高校生の記事一覧
2023/07/24
【第四章 スライムとギルド】第二十話 報告(1)
方向性が決まった。 まずは、ポーションを用意しよう。それから、魔石を持っていってもらう。 ユグドに相談かな? 円香さんと孔明さんが、何かを話している。銀の名前が出ていることから、さっきの話なのだろう。私には解らない。そっちは、円香さんと孔明さんに任せてしまおう。 ”ユグド” ”なぁに?” ”ポーションを作りたいのだけど、材料は揃っている?” ”うーん。お水が欲しい。出来れば、綺麗なお水がいい!” ”綺麗な水?” ”うん” 二人を見ると、まだ話をしているけど、報告を終わらせたい。 「円香さん!孔明さん!」 「…
続きを読む2023/07/17
【第八章 王都と契約】第五話 ハーコムレイ
皆と別行動になった。 ナナは、フェムサリムの実家に顔を出して、王都との状況を確認したあとで、こちらの状況の説明を行うようだ。あとは、宿屋の性質を知っている為に、状況次第では神殿の中に宿屋を作ってもらう提案をすると言っていた。 リカールは、先ぶれをアッシュの所に出してから、王都の顔馴染みを回るようだ。集合場所は、フェムサリムの実家に決まった。 久しぶりに訪れた王都を一人で歩いている。 アッシュの所には、リカールが情報を流しているはずだ。許可を求めてきたので、リカールが知っている内容なら流しても大丈夫だと伝えて…
続きを読む2023/07/05
【第四章 スライムとギルド】第十九話 メモ
心に刺さっていた棘が抜けた。 まっすぐに俺を見ていた視線で、里見茜嬢が何かに気が付いたのだと思った。 そして、円香から直球を頭に投げられた。 気持ちが楽になった。 ギルドの情報を流す役割を持っていたからだ。 奴らの語っている”正義”には、どの角度から考えても共感が出来ない。しかし、真子を治すのには・・・。苦渋の選択ではない。俺は疲れてしまっていた。真子を殺して、俺も死ぬ事を考え始めた時に、奴らが俺に声をかけてきた。 最初は、眉唾以上の感想はなかった。 しかし、誘われるままに、奴らの会合に行くうちに、信じては…
続きを読む2023/06/26
【第八章 王都と契約】第四話 村々
盗賊退治は、大きな・・・。大きすぎる問題に直結する物を見つけてしまった。誰かに丸投げが正しい対応だろう。 教会が、村々を襲わせていた。 それだけでもかなりのスキャンダルになるのだが、その先の指示が、教会の尊厳だけではなく、国の根幹を揺るがす可能性がある。 ツインズは、早々に情報の権利を放棄した。 立場が微妙な自分たちが持っていていい情報ではないというのが、ツインズの主張だ。 そして・・・。 もう一人の当事者になりえる人物は・・・。 「リン君。はい」 ナナは資料を見てから、俺に渡してきた。 こうなるとは思って…
続きを読む2023/06/19
【第八章 王都と契約】第三話 盗賊退治
ナナの行動は早かった。 ”ツインズ”という双子の夫婦に話をつけて、俺たちも同行することに決まった。 イベント発生だ。 ゲームでは、サブクエストという扱いになるのだろう。 一番、ワクワクしているのがマヤなのはどうなのかと思うが、マヤは留守番(?)になる。ミトナルの中からサポートを行うことになっている。留守番という表現が正しいか解らないが、本人が留守番と表現したので、留守番が正しいのだろう。 ミトナルのスキルは、マヤのスキルで補完ができる事が解っている。 そして、マヤはミトナルの中から”第三の目”というべきなの…
続きを読む2023/06/11
【第四章 スライムとギルド】第十八話 桐元孔明
円香さんの笑顔が固まった。 「茜!」 頷くしかないです。怖くはないのですが、圧が凄いのです。 私が手を出せば、円香さんが、手を乗せてきた。 これで念話が通じるはずです。 円香さんに伝わるようにイメージして、話しかければ通話ができるはずです。 孔明さんは、部屋を出て行こうとしていたので、後片付けを頼んでみた。笑いながら了承してくれた。盗聴器の回収にも丁度いいと思ったのでしょう。 『茜。どういうことだ!』 円香さんも、念話の使い方をマスターしてしまっている。これなら、スキルを持っている私でなくてもいいのでは? …
続きを読む2023/06/05
【第八章 王都と契約】第二話 メリット
王都に向かう前に、セトラス商隊からの要望を受け入れて、大回りをすることに決定した。 セトラス商隊は、体裁を整えたいと事情を語った。 セトラス商隊の荷は王都を出た時の状態から大きく変っていない。メルナで増減はしたのだが、荷の性質は同じ状態だ。これで、王都に入るときに不思議に思われる可能性がある。そこまで見る者は少ないが・・・。 そこで、大回りになるが、王都での詰問を避けるために、現在の荷物を売って、新たに仕入れをおこなう。商隊として体裁を整えるためだ。 俺も、まだ神殿の状況を知られたくない。あと、王都に入ると…
続きを読む2023/06/02
【第四章 スライムとギルド】第十七話 看破
素晴らしいスキルが芽生えていた。 どうやら、ユグドではなく、クシナかスサノのまたは両方からの恩恵の様です。 スキル名は「隠蔽」と「偽装」です。もう一つは、あまり使わない気がします。アクティブスキルなのですが・・・。該当しそうな状況にはならないと・・・。思う。と、いいな。 使い方は、なんとなく理解が出来ます。でも、”偽装”に関しては、秘密にしておく必要がありそうです。実験で確認をした所、電子データには使えませんが、紙になっている情報の書き換えが出来てしまいました。書き換えは、私の筆跡になるのであまり使いどころ…
続きを読む2023/05/20
【第四章 スライムとギルド】第十六話 部屋の確認
部屋の前で跪いている私の足下に、クロトとラキシが、やってきて見上げてくる。 スサノとクシナは、私の肩に乗ってくる。 クロトの頭を撫でながら、大丈夫だと伝える。 壁沿いに”わさわさ”動いている樹木が目に入る。意思があるように動いている。 あれ、意思があるよね? ファンタジー的に言えば、エントかな? 個人的には、可愛いからドリュアスの方が良かったけど、考えない方がいいだろう。なんとなく、私の意思を汲み取っているように思える。 問題ではない。 部屋にまだ入っていないから、幻の可能性がある。幻であって欲しい。 壁一…
続きを読む2023/05/15
【第八章 王都と契約】第一話 ナナ
神殿から出て、王都に向かうことになっている。 シミュレーションを兼ねて森の中の出口を使った。 今は、セトラス商隊が神殿から出て来るのを待っている。 商隊の全員が現状で考えられる手続きをした場合に、商隊がフリークス村から廃墟の村に抜けるまでにどの程度の時間が必要になるのかを計測している。言い出したのは、リカールだ。 フリークス村と廃墟の村の住民以外からは、入場料を取ることに決まっている。 俺としては、銅貨2-3枚でいいと思っていたのだが、セトラス商隊から待ったがかかった。 提案されたのが、商隊が抜けるのに必要…
続きを読む2023/05/07
【第七章 神殿生活】第二十四話 王都へ
新規住民の話は、整理を行ってから、割り振りを含めて考慮することに決まった。 そして、イリメリが連れてきた住民が柔軟に対応をしてくれた。割り振りで揉めなかったのもよかった。 また、森の外周部には、まだ隠里があるようで、イリメリが住んでいた村の住民が、他の隠里を説得してくれることになった。 問題が全くなかったわけではない。 隠里から来た者たちは、身元が解ってしまうと、”脱税”の疑いで、奴隷階級に落されてしまう可能性が出てきた。 これは、セバスチャンが指摘したことだが、隠里の者たちも可能性として考えていたようだ。…
続きを読む2023/05/06
【第四章 スライムとギルド】第十五話 報告書の前に
ライが、カーディナルに乗って帰っていくのを見送ってから、階段ではない方から帰ることにした。 クロトとラキシは、おとなしいけど、さすがに外を歩かせるのには、リードがない? ”ニャウ!” え? リードがある?主殿から貰った? アイテム袋の中に入っている? はぁ・・・。 確かにリードだ。リードだけど、これは・・・。 私は騙されない。 これは、魔物の素材を使ったリードだ。手に持った事ではっきりとわかった。 でも、確かに見た目はリードだ。 手に持つ場所に魔石が埋まっていたとしても、これはリードだ。武器ではない。 通常…
続きを読む2023/04/23
【第七章 神殿生活】第二十三話 代表者
イリメリが連れてきた代表者との会合を持つことになった。 アデレード殿下は出席をしない。流石に、隠れ里のようになっていた者たちの前に殿下が出るのは、萎縮してしまう可能性が高い。同じ意味で、ルアリーナも最初の会合には参加しない。 イリメリは、案内をしてきたという立場で、会合には参加をしない。イリメリが口を出してしまえば、決定事項になってしまう事を恐れた。 ギルドは、ナッセが出席する。 他には、フリークス村の責任者として、ナナが出席する。 状況と全体の説明を行うために、セバスチャンが参加する。 俺は、参加しない。…
続きを読む2023/04/22
【第四章 スライムとギルド】第十四話 整理
帰路は、いろいろ考えながら歩いている。主殿は・・・。 クロトとラキシを、主殿が送ってくれることに決まった。 スサノとクシナのスキルを調整したいと言われてしまった。 その都合で、クロトとラキシのスキルが必要になってくるらしい。怖くて、それ以上は聞けなかった。聞いた方が、ギルドとしては正しいけど、聞くのが怖かった。 私の表情を読んで、主殿が簡単に教えてくれた。 簡単に言えば、クロトとラキシが持っている”眷属”の繋がりを、”横に広げる”らしい。 今までは、私が中心になって、クロトとラキシとスサノとタシナに繋がって…
続きを読む2023/04/17
【第七章 神殿生活】第二十二話 待ち人
ナナと一緒に神殿に移動した。 「へぇ中はこうなっているのね?」 「あぁまだ整備中だけどな。何か意見が有れば頼む」 「了解よ。それにしても、本当に・・・。凄いわね」 ナナは、感心しながらも、周りを見て質問を始めた。 表の街道は、両脇に店を構えているが、路地を作ったほうがいいだろうと言われた。 裏にも道があるほうが、住民が、荷物を抱えた状態で、客の前を歩く必要がないから、必要だと言われた。 丁度、タシアナが調整を行っていたので、ナナを紹介する。 タシアナとフェナサリムも一緒になって、質問と改良点を伝えてきた。 …
続きを読む2023/04/16
【第四章 スライムとギルド】第十三話 眷属
いろいろありすぎて、本来の目的を忘れそうになっていました。 頭陀袋に入っていた物は、”プレゼント”だと言われた物以外で、同じ素材が複数個ある物は質が悪(・)そ(・)う(・)な物を受け取ります。主殿が、悪い物で、値段を算出して欲しいと言っていたからですが、良い物でも悪い物でも、大きくは違わないように思えます。 委託販売の件では、値段は気にしないと主殿は言っています。 気にしないと言われても・・・。他のギルドメンバーに知られたら、ギルドが叩かれてしまいます。 そうならない為にも、しっかりとした値付けが必要になっ…
続きを読む2023/04/11
【第七章 神殿生活】第二十一話 ガルドバ
ナナと話をして、アロイ側に作ってある村を任せることが出来た。 神殿はギルドが管理を行う。森の中の村は、今後の課題として考えるとして・・・。 ナナとガルドバを、アロイ側の村に案内した。 思いっきり怒られた。 ガルドバがいうには、ここまで立派だと、”村”ではなく、”城塞都市”だと言われた。 「リン君。この”村”は、すぐに稼働したい?」 「え?稼働?準備が整ったら・・・。ごめん。考えていなかった」 正直に謝っておこう。 「アスタ。こいつ、頭がよさそうなのに、ニノサと同類だぞ?」 ガルドバが、凄く失礼な事を言ってい…
続きを読む2023/04/09
【第四章 スライムとギルド】第十二話 杖と付与
倉庫の中は、お宝で一杯です。 蒼さんが来ていたら狂喜乱舞していた可能性があります。 頭陀袋は、ラノベの定番でした。 こんな物を作らないで欲しかった。便利だから、使うけど・・・。主殿や家族たちからしたら、大した価値がない物だと解る。 ライは、今は可愛い男児(弟属性付き)だけど、実際には魔王クラスのスライムだ。スキルで、アイテムボックスの様な物があるらしい。主殿も同じようなスキルを持っているようだ。 「茜さん?」 「ごめんなさい。それで、主殿とライのスキルは同じなのですか?」 好奇心が抑えられません。好奇心が抑…
続きを読む2023/03/27
【第七章 神殿生活】第二十話 契約
ナナの表情が固まっている。 何を考えているのか想像ができる。多分、俺でも同じ事を言われたら、考えてしまうだろう。 「ねぇリン君。もしかして、新しくマガラ渓谷を越えられる場所を見つけたの?それとも、作ったの?」 「違う。神殿の権能で、ゲートを設置した」 「ゲート?」 「転移ができる門と言えばわかるか?」 「・・・。リン君。頭、大丈夫?それとも・・・。ニノサがうつった?」 「ひどいな。大丈夫。どこにもぶつけていないし。信じられないのは、しょうがないけど、今はゲートがあると思って、話を進めてくれ」 「・・・。わか…
続きを読む2023/03/27
【第四章 スライムとギルド】第十一話 聖樹
主殿に案内される形で、主殿の家の中を移動します。 「あっ」 哀しい気持ちになってしまいます。 「何か?」 見て、認識してしまいました。 無視して、通り過ぎるのは、私の気持ちが落ち着きません。 「主殿。あの部屋は?」 「祖父母と父と母の・・・」 「主殿がよろしければ、手持ちはないのですが、お線香を上げさせていただけませんか?お家を移動して、騒がせてしまったので・・・」 「ありがとうございます」 主殿の小さな声。 そして、大人なのか子供なのか、それとも・・・。人であった時なら・・・。違いますね。今でも、主殿と友…
続きを読む2023/03/19
【第七章 神殿生活】第十九話 ナナ
久しぶりに見るアロイの町並みには懐かしさは感じない。それどこか、寂れた感じがする。 「リン。どうするの?」 「ナナの店に急ごう」 街に人影はないが、マヤを誰かに見られたら面倒なことになる。 俺の考えが解るのか、マヤがミトナルの肩に乗って、何かを唱えると、マヤの身体がミトナルに入っていった。 「ミル?」 「ナナの店まで、僕の中で起きている」 「わかった」 俺とミトナルだけなら、注目を浴びる可能性はあるけど、問題はないだろう。視線は感じるが無視できる。 不気味な感じはしたが、すんなりと、三月兎(マーチラビット)…
続きを読む2023/03/17
【第四章 スライムとギルド】第十話 スキルと属性
もう疲れました。本当に、疲れました。これで、本題に入っていないのですから、拷問です。 でも、主殿の呟きを聞いてしまったら、”帰りたい”とは言えない。もっと言えば、私も主殿ともっと話をしていた。内容が心臓と胃に悪いのは諦めます。あとで、ギルドのメンバーを道連れにします。確定した未来です。しっかりと報告するまでが、私の仕事です。 「茜さん?大丈夫ですか?」 「なんでもないです」 「それなら良かったです。魔石の変形は慣れないと疲れますよね。あっ!でも、茜さんは、クロトちゃんとラキシちゃんが居るから大丈夫なのでしょ…
続きを読む2023/03/12
【第七章 神殿生活】第十八話 出立?
俺の前で、王都に出立するはずの二人が見苦しい抵抗をしている。 「アデー。ルナ。そろそろ、あき」『旦那様』 急に、ブロッホが割り込んできた。 「すまん。少しだけ席を外す。アデー。ルナ。でも、本当に、王都に行かないのなら、俺がサリーカと行くからな」 会議室に眷属を連れ込んで、戯れている者たちに、席を離れると告げて、部屋を出る。 『どうした?』 ブロッホが慌てるほどのことが発生したのか? それとも、他の・・・。 『渓谷に人を捨てていた一団を捕えました』 どういうことだ? ロルフから、神殿に人が落ちてきたと報告があ…
続きを読む2023/03/05
【第七章 神殿生活】第十七話 各種設定
アデレードとルアリーナとサリーカの旅立ちは延期された。 主な理由は、アデレードとルアリーナとサリーカが、自分の眷属を愛でる時間が欲しいと言い出したからだ。それなら、俺が王都に向かおうと思ったのだが、そっちはロルフとフェナサリムとタシアナに反対された。 神殿の整備を任せていたロルフが俺の所に、マヤと一緒に来た。マヤは、ミトナルと入れ替わっている。 皆には事情を説明しているが、大きくなった姿での挨拶をしておこうと思ったようだ。 「え?そうなると、今は、ミルが妖精なの?」 喰い付いたのはタシアナだ。 膝の上には、…
続きを読む2023/03/03
【第四章 スライムとギルド】第九話 魔石と魔核
主殿は、小さな声で、”ありがとう”と言ってくれた。 その心遣いが嬉しい。そして、主殿が言っているように、スキルを持って、心が化け物に変わってしまった人は、沢山・・・。哀しい事ですが、事実です。ワイズマンに聞かなくても、ギルドの公式資料に書かれています。 筋力アップのスキルを得た者が、恋人を殴り殺したなんて話は、それこそ両手両足の数でも足りない数があります。 研究員の中には、スキルは人の精神を変質させると訴える者も居ますが、確固たる証拠が提示できない状況です。 「茜さん?」 「はへ?」 なんか変な声になってし…
続きを読む2023/02/27
【第七章 神殿生活】第十六話 お見合い?
アデレードとルアリーナの強い。本当に、強い要望で、眷属の紹介を先に行うことになった。 バックヤードに連れて行こうかと思ったが、途中でブロッホから待ったがかかった。 「ブロッホ?」 「旦那様」 ブロッホが人型の時には、”旦那様”と呼ぶことにしたようだ。 俺の呼び名に関しては、”リン”で統一して欲しいと言っているのだが、皆が勝手に呼び出したので、面倒になってしまっている。それに、”名”を呼ばれなくても、繋がりがあるので、問題になることはない。 「どうした?」 「お客人を、神殿内部にお連れになるのは、時期尚早だと…
続きを読む2023/02/26
【第四章 スライムとギルド】第八話 聞きたくない
「お邪魔します」 「はい。スリッパをどうぞ」 主殿の家は、外から見た時と印象が全く違った。 周りに民家が無いのも不思議です。 「ありがとうございます。聞いていいですか?」 「なんでしょうか?」 「主殿の家の周りには、民家がないようですが・・・」 「あぁ・・・」 「あっ言い難いようなら・・・」 「別に、隠していないですし、調べたら解ってしまう事ですので・・・」 驚愕です。 聞いた、自分を褒めてあげたい。主殿のご両親と住んでいた家だということだ。これで、主殿の素性が解る。円香さんからの宿題の一つが解決した瞬間だ…
続きを読む2023/02/19
【第七章 神殿生活】第十五話 王都へは?
神殿での役割が決まって、これからの事を決める前に、王都の奴隷商(アッシュ)の所に行こうかと思っていた。 王都の様子も気になる。 教会勢力と宰相派閥とローザス派閥。それに、王族を指示する派閥が複雑に絡み合っている。正直、神殿に影響がなければ放置でもいいと思っているが、どうやら宰相派閥の中に、俺たちの”敵”が居るらしい。教会勢力も、いくつかに分断されている状況で、こちらに手を出してくるか解らない。友好的なのか、敵対的なのか、その時の状況次第だろう。 数日は、神殿で皆に意見を聞きながら調整を行っていた。 俺が、神…
続きを読む2023/02/18
【第四章 スライムとギルド】第七話 道中
「あ!」 主殿が、急に困った顔をしました。 「どうしました?」 「茜さん。私たちの家の場所は把握されていますか?」 言っている意味が解らない。解らないけど・・・。 「正確な場所はわかりません。大凡の場所は把握しています」 これで合っているのか不安ですが、他に言いようがありません。主殿の家の位置は、把握していますが、正しいか解りません。 「そうですか・・・。それなら、家への道は解りますか?」 「はい?」 「かなりの坂道です。私は、慣れているので大丈夫ですが・・・」 やっと、主殿が何を心配しているのか解りました…
続きを読む2023/02/12
【第七章 神殿生活】第十四話 人材
皆が作業と確認を行うために、部屋から出ていく.残ったのは、ミトナル(肩にマヤ)とイリメリだけだった。 「リン君。お願いが」「何?」 イリメリの発言を遮るように、ミトナルが俺の前に現れる。 「ミトナル。そうね」 「うん」 何か、二人で納得している。 「リン。皆に、護衛を付ける」 「あぁ・・・。そんな事を言っていたな」 「それなら、僕が案内する」 ミトナルとマヤが、皆に眷属を紹介しながら、護衛になりそうな者を探すようだ 状況から、アデレード殿下には複数の護衛を付けた方がいいだろう。 「ミル。マヤ。頼めるか?あと…
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