高校生の記事一覧

2022/02/23

【第二章 スライム街へ】第二十四話 掃討

 キングとクイーンに、追加の援軍を送った。オークの処置は、後方で待機していた者たちに頼んだ。 ”ライ!” 『はい。ダークとドーンで、結界の外を警戒させます』 ”うん。魔物が居たら、討伐を頼める?” 『上位種までなら、色違いが居たら、ピコンとグレナデンを向かわせます』 ”お願い”  ダークとドーンなら、結界の外に居ても不自然には思われない。と、いいな。 『マスター。結界の外、2キロ範囲には、魔物は居ないようです』 ”わかった。動物も?” 『魔物になってしまった。猫が3匹だけ確認できました』 ”え?魔物?猫?”…

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2022/02/19

【第六章 ギルド】第十一話 到着

 王都に入る為には、パシリカの時でもなければ、検閲を受けなければならない。  ハーコムレイ辺りと、ギルドが交渉してくれたら、もしかしたら楽になるのかもしれない。  今は、列に並ぶのが自然な事だ。  それに、目立ちたくない俺たちに取っては、列に並ぶ以外の選択肢はない。  結局、列に並ぶ前に、アウレイアの眷属をどうするのか結論が出なかった。  ミアがテイムしている”白狼(ホワイトウルフ)”だということにした。  本人?に確認をしたら、そのままミアの護衛としてテイムされても問題はないということになった。身振り手振…

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2022/02/17

【第二章 スライム街へ】第二十三話 説明

 プロジェクターで表示されたデータを食い入るようにギルドのメンバーが見ている。 「それで円香?見えない壁がどうした?」 「孔明。説明の前に・・・。茜」 「はい?」 「把握出来ている魔物の位置を追加して欲しい。あと、獣は除いてくれ」 「難しいことを・・・。少しだけ待ってください」  里見茜が端末で、データの整理を行う。 「円香?」 「予想が当たれば、これからの対応が少しだけ楽になるかもしれないぞ?」  上村蒼は、榑谷円香の言葉を聞いて、浮かせた腰をまた椅子に降ろした。  柚木千明が、里見茜がデータの精査をして…

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2022/02/09

【第六章 ギルド】第十話 神殿では

 リンとミトナルが、王都に到着しようとしている時、神殿では、マヤが頭を抱えていた。 「え?何?」  マヤは、リンが作成した地下通路の中央部に来ている。  中央部には広場が作成されているのだが、広場から離れて奥まった場所に、ロルフの反対を押し切って、森林を設置して、森林の先に一軒家を作った。森林の広さは、マヤたちが住んでいた村と同じくらいの広さがあり、一本の道が伸びている状態だ。  家には、一つの寝室とキッチンと風呂場とトイレとリビングがあるだけのシンプルな作りになっている。リンとマヤが元々住んでいた家から、…

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2022/02/09

【第二章 スライム街へ】第二十二話 中盤

 結界はまだ作用している。  キャンプ場に居た魔物たちは、討伐できている。人の遺骸も見つかっている。人数は解らないが、マスコミが騒ぎ出すには十分な数なのだろう。 ”ライ。人らしき遺体は、一か所にまとめて” 『すでに指示をだしてあります』 ”ありがとう”  さて、中盤戦だ。  オークの上位種と色違いが相手になる。  オークの上位種だけなら、私とカーディナルなら、100体でも対応ができる。  でも、上位種の後ろに色違いが見える。オークが群れになっている。色違いは、戦力分析が難しい。よくわからない。  オークのテ…

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2022/02/01

【第六章 ギルド】第九話 ギルド(仮)本部では

 リンがマガラ神殿で、マヤとミトナルが起きるのを待っている頃。  王都では、いろいろな事が発生していた。  王都の一等地に立つ店舗のような建物の中にある。一つの部屋で、女性だけ8人が集まって会議をしている。 「ルナ。それで?リン君たちはまだ見つからないの?」  王国に初めてできる組織の方向性を決める会議をしていた。先ほどまで、次期国王であるローザス王子とハーコムレイ次期辺境伯とギルドが正式に認められた場合に、ギルド長に内定しているナッセ・ブラウンと人材面のサポートを行うアッシュ・グローズが参加していた。  …

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2022/01/31

【第二章 スライム街へ】第二十一話 想定外

 ゴブリンの上位種や色違いを討伐した。 ”ライ。慎重に対処して” 『はい』  ライから、皆に向けての指示が飛ぶ。  キャンプができる場所の殆どを解放できた。川?湖に隣接部分は、すでに魔物は掃討できている。 ”ライ。こちらの被害は?”  見た感じでは、被害は無いと思っている。  大けがを追えば、ライがすぐに知らせてくれる。撤退を考えなければならない。  気分が悪いだけで戦っている状況だ。無理をする必要はない。 『ナップが、人が放つ光で目をやられましたが、復活しています。アイズが、ゴブリンの色違いの攻撃を受けま…

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2022/01/24

【第六章 ギルド】第八話 ステータス

 ミアは、自分が従者だと認識はしていても、従者の役割がよくわかっていない。  今も、アウレイアの眷属に跨って・・・。正確には、眷属の白狼に抱きついて眠ってしまっている。俺とミルが、自分に危害を加えないとわかったのだろう。安心して眠ってしまっている。 「リン」  ミルは、ミアの髪の毛を触りながら、僕を見つめて来る。  もう、他の猫人族が離れてしまっているので、神殿にミアだけを向かわせるのは難しい。不可能だと言い切ってもいい。戻すのなら、俺たちも、一度神殿に戻る必要がある。せっかく、マガラ渓谷を抜けたのに、戻っ…

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2022/01/23

【第二章 スライム街へ】第二十話 序盤

”ライ!状況を常に報告して” 『はい!』  ライにお願いをして、私たちは天子湖のキャンプ場に向かう。  向かっている最中も、外周部から攻めている者たちの状況が報告されてくる。  先行していた、フィズとナップが結界の中に入って、魔物たちへの牽制を始める。少しでも、私たちの負担を減らそうとしてくれているのだろう。 ”フィズ!魔物よりも、人の牽制をお願い。制服を来ている人と、スキルを持つ人には注意して!結界の内側から牽制をお願い”  フィズとナップから了承と返事が来る。  ライとのリンクで、制服を来ている者には注…

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2022/01/19

【第二章 スライム街へ】第十九話 開戦

 夕日が眩しい時間だ。  天子湖から、私たちがいる場所は離れている。私は、スライムになってカーディナルに乗っている。  状況分析と最終確認をしている。  結界も上手く作動しているから、天子湖にいる人たちは中には入られていない。  数名の、—多分自衛官だと思うけど・・・。結界を調べている。もしかしたら、鑑定のスキルを持っている人がいるのかもしれない。何度も、鑑定で調べているけど、私に繋がるような情報は結界では表示されない。  もし、私に繋がったとしても、今の私はスライムだ。問題になったとしたら、逃…

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2022/01/16

【第六章 ギルド】第七話 ミア

「リン様。一つ、お願いがあります」  突然、猫人族の長が俺に話しかけてきた。 「ん?」  長は、連れてきた少女を呼んでいる。固有名詞が無いのは、不便ではないのだろうか?  少女が、俺の前に出てきて、跪く。  どういう状況なのか解らない。ブロッホを見ても、何か納得した顔をしているだけだ。ミルを見てみても、首を横に振るだけで、俺と同じで困惑している。 「長?」 「リン様。この者を、リン様の従者として連れて行って頂けないでしょうか?」  状況がさっぱり解らない。 「どういうこと?」  ブロッホが耳打ちするように説…

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2022/01/07

【第六章 ギルド】第六話 猫人族

 力の波動?を抑える話になっていたが、元々は、ブロッホに洞窟の奥に潜んでいる獣人との接触を頼むためだ。 「ブロッホ」 「はい」 「洞窟の中に居る獣人は、無事なのか?」 「無事か・・・。解りませんが、こちらを警戒しています」 「わかった。俺とミルは少しだけ離れた方がいいか?アイルが居れば、大丈夫だろう?」 「はい。旦那様たちは、入口から離れた場所でお待ちください」 「ミル。少しだけ離れるよ」 「うん」  ミルが、俺の腕を取る。  洞窟から直接見えない位置まで下がる。丁度いい場所に、露出している岩があったので、…

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2022/01/01

【第二章 スライム街へ】第十八話 報告

 円香さんにお願いされたミッションはクリアでいいのかな? 「千明!」 「あっ円香さん。舞に情報を渡してきました」 「そうか、解った」 「よかったのですか?」 「なにが?」 「舞は、直接報道はしませんが、制作ですよ?」 「構わない。どうせ、どこかに流す情報だ。それに、調べればわかることだ」  確かに、新しい情報もあるけど、調べればわかる事だ。  実際に、ギルドのメンバーになってみて解ったけど、隠すべき情報は、ほとんど存在しない。秘匿コードで呼んでいる、”ファントム”の情報くらいだ。ファントムを秘匿しているのも…

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2021/12/26

【第六章 ギルド】第五話 力?

 洞窟の中から、こちらを伺っている様子が伝わってくる。 「リン。ぼくが行こうか?」 「どうして?」 「うーん。うまく言えないけど、中から伝わってくる雰囲気が、リンを恐れているように思える」 「俺?人畜無害だぞ?」 「ぼくは知っているから大丈夫だけど、すごい力を感じるよ?」 「え?俺が?」 「うん。気が付いていなかった?」  俺が驚いていると、リデルがミルの肩で頷いている。  気が付くわけがない。ミルもマヤも眷属たちも、態度が変わらないし、そうだ! 「ナナも、何も言わなかったぞ?」  え?なに?ミルが盛大な溜…

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2021/12/04

【第二章 スライム街へ】第十七話 絶望

 望月舞は、迷っていた。  手元にあるネタだけでは、番組にならない。ギルドのメンバーに、昔なじみの”柚木千明”を見つけて話しかけたが、重要な情報は聞き出せなかった。自分たちが持っている情報と違いはなかった。  ギルドから配られた情報には、知らなかった内容が含まれているが、それは皆に共有されてしまっているので、ネタとしては弱い。  本社筋からは、ギルドや警察や自衛隊を無視して、キャンプ場に突入しろと意味がわからない命令まで出ている。  もう、何人も死んでいる。幸いなことに知り合いに犠牲は出ていないが、地元の猟…

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2021/12/04

【第六章 ギルド】第四話 王都の途中

 街道に出るまでは、急いだ。アゾレムからの追っ手を警戒したが、追っ手どころか、俺たちの後ろからは誰もついてきていない。まだ、商人が揉めているのだろうか? 「リン?」  ミルが不思議そうな表情で俺を確認してくる。 「さて、森に向かおう、誰かが来ているだろう」 「うん」  ミルと二人で、近くの森に向かう。  さすがに、王都に向かう街道だけあって、整備されている。  マガラ渓谷を越えてから、1時間くらい走ると、いろいろな街道からの合流地点が見えてくる。この近くに森がある。この辺りで、お供として王都に向かう者がいる…

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2021/11/23

【第二章 スライム街へ】第十六話 最終確認

 円香が、テーブルの上に放り投げた資料は、以前に見せてもらった”ファントム”に関する物だ。 「そうか、ファントムか・・・。結界のスキルを持っている可能性があったのだよな?」 「あぁ。しかし・・・。この中に”ファントム”が居るとは思えない」  円香は、キャンプ場に集まっているマスコミや自衛官や警察官や消防官を見回している。 「そうなのか?!」  蒼は、驚くが、俺もこの中に”ファントム”が居るとは思えない。 「ファントムが、どんな移動手段をもっているのかわからないが、自衛隊や警察の関係者である可能性は低い」 「…

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2021/11/23

【第六章 ギルド】第三話 王都へ

 ミルと二人で、マガラ渓谷の受付に並んでいる。  チケットは持っている。通過はできるとは思うが、マガラ渓谷は敵方(アゾレム)の関所だと考えられる。  ミルは大丈夫にしても、”死んだことになっている”俺はどういう形になるのかわからない。 「次!」  関所の人間が偉そうにしている。  次が俺たちの番だ。  前は、行商人のようで、荷物を検めるのに時間が必要になっているようだ。 「リン。どうして、マガラ渓谷を越えるの?」  ミルの素朴な質問だけど、確かに説明をしていなかった。  まだ、時間が掛かりそうだし、簡単な説…

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2021/11/17

【第二章 スライム街へ】第十五話 結界?

 皆が、私の周りに集まってくる。  報告は、ライが受けている。 「ご主人さま」  ライが、皆からの報告をまとめてくれた。キャンプ場の囲い込みは成功した。問題は、小屋の周りだったけど、成功した。結界を張った周りには、魔物が居ない所までは確認が出来た。 ”どうしたの?” 「休んでください」 ”うーん。疲れていないけど・・・。そうだね。順番に休もうか?” 「はい」  私が休まないと、家族も休まない。警戒の順番を決める。どうやら私は必要がないようだ。ライも同じだ。  結界が機能しているから、警戒は必要がないとは思う…

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2021/11/06

【第二章 スライム街へ】第十四話 主導権?

 ギルドの面々は、キャンピングカーから降りた。三匹の猫は、キャンピングカーのケージに入れられている。 「上村さん!あっ!桐元さん」 「おぉ松。久しぶりだな。お前の部隊が来ているのか?」 「はい!松原小隊が封鎖及び魔物の掃討を行います」  桐元孔明も、上村蒼も、小隊が出てくるとは思っていなかった。分隊が出てきて、封鎖を行っていると思っていた。初期段階で、小隊が出てきているのに驚いた。 「ギルドの皆さんですか?山梨県警古屋です」  警察手帳を見せながら、古屋は松原と話をしていた、桐元孔明と上村蒼に話しかける。現…

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2021/11/05

【第二章 スライム街へ】第十三話 到着

 バイバスに入っても、渋滞は解消しなかった。  興津川を越えた場所で、事故が発生している。事故は、一箇所ではなく、蒲原に入った場所と富士川の橋でも事故が発生していた。  そのために、到着予定時間が伸びてしまっている。ナビには、その先でも渋滞している状況が表示されている。 「円香!ダメだ。渋滞が酷い。76号を使うぞ」  上村蒼は、ナビを操作している榑谷円香に宣言する。 「富士富士宮由比線か?狭い場所が多いけど、大丈夫か?」  県道76号は、途中から山道になる。  山の中を突き進む。WRCのドライバーなら、10…

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2021/11/04

【第二章 スライム街へ】第十二話 悪対惡

”人が多い”  この前よりも、人が増えている。  スマホでも持ってくれば、調べられたのだけど、取りに戻る時間がもったいない。  魔物の数も増えている。  山側の封鎖が出来ていないのだろうか?  え? ”カーディナル。オーガの近くに移動して”  カーディナルにお願いをして、オーガたちが居た小屋が見える場所まで移動した。 ”なんで?”  そこに居るオーガたちは、人を捕らえている。残念ながら、死んでいるのは見た目で解る。頭が潰されている。  一人や二人ではない。目視だけだが、5-6人は犠牲になっている。もっと多い…

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2021/11/03

【第二章 スライム街へ】第十一話 天子湖

「はい。上村」  上村蒼は、運転しながら車のハンドルに付いているハンドフリーで電話を受けた。  車に装備されている機能を使っているので、相手の声も同乗者には解ってしまう。 『上村中尉!』 「どうした?珍しいな。間違えるな。俺は、もう中尉じゃないし、お前の上官でもない」 『失礼しました。上村さん。今、時間は大丈夫ですか?』 「あぁ車で、移動中だ。孔明とギルドのメンバーも一緒だが、問題はない」  上村蒼は、元部下にギルドの仕事で移動していると伝えた。  ギルドのメンバーが一緒だと伝えることで、会話が筒抜けになっ…

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2021/11/02

【第二章 スライム街へ】第十話 準備

”それじゃもう一度、練習をしてから、天子湖に向かうよ!”  私の宣言で、皆が了承を伝えてくる。  川だと思っていた所は、天子湖という人口の湖だ。キャンプ場を、魔物が占拠した。近くの小屋には、オーガたちが居る状況だ。地図から、距離や広さを調べて、練習するための場所を裏山に設定した。広さだけではなく、家に残る者たちの協力を得て、模擬戦が出来るようにした。  そこで、戦略を考えながら、練習を行っている。  結界を併用するのがいいだろうという結論になった。  私たちが攻撃を開始すると、警官隊や自衛隊が、攻撃を開始す…

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2021/11/02

【第六章 ギルド】第二話 いい女

 ナナは、俺とミルの話を黙って聞いてくれた。  冷え切った飲み物で、喉を潤す。  俺とミルの話が終わったと思ったのか、ナナは閉じていた目を開けて、俺を見つめてくる。 「リン君。いくつか、質問をしてもいい?」 「あぁ」 「まず、マヤちゃんは生きているのよね?」 「ミルと一つになったが、生きている。今は、神殿に居る。妖精になってしまっているから、連れてくるのは問題があると考えた」 「そう、わかった。マヤちゃんの本当の姿?なのよね?」 「マヤは、そう言っている。俺もよくわからないが、マヤは困らないから大丈夫だと言…

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2021/11/01

【第二章 スライム街へ】第九話 相談

 キングとクイーンは、もう少し池?湖?川?の状況を確認したいらしい。  私とカーディナルは、急いで家に戻ることにした。  家では、既に私が状況を説明している。  私が家に戻ると、議論は終わっていた。  反対者は居なかったということだ。どうやら、ライが、私の受けた衝撃や哀しみを皆に伝えたようだ。ライが感じた衝撃や哀しみや憎しみが私に伝わるように、私に生じた感情は、ライにも伝わってしまう。 『ご主人さま。困りました』 ”ライ?どうしたの?”  私とカーディナルが到着してすぐに、ライとアドニスが近くにやってきた。…

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2021/10/30

【第二章 スライム街へ】第八話 だらける

 人の姿にも慣れてきた、元人間です。  女子高校生らしく、制服を着てみましたが、元々自分が着ていただけに似合っています。良かったです。パロットも似合っていると言ってくれている。ライに至っては、自分も人の形状になって制服を着たがったが、男性タイプにしかなれなくて、我慢してもらった。さすがに、自分の制服を男性顔のライが着るのには抵抗があった。  スキルを調整すれば、複数の女性タイプに慣れるのかと思ったけど、ライからの説明で、どうやら素体となった数が影響しているようで、人は女性タイプが一人と男性タイプが一人のよう…

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2021/10/29

【第二章 スライム街へ】第七話 急報

 ギルド日本リージョン本部に備え付けられている。ホットラインが鳴り響く。  その場には、本部に詰めるべき5人が揃っている。 「はい。ギルド本部。榑谷」 『よかった。こちら、清水消防署。森本です』 「魔物が出ましたか?」 『いえ、あっ。少しお知恵を拝借したい。警察にも連絡をしましたが、明確な証拠がないと、警察は動けないと言われてしまって・・・』 「簡単にでも構わないので、状況を教えて下さい」 『はい。通報が有ったのは、3時間ほど前です』  榑谷円香は、スピーカーから音が出来るようにしてから、近くの時計を見る。…

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2021/10/27

【第二章 スライム街へ】第六話 凶報

 パパとママが離婚する。  別に、僕としては問題ではない。僕の意見を聞いてくれて、パパと今の場所に住むことになった。ママは、やはり奴が出てきたら、一緒に生活をしたかったらしい。パパは、反対した。僕もイヤだと言い放ったら、僕を殴ってきた。  僕が、スキルを発動する前に、パパがママと僕を引き離して、ママに”出ていけ”と言ってくれた。  ママは、奴と一緒に住むことにしたようだ。  僕には、関係がない。もう他人だ。  気分がいい。パパは、仕事で名古屋に行ってしまった。  この家には僕しかいない。  学校も、連絡が来…

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2021/10/27

【第六章 ギルド】第一話 三月兎

 ミルは、妖精の姿を気に入っていて、元のサイズに戻ったときにも、背中に羽を生やそうとしていた。 「ミル。やっぱり、羽は・・・」 「僕には、似合わない?」  可愛く言っても・・・。確かに、似合っている。似合っているが、人ではないのが解ってしまう。 「似合うよ。すごく、可愛い。でも、これから、王都に行くのに、スキルやステータスは隠蔽でごまかせるけど、羽は無理だからね?」 「うん。わかった」  ミルは、服の袖を握りながら、目を閉じた。  羽だけを消すようだ。 「これでいい?」 「完璧!」 「よかった」  ミルが腕…

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