の記事一覧 2020年06月

2020/06/22

【第八章 セキュリティ・キャンプ】第六話 防御と攻撃

学校からの依頼を受けてから1週間が経過した。 結局、毎日パソコン実習室でいろいろ教えている。 やっと、俺が目標としていた、2時間でのサービス起動が出来るようになってきた。 変則的な設定の場合には、考えて手が止まってしまったり、手間取ったり、躊躇したりしてしまう。しかし、CentOSを試しにDVDから標準的な構成を、手順に従って設定とセットアップをしてもらった時間と、同程度の時間でサービスが起動できる。 時間短縮の方法は至って簡単だ。 最小構成でOSをセットアップする。そのときに、SSHのポート番号を変えて起…

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2020/06/22

【第九章 神殿の価値】第十話 アーデルベルトの思惑

風呂を堪能してから、タブレットを兄のジークムントとハインツから奪い取った。タブレットをニコニコ顔で抱えながら、与えられた部屋に入ったアーデベルトは、早速カタログを見始めた。 「(ふふふ。やはりありました!さすがは、神殿ということでしょう!!!)」 バッケスホーフ王国の第二王女アーデベルト・フォン・バルチュ=バッケスホーフ。近親者や上級貴族の間では、”錬金姫”と呼ばれている。 アデーはカタログから素材がないか探していた。 アデーが、今回、兄であるジークムントの視察に着いてきたのは、神殿の工房に興味が有ったから…

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2020/06/21

【第八章 セキュリティ・キャンプ】第五話 面談

パソコンの実習室に入ると、チームでまとまっている。 俺が、戸松先生に送った資料を読んでいる。 「皆さん・・・」 戸松先生の口上が始まった。 基本は、戸松先生がリーダーとなって皆を指導していく、俺はサポートを行う。 30人を見回すと、1年生が多いように思える。 「津川先生。パソコン倶楽部の子ですか?違う科の子ですよね?」 女子の4人は、違う科のバッチを付けている。 それに、パソコン倶楽部の子が2名居るから、女子の半分以上はパソコン倶楽部から来ている。 「篠崎君。それに関しては、謝罪しますが、駄目でしょうか?」…

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2020/06/20

【第八章 セキュリティ・キャンプ】第四話 作戦と提案

さて、有志のレベルがわからないけど、パソコンが触れる素人と仮定しよう。 1年も混じっているだろうし、プログラムはほぼ無理だろう。ネットワークの授業もまだ始まっていないだろう。しまったな。津川先生に聞いておけばよかった。 多分、OSは、Linux系統を入れさせるつもりなのだろう。 いくつかのディストリビューションを持っていこう。RedHat系とDebian系とSlackware系だな。CUIで困らないようにしておこう。 さて、学校でのセキュリティの勉強会をかんがえないとならない。時間も無いし、本番を想定した感…

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2020/06/19

【第九章 神殿の価値】第九話 ハインツの驚愕

サンプル別荘に入った3人は、驚愕で身体が固まってしまった。 メイドからフロアの説明を聞いたからだ。 「ハインツ?」 「おい!ハインツ!」 「あっはい。ジークムント様」 「ハインツ。ジークと呼べ」 「あっはい。もうしわけありません。ジーク様」 ハインツは、普段の癖が抜けきらない。 サンドラのように、”さん”とは呼べないのだ。王宮に行っていた癖が抜けきらないのは無理からぬことだ。 「”様”も必要ないが、無理だろうな。ハインツ。お前は知っていたのか?」 ジークムントが言っているのは、別荘に入ってきて、最初に説明を…

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2020/06/19

【第八章 セキュリティ・キャンプ】第三話 確認

「篠崎くん。それで、受けてくれますか?」 「はい。受けます。それで、実習室の使用許可をください。あと、レギュレーションにあるように、OSが入っていない同型のパソコンが10台ほど欲しいのですが、ありますか?」 「完全に同じでは無いですし、スペックが低いのですがいいですか?」 「チップセットとGPUが同じなら多少の違いは大丈夫」 戸松先生が空いているパソコンを考え始める。 流石に、10台は難しいか?オヤジに相談して、古いスペックの珠(サーバ)が転がっていないか聞いてみよう 「そうだ。戸松先生。篠崎くん。有志の選…

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2020/06/18

【第八章 セキュリティ・キャンプ】第二話 レギュレーション

作業場所に帰る前に、近所のラーメン屋で夕飯を食べようと思った。 「お!今日は、一人か?」 「えぇユウキは、バイト先で食べてくるらしいので」 「そうか、それでどうする?」 「チャーハンセットを塩で」 塩ラーメンとチャーハンのセットを頼む。 ユウキが居ると、これに餃子か唐揚げが追加される。デザートの杏仁豆腐までしっかりと食べる。あの身体のどこに入っているのか不思議に思えてしまう。そして、育たなかった身体の一部を思い出す。 「はいよ」 他にも客は居るが、顔なじみばかりだ。 名前も職業も知らない人たちだが、街ですれ…

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2020/06/18

【第九章 神殿の価値】第八話 サンドラの憂鬱

サンドラは、ローンロットの道のりで2回の休憩を挟んだ。 アーティファクトの魔力切れを理由にしたが、実際には、ジークとアデーからの質問攻めに精神が疲れてしまったからだ。 質問される内容の殆どが、サンドラでは答えられない内容だった。ヤスに聞いて欲しいと思ったが、ヤスを質問攻めにすると、嫌になって貴族と合わないと言われてしまう。実際にヤスは気に入った人にしか合わない傾向が強い。それでは、困る場面が出てくるかもしれない。 サンドラは、ハインツに助けを求めたが、ハインツはアーティファクトの速度に驚いて使い物にならなか…

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2020/06/17

【第八章 セキュリティ・キャンプ】第一話 学校からの依頼

ユウキと住み始めて2ヶ月が経過した。 委託された業務は、サーバの監視業務だ。だが、面倒なことに監視内容が多岐に渡っている。死活確認だけではなく、レスポンス確認や月に一度の脆弱性の確認まで含まれる。報告書にまとめて、月一回の作業報告として提出する。正直、月10万では割に合わない。回線代と電気代と複合(コピー)機のレンタル代と各種アカウント代がなければ、赤字案件確定だ。作業量から考えると、多分2-30万が妥当だろう。 そう言えばユウキは、オヤジの事を、克己パパと呼んで、オフクロの事を、沙菜ママと呼ぶようになった…

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2020/06/17

【第九章 神殿の価値】第七話 サンドラの仕事

サンドラの朝は早い。 日の出前には起きるようにしている。神殿に住むようになってから、朝に強くなった。 ギルドのサポートがメインだったはずが、いつの間にか、貴族対応の窓口になっていた。 「お兄様!問題点を伝えているのです。しっかりと、聞いてください」 『聞いているよ。それで、サンドラ。僕はどうしたらいいの?今日、届けられた、価格表で交渉すればいいのかい?』 「本当に、第一王子と第二王女が神殿に別荘をお作りになるのですか?」 『流石に、国王は遠慮してもらったが、第一王子は是非とおっしゃっているし、第二王女は自分…

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2020/06/17

【中級】青い鳥を探して

私が居る職場(部署)は、リーマンショックの影響は少なく、軽症で終わった。堅実にやってきたおかげだと考えていました。単純に特殊な技術を使っている部署の為にオンリーワンだったためだ。 他の部署からの流入は、使っている技術が特殊な関係で、すぐに人員の補充は行えない。 しかし、万年人手不足だったのだ。 そんな世間では、リーマンショックでの傷跡が痛々しかった頃に、私の部署に人員を出している外注会社があったのですが、その外注会社で人員整理が始まったのです。理由は、よくある話で、業績不振です。私の部署に来てくれている人た…

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2020/06/16

【第九章 神殿の価値】第六話 イチカ

イチカは、カイルと話をして、妹や弟をカイルが面倒をみてくれると聞いて安心していた。 ドーリスやサンドラや時にはヤスやリーゼが妹や弟の世話をしてくれるが、もうしわけなく感じていた。本当なら、今回の依頼も断ろうと思っていたのだが、先方から”イチカ”を名指しで依頼してきたのだ。 一泊になるのも、神殿のギルドで処理した書類をローンロットまで運んで、ローンロットの各ギルドに来ている神殿あての書類をまとめるのに時間が必要になるのだ。ギルドからも、ギルドで宿を用意すると言われているので、受けるしかなかった。 行程にも時間…

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2020/06/16

【第七章 家庭ネットワーク】第五話 新しい生活

秘密基地で、ハブにケーブルを接続していく、一般回線のルータにも火を入れた。業務回線のルータにはまだ火を入れていない。 固定IPの使い方は、オヤジに相談だな。サーバを置くつもりなのかもしれないからな。 さて、一つだけ刺さっているサーバに火をいれる。 モニターとキーボードとタッチパッドを繋いだ。ひとまず、LANからは分離する。 あぁペンギンが表示される。そういうことだな。 中身は・・・。本当にサービスはOSが起動するだけだな。オヤジから珠(ラックサーバ)を回してもらおう。使わなくなった古い物もあるだろう。 秘密…

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2020/06/16

【初級】明日は我が身

あるプロジェクトにヘルプで入った時のですが、その現場は徹夜が続いている。よくある炎上案件でした。 メンバーはすでに限界を超えています。 限界を突破しているのも当然なのです。徹夜が続くのが日常になっていたのです。幸いな事に、その現場は使える風呂が近くにありました。着替えを洗濯出来る場所もありました。そのために、長期滞在を行っているメンバーが多かったのです。私たちヘルプメンバーは、メインでメンバーに休息を与えるためにやってきたのですが、そう簡単にメインメンバーが楽にならないのがIT業界です。 問題だらけのプロジ…

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2020/06/16

【第九章 復讐】第九話 終結

船上で行われた粛清劇から1ヶ月が経過した。 城井貴子は、旧姓の朝日を名乗って、大学に復帰した。 忠義は、自分の代で”能見”を終わらせるという望みを晴海に託していた。六条は、足抜けを認めていなかったが、家が潰れれば話は変わってくる。そのために、新見に能見を吸収させた。家が吸収されるならから、出ていきたい者は出ていけと新見に宣言させたのだ。 忠義の願いは叶った。残りの人生を晴海の為に命をかけると忠義(ちゅうぎ)を誓った。 新見は、文月を襲撃した犯人を、能見を使って特定した。大陸系の集団を使った不御月の仕業だ。残…

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2020/06/15

【初級】ダイエット効果

世の中にはいろいろなダイエット方法があります。 それも、新しい理論(ダイエット)が産まれて、試されて、また新しい理論(ダイエット)が産まれる。私たちが行ったダイエットは、それらの物とは違いました。意図してダイエットをしようとしたわけではありません。 一緒に仕事をしていたメンバーの全員が、10キロ以上の減量に成功しています。 100キロ超えの人間から、60キロ位しかなかった人(女性を除く)まで様々ですが、全員がダイエットに成功しています。 その驚異的なダイエット方法は・・・・。 精神的に追い詰められた状態で仕…

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2020/06/15

【第七章 家庭ネットワーク】第四話 ルータとWIFI

結局、朝まで地下室で作業をしてしまった。 2台のルータの設定はできていた。オヤジから送られてきた資料の中に契約に関する物もあったので、ルータの設定を確認した。それからパズルのように、ケーブルの接続を行った。外部からの接続は、後で考えるとして、家の中のネットワークの構築を行った。外部への接続は、業務回線は使わない。家庭用の回線を使えと言われているように思えたからだ。セッション数が増やされている。 ユウキと俺で別々にゲーム機を持っている。Microsoftのゲーム機と任天堂のゲーム機とソニーのゲーム機は、最新の…

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2020/06/15

【第九章 神殿の価値】第五話 カイルと子供たち

「イチカ!」 「なに?」 「今日は、どこに行く?」 「カイルは?」 「俺は、今日はアシュリに配達だけ」 「そう、私はローンロットに配達で、向こうで宿泊になると思う」 「わかった。妹たちは?」 「ドーリスさんが手配してくれる。先生たちも居るし大丈夫だと思う」 「わかった。俺もなるべく早く帰ってくる」 「うん。お願い。それじゃ先に行くね」 「おぉ!」 カイルとイチカのお決まりのやり取りだ。 最初の頃は、二人で依頼を受けていたが、効率が悪かったり、行く先々でからかわれたり、不都合ではないがカイルが不機嫌になるので…

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2020/06/15

【第九章 復讐】第八話 闘争

部屋の中に、湯呑が割れる音だけが木霊する。 「夏菜!」 「はっ」 「そのクズを連れて行け、礼登と秋菜に合流しろ。死ななければ何をしても構わない。自白剤の使用も許可する。不御月の関与と、文月と襲撃者の所在を喋らせろ」 「かしこまりました」 「礼登にも秋菜にも言っておけ、手足を切り落としても構わない。だから、殺すな!」 「はっ」 夏菜が直亮(なおあき)の首にワイヤーを巻きつけて部屋から連れ出した。 「ふぅ・・」 晴海は、椅子に座り直した。 「最悪だな」 「はい」 応じたのは、忠義だ。貴子と会った時点から城井が怪…

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2020/06/14

【第七章 家庭ネットワーク】第三話 ネットワーク環境

おかしい。 心臓がドキドキしている。俺は緊張しているのか? 「タクミ」 「オヤジ。桜さんと美和さんは?」 「もう帰ってきている」 「わかった」 作業部屋(家)から出て、森下家に向かう。 美和さんがすぐに出てきてくれた。 「タクミ。どうしたの?克己も一緒?」 「桜さんは?」 「リビングよ?ユウキも呼ぶ?」 「大丈夫。桜さんと美和さんに、お願い。違うな。宣言しに来ました」 オヤジが、後ろから美和さんになにか合図を送っているが後ろを振り向いてはダメだろう。 「あら。そうなの?良いわよ。上がって、リビングはわかるわ…

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2020/06/13

【第九章 神殿の価値】第四話 ヤスのワガママ

「マルス。魚が食べたい」 『マスター。個体名セバス・セバスチャンに命じて、迷宮区で採取出来ます』 「それもいいが・・・。そうだ、湖の村に行こう。あそこなら、湖の恵みを食べられるだろう?頼まれた荷物もある」 『了』 ヤスは思い立ったら吉日。一人で移動する。場所も解っている。 S660の出番だ。ナンバーを660にしている。異世界で召喚したときにナンバーが外れていたので、ヤスはイワンに注文をだしてわざわざ黄色のナンバーを作成して取り付けている。地名が書かれている場所は、”神殿”と日本語で書いた。 ヤスの乗るアーテ…

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2020/06/13

【第九章 復讐】第七話 昼夜

静かな時間が流れた。 礼登から漂ってくる血の臭い。耳を切り落とされた直道(なおみち)からも新鮮な血の臭いがしてきているが、気にするものは居ない。 「秋菜。そこで、うずくまっているクズを俺の前から排除しろ」 「何を、めか」「豚。口を開くな、臭い」 直道(なおみち)が、”めかけ”と言いかけたので、秋菜が強硬手段に出た。直道(なおみち)の耳がなくなった場所を殴って、黙らせた。 「秋菜。豚が可愛そうだ。豚は、餌を貰っている者になつくからな。最後に殺されて食べられる瞬間まで、主人を信じているのだからな」 「はっ。もう…

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2020/06/13

【第七章 家庭ネットワーク】第二話 作業場所

オヤジは、そのままリビングに移動して、ソファーではなくダイニングテーブルに座った。 俺に正面に座るように言った。 オフクロが用意してあった珈琲を入れて、俺に渡してくる。 正直、オヤジがいれる珈琲は濃い。俺には合わない。 「それで?」 「結論を急ぐな。まずは落ち着けよ」 「あぁ」 オヤジが入れた濃い珈琲を飲む。やはり濃い。よくこんなに濃い珈琲を飲めるものだ。 「旅行はどうだった?」 「楽しかった」 「そうか。どこに行った?」 「ん?オヤジは知らないのか?」 「あぁ伊豆とだけ教えられたが、詳しい行程は聞いていな…

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2020/06/12

【第九章 神殿の価値】第三話 イワンとルーサ

「イワン殿。ヤスから、魔道具は受け取ったのか?」 「ルーサ殿か?魔道具は解析中だ。それよりも、”殿”はやめてくれ、気持ち悪い」 ルーサは、イワンの工房を訪れていた。 工房の前でイワンを呼び出して話を始めたのだ。 「それなら、俺もルーサで頼む」 「”敗者(ルーサ)”か?もう良いのではないか?」 「いや、俺は、ルーサだ。逃げ出した、俺は、敗者ですら無い」 「わかった。わかった。それで、ルーサ。何か用事なのか?」 イワンも触れられたくない話は当然ある。 ルーサも同じだ。隠すわけではない、聞かれたら話をするし、過去…

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2020/06/12

【第七章 家庭ネットワーク】第一話 認識

先輩たちは、俺とユウキを家まで送ってくれる。 「梓さん。美優さん。ありがとうございます」 「素直なタクミ君も悪くないな」 「どういう意味ですか?」 「ククク」 「なんですか?」 「いいねぇ美優。僕たちも手を握っていようか?」 梓さんは、俺とユウキが手を繋いでいるのをどうやって確認したのかわからないが、からかってくる。 手を繋いでいるわけではない。ユウキが、俺の腕に掴まって寝ているのだ。 梓さんと美優さんに聞いて知ったのだが、ここ数日、ユウキは考えすぎて、ペンション以降はあまり眠れていないようだ。 それなら、…

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2020/06/12

【第九章 復讐】第六話 破綻

「幸典(ゆきのり)。新見家は、なにか言いたいことがあるのか?」 「お館様にお聞きしたいのですが、合屋家から返還された物を六条家としてどうされるのですか?」 新見が晴海に問いただした内容は、合屋と寒川以外が聞きたいと思っている話だ。 六条家が絶対の上位者なのは変わりがないが、六条家だけでは、返還された物を動かせないのは自明なのだ。 「そうだな。六条で持っていても手に余るな」 「それでは!」 直道(なおみち)が身を乗り出して話を遮った。 「直道(なおみち)様。お館様のお話中です。お控えください」 いつの間にか、…

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2020/06/11

【幕間章 伊豆旅行】第四話 伊豆旅行(その2)

ん?ここは? いい匂いだ?甘い。俺が好きな匂いだ。 え? ユウキ?裸?何が? 思い出した! 伊豆旅行で泊まったペンションだ。 そもそも、ユウキは着替えてガウンを着たのだろう? 俺の腕に抱きついている。やばい。いろいろ駄目だ。腕に、ユウキの胸が当たる。普段はこんなにも意識しないのに・・・。匂いか?柔らかさか? 思い出せ。 大丈夫だ。 何もしていない。何もしていないが、何が大丈夫なのかわからない。でも、大丈夫だ。 ユウキの身体を拭く時に触ったけど不可抗力だ。 ユウキをベッドに運ぶときに触ったが不可抗力だ。 ユウ…

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2020/06/11

【第九章 復讐】第五話 合屋

「泰史(やすふみ)!」 「はっ」 「泰章(やすあき)に、市花。新見。城井を呼びに行かせろ。泰史(やすふみ)は、寒川を迎えにいけ。寒川の望みを聞き出してから戻ってこい」 「かしこまりました」 夕花が会議室のロックを解除する。 泰章(やすあき)は、頭を下げて部屋から出ていった。 「晴海さん。なんだから嬉しそうですね」 「そうか?」 「はい。僕、少しだけ嫉妬してしまいそうです」 晴海は、夕花の頭をくしゃくしゃと撫で回した。 「夕花、もうすぐだ。俺の問題と夕花を狙っている奴らが繋がるかも知れない」 「え?晴海さん?…

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2020/06/11

【第九章 神殿の価値】第二話 別荘地

やる事がないヤスは、アフネスとサンドラと一緒に貴族用の別荘建築予定フロアに来ている。 神殿の西門近くに作られた入口から入る場所だ。 ヤスは別荘地と言えば、軽井沢か伊豆を思い浮かべる。 イメージは、高級リゾート地ではなく、チープな匂いがする”なんちゃってリゾート”だ。入る前に、審査が行われる。審査は、通常の神殿に入る審査とは違う。貴族や従者に、同じ調査をしていたら殆どの者が許可されない。そのために、リゾート部分を分離したのだ。 「ヤスさん。リゾートという名前で決定なのですか?」 「ん?名前が必要なのか?」 「…

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2020/06/10

【戯言】小説投稿サイト(カクヨム/アルファポリス/ノベルバ)稼げるのはどれ?

本当に投稿者の為になるサイトはどれか? アルファポリス/カクヨム/ノベルバ/ノベルアッププラス/ツギクル/マグネット!/LINEノベル/エブリスタ/ノベマ/NOVEL DAYS すべて同じ内容の小説を公開する時間も合わせて投稿しています 魔法のiランド/ベリーズカフェ この二つのサイトは、ファンタジーを除く小説を投稿しています。 私は、開発者です。プログラマです。小説は趣味で書いています。読者数も多くありません。投稿者としては平均的だと思っています。作品を投稿すれば、そこそこ読んでもらえます。ランキングがあ…

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