ほのぼのの記事一覧
2022/11/27
【第三章 魔王と魔王】第二十話 風雲急を告げる
魔王カミドネが配下になったが、支配領域が増えたくらいで何も変わらない。 俺の生活は何も変わっていない。 魔王カミドネ領域の状況も見る事ができる。 そのうえで、ポイントは魔王カミドネに還元するように設定を行っている。 魔王カミドネの領域は、俺の領域とは違った方向性で成長を始めた。ポイントも、魔王カミドネの領域だけで黒字経営が出来ている。 大きくは、森林を残した状態で、防衛を主とした戦略だ。 戦略レベルでは俺も口を出したが、防衛を実際に行う場合の戦術レベルでは、魔王カミドネと眷属が行っている。 戦略は至ってシン…
続きを読む2022/11/13
【第三章 魔王と魔王】第十九話 【帝国】
七番隊の隊長だったティモンが、領地となっている城塞街(村)から帝都に戻ってきていた。 魔王ルブランが、魔王カミドネを支配下に置いて、神聖国からの討伐部隊を一蹴した。その後、公式には認められていないが、斥候からの情報で、神聖国と王国の連合で討伐部隊を組織したが、魔王カミドネに完敗している。損傷率7割にもなる。大惨敗だ。 魔王カミドネは、自分が治める領地とでもいうつもりなのか、柵を設置した。 そして、柵の中に獣人族を住まわせた。森となっている場所や、水場があり、獣人族は以前よりも安心して生活ができる状況になった…
続きを読む2022/11/05
【第三章 魔王と魔王】第十八話 【カミドネ】
魔王カミドネの生活は、神聖国からの攻撃を退けてから、さらに変わった。 大きくは、領土が広がった。 当初は、モノリスの魔王から、ポイントの補助を貰わなければ難しかった維持も、今では自ダンジョンだけで維持ができるようになってきた。魔王カミドネは、それで独立をしようとは考えていない。独立を考えて、実行に移すことは可能だ。しかし、独立して維持するのは不可能だと考えている。 魔王カミドネの領地が広がった事で、神聖国と連合国と王国と接する境が広がった。 それだけではなく、奪ったのは神聖国の領土が殆どだ。 使い道が無かっ…
続きを読む2022/10/23
【第三章 魔王と魔王】第十七話 【王国】
私は、連合国近くの城塞都市に、店舗を構える商人だ。 行商から初めて、城塞都市に店舗を持つ事ができた。商才は、それほど持っていない。自分のことなので、よくわかっている。一つの店舗を回すだけで精一杯だ。店舗を持てたのも、運が良かったに過ぎない。 行商は続けている。 王国に属している城塞都市だが、食料が絶対的に足りていない地域が多い。 慈善事業ではないが、やはり感謝されると嬉しく思える。行商の醍醐味の一つだと言える。 そんな私が、店舗を持てたのは、嫁の言葉と獣人のおかげだ。 王国は、獣人を奴隷として使いつぶす事で…
続きを読む2022/09/19
【第三章 魔王と魔王】第十六話 【神聖国】
神殿の広間。 神聖国は、宗教国家であり、玉座は存在しない。身分としての”王位”はない。神の代弁者である”聖王”が存在している。 聖王は、広間の中央に座っている。背後には、地球に住んでいる人ならほとんどの人が知っている。神の像が置かれている。これだけで、知るものが見れば、神聖国は”ダンジョン”や”魔王”と関わりがあると解ってしまう。それでも、聖王は十字架を掲げている。転生前は、それほど”神”を信じていたわけではない。しかし、ダンジョンマスターになり、”神”の存在を感じるようになった。そして、まだダンジョンが小…
続きを読む2022/09/12
【第三章 魔王と魔王】第十五話 今後?
神聖国からの遠征部隊を、カミドネとセバスが撃退した。 カミドネに、今後の運営の提案を行った。最終的には、カミドネが決めればいいと思っていた。 戦場の様子を見て、そのあとで設定案を送付した。 あとの事は、戦場に居た者たちに任せて、俺は普段の生活に戻ることにした。やりかけの改修を考え始める。 「魔王様」 部屋にセバスが一人で訪ねてきた。 何か、問題が発生しているのなら、当事者を連れて来るから、大きな問題ではない。 「セバスか?」 「はい」 扉の前から返事をしている。 「いいぞ」 「ありがとうございます」 扉を開…
続きを読む2022/08/29
【第三章 魔王と魔王】第十四話 確定?
ふぅ 神聖国と魔王カミドネの戦闘は、勝てそうだな。 初手が決まったのが大きかった。そこからは、消化試合のような感じだ。 セバスが、助力に向かっている。 一人で観戦している。寂しくはないが・・・。何か、物足りない。 アンデッドで、神官を倒すのは、いい試みだ。 今度、アンデッドだけのフロアを作って見るか? でも、俺たちの居城まで攻め込んでくる連中が居ないから、仲間内で試すことになりそうだ。 それでは面白くない。 魔王カミドネの所は、今後、彼女に任せるとして、神聖国に接している場所に、アンデッドだけのギミックハウ…
続きを読む2022/08/21
【第三章 魔王と魔王】第十三話 【カミドネ】戦闘
戦闘開始のトリガーは、私が持つことに決まった。 ルブラン殿から、戦況を見るために、モニタールームを作ることを提案された。 魔王様から作成に必要なポイントを貰ってきてくれているようだ。 魔王様に感謝しながら、モニタールームを作成した。 「カミドネ様。これなら・・・」 モニタールームの見学に来たフォリは、これなら私が前線に立たなくて済むと安心してくれた。 それは嬉しいのだが・・・。 「魔王カミドネ。貴殿の眷属である。フォリ殿に、”念話”スキルを与えて、各眷属との連絡要員にしたいが、大丈夫か?」 「え?連絡要員?…
続きを読む2022/08/11
【第三章 魔王と魔王】第十二話 【カミドネ】アンデッド
謁見が終了して、カミドネに戻ってきた。 ルブラン殿とモミジ殿とは、後からカミドネのギルドの近くで落ち合う事になった。 まずは・・・。 「フォリ」 「御前に」 フォリが、私の足下まで来て跪く。立ってもらって、抱きしめる。 安心できる。フォリの暖かさが・・・。怖かった。魔王様やルブラン殿やモミジ殿が、私たちを生かしておくメリットが少ないことを認識させられた。私を殺しても、支配領域にはできないから生かしておく程度なのだろう。 「カミドネ様」 フォリの心配した声で、私がしっかりしなければダメだと思い出される。もう大…
続きを読む2022/08/03
【第三章 魔王と魔王】第十一話 急報
今日も、部屋でまったりと過ごしていた。 俺がやらなければならないことは少ない。 今日も、RPGでレベルアップを行っている。パッチが入らないし、アップグレードも行われない。オンラインゲームはできない。そのうち、ミアやヒアにゲームを教えて対戦をしても楽しいかもしれない。 髭面の大工で、配管工の仕事をしたことがある奴が主人公のカートレースゲームをしてもいいだろう。 『魔王様』 セバスか? 何か、重要な案件が発生したのか? 最近では、どこかの国が攻めてきても、事後報告で受ける事が多くなっている。 「どうした?」 『…
続きを読む2022/07/27
【第三章 魔王と魔王】第十話 【カミドネ】街
神聖国と王国の間にあった、中規模のダンジョンが魔王ルブランに攻略された。 魔王たちは、インフォメーションでその事実を知った。 攻略されたあとも、神聖国と王国の間にあった、中規模ダンジョンは消滅しなかった。 魔王ルブランが、攻略して殺さなかった。 しかし、その後が異常な状況だ。 魔王ルブランに攻略されて、ポイントを奪われたはずの魔王が、魔王カミドネを名乗りだして、元々洞窟型のダンジョンが、大きく変貌した。まるべ、魔王ルブランのダンジョンの様になってしまった。 支配領域を一気に増やした。 これには、神聖国と王国…
続きを読む2022/07/18
【第三章 魔王と魔王】第九話 俺の家
俺は、神聖国の国境近くの村に住んでいた。俺たちは、獣人と呼ばれている。いくつかの種族が集まった集落だ。最初は、俺たちの種族の熊人族だけだったが、周りの集落が獣人狩りに襲われて、生き残りが集落に集まってきた。 鼠人や兎人や羊人などの戦闘に向かない種族だ。しかし、熊人族は、そんな者たちを受け入れた。もともと、一つの種族だけでまとまるメリットはない。複数の種族の力があれば、人族にも抵抗ができる。 族長も住民が増えれば問題も出てくると解っていた。しかし、獣人が増えれば、それだけ狙われるリスクは増大する。族長は、それ…
続きを読む2022/07/02
【第三章 魔王と魔王】第八話 【カミドネ】会合?
今日は、魔王ルブランから”会合”があると通知が届いたので、カプレカ島に来ている。 場所は、カプレカ島にある魔王ルブランたちが常用する家だと言われた。転移で、カプレカ島に移動した。本当に便利だ。 魔王様の配下になってから、何度か訪ねているのだが、不思議な場所だ。 多種族が問題なく生活をしている。それだけではなく、子供から老人まで皆が意思を持った表情をしている。こんな世界が前世にあったら・・・。 そういえば、魔王ルブランから回してもらった魔王様の情報(書籍)。魔王様は東の果てにある島国の出身だと思える。しかし、…
続きを読む2022/06/16
【第三章 魔王と魔王】第七話 【カミドネ】魔王
我は・・・。面倒だ。私は、魔王カミドネ。名前は、別にあるのだが、魔王ルブランの配下にダンジョン・コアの部屋まで攻略されてしまった。コアを破壊されれば、私は死んでしまう。 魔王ルブランの配下は、ダンジョン・コアの前で戸惑っていた。そこで、命乞いをしてみた。 あの時の、私の判断を、私は褒めたい。 命乞いをした結果、魔王ルブランが治める地域に転送された。ステータスボードから状況が判明した。 魔王ルブランに会って驚いた。魔王ルブランは、魔王ではない。正確には、ダンジョンの主ではない。私には、解る。ダンジョンの主は別…
続きを読む2022/06/02
【第三章 魔王と魔王】第六話 検証
魔王カミドネの発言に違和感がある。 「ルブラン」 セバスに確認をさせる。 俺が”今”確認するのは、カミドネに情報を与えることになる可能性もある。別に隠しておいてメリットがある情報ではないので、構わないのだが、セバスに確認をさせた方がよさそうだと考えた。 「はっ。確認しましたが、ヒールのスクロールは、1万です。それから」 「なんだ?」 「治癒のスクロールが出現していますが、そちらは100万です」 ”ヒール”と”治療”何が違う? 「ん?ヒールと治癒で違うのか?」 100万なんてスクロールは、かなり高位なスキルな…
続きを読む2022/05/17
【第三章 魔王と魔王】第五話 従属
話は理解ができた。 魔王を従属させた。俺の手柄ではないが、配下が行った行為なので、責任は、俺にあるのだろう。 それに、ミアとヒア以外の者たちも、魔王ルブランから説明を受けて、納得しているような表情を見せる。今後も、外向けの魔王はルブランの仕事になる。 ん?これは・・・。 俺に恭順を示している魔王に話しかける。 「魔王。貴様には、”名”があるのか?」 「ある」 「それは、”サン=ジュレ”と言うのか?」 魔王・・・。サン=ジュレは、驚いて顔を上げて、俺を見て来る。セバスも、他の者も同じような反応だ。 「・・・。…
続きを読む2022/05/07
【第三章 魔王と魔王】第四話 忠誠?
なぜか、俺の前で、一人の魔王が膝を折って、頭を下げている。小刻みに震えているのは、俺が怖いからではないと・・・。思いたい。 俺の横では、セバスが”ドヤ顔”を決めている。 四天王も、満面の笑みだ。困った顔をしているのは、俺の存在を知っている、ミアとヒアだけだ。流れを聞いた限りでは、二人には罪はない。知らなかっただけだ。改めて、元奴隷だった子供たちに、ギアスを刻んで俺の存在を明かした。今回の事で、関係している事や、ミアとヒアの負担が大きくなってしまっていることへの配慮だ。 狐人のミア。人族のヒア。 猫人のキア。…
続きを読む2022/05/01
【第三章 魔王と魔王】第三話 【王国】
プレシア王国は、神聖国と連合国と国境を接している。 神聖国との国境付近には、”不帰(かえらず)の洞窟”と呼ばれる魔王の住処が存在している。 ”不帰(かえらず)”と言われているが、低階層では問題なく帰還ができる。強く理不尽な魔物は出現しない。しっかりとした統計があるわけではないが、階層を5階降りる度に帰還率が10%ほど下がると言われている。そして、このダンジョンが中級以上のハンターに不人気なのは、実入りが少ないことだ。 最初は、王国や神聖国や連合国が魔王討伐を目指して、軍を送っていたが、中階層を過ぎた辺りから…
続きを読む2022/04/19
【第三章 魔王と魔王】第二話 【神聖国】
新参だと思っていた魔王を2年も討伐ができない状況が続いている。奴が、帝国から1-2万の獣を得ているのは解っている。他にも、城塞街とか言っていたか、あそこで家畜を大量に囲っている。 それだけではない。連合国との境に、”ダンジョン”を作成して、餌に群がる家畜を得ている。 不思議なのは、魔王ルブランはどこからポイントを持ってくるのだ? 家畜の数では、余や連合国の魔王の方が多い。 支配領域は、信者からの報告では、連合国よりは狭いようだが、余の支配領域とは同等のようだ。2年前に産まれた魔王に並ばれたと思うと業腹だが、…
続きを読む2022/04/12
【第三章 魔王と魔王】第一話 魔王
この世界に転生?してから、2年が経過した。 転生した直後は、軽くパニックになり、そして”モノリス”の理不尽な説明に憤慨していた。 しかし、しかしだ!俺は、難局を乗り切った。 もう大変だった。 大群だぞ。こっちは、俺を含めて数名だ。それなのに、数万の軍とか・・・。ありえないだろう。 でも、ありえないのは、数だけではない。俺を攻めてきた連中が、俺の想定よりも愚かだったことだ。 外壁に作ったトラップを作動させないと、気がすまないのかと思えるくらいに、罠を作動させる。 外壁の門のギミックも、突破が無理なのでは?と思…
続きを読む2022/04/01
【第二章 ギルドと魔王】第二十七話 【連合国】ギルド
私は、連合国にあるギルドで働いている。 名前?それは、内緒でお願いします。 今、連合国のギルドは盛り上がっている。盛り上がっている理由は、情けない事に、中央部に産まれた新しい”魔王”のおかげだ。緩やかな衰退に向かっていたギルドだったのが、趨勢を見守る必要がなくなった。私の給金もしっかりと支払われるようになった。 以前から、ギルドの中は2つに分かれていた。変革派と温故派だ。変革派は、人族での運用をすすめる人たちで権力に近いところにいることが自慢だと思っている人たちだ。温故派は、獣人たちを含めて多種族での運用が…
続きを読む2022/03/14
【第二章 ギルドと魔王】第二十六話 平穏
連合国側に作った砦の機能は大丈夫だ。 最初はモニタリングをしていたが、セバスたちに任せてしまっている。最初に俺が設定したハウスは不評だった。やりすぎだと酷評だった。 連合国側に作った砦(ハウス)は、赤字にならなければいいと思っていたのだが、収支で言えば十分な黒字になっている。 新しく作った砦の鍵となる家は、連合国にあるギルドから、”ギミックハウス”とか呼ばれ始めているらしい。 攻略者への対応が、リポップする魔物で対処が十分だとは思わなかった。メルヒオールとか名乗った、神聖ギルドに寝返った奴が言っていたけど、…
続きを読む2022/03/07
【第二章 ギルドと魔王】第二十五話 【連合国】魔王
どういう事だ。 なぜ、新参の魔王があれほどの施設(魔王城)を!! 「誰か答えろ!」 俺が築き上げた、連合国という仕組みを使っても、攻略できない? 新参の魔王は、中央に位置する魔王領だ。攻略と同時に勢力を伸ばそうと考えていた。 前回は、帝国が攻略を行った。 やっと戦力が揃って、序列2-4位も戦力に数えられるようになってきた。やっと、これで、中央の魔王を討伐して、産まれたばかりの魔王を、味方(下僕)にできる。そう考えていて、実際に寸前までうまく行っていた。 帝国の阿保が、中途半端な戦力で討伐を・・・。”獣(獣人…
続きを読む2022/02/23
【第二章 ギルドと魔王】第二十四話 【新生ギルド】受付
私は、魔王様に助けられた。元奴隷です。現在はカプレカ島にあるギルドで受付の仕事をしています。名前は、魔王様から頂きました。名前は、秘密です。乙女の秘密としています。それに、大切な名前なので、仲間にしか教えていません。カプレカ島のギルドでは許可を得て偽名を使っています。 これは業務日誌のような日記です。 モミジ様からの指示で、受付は些細な事でもメモとして残して、報告を上げることになっています。新生ギルドのギルド長であるボイド様には、モミジ様が精査した報告が上がる仕組みです。出勤した時には、必ず書いている…
続きを読む2022/02/17
【第二章 ギルドと魔王】第二十三話 【カプレカ島】メア
私の名前は、魔王様から頂いた大切な物(名)だ。 奴隷だった私たちは、魔王様から名前だけではなく、命を含めてすべてを与えられた。だから、私たちの命は魔王様に捧げる。お目にかかったときに、私たちの覚悟を魔王様にお伝えした。でも、魔王様は笑いながら、”命は大事にしよう”と言われた。だから、私たちは皆で集まって相談した。 命を大事にする。大事な命に順番を付ける。一番は魔王様。次は、自分の命。そして同族、元奴隷たち。ルブラン様やカエデ様は、自分たちは考える必要はないとおっしゃった。だから、魔王様の御命を守るため…
続きを読む2022/02/09
【第二章 ギルドと魔王】第二十二話 【神聖国】ルドルフ
帝国の東側に位置して、政教一致体制国家。 聖王がトップとして君臨する。神聖国がある。 その神聖国のトップが、中央都市の中央に聳え立つ白亜の城の住人。聖王ルドルフだ。 聖王ルドルフは、自らを神の代弁者を名乗っている。 そんな、神の代弁者である聖王ルドルフは、豪奢な神殿の最上階に作られている。自らの居住地と定めた部屋で荒れていた。 「まだ捕えられないのか!」 ワインが並々と注がれているグラスを、目の前で頭を床に付けて恐縮している男に投げつける。 勢いで、ワインは魔物の皮で作られた絨毯を汚す。 グ…
続きを読む2022/01/31
【第二章 ギルドと魔王】第二十一話 【ギルド】ボイド
私たちは間違ったのだろうか?私たちは、間違っていない。笑顔で、遊ぶ子供たち。猫人族の少女と、エルフ族の男の子が、人族の女性と手を繋いで、買い物をしている。こんな風景は、この場所を除けば、もう一つしか知らない。 帝国も、この城塞町も、私たちのギルドも、発展している。間違いなく、いい方向に進んでいる。 城塞町は、魔王ルブランが設定した領域から出ないようにしている。名前が示すように、城塞で守られている。それでも、地方都市以上の人が生活している。私たちが夢見た。種族に捕らわれずに生活できる場所だ。獣人族と人族…
続きを読む2022/01/23
【第二章 ギルドと魔王】第二十話 ハウス
潜り込ませていた諜報部隊や城塞村のギルドから、連合国の情報がレポートとして上がってきた。 四天王たちに、敗れ去った連合国の”討伐軍”は、各国に逃げ帰った。 各国で事情は異なるが、参加した国では粛清の風が吹き荒れたようだ。嵐のようだと表現した諜報部隊も存在していた。 粛清が激しかったのは、序列2位のカルカダン国だ。 序列1位のエルプレ国から戦犯のような扱いをされてしまったからだ。エルプレ国も、デュ・ボアを失った損失は大きく、権力闘争に発展した。民衆からの突き上げも発生してしまった為に、目先をごまかす…
続きを読む2022/01/19
【第二章 ギルドと魔王】第十九話 新しい施設
会談が終わって、セバスが帰ってきた。 内容は、聞いていたので把握している。しかし、セバスからの報告を聞くのも、俺の役割だろう。 「マスター」 「いいよ。入ってきて」 「はい」 セバスが入ってくる。 ミアとヒアも付いてくるのかと思ったけど、どうやらセバスだけのようだ。 入口で二人に指示を出して、下がらせた。 「マスター。ギルドとの会談を行いました」 「聞いていたから大丈夫。それで、セバスはどうしたらいいと思う?」 「城塞村に本部を作ったギルドは、現状でよいと思います」 「そうだな。問題は、連合国のギ…
続きを読む2022/01/01
【第二章 ギルドと魔王】第十八話 会談
与えられたミッションは、ギルドとの会談を成功させることだ。 魔王様からは、指示を頂いていない。 島の運営と城塞村との関係は、任されている案件だ。 入ってきたのは、二名。報告にあった、ボイドとメルヒオールだろう。 メルヒオールが、連合国にあるギルド本部のギルド長を勤めていたのは把握ができている。ボイドは、うまく経歴を隠しているようだが、ギルドの暗部を取り仕切っていたのは把握ができている。 ヒアとメアがソファーに誘導する。カエデは、後ろで控える形にした。横に座るのは、メアとヒアだ。幹部として、城塞村…
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