ウェッジヴァイク)を完全に包囲した時期と重なった。 指令室になっている会議室に、ヤスとリーゼが戻ってきた。 「戦況は?」 ヤスは、自分の席に座る。リーゼは、当然のようにヤスの隣に座る。 作戦室でオペレータを務めていたのは、オリビアだ。 帝国の侵攻が始まってから、交代でオペレータを務めている。今は、オリビアとメルリダとルカリダが務めている。ヤスには、事後に承諾を貰っているが、監視している箇所は、3箇所に絞っている。 他は、問題や動きがあった場合にアラームが上が…
続きを読む2023/10/31
【第三十一章 本腰】第三百十六話
二日後に、長老会を開催することに決まった。アトフィア教への警戒を強めることになってしまうが、相手が何をしているのか解らない状況では、攻めるにしても、守るにしても、状況の把握をしなければならない。 ルートガーが長老や関係者の間を駆け回っている。 クリスティーネもルートガーの手伝いをしている。ヴィマやヴィミやラッヘルやヨナタンは、クリスティーネの代わりに各所に連絡を行っている。今回の会議は、最初は長老衆だけで行うが、その後にチアル大陸の幹部を含めた会議を行う。 ルートガーは、長老衆との打ち合わせの準備で忙しいた…
続きを読む2023/10/27
【第八章 王都と契約】第十三話 そのころ・・・
リンとマヤとミトナルが王都に向かった。 神殿は、ギルドに任されていた。 リンとマヤが居なくなった神殿では、ロルフが管理を行うのだが、ロルフは、リンの眷属たちの統率を行っていて神殿の運用までは手が回っていない。 リンからも神殿の裏側はロルフが手を出してもいいが、居住区と通路はギルドに任せるように言われている。 残っているメンバーは、それぞれが生き残るため・・・。と、いう思いは持っているが、それ以上に、自分の想いを叶えるために行動を起こし始めている。その中でも、イリメリは精力的に動いている。 森の村とフリークス…
続きを読む2023/10/19
【第八章 王都と契約】第十二話 現状の確認(4)
神殿での生活は、ミトナルとナナに説明を任せることにした。 ローザスは何か言っていたが、話が進まないという事で、ハーコムレイが話をミトナルとナナに聞くことになった。 ハーコムレイが部屋から出て行った。 ローザスも一緒に行くのかと思ったが残っている。 「それでリン君?」 「ん?」 ローザスが何を期待しているのか解らない。 「神殿で、採掘や採取ができるのだよね?」 「あぁ」 「その場所は、僕たちでも・・・。違うな。神殿を利用する者なら、誰でも使えるの?」 「そういうことか・・・。ルールを作る必要があるとは思うけど…
続きを読む2023/10/16
【第四章 噂話】第一話 都市伝説
説明回です 読み飛ばしても大丈夫だと思います。 — 企業系の提灯記事を掲載しているマスコミを標榜する者たちから、噂が流れ始めた。 少し前に記者会見を開いて、世間を驚かせた”召喚された勇者”たちが持っているポーションは、”欠損”を治せるのではないかと噂が流れ始める。それだけでも価値は天井知らずなのに、権力者としては見逃すことが出来ない効用があると思われている。 公表されていないがポーションの効用で期待ができる効果が”延命”だ。噂話の域を出ていない。帰還した勇者たちを囲っている者や、研究をしている者…
続きを読む2023/10/16
【第四章 建国騒動】第二話 親書
元辺境伯領であり、建国宣言を行った公国は、『”龍族”に守られている』と言われている。 帝国は直接的には、公国への対応を表明していない。 『認める』とも『認めない』とも表面上は無視を貫いている。 裏では、資金がショートしている貴族を動かして、公国に侵攻させた。 7家の貴族が、連合を組んで公国に侵攻を開始した。資金の一部は、帝国が貸し付けている。侵攻している貴族には、公国から奪ったものは奪った貴族に帰属することになっている。 他にも取り決めがされている。 公国は、帝国の一部であり、辺境伯が勝手に建国宣言をしてい…
続きを読む2023/10/12
【第九章 ユーラット】第二十五話 不在の理由
指令室となっている会議室には、ヤスとリーゼの姿が無くなっている。 帝国の侵攻を開始して、2週間が経過した。 帝国の侵攻は遅々として進んでいないが、先行部隊というべき者たちが、トーアヴェルデや楔の村(ウェッジヴァイク)に攻撃を仕掛け始めている。 「サンドラ様。帝国の動きは?」 オリビアの問いかけに、今日の指令室の責任者になっているサンドラが、メインディスプレイに解っている範囲での帝国軍の動きを示した地図を表示する。戦闘になっている部分は、リアルタイムでの情報更新が行われているが、帝国国内の情報にはタイムラグが…
続きを読む2023/10/10
【第三十一章 本腰】第三百十五話
ピカとハミから話を聞いた。 最初は、尋問のようになってしまったが、イザークとピムが必死に誤解を解いていた。 新種は、自然界でも産まれる。上位種に至る魔物は少ないようだが、一体でも十分な脅威になりえる。”できそこない”の1体でも、戦闘に慣れている者が居ない場所では、村や町が全滅しても驚かない。 人為的に上位種を作り出そうとしているのなら・・・。そして、その上位種に至った魔物を他の大陸に・・・。大陸が危険に晒されてしまう。 ルートガーに報告と相談を行うために、行政区に戻った。 「それで?」 「ピムの妹がアトフィ…
続きを読む2023/10/10
【第八章 王都と契約】第十一話 現状の確認(3)
ローザスの提案は、ハーコムレイが却下していた。 そもそも、街道を俺に渡すのは不可能なのだと、ハーコムレイが俺に説明をしてくれた。丁寧なのだけど、別に必要だと思えない謝罪まで含まれていた。 俺が第二のアゾレムになってしまう可能性がある。現状でも、戦力だけを考えても、王都に攻め込める場所に、俺に忠実な者たちが固まっているのを、ハーコムレイは問題視している。ローザスを擁する派閥とは、親密に出来ていると思う。それに、ルアリーナやアデレードが、神殿にいる。 ローザスも、ハーコムレイも、神殿の様子を知りたいようだ。 ア…
続きを読む2023/10/01
【第八章 王都と契約】第十話 現状の確認(2)
ハーコムレイは、ローザスを完全に無視して、俺の前に座る。 そして、持っていた書類を俺の前に出してきた。 かなりの分量がある。 全部を読むのは面倒に思えてしまう。 「これは?」 目の前に置かれた書類の束をペラペラと捲る。 貴族や商人の情報だとはわかる。俺が知っている貴族家は少ない。そもそもの話として、俺が知っている貴族家はアゾレムを除けば、神殿にいる者たちに関係する貴族家だけだ。 ハーコムレイが説明を始めてくれたが、簡単にまとめられていると言われている書類は、説明を聞いても、よくわからない部分が多い。 書類の…
続きを読む2023/09/11
【第四章 建国騒動】第一話 建国と婚約
建国宣言で一番盛り上がったのが、龍族が住まう森に繋がる街道の公開と龍族が隣人として付き合っていけるという内容だ。 辺境伯は、公王を名乗ることになる。 おっさんの助言もあり、ラインリッヒ公国を名乗ることになった。 イーリスが、公王の長男と婚約が発表された。 民衆からは好意的に迎えられた。 イーリスが、辺境伯領に来てから行っていた行動が評価された結果だ。一部の者たちからは、帝国との橋渡しを期待する声も聞こえたが、イーリスが帝国の名前である。アルシェの名前を外したことから、失望する声も聞こえてきた。 イーリスも、…
続きを読む2023/09/09
【第九章 ユーラット】第二十四話 侵攻(3)
ヤスは指令室?で、まったりと過ごしていた。 「ねぇヤス。動きがないね」 リーゼは、すでに飽きてしまっている。 地図上に表示されている帝国軍の進み具合を楽しそうに見ていたが、遅々として進まない行軍を見ていても飽きてしまっている。 「ん?あるぞ?」 ヤスの指摘した通りに、微妙な違いだが、動きは見られる。 部隊を二つに分けている。 二つに分かれた部隊の片方が、さらに二つに分裂をしている。 一つは、オリビアを支援する者たちで構成されている。内通者が既に連絡をしてきている。 情報は常に更新されている。 「あるけど、な…
続きを読む2023/09/08
【第三十一章 本腰】第三百十四話
ピムの妹の旦那という少しだけ距離がある人物を紹介してもらうことになった。 イザークに許可を出した。 本人たちも、自分たちだけでやれることが限界に来ていると悟っていた。 仲間内で話をして、俺かルートガーに陳情を行おうと思っていたらしい。 その為に、ナーシャ(甘味狂い)を行政区に送り出したらしいが、俺やルートガーとは入れ違いになっていたらしい。ナーシャの証言だけなので、イザークも怪しいとは思っていたらしいが、ロックハンドに時折現れる”招かれざる客”の対応を優先した。 ロックハンドは、ドワーフの里になってしまった…
続きを読む2023/09/06
【第八章 王都と契約】第九話 現状の確認(1)
ドアをノックして、部屋に入ると、ローザスだけがソファーに腰掛けていた。 「リン君。久しぶり」 ローザスが、ソファーに座りながら俺に手を振ってくる。継承権を持つ人間の行意図は思えない。 「殿下だけ?」 正直に言えば、ハーコムレイは苦手だが、ローザスと話をするよりも、ハーコムレイの方が楽だ。交渉は面倒だと思えるが、話をするだけなら楽だ。筋が通っていれば、文句を言わないし、俺が望んでいる物を的確に読み取ってくれる。 ローザスは、どこかニノサと似ていて、のらりくらりと躱すような話し方をしてくる。胡散臭いのではなくて…
続きを読む2023/08/16
【第八章 王都と契約】第八話 ミヤナック邸
親たち世代は、何やら繋がりがあるようだが、詳しい話は教えてもらえていない。 ナナも言葉を濁すことが多い。 考えてみると、ローザスやハーコムレイは、アッシュやナナたちから見たら、世代は下になるはずだ。 俺たち世代と親世代の間くらいか? それで、”アスタ殿”なのか? アッシュが用意した馬車で、王都にあるミヤナック家に向かっている。 ハーコムレイが用意した馬車も、店の前で待機していた。アッシュが馬車を出すと言って、来ていた馬車に”夜の蝶”に向ってもらった。フェナサリムの父親が居たらミヤナック家に連れてきてもらうた…
続きを読む2023/08/12
【第三章 復讐の前に】第三十二話 実験動物
(ゆるめ?の)性的表現が含まれています。 (ゆるめ?の)暴力表現が含まれています。 抵抗がある方は読み飛ばしてください。前回の話の結果を記載しているだけで、本編には(フラグ的な意味では)影響しません(多分)。 — サトシが珍しく執務室に居る。 ユウキが連れてきた者たちの処遇を確認して、次にユウキが来た時に報告する義務があるためだ。 「彼女たちは、どうしている?」 「実験に協力してもらっているわよ」 「そうか・・・」 29人は、それぞれにトラウマを抱えている。 普段から陽気にやらかすサトシも、小学…
続きを読む2023/08/10
【第三章 帝国脱出】第五十話 建国宣言
イーリスは、おっさんからの言葉を受け取って、領都に向った。 領都では、準備が進んでいた。 反対意見は有ったが、最終的な判断は王都に居るフォルミ・フォン・ラインリッヒ辺境伯に委ねられた。 領内をまとめたのは、代官だったダストンだ。ダストンにも打算はあった。正確な言い方をすれば、打算しかなかった。辺境伯領として、意思の統一を行う必要があった。丁度、代官と各町や村の長が領都に集まっていた。 同調圧力が無かった・・・。とは、言わないが、概ね独立はいい方向に捕えられていた。以前から、辺境伯領は、周りの貴族家から疎まれ…
続きを読む2023/08/10
【第九章 ユーラット】第二十三話 侵攻(2)
ヤスとリーゼが、作戦室に到着した時には、オリビアがメルリダとルカリダを連れて待っていた。 「中で待っていれば良かったのに?」 ドアの前で待っていた3人は、ヤスとリーゼが来たのを見て、一歩下がって道を譲った。 「いえ、誰かが来られるまで、私たちだけで中に居るのは・・・」 気にする必要は無いのだが、オリビアは元帝国の姫だ。 神殿に居る状態では、マルスが監視をしているので、大丈夫なのだが、状況を知らない者も居る。その場合に、オリビアの行動で、ヤスに批判の矛先が向いてしまうかもしれない。オリビアだけではなく、アデレ…
続きを読む2023/08/10
【第三十一章 本腰】第三百十三話
方向は決まった。 アトフィア教の連中が怪しいという目安も立ったが、問題は方法が解らないことだ。 ノービスの連中に会いに行くか? 「カイは、シロの護衛を頼む」 『はい』 シロの護衛は、フラビアとリカルダも居るし、大丈夫だとは思っている。 ステファナも本調子になってきたし、レイニーも従者兼護衛になっている。そもそも、アズリやエーファやレッチュが居る段階で、龍族でなければ相手にならないだろう。 それで、なぜかエリスがシロにべったりらしい。エリスがシロの近くから離れようとしない。らしい。 報告では、護衛にもなってい…
続きを読む2023/08/07
【第八章 王都と契約】第七話 打診
「リン様。さきほどのお話では、門は反対側にもあるのですよね?」 アッシュは、何かを考えてから、質問を始めた。 森の中の村に行くのには問題は無いようだ。神殿の中よりも、やれることが多いと思っているようだ。 「ある」 隠すようなことではない。 アッシュを仲間に引き入れたい。俺には、人を見る目がない。俺の代わりに、人を見る人物が欲しい。アッシュなら大丈夫だろう。忠誠心は、俺に向いていなくても、ローザスやハーコムレイと歩調が合っている間は、裏切らないだろう。 だからこそ、神殿ではなく”森の村”を担当して欲しい。 「…
続きを読む2023/08/02
【第三章 復讐の前に】第三十一話 復讐?
前田果歩さんの記事が雑誌に載ってから1週間。 前田教諭が学校を辞めてから2週間が経過した。 仕込みも終わっている。 手間はかかったが、状況は面白いほどに、想定していた方向に動いた。 俺は、拠点に作られた学校で働き始めた女性に話しかけた。今の所は、リハビリを兼ねた作業が多い。拠点の周りは、徐々に人が増え始めて、働き手が少ない状況になっている。今は、十分に回っているが、今後は人が足りない状況になると考えられている。 意思確認は既に済ませているのだが、最終確認だ。 「果歩さん」 まだ、俺と話すのは緊張するようだ。…
続きを読む2023/08/02
【第三章 帝国脱出】第四十九話 建国宣言(準備)
イーリスが緊張した面持ちで部屋に入ってきて、おっさんの正面に座る。 おっさんの横には、カリンが座っている。もちろん、反対側にはバステトが座って、カリンの肩には、シュリが止まっている。 イーリスは、最初におっさんを見てから、カリンが横に座っているのを見て、少しだけ顔を歪める。そして、カリンの肩に居るシュリを見て驚愕の表情に変わる。最後に、おっさんとカリンの座っている場所を見て、何か納得した表情をしてから、背筋を伸ばす。 「まー様。カリンさん」 「なんだ?」 「辺境伯フォミル・フォン・ラインリッヒは、辺境伯の地…
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