実は実話?の記事一覧

2023/03/04

【中級】誰かが僕を

この話は、泡(バブル経済)が弾けて3年が経過した頃の話だ。 IT業界は、泡(バブル経済)の残滓を感じながら、消えゆく泡を追いかけていた。業界は冷え込みを予測していたが、人材の不足が顕著になってきていた。企業がこぞって経費を削減する為に、システムの導入を考える。 システムを作る業界は、安い受注金額でシステムを作る必要に迫られていた。 効率がいい開発を行うために、優秀な人材を集めていた。 人材を求めて、業界が蠢いていた時。 私は、チームリーダーになり、業務に伴う権限を拡大していた。目出度い事ではない。雑用が増え…

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2020/08/03

【中級】あそこから

 ITバブルが世間を席巻していた時、実は、IT会社には不況の波が訪れていた。  世間が感じていたバブルは、”ITを語った商社のバブル”だったのだ。この世の中は、”商社”が儲かると金が回るように思われているが、IT関連の商社の場合には、上が儲かればそれだけ下が圧迫されるのだ。ゼネコンと同じ図式になると考えて貰えれば良いだろう。  私が在籍していた職場にも、歪んだ”バブル”が押し寄せてきました。  今では、珍しくない”企業内企業”として運営していた会社でした。それまでは、親会社からの資金投入でうまく回っていたの…

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2020/06/17

【中級】青い鳥を探して

私が居る職場(部署)は、リーマンショックの影響は少なく、軽症で終わった。堅実にやってきたおかげだと考えていました。単純に特殊な技術を使っている部署の為にオンリーワンだったためだ。 他の部署からの流入は、使っている技術が特殊な関係で、すぐに人員の補充は行えない。 しかし、万年人手不足だったのだ。 そんな世間では、リーマンショックでの傷跡が痛々しかった頃に、私の部署に人員を出している外注会社があったのですが、その外注会社で人員整理が始まったのです。理由は、よくある話で、業績不振です。私の部署に来てくれている人た…

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2020/06/16

【初級】明日は我が身

あるプロジェクトにヘルプで入った時のですが、その現場は徹夜が続いている。よくある炎上案件でした。 メンバーはすでに限界を超えています。 限界を突破しているのも当然なのです。徹夜が続くのが日常になっていたのです。幸いな事に、その現場は使える風呂が近くにありました。着替えを洗濯出来る場所もありました。そのために、長期滞在を行っているメンバーが多かったのです。私たちヘルプメンバーは、メインでメンバーに休息を与えるためにやってきたのですが、そう簡単にメインメンバーが楽にならないのがIT業界です。 問題だらけのプロジ…

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2020/06/15

【初級】ダイエット効果

世の中にはいろいろなダイエット方法があります。 それも、新しい理論(ダイエット)が産まれて、試されて、また新しい理論(ダイエット)が産まれる。私たちが行ったダイエットは、それらの物とは違いました。意図してダイエットをしようとしたわけではありません。 一緒に仕事をしていたメンバーの全員が、10キロ以上の減量に成功しています。 100キロ超えの人間から、60キロ位しかなかった人(女性を除く)まで様々ですが、全員がダイエットに成功しています。 その驚異的なダイエット方法は・・・・。 精神的に追い詰められた状態で仕…

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2020/04/09

【初級】存在意義

 IT会社には悲しいすれ違いから産まれる喜劇があります。  この話しも、そんな悲しいすれ違いから産まれた喜劇です。  私の勤めた会社に、前園という某サッカー選手と同じ名字を持つ男性がいました。  本人の自己申告なので、どこまで本当なのかわかりませんが・・・  彼曰く  ・小中高校と主席だった  ・主席だった為に、友達が居なかった  ・旧家なのでそこそこの資産がある  ・兄が居て、兄が跡継ぎになる事が決まっている  ・兄に疎まれて家から出て生活している  ・バイクの腕には自信がありレースに出た事がある  ・大…

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2020/04/09

【初級】ケーキ持参

 この業界は、甘党が一定数存在する。  私も甘党の1人である。  甘党と言ってもいろいろな種類の人が居ます。自分の基準が普通で、皆がそうだと思って行動している人がいました。  ケーキが大好きで、昼飯に20cm超えのホールケーキを食べる人がいました。そして、少し残念な事に、この人物は頭のネジが数本入れ違いになっているのか?なくなっているのか?原因はわかりませんが、昼飯にホールケーキを食べるのは”普通”だと思っていたのです。  そんな人物なのですが、困った癖も有ったのです。  仕事で行き詰まったり、上司に怒られ…

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2020/04/09

【初級】趣味・嗜好

 仕事をする上で、メンバーの趣味嗜好はどうでも良いと考えていました。  そう思わなければ、業界では長生きできません。  しかし、まったく関心を寄せないのは、仕事をする事ができなくなる恐れがあります。  趣味は潤滑油くらいに考えていれば問題は少ないと思っていました。  初対面の人と仕事を急にしなければならない事が多い業界です。  そのために、面倒な人間関係に悩まされる事も多くあります。  そして厄介なのがこの業界の人で、多くは無いのですが一定数居るのが趣味の事を聞かれて、パソコンやプログラムと答える人たちです…

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2020/04/09

【初級】約束と言い訳

 とある大手家電系IT企業の部長が部下(メンバー)たちに向って宣言しました。 ”この仕事が終わったら、長めの休暇を取って遊びに行こう”  メンバーたちは、部長の言葉が自分たちに向けられた言葉だと考えました。  この会社は、2-3日程度の休みなら部長決済で問題は無いのですが、4日を超えるような長期休暇は人事部に申請を出して許可をもらう事になっているのです。  この部署の仕事は、主に業務サポートで資料の整理や顧客対応だったのですが、この部長が来てから独自性が必要と言いだして、社内ツールの開発を行い始めたのです。…

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2020/04/09

【初級】遅刻の連絡

 私が経験した”業務以外で”もっとも楽しかった人たちとの現場の話しです。  この現場では、朝の9:00出社が義務付けられていました。  フレックスタイムは存在していましたが、事前申請が必要で1週間以上前に理由と出社予定時間を書いた物を、課長と部長に許可を貰って、業務が遅れていない事を証明した上で、フレックスタイムを使った時間を補填する残業予定を書かなければならなかったのです。  今考えると十分ブラックな状態だったと思いますが、このときには現場で事情が違うので、そういう物だと受け入れていました。  特に朝の連…

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2020/04/09

【初級】ある職場の 1 週間

 私が関わった多くの現場の中で、最強にして最悪な職場が最初に勤めた会社から派遣された部署でした。  そして、一番楽しかったのもこの現場だったと思います。  時期は、バブルが弾けたすぐ・・・。世間的には、システム投資をこれから行うと思っていて予算が組み込まれ始めた頃です。  仕事は途切れる事なく舞い込んできます。  その部署で作って売っていた物は、一式で買えば1億円程度はする物です。  それが月に何台かは売れていくのです。実際にはリース契約なのはわかっていますが、羽振りが良くなっていくのは当然の事です。  世…

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2020/04/09

【初級】今は1時間の睡眠を・・・

 私は、病院での激務を乗り越えて、会社に送還された。  別に問題が有ったわけではない。もともとその予定だったのだ。事務所でパッケージ開発だけを行えばよかったはずだった。  怒号も聞こえない。誰かの呻き声も聞こえない。  怨嗟の声や呪いの言葉も聞こえない。そんな一般的で健やかな気持ちで作業を行っていた。  私が会社に提案して作成したアプリケーションが納入された。  売上なんて気にしていなかったのだが、会社に貢献できたのは単純に嬉しかった。  4ヶ月間の時間を使って作ったアプリケーションが一本とはいえ売れたのだ…

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2020/04/09

【初級】自分の結婚式

毎年3月末から4月中旬にかけて地獄の日々を過ごす現場がある。長い時には、5月末まで続く。 この時期は、自分の部屋で過ごす時間はほぼ皆無で殆どの時間を職場で過ごしている。 それは、システム屋に出された、お上からの命令だからしょうがない。 4月1日から会計システムを変更して、新しい料金体制で業務を行わなければならない。 その仕様を決めているのが、”東京都千代田区霞が関1-2-2”にある役所だ。そして、その仕様が出てくるのが、早くても3月半ば。しかもこの時点で最終稿ではない。 お役所の文章を読んだことがある人はわ…

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2020/04/09

【初級】親の葬式

 徹夜作業まで必要がなく、終電では帰る事が出来る現場での話。  上司は、責任感もあり、人間としては尊敬に価する部分も有ったのですが・・・。  責任感に見合う能力が欠落していたのです。  上司は、40代後半で、チームリーダでした。現場に出ているチームのまとめ役をやっていました。  同僚からも客先からも部下からも頼り(便利)にされ(使われ)ていました。  確かに信頼はされていましたし、最低限の事は出来るのですが、能力が信頼を越えていないのです。これが不幸の始まりだったのです。その現場は、月で作業の偏りが激しい現…

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2020/04/09

【初級】パフォーマンスとしての徹夜

 徹夜作業。  実際には、貫徹をする時は少なく、途中で仮眠を取る。貫徹しても作業が進むわけではないためなのです。  しかし、状況によっては、徹夜をしたという事実が大事になることがあります。  そんな時の話です。  客先常駐の作業で、1週間泊まり込みの作業が続いていたある日。  客筋の上層部が、視察に来る事が急遽決まった(らしい)。  システムの納期が遅れている現場に”客筋”の上層部が来る事は殆ど無い。遅れている現場に来ても、誰も幸せになれないからだ。  そして、その現場では特にリリースが遅れている原因が客筋…

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2020/04/09

【歴戦の勇者】作者の戯言と注意事項

 本来こんな文章は必要は無いでしょう。  あくまでこれは”小説(フィクション)”であり”文章(想像の産物)”として公開しています。  しかし、何人かの人に遠回しに質問されました。 ”某有名企業の人ですか?”  違います。 ”あの話はあの会社の事ですよね?”  違います。 ”もしかして、自分の会社の事ですか?”  違います。  名前を挙げられた企業と仕事をした事はありますが、名前が通るような企業に在籍していた事はありません。  また、自分の周りに居た人に酷似していると言われても困ってしまいます。  それほど、…

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