サイト小説の記事一覧

2023/11/28

【第六章 約束】第六話 無言の帰国

 状況の説明と今後の方針を決定した。  共和国の相手は、ユリウスに任せる事に決まった。  俺は、王国に帰還して、エヴァを迎えに行く。 『エイダ。集まったか?』 『十分な量の確保に成功しました。馬車に積んであります』 『わかった。ありがとう』  ユリウスたちとは、アルトワ・ダンジョンで別れた。アルトワ・ダンジョンには、クリスティーネが残る。  俺よりも先に、ユリウスたちが出立した。  共和国を攻め落とすのには、情報が伝わる前に重要拠点を攻略しておく必要がある。  ダンジョンの確保は必須だ。実効支配は完了してい…

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2023/11/27

【第八章 王都と契約】第十五話 そのころ・・・3

 西沢は、ゴーチエは宰相派に金を流している豪商の息子だ。所謂、武器を売って稼いでいる所謂武器商人の一族だ。武器の中には、奴隷も含まれている。もちろん、正規のルートから仕入れた奴隷だけではなく、奴隷狩りなどで捕えられた違法奴隷も含まれている。  西沢が、同級生たちのグループからの脱退を考えていた。 (このままではジリ貧だ)  西沢(ロラ・ゴーチエ)は、豪商の息子だ。  ただの豪商ではない。武器商人だ。それも、王国だけではなく、近隣諸国に武器を売り歩いている。武器の代金を、金ではなく、奴隷との引き換えも行ってい…

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2023/11/21

【第四章 スライムとギルド】第五十八話 ギルドとスライム(1)

 説明回です。読み飛ばしでも大丈夫です。  後から調整が入る可能性が大きいので忘れてくれると嬉しいです。 —  今日は、ギルドの結成式という名前の宴会(二部構成)です。  ギルドは大きく変わりました。  貴子ちゃんのおかげです。人員も増えて、私の仕事が楽になりました。  清水教授・・・。清水さんがギルドに合流しました。加入が正式に承認されました。いろいろ大変でした。主に、自衛隊とのやり取りで・・・。清水さんは、機密情報を握っている立場だったので、それらの保持に関する約定を取り交わさなければならな…

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2023/11/19

【第五章 魔王】第三話 【王国】【神聖国】

 俺は、大魔王様の眷属に従う部下の手下に負けた魔王だ。  これでも、20階層を誇るダンジョンを作っていた。罠も地球に居た時の知識を使って、あくどい罠を設置していたのだが、簡単に突破されてしまった。俺の眷属たちは、殺されなかった。眷属であることを戦闘中に聞かれて、眷属だと答えたら、無力化されるだけで終わった。  俺は、大魔王様に屈する選択をした。  間違っていなかった。あの時に、変なプライドを捨てたのは正しかった。このまま戦い続けるか、屈するか聞かれて、被せ気味に屈する選択を選んだ。眷属が殺されてしまう事を恐…

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2023/11/19

【第四章 噂話】第三話 撫養教

 ユウキたちの拠点がある地区の周りを囲むように、撫養教が教会の建築を開始した。  拠点には直接的なダメージはない。  周りを囲まれても、拠点が属している地区は、小さな町で、独立している。大きな括りには、属していない。  その為に、小さな地方自治が出来上がっている。  そのうえで、住んでいる人たちは、元々の住民と拠点に関係している者たちだけだ。元々住んでいた人たちも、拠点の恩恵を受けている。大きいのは、限界集落になっていた場所に、拠点が出来た事で、病院に変わる治療所が出来た。  拠点ができるまでは、近い病院で…

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2023/11/18

【第四章 建国騒動】第四話 カリン説明する

 おっさんが、イーリスに帝国を追い詰める作戦(悪巧み)を耳打ちして、ラインリッヒ公国の公都の裏路地を慣れた足取りで歩いている頃・・・。  カリンは、”魔の森”改めサイレントヒル自治区に出来たダンジョンにアタックをしていた。  サイレントヒルは、カリンが名付けた。おっさんの出身が静岡県だと聞いて、”サイレントヒル”と付けたのだ。おっさんは、別に名前には拘りが無かったが、”勇者”たちに知られたら厄介だと思っていたが、カリンの中で勇者たちとの対決を望む気持ちが芽生えてきたのかと思って、承諾した。  おっさんは、別…

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2023/11/16

【第九章 ユーラット】第二十七話 侵攻(5)

 ヤスが、楔の村(ウェッジヴァイク)への出兵を行うと宣言をした。  元々、帝国から攻めてきた戦争だ。それに対して、神殿側は反撃らしい反撃をしていなかった。  帝国の部隊が、神殿の領域に到達する前に瓦解することが多く、散発的な戦闘はこれまでも有った。しかし、まとまった攻撃は、楔の村(ウェッジヴァイク)が初めてだ。待っていたというよりも、神殿の中にも痺れを切らしている者たちが存在していた。その者たちのガス抜きの意味もあり、攻勢に出た方がいいと判断した。  指令室に居る者たちは、交戦を回避したいと考えていたのだが…

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2023/11/14

【第三十一章 本腰】第三百十七話

 幹部会議の当日になった。  最初は、シロも出席すると言っていたのだが、だるいようなので、幹部会議は欠席して、部屋で休むようにした。シロには、ステファナとレイニーがついていることになった。  俺には、”必要ない”と言ったのだが、シロから”フラビアとリカルダを連れて行って欲しい”と言われた。ルートガーたちが作る議事録とは別に、フラビアとリカルダがシロに報告を行う為にも、幹部会議に出席させて欲しいということだ。 「ツクモ様」  どうやら迎えが来たようだ。  幹部会議は、俺もルートガーもそれほど乗り気ではなかった…

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2023/11/12

【第六章 約束】第五話 想定外の出来事

 ライムバッハ領の領都には、私たちが執務を行っている邸がある。ライムバッハ辺境伯の邸とは別に用意された場所で、私たちが生活する場所が一緒になっている。  私の執務室は、邸の入口に近いが場所にある。  客人対応が多いのが私だ。ユリウス様に客人対応を任せられない。当代のライムバッハ辺境伯はカール様だ。私たちが支えるべき人物だ。しかし、ユリウス様の現在の肩書は別にして”皇太孫”という立場があり、権限を持っていると思われてしまう。他の者たちでは、客人が爵位を持っている場合に、”軽く見られた”と言い出す者が居る(可能…

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2023/11/10

【第八章 王都と契約】第十四話 そのころ・・・2

神殿が表舞台に出る準備を行っていた時に、神殿に行くことを拒絶した者たちも、自らのスキルを使って動き出していた。 最初に動いたのは、教会に伝手があるフレット(昴)・コンラート(松田)だ。 「おじい様!」 「なんだ?」 コンラート家は、王家よりの人間で穏健派の筆頭と考えられる。教会の中では、穏健派をまとめている立場の家だ。 フレットが、父親や母親ではなく、祖父を頼ったのにも理由がある。 「おじい様。教会の武器や防具や服飾関係は、どなたが仕切っていらっしゃるのですか?」 フレットが行おうとしているのは、カルーネ(…

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2023/11/07

【第四章 スライムとギルド】第五十七話 追い込まれた者たち

千代田区のとある雑居ビルの3階。 この場所は、広くもないが狭くもない。雑居ビルには看板が掲げられているが、3階の部分にあった看板は取り外されている。存在を隠す理由ができてしまったために、看板も表に取り付けていた表札も取り外している。それだけではなく、代表電話も転送されるように設定が変更されている。 30平米程度の部屋は、綺麗に整えられている。 訪ねる客が多いわけでは無いのに、受付が設置されている。しかし、受付には、誰かが座っていた形跡はあるが、現在は使われている様子はない。 空間を仕切っているのはパーテーシ…

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2023/11/06

【第五章 魔王】第二話 報告(2)

私の後ろに控えている魔王が手を上げる。 大魔王様と同じ、”日本”出身の魔王だ。変わり者で、我が声を掛ける前に、眷属を使いに出して、恭順を申し出てきた。ダンジョンは、10階層程度の規模だ。王国内では、あまり知られていないダンジョンで、本人の話を信じるのなら、490代目らしい。 大魔王様に恭順するかと思ったら、我の属領になることを望んだ変わり者だ。 「どうした?」 ルブラン殿が、手を上げた魔王の”名”を呼んだ。 名前は、本人が名乗っていたので、そのまま呼称する事に決まった。ゲームでよく使っていたキャラクター名だ…

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2023/11/05

【第四章 噂話】第二話 接触

ユウキは、意図的に三保の入口にある家の情報を流した。 しかし、番犬(フェンリル)が居るためにうかつに近づけない。 静岡や近隣のマスコミは一通り洗礼を受けている。 怪我をしたのではない。いつの間にか、違う場所で目が覚めるという失態を繰り返して、いつの間にか、ユウキの家は静岡近隣のマスコミ関係者からはアンタッチャブルな場所として認定されている。 情報を仕入れた者たちも、最初は情報を疑ったが、実際に”噂”と同じような状況に陥れば、信じるしかなくなってしまう。 しかし、そんなマスコミに匂わせている者たちは、そんな中…

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2023/11/01

【第四章 建国騒動】第三話 余波

公国が、帝国を撃退したという情報は、周辺の国々に伝播した。戦闘の開始時点からの情報が、正確に伝えられた。 帝国の7家が連合を組んで、公国に迫った。帝国も負けるとは考えていなかったために、当初からかなりの情報を流していた。公表されていた兵数は、30万。公表された兵数が、実体を捉えていないのは、当然の事だが、建国を宣言したばかりの国を攻めるのには、大げさな兵数を用意した。終戦後に行われる別の戦いの為にも、7家だけではなく、後ろに控えている者たちも兵を貸し与えていた。 帝国は、戦況が判明するにしたがって、情報統制…

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2023/10/31

【第九章 ユーラット】第二十六話 侵攻(4)

ヤスとリーゼが神殿に戻ってきたのは、帝国が楔の村(ウェッジヴァイク)を完全に包囲した時期と重なった。 指令室になっている会議室に、ヤスとリーゼが戻ってきた。 「戦況は?」 ヤスは、自分の席に座る。リーゼは、当然のようにヤスの隣に座る。 作戦室でオペレータを務めていたのは、オリビアだ。 帝国の侵攻が始まってから、交代でオペレータを務めている。今は、オリビアとメルリダとルカリダが務めている。ヤスには、事後に承諾を貰っているが、監視している箇所は、3箇所に絞っている。 他は、問題や動きがあった場合にアラームが上が…

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2023/10/31

【第三十一章 本腰】第三百十六話

二日後に、長老会を開催することに決まった。アトフィア教への警戒を強めることになってしまうが、相手が何をしているのか解らない状況では、攻めるにしても、守るにしても、状況の把握をしなければならない。 ルートガーが長老や関係者の間を駆け回っている。 クリスティーネもルートガーの手伝いをしている。ヴィマやヴィミやラッヘルやヨナタンは、クリスティーネの代わりに各所に連絡を行っている。今回の会議は、最初は長老衆だけで行うが、その後にチアル大陸の幹部を含めた会議を行う。 ルートガーは、長老衆との打ち合わせの準備で忙しいた…

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2023/10/28

【第六章 約束】第四話 行動方針

ユリウスはまだ何か言っているが、クリスティーネが納得したので、ダンジョン・コアの説明は、共和国を落としてからに決まった。 俺が攻略したダンジョン以外にも、共和国内にはダンジョンが存在している。現在は緩やかにだが、俺が攻略したダンジョン以外のダンジョンで共和国の屋台骨を支えている。共和国の弱体を狙うのなら・・・。ダンジョンは攻略しておいた方がいいかもしれない。 クォートとシャープがヒューマノイドタイプの戦闘員を連れて戻ってきた。 共和国への侵攻計画を共和国の領土で練っている。 すでに進入を果たしているので、ど…

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2023/10/27

【第八章 王都と契約】第十三話 そのころ・・・

リンとマヤとミトナルが王都に向かった。 神殿は、ギルドに任されていた。 リンとマヤが居なくなった神殿では、ロルフが管理を行うのだが、ロルフは、リンの眷属たちの統率を行っていて神殿の運用までは手が回っていない。 リンからも神殿の裏側はロルフが手を出してもいいが、居住区と通路はギルドに任せるように言われている。 残っているメンバーは、それぞれが生き残るため・・・。と、いう思いは持っているが、それ以上に、自分の想いを叶えるために行動を起こし始めている。その中でも、イリメリは精力的に動いている。 森の村とフリークス…

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2023/10/26

【勝手な人】月夜の出会い

本当に勝手な人。 勝手に、私を好きになって、勝手に私の心を独占して・・・。 結婚の話も、貴方が言い出した。 そのつもりだったけど・・・。嬉しかったけど、雰囲気くらい作って欲しかった。 私の考えを確認した?してないよね?勝手に、私の両親に話をしたよね?たしかに、連絡先は聞かれたけど・・・。 今日だって、急に車を出すから乗れ?急がせないのは嬉しいけど、先に言ってくれたらもっと嬉しい。 用事が無いのは確認されていたけど・・・。それにしても急だよね?どこかに行くの? え?伊豆? 今から? 大丈夫? そういえば、伊豆…

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2023/10/19

【第八章 王都と契約】第十二話 現状の確認(4)

神殿での生活は、ミトナルとナナに説明を任せることにした。 ローザスは何か言っていたが、話が進まないという事で、ハーコムレイが話をミトナルとナナに聞くことになった。 ハーコムレイが部屋から出て行った。 ローザスも一緒に行くのかと思ったが残っている。 「それでリン君?」 「ん?」 ローザスが何を期待しているのか解らない。 「神殿で、採掘や採取ができるのだよね?」 「あぁ」 「その場所は、僕たちでも・・・。違うな。神殿を利用する者なら、誰でも使えるの?」 「そういうことか・・・。ルールを作る必要があるとは思うけど…

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2023/10/18

【第四章 リブート】第七話 アメール・ピコン・ハイボール

二人の若い男が、繁華街を歩いている。 宵の口を過ぎたばかりで、周りは酔いつぶれてはいないが、酔って次の店を探し始めている人が増え始めている。そんな客目当ての者たちも道に出始めている。 若い二人は、一つの噂を信じて、その店を探している。 繁華街をアルコールも入っていないで店を探しながら歩いていれば、”目当て”があるのか、それとも単なる”おのぼりさん”か、それとも”かも”か、どれかだろう。二人が何を探しているのか気にしている者たちもいるが、それ以上に、二人を”誰が”引っ張っていくのか気になり始めている。 「合っ…

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2023/10/17

【第四章 スライムとギルド】第五十六話 動き出す計画(3)

今日は、久しぶりにギルドでのお仕事です。 私と円香さんは資料をまとめています。 主に、魔石の行方と日本ギルドに関しての情報です。世界的な動きもありましたが、ターゲットは日本ギルドです。そして・・・。 ギルドの電話は鳴りっぱなしです。 主殿に頼んで、遮音の結界で覆ってもらっています。自動応答が電話を捌いてくれています。電話はワイズマンが答えることがあります。合成音声ですが、最初は英語で答えるように設定が行われています。登録されている電話番号からの着信なら、担当する者が座っている机に転送されます。 千明の知り合…

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2023/10/17

【第五章 魔王】第一話 報告(1)

俗称カプレカ城の玉座には、連合国との戦いを終えた幹部たちが集まっている。 玉座には、魔王が一人で座っている。 普段なら、左右を魔王の側近であるルブランや四天王が護衛を兼ねて控えている。しかし、今日は身内だけの集まりであり、連合軍との戦いの報告を魔王に行う。 進行は、ミアが務めている。ミアが自分から言い出したことだ。 「王国の報告は以上です」 本来なら、カンウやモミジが行うのだが、ヒアが魔王にまとめた報告を上げている。 カンウとモミジが別々に動いていたこともあり、全部をまとめる役割を持っていた者がいなかった。…

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2023/10/16

【第四章 噂話】第一話 都市伝説

説明回です 読み飛ばしても大丈夫だと思います。 — 企業系の提灯記事を掲載しているマスコミを標榜する者たちから、噂が流れ始めた。 少し前に記者会見を開いて、世間を驚かせた”召喚された勇者”たちが持っているポーションは、”欠損”を治せるのではないかと噂が流れ始める。それだけでも価値は天井知らずなのに、権力者としては見逃すことが出来ない効用があると思われている。 公表されていないがポーションの効用で期待ができる効果が”延命”だ。噂話の域を出ていない。帰還した勇者たちを囲っている者や、研究をしている者…

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2023/10/16

【第四章 建国騒動】第二話 親書

元辺境伯領であり、建国宣言を行った公国は、『”龍族”に守られている』と言われている。 帝国は直接的には、公国への対応を表明していない。 『認める』とも『認めない』とも表面上は無視を貫いている。 裏では、資金がショートしている貴族を動かして、公国に侵攻させた。 7家の貴族が、連合を組んで公国に侵攻を開始した。資金の一部は、帝国が貸し付けている。侵攻している貴族には、公国から奪ったものは奪った貴族に帰属することになっている。 他にも取り決めがされている。 公国は、帝国の一部であり、辺境伯が勝手に建国宣言をしてい…

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2023/10/12

【第九章 ユーラット】第二十五話 不在の理由

指令室となっている会議室には、ヤスとリーゼの姿が無くなっている。 帝国の侵攻を開始して、2週間が経過した。 帝国の侵攻は遅々として進んでいないが、先行部隊というべき者たちが、トーアヴェルデや楔の村(ウェッジヴァイク)に攻撃を仕掛け始めている。 「サンドラ様。帝国の動きは?」 オリビアの問いかけに、今日の指令室の責任者になっているサンドラが、メインディスプレイに解っている範囲での帝国軍の動きを示した地図を表示する。戦闘になっている部分は、リアルタイムでの情報更新が行われているが、帝国国内の情報にはタイムラグが…

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2023/10/11

【第四章 スライムとギルド】第五十五話 動き出す計画(2)

時間を少しだけ巻き戻します。 真子ちゃんの治療が終わって、体力も元に戻った。もう大丈夫だと判断されました。孔明さんと真子ちゃんの仮住まいが決まりました。 ギルドとして動き出せるタイミングで、必要がない素材を、主殿がギルドに持ってきてくれました。 ゴブリンの角や(主殿基準で)使い道がない魔石です。大量です。驚くほどの量です。横流しをして、オークションにかけても余ります。余ったら、各国のギルドに流すことになるようです。 孔明さんと円香さんが話し合って、日本ギルドに横流しを行うブツを決めています。 ギルド日本支部…

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2023/10/10

【第三十一章 本腰】第三百十五話

ピカとハミから話を聞いた。 最初は、尋問のようになってしまったが、イザークとピムが必死に誤解を解いていた。 新種は、自然界でも産まれる。上位種に至る魔物は少ないようだが、一体でも十分な脅威になりえる。”できそこない”の1体でも、戦闘に慣れている者が居ない場所では、村や町が全滅しても驚かない。 人為的に上位種を作り出そうとしているのなら・・・。そして、その上位種に至った魔物を他の大陸に・・・。大陸が危険に晒されてしまう。 ルートガーに報告と相談を行うために、行政区に戻った。 「それで?」 「ピムの妹がアトフィ…

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2023/10/10

【第六章 約束】第三話 目標と罠

共和国に攻め込む者たちを含めて、アルトワ・ダンジョンに移動した。 実効支配している場所を確認してから、落としどころを考える事になった。 俺たちが見聞きしてきた情報を、皆に伝えたところ、今なら共和国の半分は無理でも、1/3くらいは取れると考えているようだ。 経済戦争を行うのには、お互いに準備が足りていない。 「ユリウス。共和国への対応だが・・・。適当な落としどころを決めてくれ、王家に渡すにしても、飛び地では管理が難しいだろう?」 「それは・・・」 「アルノルト様。大丈夫です。考えがあります」 「え?」 クリス…

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2023/10/10

【第八章 王都と契約】第十一話 現状の確認(3)

ローザスの提案は、ハーコムレイが却下していた。 そもそも、街道を俺に渡すのは不可能なのだと、ハーコムレイが俺に説明をしてくれた。丁寧なのだけど、別に必要だと思えない謝罪まで含まれていた。 俺が第二のアゾレムになってしまう可能性がある。現状でも、戦力だけを考えても、王都に攻め込める場所に、俺に忠実な者たちが固まっているのを、ハーコムレイは問題視している。ローザスを擁する派閥とは、親密に出来ていると思う。それに、ルアリーナやアデレードが、神殿にいる。 ローザスも、ハーコムレイも、神殿の様子を知りたいようだ。 ア…

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