サイト小説の記事一覧

2020/04/19

【第五章 情報流出】第一話 日常

 旅行計画が進行している。  ユウキが、海外とかいい出したが、却下させてもらった。予算的な事もあるが、もっと現実的な問題として、5泊6日で、今から海外のホテルの予約を取ることはできるだろうが、パスポートが間に合わないだろう。国によって準備も違ってくる。なんと言っても、語学力の問題がある。  当初の予定の通り、伊豆に行くことにした。  伊豆は、思っているよりも広い。それに、あまり交通の便が良くない。正確には、車を使う事が前提になっているが、太い道が少なく、混雑が予測される。その上、観光地特有の問題も出てくる。…

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2020/04/19

【幕間章】幕間 両親たち

/*** 父親 Side 時期:タクミ・ユウキ 中学生 ***/ 「おい。克己。これはどういう事だ?」 「あぁ知らねえよ。桜。お前の所の、ユウキが来て、俺の家のソファーで寝ているだけだろう?」 「だから、なんで、お前の所のソファーで寝ている?タクミは?」 「タクミ?おい。沙菜。タクミは?」  妻に呼びかける。簡潔な答えが帰ってくる。 「知らないわよ。どうせ、作業部屋でしょ?」 「少し見てくる」  克己は、二階に上がって、作業部屋の前まで来た。  自分の作業部屋として使っていた部屋だが、手狭になった事もあり、…

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2020/04/19

【第四章 詐欺メール】第五話 報告

「ユウキ!ユウキ!」 「んーなに?あと五分」 「いいから起きろ。それと服どうした?」  ユウキは、自分の部屋に戻らないで、リビングで寝ていたようだ。  制服は、部屋で脱いで、シャワーを浴びて、着替えて、夕ご飯を食べたところまでは、一緒に居たので解っている。  下着姿ではないが、制服のシャツの下に来ているキャミソールだけの姿だ。下も履いていないようだ。ユウキに買った、毛布を使っているが、昨日履いていたズボンは横に脱ぎ捨ててある。 「服?あぁ暑いから脱いだ」 「暑きゃぁエアコン入れろよ」 「うーん。次からそうす…

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2020/04/19

【第四章 詐欺メール】第四話 解析

「タクミ」 「ん?」 「怒っている?」 「ん?別に?なんで?」 「ううん。なんでもない。それならいい」 「あぁ少し考え事をしていただけだよ」 「考え事?」 「さっきの事・・・それに、将来かな?」  ユウキには少しごまかした感じになってしまったけど、困っている人を助けるのは、別に嫌いではない。  でも、それだけじゃ食べていけない。将来的に誰かと結婚するかも知れない。子供ができる想像はできないけど、できるのかも知れない。そうなったら、困っている人を助けるだけでは、生活ができないのは間違いない。  オヤジや桜さん…

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2020/04/19

【第四章 詐欺メール】第三話 調査

「さて始めるか」 「タクミ。僕は?」  ユウキが、なにかを期待して、目をキラキラさせている。  手伝える事なんて”ない”とは言える雰囲気ではない。 「そうだな」  なにかないか、考えろ! 「どちらの端末、スマホから見る?」  マリ嬢が勢いよく手を挙げる。 「それじゃ、ユウキ。エリさんのスマホを学校 WIFI じゃなくて、今から書く SSID に接続して、アップデートがないか確認しておいてくれるか?」 「わかった。エリ。こっちでやろう」  SSID と 接続パスフレーズを書いた紙を渡した。  マリ嬢から、スマ…

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2020/04/19

【第四章 詐欺メール】第二話 依頼

 先輩たちの車が、駐車場から出るところまで見送った。 「そうだ!タクミ。部活の子から、なんか変なメールが来て困っているって言われたけど」 「変なメール?ストーカー的な奴?」  ユウキの荷物と自分の荷物を持ちながら、校舎に急いだ。  俺とユウキの校舎が違うので、まずは近いユウキの校舎に向かう。 「うーん。なんか、いろいろ言っていた」  話をあまり聞いていなかったのだな 「わかった、食堂でよければ、昼に話を聞くよ」 「了解!それじゃ、お昼にね!」 「はい。はい。食堂でな」  今日の授業は実習がメインになっている…

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2020/04/19

【第四章 詐欺メール】第一話 日常

「タクミ!」  なぜか、ここのところ、ユウキが俺の家に泊まっていく事が多い。  美和さんが顧問弁護士をしている、都内の会社に、オヤジを連れて行ってから増えてきた。桜さんも、なにか大きな事件に絡んでいるのか、たまにしか帰ってこなくなっている。オフクロは、定期的な仕事だが、もともとが時間帯が不規則なので、いつ居るのかもわからない。  そんな状況なので、学校から帰ってくると、ユウキが着替えに帰る事もあるが、そのまま帰らないで、夕飯を食べて、俺の家で泊まっていく。隣だから、帰ればいいというのだが、面倒だからとか、い…

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2020/04/19

【第三章 ソーシャルストーカー】第五話 報告

 罠に、ストーキングの”御本人”が掛かっているのは認識している。  ログを解析して、割り出しを急いでいるところだ。  ”ここ”まではいい。仕事として受けたのだ、当然のことだろう。  では、なぜログ解析を行っている現場に、会長と副会長とユウキが居るのだ?  邪魔だから帰ってくれと伝えたが、それなら、解析方法を教えてくれ手伝うと言われた。正直に伝えた、俺は、本心から、”説明するよりも、俺一人でやったほうが早いから邪魔”と、話した。3人とも理解は示してくれた。理解はしてくれたが、納得ができないと言い出して、手伝う…

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2020/04/19

【第三章 ソーシャルストーカー】第四話 特定

 アカウントに問題はなさそうだ。  普段使っているスマホも確認したが、アップデートが溜まっている事や、使わないアプリが大量に入っていたことや、使っていないアプリの通知を切っていなかった事などの指摘箇所は有ったが、大きな問題はなかった。  パソコンに関しても盗聴されているような事はなさそうだ。  ソーシャルストーキングは、Twitter で行われているという事だったので、Twitter を監視する事になった。  全員からのDMを拒否すればいいのだが、一度そうしたところ、TLにコメントが届いたり、友達(だと思っ…

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2020/04/19

【第三章 ソーシャルストーカー】第三話 調査

 10分の休憩が終わった。  先程、外に出されていた、蘭香も戻ってきていた。まだ少しふてくされているようだったが、頭を下げた事で、許す事にした。  続きとして、適当に選んだ画像を5枚ほど表示する。  選び方も Twitter に投稿されている画像を選んだ。  3枚の画像から、その人物の行動を予測する方法を説明する。  実際には、文章も付けられているので、もっと簡単に予測する事ができるのだが、画像からだけで判断する。  1枚目は、カフェでの写真の様だ。  写っているカップから、とあるコーヒーチェーンだという事…

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2020/04/19

【第三章 ソーシャルストーカー】第二話 依頼説明

 5分くらい遅刻して、クライアントが到着した。  打ち合わせの部屋は、もう一つの応接室になるようだ。  最初に、未来さんが、クライアントを話をして、俺が調査を受けるのか、話をする事になる。  先輩たちは、すでに、クライアントのところに行っている。  俺は、この部屋で待機している。  10分くらい経過したところで、副会長が俺を呼びに来た。  この時点で疲れて見えるのは、多分気のせいだろう・・・そう思いたい。  部屋に入ると、大きめのテーブルの上座の位置に、”お嬢”と呼びたくなるくらいの女性が座っている。その後…

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2020/04/19

【第三章 ソーシャルストーカー】第一話 状況確認

 先輩たちの卒業式が終わって、すでに2ヶ月が過ぎた。高校を卒業して、大学に通い始めているはずだ。  それなのに、なぜ、元会長と元副会長が、俺の家のリビングで、ユウキと一緒にくつろいでいるのだ? 「キミ。それで、僕たちの朝ごはんはまだなのかな?」 「はぁいぃ?」 「あっタクミ。僕は、パンケーキでいいよ。生クリームもいいけど、今日はちょっと大人にチーズで食べたいかな?」 「おっユウキ!それいいね。キミ。僕も同じでいいよ。あっ美優もいいよな」  なんなんだ。  この人達?  ユウキも昨日は、自分の家に戻ったはずな…

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2020/04/19

【第二章 裏サイト】第五話 報告と解決

 副会長に、言われるがまま着替えをしているユウキと会長を、少し離れたベンチで眺める事にしている。  豪語するだけあって、確かに、ユウキに似合っている。  かわいいって感じではなく、素直に似合っていると思える服装が多い。俺にはできない事だ。副会長を召喚して正解だったと思う。  会長は・・・いいか・・・。遊ばれている感じがする。だんだん露出が激しい物になっているのは、多分気のせいだろう。  二人が試着室に入ったタイミングで、副会長が手招きする。 「キミ。ユウキの予算を教えてくれ」  予算も気にしてくれるようだ。…

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2020/04/19

【第二章 裏サイト】第四話 調査結果

 APK は、WebView が貼り付けられているだけのアプリのようだ。  起動してみると、裏サイトが表示されるようになっていた。それだけなら珍しくもないが、IDとパスワードが自動で入力されて、裏サイトに入られるように作られていた。  そして、上下にアフィリエイトバナーが貼り付けられていて、”一日一回バナーを押してください”と、掲示板にかかれていた。  パケットを見てみると、アプリ用のアフィリエイトを行っている会社のバナーの様だ。  小遣い稼ぎをやろうとしているのか?  塾だけだと、多分、引き出せる金額にな…

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2020/04/19

【第二章 裏サイト】第三話 調査と対策

 ユウキは、翌日から塾に行くことに決まった。  連絡先を交換していた、早苗さんと待ち合わせて行くようだ。  オヤジが帰ってきていたので、軽く説明を行った。  もう塾内のパケット収集はできているようで、情報を流してもらった(丸投げされた)。そのまま、オヤジは風呂に入って、寝るようだ。オフクロは、夜勤のはずだ。桜さんは、署に泊まり込みだと言っていたし、美和さんは、最近顧問になった東京の会社に行っている。  パケットを精査していると、ユウキからの着信があった 『タクミ!』 「なんだよ?」 『タクミ。聞いて!いや、…

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2020/04/19

【第二章 裏サイト】第二話 問題発生-状況確認-

「タクミ。話は?」 「あぁ・・・ユウキの方は?」  娘さんの名前は、早苗と言うらしい。商業に通っている事は間違いないようだ。母親が言っている事と相違がなかった。  答え合わせをするように、確認をしていくが、”いじめ”の部分以外では違いはなさそうだ。問題になりそうな事は 「ユウキ。早苗さんは、塾は辞めてもいいと言っていたのだな?」  どこからか確保してき新しいケーキにフォークを刺しながら 「うん。今の塾も、受験対策だけしかやってくれないから、自分が”やりたい”事じゃないって話していたよ」 「そうか・・・」 「…

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2020/04/19

【第二章 裏サイト】第一話 問題発生-依頼-

 学校のネットワーク環境も整った。  校長や先生方は、約束を守ってくれて、校内に無線LANが張り巡らされた。校内では、無線LANが使い放題になっている。学生にとっては、スマホの転送量の節約にもなるので、歓迎された。  約束通り、ポートの制限だけを行って、ゲームサイトやSNSへの接続制限はされていない。  俺が学校側にした提案は、いくつかあるが、パソコンの利用に関しては、”おまけ”のようにとらえられている。  本命は、無線LANを使ったネットワークの構築だ。学校からパケットが出ていく時に、ファイアウォールを通…

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2020/04/19

【第一章 生徒会長と副会長からの相談】第五話 解決

 はぁ一つため息を着いて、皆を見回す。  さっきの上地とか言っていた先輩が関係しているのだろう。わからないように、パソコンを操作して、俺のスマホに着信が発生するようにした。  謝罪してから、席を外してから、廊下で話をした雰囲気を作ってから、先輩たちのメールアドレスに、カラオケ店に予約を入れているので、先に行って待っているように指示を出す。俺が行くまで、雰囲気を作らないで待っているようにお願いした。  三人の元に戻ってから、急用が出来て、外に出なければならなくなった旨を伝えて、一旦ばらして貰う事にした。先輩た…

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2020/04/19

【第一章 生徒会長と副会長からの相談】第四話 対策と方針(後編)

 会長が、慣れた手付きで、文章を入力して、DMを送信した。  その瞬間ツールに、DMが着信したことを知らせるアラームが表示され、動じにDMの内容が表示された。 「会長。副会長に送ったDMは、明日は6時に起きて、アニメを見る。ですよね。本当に、しょうもないですね」 「タクミ君が、他愛もない事って言ったから・・・って、なんで?え?」「そんな事ができるの?」 「はい他にも、消していない限り、過去のDMや副会長の投降した内容がほぼ全て見れますし、フォローしている人やフォローされている人の情報も全部わかります」 「送…

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2020/04/19

【第一章 生徒会長と副会長からの相談】第三話 対策と方針(前編)

 最初は、ソーシャルハッキングではないかと考えていたが、事象を聞いてみると、実際の端末へのハッキングが疑われる。  そうなると、リアルに仕込まれたのか、ウィルスを混入させられたか、TwitterのSPAMアプリを踏んだ事も考えられる。この中で、SPAMアプリは除外していいだろう。Twitter 上で画像を公開していないと言う事や、二人が付き合っている事実を、裏アカでも公表していないという事から、脅迫者がその事実を掴む事は出来ない。  カマかけという事も考えられるが、その事実は、他を調べてから考えればいい。 …

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2020/04/19

【第一章 生徒会長と副会長からの相談】第二話 問題発生(後編)

「その時に、金銭を要求するのか?」 「しないよ。するわけない」 「なんで?」 「え?頼まれたら嬉しいし、僕を必要としてくれているからね」 「そうだろう。ユウキに仕事を頼むときには、その”頼られて嬉しい”と言う気持ちが対価になっている。これは解るよな?」 「うん。なんとなく・・・」 「それじゃ、農家さんが何を対価に、野菜を渡してくれる?」 「タクミ。僕を馬鹿にしすぎているよ。そんなの、お金にきまっている!」 「そうだろう。農家は、お金を対価に、野菜を売ってくれる。それは、”…

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2020/04/19

【第一章 生徒会長と副会長からの相談】第一話 問題発生(前編)

「タクミ。居るのでしょ?出てきなさいよ」  階段下から、俺を呼ぶ声が聞こえる。  声の主は、子供の時から聞いている声で、間違いようがない。ユウキだ。 「ユウキだろ。上がってくればいいだろう?」 「バカタクミ。昨日言っただろう!”先輩が相談したい事がある”と」 「あっワリイ忘れていたは、その先輩は一緒なのか?」 「時計を見ろよ。バカタクミ!もう12時を回っている。約束は、10時だぞ!」 「あぁ・・・もうそんな時間なのか?まだ、29時位だと思っていた」  そうか、まずったな。  もちろん…

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2020/04/19

【第八章 リップル子爵とアデヴィト帝国】第十五話 ルーサという男

「旦那様。執務室でお待ち下さい」 「ん?執務室なんて作ったのか?」 「はい。旦那様と面談を希望する者、全員を神殿の工房に連れて行くわけには行きません」  ツバキがきっぱりと言い切った。マルスもセバスも当然だと考えている。  そして、常々ヤスが気楽に人に会いすぎると思っているのだ。神殿の中なら、多少は許されるだろうが、ユーラットや領都での行動はマルスとしても、眷属代表としてセバスやツバキが許容できる範囲を越えている。  しかし、マルスもセバスもツバキもヤスの行動を縛ろうとは思っていない。ヤスが外に出るのをやめ…

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2020/04/18

【第八章 リップル子爵とアデヴィト帝国】幕間 ルーサ

 俺は、ルーサ。貴族籍はすでに抜けているので、ただのルーサだ。あの夫婦に請われてリップル領で孤児たちを集めたり、攫われそうになるのを助けたり、スラム街で死にそうになっている餓鬼を助けたりしていたらいつの間にかスラム街の顔役の一角を占めるようになっていた。  裏方仕事が好きな俺には丁度良かった。  貴族の煩わしさもない。力だけが・・・。力がすべてを支配する場所は心地よかった。すべてを失った俺にはもっともお似合いの場所だ。  あの夫婦も、孤児院を開設して餓鬼の面倒を見ている。  どうしても、孤児院に馴染めない餓…

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2020/04/17

【第八章 リップル子爵とアデヴィト帝国】第十四話 ルーサがやってきた!

 ヤスは驚いていた。  カイルとイチカだけではなく、子供たちの身体能力が異様な高さを示していた。 「ヤス兄ちゃん」「ヤスお兄様」  カイルとイチカは、すでに自転車を乗りこなして、スクーターの運転も問題ではなかった。ブレーキの概念もしっかりと把握出来ている。カイルは、”勘”で操作するので 最初に運転ができるようになる。しかし、運転がうまいのはイチカだ。イチカは、ブレーキでカートが止まる理由から、構造が違う自転車ではなぜ構造が違うのか?スクーターの動かし方について、ヤスを質問攻めにした。  地頭がいいのだろう。…

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2020/04/16

【第八章 リップル子爵とアデヴィト帝国】第十三話 イチカとカイルの仕事

 ヤスは、リビングを出て地下にあるカート場に向かった。  マルスからのカイルとイチカがカート場に居ると教えられたからだ。 「ヤス兄ちゃん」 「お!カイルだけなのか?イチカは?」 「イチカは、リーゼ姉ちゃんの手伝いをしている」 「手伝い?」 「うん。カートの練習相手が欲しいって連れて行かれた」 「カイルは?」 「案内の仕事があるから、残った」  カイルは案内と言ったのだが、カート場に来るのは限られている。  リーゼ。ディアス。ドーリス。サンドラ。ミーシャ。デイトリッヒを除くと、数名が降りられるようになっている…

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2020/04/15

【第八章 リップル子爵とアデヴィト帝国】第十二話 嫌がらせ-ヤスの仕事-

『ヤスさん。王都に向かいます』 「サンドラ。頼むな。セバスも無理するなよ」 『旦那様。ありがとうございます。”あんぜんうんてん”で行ってきます』  セバスたちとの通信が切れた。  リビングに設置しているディスプレイには神殿が管理している領域が表示される。 『マスター。関所と村を作ります』 「そうだったな。候補地はあるか?」 『関所は二箇所、一つの村で管理したく思います』 「そうだな。関所の一つは現存している物を拡張すればいいよな?」  ヤスは、ユーラットに向かう街道にも関所が作られると思っていたのだが、現存…

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2020/04/14

【第八章 リップル子爵とアデヴィト帝国】第十一話 嫌がらせ開始

 カスパル。ディアス。サンドラ。デイトリッヒ組が出発して、一日半後にセバスが出発した。  セバスは、朝方に領都に到着した。  ヤスは、神殿のリビングでマルスから報告を受けていた。  カスパルも心配では有ったが同乗者が居るので無理はしないだろうと思っていた。セバスは、夜の長距離は初めてで、本人は大丈夫だと言っていたが心配になってしまったのだ。  マルスは、地図を表示してカスパルとセバスが運転する車両の現在位置を表示していた。  マルスにしても、ヤス以外の長距離の運転で、神殿の領域外に出ているので、データの収集…

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2020/04/13

【第八章 リップル子爵とアデヴィト帝国】第十話 嫌がらせ作戦

 壺の準備に手間取ったが、ドワーフたちの活躍で会議から3日後には、カスパルが運転するアーティファクトで、ディアスとサンドラとデイトリッヒが領都に迎える準備が整った。  塩100キロと砂糖100キロと胡椒20キロは、強奪される物だ。  領都で馬車に載せ替えて、王都まで運ばれる。壺には、レッチュ辺境伯の証が刻印されている。  貴族から王族や貴族に貢物として送られる場合には必ず刻印される。中身に印が付けられない場合には、入れ物に刻印される。  強盗や野党に襲われて強奪された物品で、貴族の印が刻印されている物品の場…

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2020/04/12

【第八章 リップル子爵とアデヴィト帝国】第九話 嫌がらせの準備

 ヤスが考えた”嫌がらせ”の準備は、神殿の都(テンプルシュテット)をあげて行われている。  ヤスが示した”嫌がらせ”という指標だが、神殿の都(テンプルシュテット)では主からの命令に等しい。会議が終わって、神殿に帰ると、マルスがすでに輸送に必要な物をリストアップしていた。セバスが行っている業務の引き継ぎや作らなければならない物品もあるために、開始はすぐには出来ない。  情報共有や協力を求める連絡をしておく必要もあるので、時間がある程度は必要になってくる。  サンドラは、即座にギルドから辺境伯に連絡をした。サン…

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