異世界の記事一覧

2021/08/01

【第十章 エルフの里】第十話 リーゼの想い

 ヤスとリーゼは、ラフネスの言い訳とも考えられる、”エルフの事情”を聞いた。 「そうなると、長老たちは、リーゼに無関心なのだな?」 「・・・。はい」  ラフネスは、素直にヤスの質問に答えた。  実際に、暴走したのはエルフの村に着ていた商人たちと取引があるエルフだ。それも積極的に、商人と交流を行って他種族と関わりを持とうとしていた。  ただ、やり方を間違えた。  今まで、他種族との付き合いをしてこなかった者たちが、いきなり商人と取引をした。そして、騙された。エルフ族は、アフネスなど、外の世界で生きていくことを…

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2021/07/31

【第二章 帰還勇者の事情】第十九話 準備と仕込み

 ユウキは、自分で立てた計画通りに、一部では名前を知られる程度には有名になった。  会見(見世物)の動画も拡散されている。ユウキだけが、(本当の)顔と名前を出している。  拠点でユウキがやっているのは、所謂、連絡係だ。  連絡係をしながら、ユウキは自分の計画に必要な事柄を調査して、準備を進めている。  差し当たっての問題(法務関係)がクリアできたので、レナートに戻っていた。 「ユウキ!」 「悪いな。こっちは大丈夫なのか?」  ユウキが手を差し出すと、男女は嬉しそうな表情をして、ユウキの手を順番に握った。 「…

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2021/07/31

【第十章 エルフの里】第九話 エルフの事情

 ラフネスは、ヤスとリーゼに事情を説明した。  説明を聞き終えたヤスは頭痛を抑えるような仕草をする。リーゼは、事情がよく飲み込めていないようで、ラフネスとヤスの表情を必死に読み取ろうとしている。 「ラフネス。率直な意見を言っていいか?」 「何を言いたいのか解っていますが、どうぞ?」 「エルフはバカなのか?」 「・・・」  リーゼがヤスの服の袖を可愛らしく引っ張る。 「ねぇヤス。どういうこと?エルフ族が、僕の持っているお金が欲しいってこと?」 「そうだな」 「僕、お金なんて持っていないよ?」 「そうだな。今の…

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2021/07/31

【第五章 マヤとミル】第十四話 魔力溜まり

「ミル!」 「大丈夫」  魔力溜まりに飲み込まれる状態になっている、ミルの声だけが聞こえてくる。  気のせいかも知れないが、魔力溜まりが小さくなっているように思える。 『マスター?』 「わかっている。周りには魔物は居ないのか?」 『はい。すでに駆逐しました』 「そうか、ありがとう」  魔物が湧いて出る様子もなくなった。周りを警戒していた、眷属たちが戻ってきている。  皆が、小さくなっていく魔力溜まりを見つめている。  5分くらい経って、ミルが顔を出す。 「ミトナルさん?」 「あっ・・・。説明、忘れた」  魔…

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2021/07/05

【第二章 帰還勇者の事情】第十八話 狩人

「ユウキ。俺たちも行ってくる」 「解った」 「2ヶ月で戻ってくる。ユウキ。頼む」「お願い」  ユウキの手を握りながら、頭を下げるのは、リチャードとロレッタだ。 「わかった。お前たちが帰ってくるまで、しっかりと守る」 「ありがとう」「ユウキ!感謝!」  リチャードとロレッタが、”転移”を発動させる。目的地は、アメリカのリチャードが育った。今は、誰も居ない教会だ。 「行ったか?」 「あぁ残っているのは、お前たちだけど、どうする?」 「ヒナは、残して行こうと思っていたけど・・・」「イヤ!」 「レイヤ。愛されている…

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2021/07/05

【第五章 マヤとミル】第十三話 ミルと狩り?

「リン。おはよう」 「マヤ?」 「うん!」「リン。今日は、マヤが身体を使う」  二人で取り決めでもしたのか?  ミルが妖精の姿で、俺の肩に止まる。 「リン。僕。今日は、ロルフと神殿の調整を行うけどいい?」 「え?調整なら俺が行うぞ?それに、言ってくれたら、施設を作るぞ?」 「・・・。リン。僕にやらせて、お願い」 「・・・。わかった。無理するなよ?神殿の調整には魔力を使うぞ」 「うん!大丈夫だよ!ありがとう」  マヤがミルの止まっていない方向から抱きついてきて、頬に唇をあてる。 「マヤ!」  ミルが、俺の耳元…

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2021/07/05

【第五章 マヤとミル】第十二話 マヤとミル

「ふっふん!いいよ!ミル。リンに確認してもらおう!」「わかった」  マヤがミルの肩に移動している。  二人で一緒に詠唱を始める。  ん?魔法やスキルの呪文ではないな。はぁ・・・。フュ○ジョン?誰の仕込みだ?7つの珠を集めて、ギャルの(以下、自粛)。  光が二人を覆った。眩しいほどではないが、直視していると目が痛くなりそうだ。光は、それほど長い間は光っていなかった。 「え?」  間抜けな声が出てしまったが、しょうがないだろう。  光が収まったところに立っていたのは・・・。 「マヤ!」  それも、全裸の状態に戻…

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2021/06/22

【第二章 帰還勇者の事情】第十七話 磨いた牙

「ユウキくん。本当に、この条件でいいのか?」  佐川は、ユウキから渡された書類を見ながら、質問を重ねていた。最終確認という意味を込めて、ユウキに言葉をぶつける。 「構いませんよ。近くの方が、いろいろと便利でしょ。その代わり」 「わかっている。各国の研究者との窓口は引き受けよう」  佐川が欲しいと思っていた、ポーションの素材をユウキが渡す条件を入れている。  ユウキが佐川に頼んだのは、各国の研究所から上がってくる研究結果の取りまとめだけではなく、日本国内のうるさい連中への対応を任せた。特にうるさいのは、記者会…

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2021/06/18

【第二章 帰還勇者の事情】第十六話 朝倉比奈

 私は、ヒナ。日本にいた時には、”朝倉(アサクラ)比奈(ヒナ)”と名乗っていた。  レイヤやユウキやサトシやマイや弥生と一緒に異世界(フィファーナ)に召喚された。フィファーナでの話は、悲しいことも多かったが、楽しいことも多かった。日本に居た時と違って、自分たちでできることが増えたのが一番の理由だ。  リーダは、サトシだが、実質的なリーダがユウキなのは皆がわかっていることだ。  ユウキには、日本に戻ってやりたいことが有った。私とレイヤにもやりたいこと・・・。知りたいことがある。  ユウキは、自分のことを棚上げ…

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2021/06/17

【第五章 マヤとミル】第十一話 全裸で復活?

「リン!ミルになんてことをするの!僕は、リンと居られるのなら、姿なんてどうでも良かった!リン!聞いているの?」  小さな小さな羽が生えている。不思議な形をした生き物だが・・・。マヤだ。マヤが、俺に話しかけている。 「マヤ」 「リン!僕のことは、いいの!なんで!ミルを犠牲にしたの!僕、本当に怒っているのだよ!」  マヤが、名前を呼んでいる。  手を伸ばす。 「・・・。マヤ。マヤ。マヤ。マヤ。マヤ。・・・」 「え?リン?何?」  マヤを両手で包むようにして、抱き寄せる。  温かい。小さな小さな妖精になってしまっ…

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2021/06/03

【第二章 帰還勇者の事情】第十五話 拠点

 見世物は、休憩の後から加速していった。  大手が居なくなってくだらない協定や序列や忖度がなくなった。外国人の記者だけではなく、ネット系の記者たちも、ユウキたちに疑問をぶつけた。  スキルの質問は、ユウキが受けて実際に持っているスキルの中で、安全だと思えるスキルは、実演を行うことにした。  外国人の記者からは、暗殺や毒物に関するスキルに質問が集中したが、”出来ない”と返答する場面が多かった。それを信じるかどうかは、記者や読者に任せるしか無い。しかし”公”には、”出来ない”ことにしておく必要がある。  早く移…

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2021/06/02

【第二章 帰還勇者の事情】第十四話 マスコミ

「ユウキ!」  アロンソが、嬉しそうな顔でユウキに駆け寄ってきた。  休憩時間が、休憩時間になっていないのは、問題ではないようだ。 「ん?」 「ポーションの提供は、ミスター佐川から説明があった本数を考えてくれるのか?」 「説明?」 「初級が4本と中級が4本だ」 「佐川さんから、検証にはその本数が必要だと言われた」 「そうか・・・。ユウキ。俺たちは、違うな。研究所が、初級ポーションに500ドル。中級ポーションに1万ドルの支払いをする用意がある」 「え?」 「それに、検証の結果や研究結果は、全ての研究所で公開す…

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2021/06/01

【第二章 帰還勇者の事情】第十三話 見世物

 ポーションの確認を終えて、記者会見をしていた会場に戻ってきたら、記者の数が半分になっていた。ポーションの確認から外された最前列に陣取っていた記者たちが、帰ってしまっていた。機材を抱えていた者も半数が帰っているので、会場で待っている者の数も減ってしまっていた。  司会が状況を説明しているが、それでも詰め寄る者は存在していた。  ”弾かれた”記者たちだ。残っていた者たちには、佐川から動画が送られることで落ち着いた。佐川の研究資料が付いているので、記事にするのには十分な資料になる。  森田と14番にも群がった。…

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2021/05/29

【第二章 帰還勇者の事情】第十二話 記者会見.3

 視線が集中する記者は、番号札を投げ捨てて、出口に向かう。  司会が、冷静に指摘する。 「○○新聞の飯島さま。先程の質問が終わっておりませんが?」 「ふざけるな!俺は、こんな茶番に付き合うのは、馬鹿らしいと思ったから、帰る!」 「そうですか、○○新聞は、お帰りになるということですね。ご自身がされた質問に対する真偽を確認しないで、一方的にこちらを・・・。生還者たちを悪者にした状態で退場されるのですね」  飯島と名乗った男は、一度だけ振り向いたが、そのまま会場から出ていった。 「質疑が途中になりましたが、何方か…

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2021/05/27

【第二章 帰還勇者の事情】第十一話 記者会見.2

「それでは、記者会見を始めます。始めに、生還者の情報を・・・」  司会が、ユウキたちの情報を話し始める。  記者たちには、事前に情報として渡されているが、名前を呼ばれるときに立ち上がるだけでも、情報としては十分なのだろう。  10分ていどかかって、ユウキたちの諸元が発表された。  記者たちが黙って聞いているのには理由があった。まずは、ユウキたちが未成年だったことが大きな問題だ。ユウキたちは、記者会見で語られた情報に関しては公にしても問題はないと伝えている。しかし、姿かたちに関しては明言されていない。  そこ…

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2021/05/27

【第十章 エルフの里】第八話 エルフたち

「リーゼ様。ヤス殿。私は、エルフの里長候補の1人で、ペドロと言います」  ヤスを、射殺すような目線で見てから、リーゼに頭を下げながら”ペドロ”と名乗った。ヤスは、面倒な流れだと思いながらも、ペドロを観察し始める。  ヤスの存在は、ペドロの中からは完全に消えていた。リーゼの従者としてしか認識をしていない。  ペドロが、リーゼに美辞麗句を並び立てている所で、ドアがノックされた。 「誰だ!リーゼ様が、この俺様!ペドロ様の話をお聞きしているのを邪魔するのは!」  ヤスは、ペドロから出たこのセリフだけで、目の前に居る…

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2021/05/26

【第二章 帰還勇者の事情】第十話 記者会見.1

 ユウキは、記者会見が始まるギリギリまで、佐川に捕まっていた。  佐川からの質問攻めに少しだけ・・・。本当に、少しだけ面倒に思い始めていた。 「ユウキ君。時間だ」  今川が、ユウキに声をかける。  ユウキは、少しだけ”ほっと”した表情をする。 「わかりました。佐川さん。それでは・・・」 「今川君!記者会見の時間は、もう少しだけ後だと思うが?」  ユウキは、信じられないことを言い出す佐川の顔を二度見してしまった。  確かに時計を見ると、1時間くらいの余裕はある。それに、記者会見には佐川も出席する予定だと教えら…

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2021/05/19

【第二章 帰還勇者の事情】第九話 邂逅

「ユウキ!」 「あっ今川さん。どうしました?」 「どうしたじゃない。お前こそ・・・」  息を切らしながら今川は、ユウキに駆け寄ってきた。 「あぁ皆さん。疲れが溜まっているのか、寝てしまいましたよ。部屋も寒かったから、冬眠でもしたのでしょうかね?」 「・・・。お前・・・。まぁいい。本当に悪かった。上にも文句を言ったけど、その上の上から無理矢理押し込まれた」 「大丈夫ですよ。ポーションを公にしたら、湧いて出てくるのは想定していました。台所に居る黒い虫と同レベルですよね」 「そうか・・・。次は、大丈夫だ。本当に、…

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2021/05/17

【第二章 帰還勇者の事情】第八話 前哨戦

「ユウキ。会見の場所はわかるのか?」 「サトシ・・・。マイ。任せた」 「はい。はい。サトシ。場所は、この前、皆で見に行ったでしょ?」 「え?どこ?」 「はぁ・・・」  皆が笑い出すが、サトシは本当にわからないという表情をしている。  マイやユウキも悪い。記者会見を行う場所を、見に行ったわけではなく、近くの公園から記者会見を行う建物を見ただけだ。 「ユウキ。今日は、公共機関を使うのだろう?バラバラに行くのか?」 「いや、俺とサトシ以外は、偽装した状態で、纏まっていこう」  都内の(オリビアが熱烈に希望した)秋…

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2021/05/14

【第二章 帰還勇者の事情】第七話 雑誌

 今川が手掛ける記事が掲載された雑誌が店頭に並んだ。  スクープ記事なのは間違いではない。しかし、世間の意見は2:8に分かれた。好意的な意見としては、子どもたちが集団催眠に有っているのだという考えだ。しかし、それでも、アメリカやドイツで行方不明になった子供が日本で発見された説明にはなっていない。  大手マスコミも雑誌が発売された当日に、ユウキたちに接触を試みたが、どこに居るのか調べたが、所在は不明な状態になっていた。 「おい。ユウキ!」 『あっ今川さん。なんでしょうか?見世物(記者会見)の日取りにはまだある…

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2021/05/13

【第二章 帰還勇者の事情】第六話 取り巻く状況

 ユウキたちが、地球に帰還してから、数日が経過していた。  レナートは、特に王城は火が消えたような状態になっていた。 「お父様?」 「セシリアか・・・」 「どうされたのですか?」 「騒がしかった日々が懐かしくて・・・」 「そうですね。でも、ユウキ様は約束通りに・・・」 「そうだが・・・。そうだ、セシリア。ユウキからの”お願い”はどうするのだ?」 「受けます。ユウキ様だけではなく、サトシ様やマイ様のご両親ですよ?」 「そうだな。儂も、ユウキたちの”チキュウ”での両親に会って話をしたい」 「はい」  セシリアは…

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2021/05/12

【第二章 帰還勇者の事情】第五話 記者

 俺は、週刊誌のしがない記者だ。政治や経済に関するゴシップを得意としていた。  少し前に、話題になった集団失踪事件が発生した施設の院長から連絡をもらってから、俺の日常は変わった。 「今川さん?」  俺の前に座っているガキ・・・。いや、新城裕貴(ユウキ)から発する覇気というのか、存在感が・・・。大物政治家や経済界のトップと会った時と同じ・・・。いや、それ以上に圧力を感じる。 「おっおぉ。ユウキでいいのだよな?」 「はい。新城は、捨てた名字ですし、記事では”ユウキ”でお願いします」 「わかった」 「それで?」 …

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2021/05/08

【第二章 帰還勇者の事情】第四話 今後

「エリク?」 「ユウキは、説明で忙しいだろうし、サトシは無理だろうし、レイヤはユウキのフォローに回っているだろうと、皆が俺に連絡してきた」 「それは、妥当な判断だが・・・。違う。同じというのは、眠っている場所に連れて行けということか?フィファーナだぞ?」 「異世界だと説明して、魔物が居るし、危険な状況になっている可能性も伝えたそうだが・・・」 「無駄じゃな。ユウキたちには悪いが、行って帰ってこられると聞いて、親が眠っている子供に会いに行かない選択肢を選ぶはずがない」 「そうね。ユウキ?どうなの?私たちを連れ…

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2021/05/07

【第二章 帰還勇者の事情】第三話 父と母

 ユウキたちは、食堂に入った。  自分たちの席がまだ残されている状況が嬉しかった。  マイとヒナが、弥生の席に遺品を置いた。皆の辛そうな表情を、老紳士(父)が更に辛そうな表情で見つめる。 「エリク君とアリスちゃんは、好き嫌いは大丈夫かい?」  奥から、老婦人(母)の声がする。 「大丈夫です!」「私も、大丈夫」 「わかった。マイ。ヒナ!」 「はい!手伝う」「手伝う」「あっ私もできることは少ないけど手伝います」  マイとヒナとアリスは、これから話が開始される弥生の話を一緒に聞く気分にはなれない。  ユウキたちも…

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2021/05/01

【第二章 帰還勇者の事情】第二話 帰省?

 時刻は、午前2時を過ぎている。 「さて・・・」 「行くのか?」 「あぁ俺が一人で様子を見てくる」 「・・・。ユウキ?」 「サトシ。頼む。向こうについたら、念話で知らせる」 「わかった」  サトシは、ユウキについていくつもりで居たのだが、この場所を頼むと言われて、承諾してしまった。サトシが残ると決めた以上、他の者がユウキには付いていかない。ユウキなら、一人でも大丈夫だという安心感がある。サトシは、一人にすると何をしでかすかわからない怖さを持っている。 「行ってくる」  ユウキが、身体強化のスキルを発動した。…

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