チートの記事一覧
2022/08/23
【第六章 ギルド】第三十一話 分裂
ハーコムレイが何も言ってこない所を見ると、既に決定事項になっているのだろう。 領地?が増える? ほぼ、西側の森を、俺に渡す意味があるのか? よくわからない。くれると言うのなら貰うけど、統治とかあるのなら断ろう。俺には、統治や領地運営なんてできない。 「それで?」 「ん?」 ローザスがいきなり”何を言っている”と言いたいような表情をする。 それは、こっちのセリフだ。 「だから、俺に何をさせたい?」 「え?」「ローザス!リン=フリークスに、”お願い”の内容を伝えていない」 ハーコムレイが、眉間にできた皺を触りな…
続きを読む2022/08/14
【第五章 共和国】第三十六話 指紋
まだ下層が存在しているようだ。 ボスを倒して、発現した魔法陣に乗って、下層に移動する。全員が乗った所で、魔法陣に魔力を流す。 魔法陣は・・・。 発動したけど、ここで問題が出るのか? ”4桁の数字を並び替えて、最大にしたものと最小にしたものとの差を計算する。これを繰り返すことで、現れる数字を答えよ。ただし、同じ数字だけで構成された整数は除く” また面倒な問題だな。 カプレカ数だろう? 「アル。問題には、選択肢は出ているのか?」 「出てない。4桁の数字を入力する様になっている」 「”6174”と入力してくれ」 …
続きを読む2022/08/13
【第六章 ギルド】第三十話 提案
馬車に乗り込むと、ローザスとハーコムレイが座っている。 雰囲気は、悪くない。 セバスチャンも乗り込んでくるかと思ったが、俺が馬車に乗り込むのを見送るような状態で、頭を下げている。セバスチャンには屋敷で働く者の統括をお願いしている。人員に関しても、まだまだ足りないのだろう。 そうか、屋敷で働く者たちの給金や生活の補償をしなければならないのだよな。考えると、金がない。 「リン君」 「なんでしょうか?殿下」 「固いよ。ローザスと呼んでよ」 「わかりました。アルフレッド=ローザス・フォン・トリーア第一皇子様。私の様…
続きを読む2022/08/06
【第五章 共和国】第三十五話 ボス戦
最下層を目指すのは、初めから決まっていた。 全速ではないが、魔物が出てきた場合でも、対処が可能な状況を維持しつつ、最速で最下層を目指す。 エイダには、全力で索敵を行ってもらっている。 アルバンも、カルラも、問題はなさそうだ。 最下層の直前(だと思える場所)に、ボス部屋が設置されている。 アルバンが、躊躇なく扉を開ける。俺とカルラを見たことだけは褒めてあげるが、開ける前に一言くらいは欲しかった。 ボスは、黒い靄を纏っていない。 「相手は、キングエイプ。エイプ種の手下を5体」 カルラがボス部屋を観察して報告を上…
続きを読む2022/08/06
【第六章 ギルド】第二十九話 修羅場?
ギルドの入口が見えてきた。 しっかりと見張りが立っている。 知らない顔だ。 ハーコムレイかローザスが雇った護衛か? 「なぁリン。大丈夫なんか?睨まれているぞ?」 「大丈夫だ。女子・・・。重久が中心になって作った組織だ。重久は、フェナサリム・ヴァーヴァンが名前だからな。間違えるなよ」 「おっおぉ」 「本当に、大丈夫か?」 「大丈夫だ。名前を覚えるのは得意だ」 まぁ困るのは、オイゲンだからいいけど・・・。 後ろを振り返ると、奴隷の少女たちが、俺とオイゲンの会話を聞いている。不思議な表情を浮かべている。 ハーフエ…
続きを読む2022/07/28
【第五章 共和国】第三十四話 ウイルス
中層のキャンプ地に、物資を届けた。 途中で狩った魔物や採取した物も一緒に渡した。 共和国内では、少量だがマジックバッグが流通している。容量も大きくないのだが、物が流通していれば、使っても不思議には思われない。 と、いうことで、問題はあるが、使ってしまおうということになった。 今回は、途中で狩った魔物や採取した物を提供する。 中層にキャンプを張って、イレギュラーに対応が可能な者たちだ。俺たちが持っている、マジックバッグを見ても奪おうとはしないだろう。 それに、奪われても、袋ではなくステータスボードに格納してい…
続きを読む2022/07/27
【第六章 ギルド】第二十八話 説明
アッシュから、奴隷を引き取る。 俺に、頭を下げてから、アッシュは部屋を出て行った。 オイゲンは、アッシュが奴隷商だと知っている。自分を買った者だから覚えていたのだろう。俺の横には、セバスチャンが立っている。 しかし、オイゲンの視線は、俺と奴隷の少女たちを行ったり来たりしている。 お気に入りは、ハーフエルフなのだろうと思うが、獣人も気になる様子だ。満遍なく見てから、俺に視線を移してから、またハーフエルフに視線を戻す。忙しく、視線を動かすだけではなく、ソファーから立ち上がりかけている。 「オイゲン。座れよ」 「…
続きを読む2022/07/22
【第五章 共和国】第三十三話 エラー
次のダンジョンの攻略を考えている。 食料の供給元を先に狙おう。魔物の肉だけではなく、ダンジョン内から果物や野菜の採取ができる。 カルラからの情報では、狙っているダンジョンの現状、攻略を行っている階層は、47階層。 それなりに、深い階層を探索中だ。このダンジョンは、50階層が最下層だと予測されている。 攻略がストップしている理由が、40階層から下では食料がドロップしなくなり、物資が不足しだして、47階層で引き返したようだ。カルラが、軽く聞き込みをしてきてくれて判明した。40階層には、主が居るために、戻って採取…
続きを読む2022/07/20
【第六章 ギルド】第二十七話 勧誘
まずは、伴侶候補としての少女たちを確認する。 猫族、犬族、羊族、兎族とハーフエルフだ。茂手木の好みは解らない。他の友達との話を聞いていると、胸よりは腰派だったはずだ。よくわからないが、茂手木が気に入らなくても、茂手木に押し付けるつもりだ。茂手木にやってもらうことを考えれば、手伝いは必要だろう。 美形が揃っている。ケモミミバンザイは口癖のような奴だ。ハーフだがエルフも居る。アッシュに確認したが、全員が処女だ。これなら、茂手木も文句は言わないだろう。伴侶候補としても十分だ。 呼び名は消されてしまっている。スキル…
続きを読む2022/07/12
【第五章 共和国】第三十二話 翻訳
装置を見ると、少しだけ面倒だと思える。 「カルラ」 「はい」 「素数って解るか?」 「”そすう”ですか?聞いたことがありません」 アルバンには、聞く必要はない。 そうか、素数は基礎だと思ったけど、スキルの起動時にも意外と関係するのだけどな。 「カルラ。スキルの発動時に、1つ。2つ。3つと発動はできるよな?」 「はい」 「でも、4つの重ねは失敗する」 「はい。神々の喧嘩です」 そう、この世界では、重ね掛けは、素数で管理されている。道具を作るときに気が付いた。同じ素材に4つの付与は失敗する。だから、複数の素材に…
続きを読む2022/07/12
【第六章 ギルド】第二十六話 オイゲン
セバスチャンが、アッシュに向かって”あの者”という言葉をつかって、リストに入っていない人物の事を問いただしている。 それだけ、有用な者なのか? アッシュをみると、少しだけ先ほどの表情とは違って、何かを考える表情をしてから、俺を見ないままセバスチャンからの問に答える。 「あの者の取り扱いは・・・。王家から、注意が入っています」 王家? それほどの者なのか? 他国の貴人とかだと、困ってしまう。扱いという面で・・・。 「注意?」 セバスチャンも、内容までは知らないようだ。 しばらく、二人のやり取りを聞いている。 …
続きを読む2022/07/05
【第五章 共和国】第三十一話 黒い石
アルトワダンジョンを、ウーレンフートから来た者たちに任せて、次の町に向かっていた。 クォートとシャープが野盗たちを引き渡して帰ってきた。 「マスター。マスターの想定した、最悪のパターンでした」 絶望感・・・・。あまり、”感”という言葉は好きではないが・・・。共和国も、結局は形を変えた、権力主義の集まりだと認識した。平等を謳っているだけに帝国や王国よりも酷い可能性もある。 「わかった。カルラ。プランA」 本当は、プランFが良かったのだが・・・。 「はぁ・・・。わかりました」 カルラの気持ちも解る。プランAは、…
続きを読む2022/07/03
【第六章 ギルド】第二十五話 住民
アッシュに案内されて、奴隷商の中を歩く。建物は、大きく、掃除が行き届いている。しばらく、歩くと大きめの扉が付いた部屋に案内された。扉の方に向けて、大きめのソファーが置かれている。ソファーに勧められて腰を降ろすと、横にあるテーブルに飲み物が置かれた。 セバスチャンは、俺の横に居るようだ。 アッシュは、俺に少しだけ待って欲しいと言ってから、隣の部屋に移動した。 「セブ。子供たちを知っているのか?」 「はい。何度か、世話をしたことがありますが・・・」 「どうした?」 「この部屋は、もっと大口のそれこそ、2-30名…
続きを読む2022/06/26
【第五章 共和国】第三十話
アルトワのダンジョンを、ベルメルトに任せて、次の町まで移動した。 野盗の頭は、ダンジョンの肥やしになってもらうので、ベルメルトに預けてある。頑丈だし体力もあるので、いい肥しになるだろう。野盗のメンバーも同時に預けている。ダンジョンの中層に放置しておけば、”いい”実験ができそうだ。 元町人の犯罪者たちも、ダンジョンで働いてもらうことが決定している。命の灯火が燃え尽きるまで、ダンジョンから出る事は不可能だ。それが、俺から彼等に課した罰だ。この罰に文句があるのなら、神でも相手になる。 彼等は、俺から、大事な友を、…
続きを読む2022/06/25
【第六章 ギルド】第二十四話 契約
アッシュ=グローズの話を聞いて、少しだけ考えてみた。 奴隷と考えるから、ダメなのだろう。 従業員だと考えれば・・・。働いたことがないけど、なんとなくイメージはできる。眷属たちは、家族という認識だが、奴隷は従業員だと考えれば、棲み分けが可能だ。 「リン様。奴隷の準備が出来ました」 「わかった。場所を移動するのか?」 「順番に連れて来ることも可能ですが?」 「まとまっているのか?」 「職制別にしております」 「わかった。移動しよう」 「ありがとうございます。執事候補だけは、一名ですので、連れてまいります」 「わ…
続きを読む2022/06/18
【第五章 共和国】第二十九話 処理
ウーレンフートに居たメンバーが、俺の前で跪いている。 見たことがある顔が半分くらいで、残りは知らない(覚えていない)者も居る。前の方に居るのは、よく知るメンバーだ。ニヤニヤしている所を見ると、こいつらの仕込みだと考えるのが妥当だな。 無視するのがいいだろう。 後ろから襲ってきた奴らをしっかりと捕縛している。 「兄ちゃん。遅かった?」 「いや、丁度良かった」 尋問をしているクォートとカルラの方から、悲鳴が聞こえる。 結界を解除したようだ。連れてこられた者たちの顔色が変わっていくのがいい感じだ。 アルトワ町の町…
続きを読む2022/06/17
【第六章 ギルド】第二十三話 奴隷商
ローザスの目的は解らないが、確かに眷属は、”いい意味”で俺に従順だ。ロルフは違うが、ロルフはマヤに甘いだろう。 ブロッホは、苦言も呈してくれるが、俺以外への感心は薄い。眷属は、守るべき者たちだと認識しているが、他の”人”は、認識しているか怪しい。 いろいろな意味で、確かに、”人”が必要になってくる。 神殿に繋がる場所だと考えると、裏切る可能性がない者でないとダメだ。ブロッホでもいいが、ブロッホには神殿で、眷属のまとめ役を頼みたい。今後、眷属が増えるか解らないが、指示系統を考えると、移動速度と強さを兼ねたブロ…
続きを読む2022/06/10
【第五章 共和国】第二十八話 尋問
さて、苦戦している奴らは居るか? クォートとシャープは、数名を残して始末したようだ。 カルラは、殺しては居ないようだな。アルバンは・・・。アルトワ町に到着したくらいか?探索範囲外にいるようだ。 「エイダ。アルは?」 『合流したようです。こちらに向かっています』 「時間をカウントダウン」 『了。約21分33秒』 20分と少しか・・・。町長の尋問を始めようか? 結界の中で何かを怒鳴っている。 うん。俺が尋問を行う必要はないな。クォートに任せるか? 結界の設定に、少しだけ手を入れよう。 俺たちの声だけは聞こえるよ…
続きを読む2022/06/09
【第六章 ギルド】第二十二話 紹介?
貴族の機微が解らないと、足下から崩される可能性がある。 でも、俺が今から貴族を知るのは難しい。いや、不可能だ。神殿の運営は、知識があるロルフが居る。眷属たちは、ブロッホが居れば統率は大丈夫だろう。ロルフも、眷属との調整はできる(はずだ)。しかし、貴族家や教会とのやり取りには俺では知識が不足している。知識だけなら詰め込めばいいのだが、経験が圧倒的に足りていない。 「・・・。ークス。リン=フリークス!」 「・・・。へ?」 「”へ”ではない。貴様、話を聞いていなかったのか?」 「もうしわけない。聞いていません」 …
続きを読む2022/06/05
【第五章 共和国】第二十七話 瞬殺
先に動いたのは、クォートとシャープだ。 野盗・・・。盗賊?の動きが少しだけ早いので、このまま放置すると到着してしまう可能性がある。時間調整が必要になってしまう。 カルラとアルバンも、準備を整えたら、迎撃に向かう。二人なら、村人に毛が生えた程度の連中に遅れを取ることはないだろう。 「旦那様。行ってまいります」 「兄ちゃん!すぐに戻ってくる」 「アル。お前は、そのままウーレンフートの連中を誘導する役目がある。解っているのだろうな?」 「あっ・・・。もちろん、おっちゃん達を連れて来る。うん。忘れてないよ」 その顔…
続きを読む2022/06/02
【第六章 ギルド】第二十一話 村長?
ハーコムレイが、俺を睨んでくる。 睨まれるようなことは・・・・。沢山しているけど・・・。心当たりが有りすぎて、どれに該当しているのか解らない。 ひとまず、立ち上がったが、ハーコムレイの前に座りなおす。 「マガラ渓谷を越えた場所には、王家が管理している場所がある」 「はぁ・・・」 そりゃぁ他に用意できる権限を持つ者は居ないだろう? 「だが、運営を行う事も、村を作る事も、王家やミヤナック家が行うことはできない」 何を言いたいのか解ってきた。 確かに、マガラ渓谷を越えた場所は、王家の直轄領はあるが、街はもちろんだ…
続きを読む2022/05/28
【第五章 共和国】第二十六話 作戦?
馬車は、速度を落しながら進んでいる。ユニコーンとバイコーンは、速度の調整が難しいが、クォートとアルバンがうまく調整をしている。本来の速度の1/3~1/5程度だ。 探索のスキルを付与した端末には、馬車の前方と後方を遮断するようにしている者たちが居るのを示している。 速度を上げると、慌てて走り出す程度の技能だ。多分、後ろからついてきているのは、村長に唆された者たちだろう。手加減の必要はあるだろうが、温情をかける必要性は感じない。俺たちを襲うのは自由だ。だから、俺たちは襲われたら、その者たちを自由にする。 新しく…
続きを読む2022/05/26
【第六章 ギルド】第二十話 おい
ギルドに俺のメリットを提示して、ミルとミアが居る訓練場に向かった。 「ミル!」 声をかけるが聞こえていないようだ。 音を遮断しているのか? ミルが、ミアに武器の使い方を教えているのか? ミアが、ギルドが用意している模擬戦用の武器を選んで、レオを相手に模擬戦を繰り返している。 ミアのステータスは低くない。テイマーなら、本人が戦う必要は少ないけど、戦えて困らない。ギルドが用意している武器の中では、短剣が合うようだ。レオが徐々に速度を上げるが、攻撃を当てられないが、しっかりと対応は出来ている。種族的なものなのか、…
続きを読む2022/05/18
【第五章 共和国】第二十五話 出発
カルラとシャープが忙しく動き始める。 カルラは商隊と、シャープは反村長派と連絡を取るためだ。カルラは、わざと影からの連絡を受けているように見せかけている。町の中で連絡を受けたり、町から少しだけ離れた場所で連絡を受けたり、見張られている事を意識しながら、動いている。村長たちは、カルラや俺たちに気が付かれていないと思っているようだが、訓練を受けていない者の尾行だ。中途半端な尾行を見破れないほど、落ちぶれていない。 シャープはもっと露骨だ。 町長の娘婿の家に出向いて、こちらが掴んでいる情報を流している。そして、今…
続きを読む2022/05/17
【第六章 ギルド】第十九話 メリット
イリメリは、俺をまっすぐに見ている。 挑むような目線ではない。表現が難しいけど、挑発されているわけでも、攻撃されているわけでも、よくわからない目線だ。 「”白い部屋”で話された内容を考えてみた」 「え?」「続けて」 ルナが疑問に思っているような声を上げるが、イリメリが全員を見てから、俺を見つめて、説明を続けるように言葉を続ける。 「勝利条件は、全員を殺せとか、王になれとか、そんな事ではない」 ここで、全員を見れば、覚えているのだろう。頷いてくれる。 イリメリは思い出したのだろう。俺のメリットが解ったようだ。…
続きを読む2022/05/10
【第五章 共和国】第二十四話 急報?
地上に戻って、”町(村)”まで戻った。 「ツクモ様」 カルラが、宿で待っていた。 カルラの誘導に従って、宿から場所を町(村)の外れに移動した。アルバンは、カルラから荷物を渡されて、馬車に片づけるために、席を外した。 カルラの険しい表情と、わざわざ場所を移動した意味を考えると、何かよくない知らせが入ったのだろう。 「何があった?」 でも、本当によくない知らせが入ったのなら、クォート経由でエイダが受け取って、俺に知らせても良かったはずだ。 緊急性は低いが、重大な事案なのかもしれない。 日本人だった頃の記憶が薄れ…
続きを読む2022/05/09
【第六章 ギルド】第十八話 会話?
俺の言葉を受けて、サリーカは”やっぱり”という表情をしているが、他は、まだ理解が追いついていない。 「リン君」 やはり、サリーカだけが神殿の意味がわかるようだ。 「出入口だけど、例えば、メロナとアロイに設置した場合に、メロナから入って、アロイに出られる?」 最初に聞いてきたのが、さすがだな。 「可能だ」 「神殿の広さは?」 質問の流れから通路だろう。 「通路の幅や建物は自由に設置できる。もちろん、馬車がすれ違えるくらいの幅にできる。今は中央に、ラウンドアバウトを設置している。神殿の広さは、ダンジョンのよくあ…
続きを読む2022/05/02
【第五章 共和国】第二十三話 帰還
アルバンの宣言通りに、首を切り落とされたレッサーベヒーモスは、崩れ落ちる。 「兄ちゃん!」 アルが俺に向かって駆け寄ってくる。褒めて欲しいのだろう。 「よくやった」 「うん!」 「アル。使った剣を見せてみろ」 「え?剣?」 「あぁ無理していないか?」 アルバンは、素直に剣を俺に見せる。 俺も、剣の良し悪しはある程度は認識できる。簡単なメンテナンスはできる。アルバンの剣は、砥ぎが必要な状態に見える。本格的なチェックが必要な状況には見えないが、芯が歪んで居ると砥いだ時に解るらしい。 「アル。剣を砥ぐぞ。地上に戻…
続きを読む2022/05/01
【第六章 ギルド】第十七話 合流
ドアが勢いよく開かれた。 タシアナが、涙目のミトナルの腕を引っ張る形で、入ってくる。 タシアナとミトナルの後ろには、ルアリーナとサリーカが続いて、フェムやカルーネやフレットやアルマールも居る。最後には、目を伏せたイリメリが続いている。イリメリは、ミアと手を繋いでレオの首輪を握っている。さすがは、委員長だ。ここでも、委員長をやっているのだろう。 タシアナの目が怖い。 俺を睨んでいる。涙目のミトナルから推測できる。俺が想定していた中では、最悪な部類だ。 次は、タシアナがいうセリフも想像ができる。 「ギルドマスタ…
続きを読む2022/04/27
【第五章 共和国】第二十二話 ボス戦
最下層に降りてきて感じたのは、ウーレンフートの最下層と違うということだけだ。 本当に最下層なのか疑問はあるが、それは自分の感覚を信じる。 そして・・・。 「エイダ!」 『最下層です』 エイダが断言したのだから、最下層なのだろう。 ここで、今まで作っていたプログラム(魔法)を試してみる。 W-ZERO3を起動して、準備していたプログラムを起動する。 探索を行うプログラムだが、確かにこの階層から下に降りる階段は見つけられない。扉で塞がれた場所も、空気(魔素?)が入り込めれば探索ができる。やっと完成した魔法だ。ま…
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