高校生の記事一覧

2023/01/23

【第七章 神殿生活】第十一話 事情

皆の視線が集中したアデレード殿下は、大きなため息で、”困っています”をアピールしている。 「アデー?何を困っているの?」 さすがは、”空気を読まない”マヤが、アデレード殿下の目論みを潰す。 ルアリーナが苦笑を浮かべて、アデレード殿下に助け船を出す。 「アデレード殿下。ここには、アデレード殿下の味方しか居ません。それに、アイツらの事なら大丈夫です。私たちの、リン君の敵です」 ルアリーナは、事情を知っているようだ。 ミヤナック家と相談した時に、ルアリーナが事情を聞いたのだろう。 「え?」 アデレード殿下は、俺た…

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2023/01/22

【第四章 スライムとギルド】第三話 スキル調査

私が鑑定を得たように、千明もスキルを得ていた。 「それで、千明は、どんなスキルを得たの?」 「”水”スキル?」 「疑問形で言われても、解らないわよ」 ”みゃみゃみゃぁ” 「え?アトス?本当?」 「千明?」 「あのね。茜に、見てもらえれば、”スキルが解る”だって」 「え?スキルは見えないよ?」 ”にゃっにゃぁぁ” 「え?そうなの?千明。私の手を握ってくれる?それで、”ステータス・ディスクロージャー”と、私が言えばいいみたい?」 孔明さんと蒼さんの視線が怖い。円香さんが、私の肩を触ろうとしているのを、孔明さんが…

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2023/01/15

【第七章 神殿生活】第十話 アデー

会議室に入ってきた、ミトナルの肩に座っていたマヤがいきなり、アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアを愛称で呼んだ。 呼ばれたアデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアも、目を”パチパチ”して、マヤを確認している。 そして、不思議な物を見たような表情で、マヤと名前を呼んだ。 知り合いのようだ。 そして、俺がアデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアを知っている事が前提にあるようだ。 アデレード殿下を見ると、俺を見て少しだけ困った表情をしている。 何に、困ることがあるのだろうか? 「マヤ」 「何?」 マヤが…

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2023/01/09

【第四章 スライムとギルド】第二話 鑑定石

円香さんが、少女(主殿)から渡された魔石を見ている。 円香さんやギルドの皆には伝えていないが、少女(主殿)が着ていたのは制服だ。市内の高校が”今年から採用した”制服だ。少女(主殿)が、高校に通っているのかは、判断ができない。でも、高校の制服を入手できる立場だった。 いとこが、同じ高校に通っている。 調べれば、解るかもしれない。でも、調べてどうするのか?あの少女(主殿)が何を望んでいるのか解らない。 ”にゃ!” 「どうしたの?」 クロトが、足下にやってくる。 鳴き声で、クロトかラキシか判断ができる。 二匹にも…

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2023/01/01

【第七章 神殿生活】第九話 案内

揉めるかと思ったが、ゲートを入る順番は最初から決めていたようだ。 最初は、ナッセ・ブラウンが入った。 フェナサリム(重久真由)が続いた、最後に残ったのは、イリメリ(静川瞳)だ。 タシアナ(韮山里穂)の弟や妹たちは、まだ商隊と一緒に待機してもらっている。まずは、ギルドのメンバーと商隊の主要メンバーだけが、神殿に入ることに決まったようだ。順番や神殿に向かう人選は、関与していない。 俺とセバスチャンで、ゲートの周りを確認する。 「セブ。こっちは頼む。後で、眷属を向かわせる」 「わかりました。いってらっしゃいませ」…

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2022/12/18

【第七章 神殿生活】第八話 通行証

「リン=フリークス」 リカールが、背筋を伸ばして、俺を真正面から見ながら、名前を呼んだ。 見ていた書類から目を離して、リカールを見つめ返す。 「なんでしょうか?」 「サリーカの言葉を信じて、ここまで来た。まずは・・・」 リカールの言葉を遮る形になるが、手を上げた。リカールも、俺の意図が解るのだろう。言葉を切って、俺を見て来る。 「わかりました。神殿に行きましょう」 安堵の表情を浮かべる。 何があるのか解らないが、商隊の中での駆け引きがあるのだろう。 「助かる。父が・・・。商隊長が煩くて・・・」 父?サリーカ…

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2022/12/06

【第七章 神殿生活】第七話 セトラス商隊

料金や運用を、セバスチャンに任せて、神殿に戻った。 屋敷の隣に設置したゲートの確認の意味もあった。 「ロルフ!」 ゲートの設置場所にロルフが居た。 俺を待っていたわけではないようだが、タイミングがよかった。 『マスター』 「何組のゲートが設置できる?あと、ブロッホやヒューマからゲートの設置依頼はあるのか?」 『マヤ様とミトナル様が、整理をリソースへの還元を行っています。現状では、残りは6組です。リソースへの還元が終了すれば、10組になる予定です』 「そうか・・・」 まずは、ギルドへの依頼をしなければならない…

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2022/12/06

【第四章 スライムとギルド】第一話 贈り物

少女との会談は、無事に終了した。 無事だと思いたい。最低限。本当に、最低限のラインは守れた。少女たちと敵対はしていない。 「円香!」 孔明が何か怒鳴っているが気にしないようにしている。 千明がアトスを撫でている。私も、千明と一緒に現実逃避したい。茜は、少女からの依頼を達成するために、端末で格闘している。 「円香!」 「孔明(こうめい)。聞こえている」 「聞こえているのなら、返事をしろ。それに・・・」 孔明が見つめる先にあるのは、少女から渡された”贈り物”だ。 あの日、少女は、女王蟻をライ殿に吸収させた。 そ…

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2022/11/28

【第七章 神殿生活】第六話 料金設定

屋敷に戻って、セバスチャンにゲートの説明を行った。 仕組みは、俺も理解していないので、”こういう物”とだけ理解をしてもらった。セバスチャンと屋敷に戻って、神殿側のゲートやアロイ側に作ったゲートに関する修正箇所の聞き取りを行った。セバスチャンが考える問題点を上げてもらった。 簡単に言えば、貴族用は手続きを煩雑にして、”自分が優遇されていると思わせる方がいい”という事だ。簡素な手続きでは、面倒な貴族や豪商は、軽く見られると思うようだ。神殿側のゲートを出た先に、貴族用の個別の部屋を設置する。ここで、手続きを行うの…

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2022/11/28

【第三章 スライム今度こそ街へ】第二十話 少女からの提案

横に座る少女からは、害意は感じられない。 話を進めるにも、困った表情を私に向ける。本当に、”人”ではないのか?それとも、”人”なのに”魔物”なのか? 魔石の話から始めなければならない。 少女から渡された魔石の取り扱いだ。 「壊れましたか?」 私の問いかけに、少女から返ってきた話で、思考が停止してしまった。 慌てて、少女が何を言いたいのか考えた。 私の質問の仕方が悪かったようだ。 「そうではなく、主(あるじ)殿が作られたと、ライ殿から聞きました」 「そうですね。私が、魔石にスキルを付与する形ですが・・・。実際…

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2022/11/14

【第七章 神殿生活】第五話 神殿街

ゲートの設置が終了した。 隣の部屋に居るはずの二人を呼ぶ。 俺がゲートを設置している時に、マヤとミトナルが戻ってきた。作業をしていたので、二人にはロルフの作業を手伝ってもらっている。 「ミル!マヤ!」 先に反応したのは、マヤだ。 妖精の姿のまま、俺の肩まで飛んできた。 そのあとを、ミトナルが駆け寄ってくる。その後ろを、ゆっくりとした速度で、ロルフが続いている。 俺が信頼できる3人?だ。 「終わった?」 「ゲートの設置はできた。猫人族は?」 マヤが、抱き着いているミトナルの頭の上に戻って、俺に説明をしてくれた…

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2022/11/13

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十九話 不思議な少女

「円香さん。私も行かなきゃダメですか?孔明さんと蒼さんだけで・・・。私、留守番していますよ?」 茜がまだ行かないと言っている。 二日前から同じことを繰り返している。 「茜。諦めろ。ライ殿とはお前も会っている。”行かない”のはダメだ。もしかしたら、茜か千明しか会話ができない可能性があるのだ。何度も言わせるな」 ライ殿とライ殿の主と言われる方に会う。 もしかしたら、停滞した事柄が一気に動き出すかもしれない。まだ、ギルド本部には報告を上げていない。私の所で止めている。 長沼公園での出来事は、思い返しても不思議だ。…

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2022/11/06

【第七章 神殿生活】第四話 ゲート

ロルフと一緒に、支配領域を確認する。 「ロルフ。マヤは?」 「マヤ様は、ミトナル様と一緒に猫人族に神殿の案内をしています」 「そうか・・・。猫人族は、馴染めそうか?」 「はい。マヤ様が、お話を聞いて、神殿の一部・・・。訓練場所に指定していた場所を、猫人族用に変更しました」 「それはよかった」 「はい」 セバスチャンから渡された書類を見ながら、支配領域に組み込む場所を確認する。 結果、かなりの領域が、支配領域に組み込まれる。 まずは、メルナの屋敷と屋敷の周辺を支配領域に組み込む。建物があるためなのか、予想より…

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2022/11/06

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十八話 スライムとギルド

新しい服の購入は諦めた。諦めたというよりも、私のことを簡単に説明する方法を考えついた。 制服姿になって、待ち合わせ場所で待っていることにした。 ライはギルドの人に解りやすくするために、スライムの姿で待っていることにした。 私もライも、結界を張って、隠蔽のスキルを発動すれば、認識は難しい。 家の近くで試してみたが、誰も私が居るとは気が付かなかった。テストの仕上げは、最寄り駅の駐輪場で行ってみたが、誰にも気が付かれなかった。 スライムの状態で、カーディナルとアドニスに乗って移動をして、待ち合わせ場所で制服を着て…

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2022/11/01

【第七章 神殿生活】第三話 過去

私は、セバスチャン。奴隷だ。 前の主人は立派な人だった。小さな領の代官だったが、一代で叙勲して、準男爵を経て男爵に陞爵した。子爵にもなるのではないかと言われていた。 領地を得てからの旦那様は、領民には優しく、味方となった者には、どこまでも誠実に対応した。 敵対した者には徹底的に戦った。特に、領民を不幸にする敵対者には、慈悲を与えない。係累には手を出さないが、関係した者は徹底的に潰した。相手が、上位貴族でも矛を収めなかった。 味方も多いが、敵も多かった。 特に、近隣貴族であるアゾレムとはそりが合わなかった。 …

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2022/10/25

【第七章 神殿生活】第二話 契約と神殿

屋敷に移動すると、セバスチャンが出迎えてくれた。 「旦那様」 「セブ。屋敷は大丈夫か?」 「はい。後は、旦那様が譲渡に関する契約書にサインを行えば終了です」 「契約書?何か、問題があったのか?」 「聞いていた話では、譲渡では無かったので・・・」 「ん?譲渡?セブが聞いていた話と違うのか?」 「はい。王家から渡された書類では、旦那様に譲渡されると記載されています」 「何か問題か?」 「問題は、ありません。税も、免除されることになっています。契約の内容だけの判断ですが、貴族家・・・。それも、伯爵と行う譲渡契約に…

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2022/10/23

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十七話 賭け

家で、天使湖で得た物(ドロップ品)を整理していた。 こればかりは、私かライにしかできない。判断した物を、まとめるのは、家族にもできるのだけど、まずは必要な物なのか判断しなければならない。 そして、”必要な物”を判断するのが難しい。 殆どの物が、ギルドの買い取りリストに載っていない。 買い取りができないのか?それとも、知られていない物なのか判断が私にはできない。情報がない。 そして、魔石の買い取りは出ているが、ゴブリンの魔石程度の大きさしか買い取っていない。魔物の名前ではなく、大きさでの買い取りが書かれている…

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2022/10/16

【第七章 神殿生活】第一話 殿下と騎士

当初の計画の3倍以上の時間をかけて、神殿に向かうことになった。 些細な問題は発生したが、概ね予定通りに進むことができた。 3倍の時間が必要になったのは、殿下・・・。の、責任ではなく、殿下に付いてきた騎士たちが、当初の計画に苦言を呈してきた。 曰く 「殿下がお疲れになる」 曰く 「殿下の為の休憩が少ない」 曰く 「殿下の食事が質素だ」 曰く 「殿下が・・・」「殿下が・・・」 騎士たちが最初からこの主張をしてきたのなら、素直に”殿下の為”というセリフを信じられるのだが、ハーコムレイが神殿まで一緒に行動しないとわ…

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2022/10/02

【第六章 ギルド】第三十四話 移動

皆が合流した。 ミルとミアも訓練施設から会議室に移動してきた。レオはしっかりとミアの側に居る。護衛として、役割を守っているのだろう。 ミルが右側に陣取って、ミアが左側にレオと一緒に居る。 話は、ハーコムレイが主導する形で進んだ。 この場には、最初だけカルーネとフレット・コンラートとアルマールが姿を見せたが、ハーコムレイが神殿に向かわないものは退出してくれというと、何か言ってから、会議室から出て行こうと立ち上がった。 ハーコムレイが、彼女たちに追い打ちを掛ける。この建物は好きに使っていいが、辺境伯家からの支援…

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2022/09/19

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十六話 念話と結界

円香さんは、念話の魔石を触って、何かを考えている。 「千明。この魔石を持って、キャンピングカーの外に出てくれ」 いきなり、円香さんが、千明にキャンピングカーの外に出ろと伝える。実験をしたいのは解るけど、最初に実験の説明をしなければ、千明が戸惑うだろう。実際に、千明はいきなり言われて動揺している。 「はい?」 「円香さん。実験をしなくて大丈夫ですか?」 「そうだな。使い方が解らないな。千明も念話ができるか触ってみるか?」 円香さんは、一つを千明に渡して、一つを自分で持つ。 『千明』 「え?頭の中に、円香さんの…

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2022/09/13

【第六章 ギルド】第三十三話 詰問

ルナが何かまだ考えている。 少しだけぬるくなってしまったお茶に口を付ける。 誰が入れているのか解らないけど、おいしい。 ミルと一緒に野営している時には、ミルが飲み物を出してくれたけど、お茶はなかった。設備がないししょうがない。神殿に戻ったら、調理器具を含めて整備しよう。 「リン君?」 「なんだ?」 「ローザス殿下との話を聞いた?」 「ローザス?あぁルナが婚約者なのだろう?」 「!!違う。違うからね。婚約者候補。いい。候補!婚約者じゃない!」 ルナが椅子を倒す勢いで立ち上がって、テーブルに手をついて訂正してく…

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2022/09/13

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十五話 規格外

千明に、円香さんを呼びに行ってもらった。 もう面倒なので、円香さんに丸投げすることに決めた。 話は、3つ。 一つは、眷属化だから、ワインズマンに入力するか確認すればいいだけだ。 『里見茜殿。本体に相談しました』 急にライが話しかけてきた。 「え?」 『里見茜殿は、説明が出来なくて困っている?違いますか?』 説明ができない? もっと簡単に言えば、ライの言葉を中継しなければならないのに困っている。 「そうね。ライが円香さんと話が出来たらいいとは思っている」 『はい。マスターから、贈り物です』 ライが少しだけ震え…

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2022/09/05

【第六章 ギルド】第三十二話 認定?

アデレード殿下を匿う約束をして、他にも細かい話をした。特に、アデレード殿下を匿うことで発生する費用負担だ。全面的に、王家が用意すると言っているが、実際にどうやって負担するのか考える必要がある。 ハーコムレイもローザスも、アデレード殿下がわがままを言わないと言っている。 ローザス一人の意見なら信じなかったが、ハーコムレイも”自分の妹と同じ”だと言い出したので、問題は無いだろう。 ルナと殿下を比べられても、俺には判断ができない。 そもそも、二人を比べる必要性があるとは思えない。 「アデレード殿下とルアリーナ嬢は…

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2022/08/29

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十四話 会話

”ライ”が私を見つめている。多分・・・。スライムに目があるのか解らないが、”ライ”から視線を感じる。 まず、このスライムは”ライ”。本体が別に存在している。その本体との繋がりが出来て、はっきりと意思があるのだと言っている。 そして、スライムに名付けした者が存在している。”ライ”はマスターと呼んでいるが、主人なのだろう。 それだけではない。 ”ライ”は、円香さんのスキル構成を見抜いてしまっている。そういうスキルを持っているのか?それとも、スライム特有の能力なのか? 「千明?」 「ん?あっそうね。うん。茜に任せ…

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2022/08/23

【第六章 ギルド】第三十一話 分裂

ハーコムレイが何も言ってこない所を見ると、既に決定事項になっているのだろう。 領地?が増える? ほぼ、西側の森を、俺に渡す意味があるのか? よくわからない。くれると言うのなら貰うけど、統治とかあるのなら断ろう。俺には、統治や領地運営なんてできない。 「それで?」 「ん?」 ローザスがいきなり”何を言っている”と言いたいような表情をする。 それは、こっちのセリフだ。 「だから、俺に何をさせたい?」 「え?」「ローザス!リン=フリークスに、”お願い”の内容を伝えていない」 ハーコムレイが、眉間にできた皺を触りな…

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2022/08/21

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十三話 使い方

ギフトの使い方は、クロトが教えてくれた。 猫語が解るようになったわけではないが、私はクロトとラキシが何を言っているのか解るようになった。 どうやら、こちらに友好的な魔物とは意思が通じるらしい。クロトの上に乗っていたスライムが、アトスの上に移動した。 アトスの上に乗っていたスライムは、茜を見てから、アトスと何か話をする。 話をしているのは解るけど、私にはアトスの話は解らない。 「千明?」 アトスの話を聞いていたのだろうか、千明が少しだけ困った表情をしている。 「茜。スライムの話を、アトスが翻訳?してくれたけど…

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2022/08/13

【第六章 ギルド】第三十話 提案

馬車に乗り込むと、ローザスとハーコムレイが座っている。 雰囲気は、悪くない。 セバスチャンも乗り込んでくるかと思ったが、俺が馬車に乗り込むのを見送るような状態で、頭を下げている。セバスチャンには屋敷で働く者の統括をお願いしている。人員に関しても、まだまだ足りないのだろう。 そうか、屋敷で働く者たちの給金や生活の補償をしなければならないのだよな。考えると、金がない。 「リン君」 「なんでしょうか?殿下」 「固いよ。ローザスと呼んでよ」 「わかりました。アルフレッド=ローザス・フォン・トリーア第一皇子様。私の様…

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2022/08/11

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十二話 スキルとギフト

私は、里見茜。普通のギルド職員だ。 しかし、普通だと思えていたのも、ついさっきまでだ。 突然、脳内に、言葉が響いた。 『スキル:魔物鑑定を獲得』 『スキル:魔物支配を獲得』 『個体名クロトが眷属に加わりました』 『個体名ラキシが眷属に加わりました』 『眷属からのギフト:意思疎通が贈られました』 どうやら、私もスキルを得たようです。 『スキル:ステータス編集を獲得』 まだ終わっていなかった。 スキルが3つ?クロトとラキシが眷属?ギフトって何? ステータスは知っている。自分のステータスが表示される。でも、”ステ…

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2022/08/06

【第六章 ギルド】第二十九話 修羅場?

ギルドの入口が見えてきた。 しっかりと見張りが立っている。 知らない顔だ。 ハーコムレイかローザスが雇った護衛か? 「なぁリン。大丈夫なんか?睨まれているぞ?」 「大丈夫だ。女子・・・。重久が中心になって作った組織だ。重久は、フェナサリム・ヴァーヴァンが名前だからな。間違えるなよ」 「おっおぉ」 「本当に、大丈夫か?」 「大丈夫だ。名前を覚えるのは得意だ」 まぁ困るのは、オイゲンだからいいけど・・・。 後ろを振り返ると、奴隷の少女たちが、俺とオイゲンの会話を聞いている。不思議な表情を浮かべている。 ハーフエ…

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2022/08/03

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十一話 大活躍

私は、里見(さとみ)茜(あかね)。ギルド日本本部の常識担当。 常識担当なのは、上司がぶっ飛んでいるのが原因だ。私くらいの常識人が居ないとギルドは成り立たない。 同僚?になった、元自衛官も脳筋と腹黒の二人で、円香さんと気が合う。円香さんとまともに話ができる時点で、私の中で二人は”偉人(変人)”としてのカテゴリーに分類される。 もう一人は、私と違った意味で常識担当の千明だ。 その千明は、朝から出かけている。 なぜかギルドで飼う事になった3匹の猫を病院に連れて行った。定期健診の知らせが届いた。里親募集で譲ってもら…

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