異世界の記事一覧

2023/09/09

【第九章 ユーラット】第二十四話 侵攻(3)

ヤスは指令室?で、まったりと過ごしていた。 「ねぇヤス。動きがないね」 リーゼは、すでに飽きてしまっている。 地図上に表示されている帝国軍の進み具合を楽しそうに見ていたが、遅々として進まない行軍を見ていても飽きてしまっている。 「ん?あるぞ?」 ヤスの指摘した通りに、微妙な違いだが、動きは見られる。 部隊を二つに分けている。 二つに分かれた部隊の片方が、さらに二つに分裂をしている。 一つは、オリビアを支援する者たちで構成されている。内通者が既に連絡をしてきている。 情報は常に更新されている。 「あるけど、な…

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2023/09/08

【第三十一章 本腰】第三百十四話

ピムの妹の旦那という少しだけ距離がある人物を紹介してもらうことになった。 イザークに許可を出した。 本人たちも、自分たちだけでやれることが限界に来ていると悟っていた。 仲間内で話をして、俺かルートガーに陳情を行おうと思っていたらしい。 その為に、ナーシャ(甘味狂い)を行政区に送り出したらしいが、俺やルートガーとは入れ違いになっていたらしい。ナーシャの証言だけなので、イザークも怪しいとは思っていたらしいが、ロックハンドに時折現れる”招かれざる客”の対応を優先した。 ロックハンドは、ドワーフの里になってしまった…

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2023/09/06

【第八章 王都と契約】第九話 現状の確認(1)

ドアをノックして、部屋に入ると、ローザスだけがソファーに腰掛けていた。 「リン君。久しぶり」 ローザスが、ソファーに座りながら俺に手を振ってくる。継承権を持つ人間の行意図は思えない。 「殿下だけ?」 正直に言えば、ハーコムレイは苦手だが、ローザスと話をするよりも、ハーコムレイの方が楽だ。交渉は面倒だと思えるが、話をするだけなら楽だ。筋が通っていれば、文句を言わないし、俺が望んでいる物を的確に読み取ってくれる。 ローザスは、どこかニノサと似ていて、のらりくらりと躱すような話し方をしてくる。胡散臭いのではなくて…

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2023/08/16

【第八章 王都と契約】第八話 ミヤナック邸

親たち世代は、何やら繋がりがあるようだが、詳しい話は教えてもらえていない。 ナナも言葉を濁すことが多い。 考えてみると、ローザスやハーコムレイは、アッシュやナナたちから見たら、世代は下になるはずだ。 俺たち世代と親世代の間くらいか? それで、”アスタ殿”なのか? アッシュが用意した馬車で、王都にあるミヤナック家に向かっている。 ハーコムレイが用意した馬車も、店の前で待機していた。アッシュが馬車を出すと言って、来ていた馬車に”夜の蝶”に向ってもらった。フェナサリムの父親が居たらミヤナック家に連れてきてもらうた…

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2023/08/12

【第三章 復讐の前に】第三十二話 実験動物

(ゆるめ?の)性的表現が含まれています。 (ゆるめ?の)暴力表現が含まれています。 抵抗がある方は読み飛ばしてください。前回の話の結果を記載しているだけで、本編には(フラグ的な意味では)影響しません(多分)。 — サトシが珍しく執務室に居る。 ユウキが連れてきた者たちの処遇を確認して、次にユウキが来た時に報告する義務があるためだ。 「彼女たちは、どうしている?」 「実験に協力してもらっているわよ」 「そうか・・・」 29人は、それぞれにトラウマを抱えている。 普段から陽気にやらかすサトシも、小学…

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2023/08/10

【第九章 ユーラット】第二十三話 侵攻(2)

ヤスとリーゼが、作戦室に到着した時には、オリビアがメルリダとルカリダを連れて待っていた。 「中で待っていれば良かったのに?」 ドアの前で待っていた3人は、ヤスとリーゼが来たのを見て、一歩下がって道を譲った。 「いえ、誰かが来られるまで、私たちだけで中に居るのは・・・」 気にする必要は無いのだが、オリビアは元帝国の姫だ。 神殿に居る状態では、マルスが監視をしているので、大丈夫なのだが、状況を知らない者も居る。その場合に、オリビアの行動で、ヤスに批判の矛先が向いてしまうかもしれない。オリビアだけではなく、アデレ…

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2023/08/10

【第三十一章 本腰】第三百十三話

方向は決まった。 アトフィア教の連中が怪しいという目安も立ったが、問題は方法が解らないことだ。 ノービスの連中に会いに行くか? 「カイは、シロの護衛を頼む」 『はい』 シロの護衛は、フラビアとリカルダも居るし、大丈夫だとは思っている。 ステファナも本調子になってきたし、レイニーも従者兼護衛になっている。そもそも、アズリやエーファやレッチュが居る段階で、龍族でなければ相手にならないだろう。 それで、なぜかエリスがシロにべったりらしい。エリスがシロの近くから離れようとしない。らしい。 報告では、護衛にもなってい…

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2023/08/07

【第八章 王都と契約】第七話 打診

「リン様。さきほどのお話では、門は反対側にもあるのですよね?」 アッシュは、何かを考えてから、質問を始めた。 森の中の村に行くのには問題は無いようだ。神殿の中よりも、やれることが多いと思っているようだ。 「ある」 隠すようなことではない。 アッシュを仲間に引き入れたい。俺には、人を見る目がない。俺の代わりに、人を見る人物が欲しい。アッシュなら大丈夫だろう。忠誠心は、俺に向いていなくても、ローザスやハーコムレイと歩調が合っている間は、裏切らないだろう。 だからこそ、神殿ではなく”森の村”を担当して欲しい。 「…

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2023/08/02

【第三章 復讐の前に】第三十一話 復讐?

前田果歩さんの記事が雑誌に載ってから1週間。 前田教諭が学校を辞めてから2週間が経過した。 仕込みも終わっている。 手間はかかったが、状況は面白いほどに、想定していた方向に動いた。 俺は、拠点に作られた学校で働き始めた女性に話しかけた。今の所は、リハビリを兼ねた作業が多い。拠点の周りは、徐々に人が増え始めて、働き手が少ない状況になっている。今は、十分に回っているが、今後は人が足りない状況になると考えられている。 意思確認は既に済ませているのだが、最終確認だ。 「果歩さん」 まだ、俺と話すのは緊張するようだ。…

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2023/07/30

【第九章 ユーラット】第二十二話 侵攻(1)

エルフの里に、救援に向かう部隊の編成を行った。 エルフの里への救援の目的は持っているが、神殿やユーラットからエルフの里に避難させる意味合いもある。 ヤスは、リーゼを救援部隊のトップにしようと考えていたが、リーゼが神殿に残ると固辞した。 リーダは、アフネスにも拒否された。同じように、ドーリスやサンドラやアーデルベルトにも拒否されてしまった。 カイルやイチカでは、救援部隊のトップには経験が足りていないとなり、ギルドに依頼を出すことで落ち着いた。子供たちを避難させることが目的なのだが、”密約”に関係していることも…

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2023/07/29

【第三十一章 本腰】第三百十二話

雑談だったが、船長から有力な情報を貰った。 船長には悪いとは思ったが、ルートガーを含めて正式に話を聞く場を設けた。 そこで、ルートガーにも情報が伝えられた。 船長が、俺が使っている船室から出た。船長を何時までも拘束していては、船の運航が滞ってしまう。俺たちの安全を考えて、話は俺から質問をして、短時間で終わらせた。雑談を含めると、かなりの時間、船長を拘束してしまう結果になる。それに、ルートガーは雑談が苦手だ。 船長は、問題はないと言っていたが、俺たちの安全の為に、通常業務に戻ってもらった。 今の所、考えられる…

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2023/07/28

【第八章 王都と契約】第六話 奴隷商

馬車が目的地に到着して停まった。 やっと説教から解放される。 「待て!リン・フリークス」 馬車から降りようとしたときに、ハーコムレイに肩を掴まれた。 「はい。なんでしょうか?」 ハーコムレイの手を払いながら振り返る。 「迎えを出しておく」 「は?」 いきなり、”迎え”と言われても意味が解らない。 そんな思いを込めて、ハーコムレイを睨んだが、俺の意思は伝わらなかったようだ。 「お前の用事が終わったら、屋敷に来い。ローザスにも報告が必要になっているはずだ」 「・・・」 一応、説明をしてくれたのだが、それでも意味…

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2023/07/23

【第三章 復讐の前に】第三十話 病気と怪我

前田果歩さんが起きてから、前田教諭はすぐに両親にポーションを使った。 最初に忠告をしておいたが、忠告は無駄になった。 神経系の問題である場合には、より上位のポーションが必要になる。 前田教諭の両親は、精神的な衰弱と怪我が原因だったために、ポーションと果歩さんが顔を出すことで治ってしまった。 そして、前田教諭は学校を辞めた。 学校を辞めた日に二人は、俺たちの拠点を訪ねてきた。 俺は、学校に行っていたために、ヒナが対応を行った。 すぐに今川さんが呼び出されて、取材を受けてもらう事になった。 全て実名での告白だ。…

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2023/07/22

【第九章 ユーラット】第二十一話 帝国国内

帝国の情報は、確かに、オリビアから得る事が出来た。 しかし、オリビアが持っている情報は、第三皇女として得た情報でしかない。そして、大きな問題として、帝国は王国よりも男尊女卑が強い傾向にある。また、政務などの情報も入手が難しい立場だった。オリビアの頭脳が優れているために、ある程度の情報から正解を導き出すことが出来てしまっていた。 情報の齟齬があるとしたら、帝国国内の情報ではない。 オリビアにも小さいながらも派閥が存在していた。後見してくれる貴族も存在していた。その為に、帝国内の情報は、遅くても入手が出来ていた…

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2023/07/20

【第三十一章 本腰】第三百十一話

ゼーウ街から、チアル大陸には、デ・ゼーウが用意した船で向かうことになった。 チアル大陸に本拠地を置いている商人に頼む予定だったのだが、デ・ゼーウが前に拿捕した船を下賜した者が立ち上げた商家だ。運営実績も問題がない。チアル大陸との取引も行っている。 船は、元アトフィア教の司教が使うために作られていた物なので、豪華になりすぎた感じの船だ。 船倉は、無かったと言っていたが、奴隷を連れ帰る為の場所が存在していた。アトフィア教らしい船だ。 その奴隷を詰め込んでいた場所を船倉に改造した。 この船で、アトフィア教の港にも…

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2023/07/17

【第八章 王都と契約】第五話 ハーコムレイ

皆と別行動になった。 ナナは、フェムサリムの実家に顔を出して、王都との状況を確認したあとで、こちらの状況の説明を行うようだ。あとは、宿屋の性質を知っている為に、状況次第では神殿の中に宿屋を作ってもらう提案をすると言っていた。 リカールは、先ぶれをアッシュの所に出してから、王都の顔馴染みを回るようだ。集合場所は、フェムサリムの実家に決まった。 久しぶりに訪れた王都を一人で歩いている。 アッシュの所には、リカールが情報を流しているはずだ。許可を求めてきたので、リカールが知っている内容なら流しても大丈夫だと伝えて…

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2023/07/03

【第三章 復讐の前に】第二十九話 前田果歩

起き上がろうとして失敗した前田果歩(推定17歳)は、自分の状況を”ほぼ”正しく把握していた。 シーツをしっかりと身体に巻き付けて体勢を整える。 寝たきりの状態が長かったために、体力はもちろんだが筋力も低下している。 ポーションである程度の筋力は回復しているが、自分の身体を支えられるほどには回復していない。 シーツを握るのがやっとの状況なのは自分が解っているのだろう。 無理はしていない。 支えられている状態を受け入れている。 「アニキ。ゴメン」 小さな声だが、前田教諭の耳にはしっかりと届いた。 声を発していな…

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2023/07/01

【第九章 ユーラット】第二十話 エルフの里

”コア:マリア” ”はい。マルス様” ”コア:マリア。貴方の巫女は近くにいますか?” ”最終候補者は、里に戻っております” ”急がなくても良いのですが、神託を降ろしてください” ”かしこまりました” マルスから、エルフの里に居る者たちに神託を降ろすように依頼が出た。 エルフの里は、アデヴィト帝国とは直接は国境を接していない。 しかし、帝国の複数の属国とは国境を接している。 帝国が、神殿への圧力と同時に、エルフの里に侵攻する可能性は低い。 しかし、マルスは、可能性の一つとして考えていた。 マルスは、ヤスにはマ…

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2023/06/29

【第三十章 新種】第三百十話

デ・ゼーウに情報を提供するために、ルートガーが部屋から出て行った。 方針も決まったのだし、もう大丈夫だろう。 もういい加減にチアル大陸に戻りたい。差し迫ってやることは思いつかないが、適当な理由を考えて帰ってしまおうか? ルートガーが戻って来るまで、新種に関して、解っていることを考察しておこう。考えるだけしかできないけど・・・。 中央大陸は安定してくれた方が嬉しいが、荒れたら荒れたで接し方を変えるだけで、チアル大陸への影響は少ない。少なくなるように動けばいい。 そうなると、安全面や今後の動きを考慮すれば、”新…

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2023/06/26

【第八章 王都と契約】第四話 村々

盗賊退治は、大きな・・・。大きすぎる問題に直結する物を見つけてしまった。誰かに丸投げが正しい対応だろう。 教会が、村々を襲わせていた。 それだけでもかなりのスキャンダルになるのだが、その先の指示が、教会の尊厳だけではなく、国の根幹を揺るがす可能性がある。 ツインズは、早々に情報の権利を放棄した。 立場が微妙な自分たちが持っていていい情報ではないというのが、ツインズの主張だ。 そして・・・。 もう一人の当事者になりえる人物は・・・。 「リン君。はい」 ナナは資料を見てから、俺に渡してきた。 こうなるとは思って…

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2023/06/25

【第三章 復讐の前に】第二十八話 奇跡

「先生。準備が終わるまでに、先生も湯あみをしてきてください」 「シャワーでいいのか?」 「はい。それから、できるだけ金属がついていない服を着てください」 「わかった」 「それから、女性陣に、妹さんの身体を清めさせます。下着や服はできるだけのない方がいいので、タオルやシーツで身を隠します」 「・・・。そうか、わかった」 先生が頷いたのを見て、3人は準備を始める。 女性陣が、服を脱がして身を清め始めるタイミングで、ユウキは部屋を出た。 隣の部屋を借りて、持ってきた白い布に、魔法陣を書き始める。 魔法陣を書くのは…

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2023/06/22

【第九章 ユーラット】第十九話 王国

国王の下に、辺境伯からの書状が届いた。 普段と同じ書き出しであるが内容は、石納の眉を顰めるのに十分な威力を持っていた。 「クラウスを王都まで呼び出す」 「陛下!」 「宰相か?なんだ?余の判断に異を唱えるのか?」 「いえ違います。クラウス辺境伯からの情報は、確かな物でしょう。ならば、陛下と私が辺境伯領に向い・・・」 「そうか・・・。御仁と会う事も考えた方が良いと言うのだな」 「はい。ユーラット一つで王国の安全が・・・」 「言うな。考えるまでもないが、ユーラットは、切り離さない(約束を違えるわけには・・・)」 …

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2023/06/21

【第三十章 新種】第三百九話

新種の話は一旦、棚上げすることにした。新種は気になるが、すぐに動くことができない。情報も不足している。今、動いても無駄になってしまう可能性が高い。 それ以上にやらなければならないことも残っている。 ルートガーからの報告は、大きな問題はなさそうだ。 ドワーフたちが思っていた以上に理性的だったのは、予想とは違ったが、いい誤算だ。 ドワーフたちは、求めていた鉱石を、デ・ゼーウから譲り受ける事で合意した。 必要な分量を確保することを、デ・ゼーウが約束したからだ。 デ・ゼーウは、ダンジョンを公開すると約束して、攻略を…

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2023/06/19

【第八章 王都と契約】第三話 盗賊退治

ナナの行動は早かった。 ”ツインズ”という双子の夫婦に話をつけて、俺たちも同行することに決まった。 イベント発生だ。 ゲームでは、サブクエストという扱いになるのだろう。 一番、ワクワクしているのがマヤなのはどうなのかと思うが、マヤは留守番(?)になる。ミトナルの中からサポートを行うことになっている。留守番という表現が正しいか解らないが、本人が留守番と表現したので、留守番が正しいのだろう。 ミトナルのスキルは、マヤのスキルで補完ができる事が解っている。 そして、マヤはミトナルの中から”第三の目”というべきなの…

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2023/06/09

【第三章 復讐の前に】第二十七話 覚悟

前田教諭は、黙って俺の手順を聞いている。 かなり・・・。違うな、傷口に塩を刷り込むような行為だ。認識している。 当初の予定とは違っている。 ポーションで治せるのは、身体の傷だ。脳神経も治せるのだが、心の傷は治せない。 心と記憶を分離する。 記憶が希薄になり、ドラマでも見たかのような感じになる。自分に発生したことだと認識は出来るのだが、どこか他人事のように感じるように分離を行う。この処置を行うために、前田教諭には苦痛を伴う記憶遡行を受けてもらう。妹さんが受けた身体と心の痛みを、全てを受け止めてもらわなければな…

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2023/06/08

【第九章 ユーラット】第十八話 そのころ

ヤスが慣れないことをしている頃。 リーゼは、神殿に来ていた。 サポートは、ファーストだけだが、マルスが監視をしているので、大きな問題になっていない。 リーゼが神殿に足を踏み入れるのは、今回が初めてではない。 エルフの里から戻ってきてから、皆が忙しそうにしている時に、黙って神殿に入ろうとした。武器と防具の一式を持ち出して・・・。 マルスからファーストに連絡が入って、アタックする前に見つかってしまった。 リーゼは、皆がヤスの為に知恵を絞っているのを、自分では知恵の面では役に立たないから、力をつけようとしたようだ…

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2023/06/07

【第三十章 新種】第三百八話

話を進めるほどに、ルートガーの表情が変わる。 「それで?お前の考えは?」 実際に発生した事案としての話を終えた。 もちろん、俺の考察は出来るだけ省いた。ルートガーの意見を聞きたいだけだ。 「先に、ルートの考えを聞きたい。俺の話だけだから、誘導してしまったかもしれないけど・・・。感想でいいから、聞きたい。考えの補填に使いたい」 俺の主観での説明だから、俺が導き出した結論がベースになっている。 ルートガーの見解が同じになってもしょうがないと思う。 話はできるだけ、贅肉をそぎ落として実際に発生していることだけを語…

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2023/06/05

【第八章 王都と契約】第二話 メリット

王都に向かう前に、セトラス商隊からの要望を受け入れて、大回りをすることに決定した。 セトラス商隊は、体裁を整えたいと事情を語った。 セトラス商隊の荷は王都を出た時の状態から大きく変っていない。メルナで増減はしたのだが、荷の性質は同じ状態だ。これで、王都に入るときに不思議に思われる可能性がある。そこまで見る者は少ないが・・・。 そこで、大回りになるが、王都での詰問を避けるために、現在の荷物を売って、新たに仕入れをおこなう。商隊として体裁を整えるためだ。 俺も、まだ神殿の状況を知られたくない。あと、王都に入ると…

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2023/05/18

【第三章 復讐の前に】第二十六話 ポーション

準備が出来たので、前田教諭に連絡をした。 留守電になってしまったので、一言だけ残してから、吉田教諭に連絡をして、状況を聞くことにした。 どうやら、前田教諭は、妹さんだけではなく、両親が事故で入院をしているらしい。それも、普通の事故ではないようだ。 吉田教諭から話せる範囲で、前田教諭が追い詰められている状況の説明を求めた。 やはりというか、クズが関係している可能性が高い。 証拠がないと言っているが、証拠が有っても関係がないのだろう。 吉田教諭と話をしていると、前田教諭から折り返しの連絡が入った。 「はい」 『…

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2023/05/16

【第九章 ユーラット】第十七話 慣れない事をする

カイルとイチカとドッペルたちが揃ってオペレーションルームに入ってきた。 「旦那様」 「ありがとう。セバス」 ドアを開けて、カイルとイチカが中に入ったのを確認した。セバスは、全員が部屋に入ったのを確認してから深々と頭を下げた。 ドッペルは、ドッペルだと解る姿に戻って、オリビアの横に移動する。オリビアが、自分のドッペルから”痛み”の情報以外を貰い受ける。ドッペルから見ていた情報をオリビアが必要だと判断した。 ヒルダの蛮行を誰かに聞かれた時にしっかりと自分の言葉で説明を行うためだ。 そして、カイルとイチカにしっか…

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