スキルの記事一覧

2022/09/19

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十六話 念話と結界

円香さんは、念話の魔石を触って、何かを考えている。 「千明。この魔石を持って、キャンピングカーの外に出てくれ」 いきなり、円香さんが、千明にキャンピングカーの外に出ろと伝える。実験をしたいのは解るけど、最初に実験の説明をしなければ、千明が戸惑うだろう。実際に、千明はいきなり言われて動揺している。 「はい?」 「円香さん。実験をしなくて大丈夫ですか?」 「そうだな。使い方が解らないな。千明も念話ができるか触ってみるか?」 円香さんは、一つを千明に渡して、一つを自分で持つ。 『千明』 「え?頭の中に、円香さんの…

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2022/09/13

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十五話 規格外

千明に、円香さんを呼びに行ってもらった。 もう面倒なので、円香さんに丸投げすることに決めた。 話は、3つ。 一つは、眷属化だから、ワインズマンに入力するか確認すればいいだけだ。 『里見茜殿。本体に相談しました』 急にライが話しかけてきた。 「え?」 『里見茜殿は、説明が出来なくて困っている?違いますか?』 説明ができない? もっと簡単に言えば、ライの言葉を中継しなければならないのに困っている。 「そうね。ライが円香さんと話が出来たらいいとは思っている」 『はい。マスターから、贈り物です』 ライが少しだけ震え…

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2022/08/29

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十四話 会話

”ライ”が私を見つめている。多分・・・。スライムに目があるのか解らないが、”ライ”から視線を感じる。 まず、このスライムは”ライ”。本体が別に存在している。その本体との繋がりが出来て、はっきりと意思があるのだと言っている。 そして、スライムに名付けした者が存在している。”ライ”はマスターと呼んでいるが、主人なのだろう。 それだけではない。 ”ライ”は、円香さんのスキル構成を見抜いてしまっている。そういうスキルを持っているのか?それとも、スライム特有の能力なのか? 「千明?」 「ん?あっそうね。うん。茜に任せ…

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2022/08/21

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十三話 使い方

ギフトの使い方は、クロトが教えてくれた。 猫語が解るようになったわけではないが、私はクロトとラキシが何を言っているのか解るようになった。 どうやら、こちらに友好的な魔物とは意思が通じるらしい。クロトの上に乗っていたスライムが、アトスの上に移動した。 アトスの上に乗っていたスライムは、茜を見てから、アトスと何か話をする。 話をしているのは解るけど、私にはアトスの話は解らない。 「千明?」 アトスの話を聞いていたのだろうか、千明が少しだけ困った表情をしている。 「茜。スライムの話を、アトスが翻訳?してくれたけど…

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2022/08/11

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十二話 スキルとギフト

私は、里見茜。普通のギルド職員だ。 しかし、普通だと思えていたのも、ついさっきまでだ。 突然、脳内に、言葉が響いた。 『スキル:魔物鑑定を獲得』 『スキル:魔物支配を獲得』 『個体名クロトが眷属に加わりました』 『個体名ラキシが眷属に加わりました』 『眷属からのギフト:意思疎通が贈られました』 どうやら、私もスキルを得たようです。 『スキル:ステータス編集を獲得』 まだ終わっていなかった。 スキルが3つ?クロトとラキシが眷属?ギフトって何? ステータスは知っている。自分のステータスが表示される。でも、”ステ…

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2022/08/03

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十一話 大活躍

私は、里見(さとみ)茜(あかね)。ギルド日本本部の常識担当。 常識担当なのは、上司がぶっ飛んでいるのが原因だ。私くらいの常識人が居ないとギルドは成り立たない。 同僚?になった、元自衛官も脳筋と腹黒の二人で、円香さんと気が合う。円香さんとまともに話ができる時点で、私の中で二人は”偉人(変人)”としてのカテゴリーに分類される。 もう一人は、私と違った意味で常識担当の千明だ。 その千明は、朝から出かけている。 なぜかギルドで飼う事になった3匹の猫を病院に連れて行った。定期健診の知らせが届いた。里親募集で譲ってもら…

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2022/07/27

【第三章 スライム今度こそ街へ】第十話 スライム発生

天使湖の後始末が終わって、各国への報告を行い。 関係各所への説明が終わって、やっと人心地が付いたギルドに、緊急を伝える無線が入った。 「円香!」 「聞こえている。手が離せない。蒼。頼む」 「・・・」 上村蒼は、重い腰を上げて、無線をコネクトする。 「ギルド。上村。そちらは?」 「失礼。静岡県警。巡査の森下です」 「あの森下巡査ですか?それで、何かありましたか?」 上村蒼の表情が変わる。 森下の名前を聞いて、奥で作業をしていた。榑谷円香も無線の近くに移動してきた。 消防や警察からの連絡は、日常茶飯事だ。それこ…

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2022/07/19

【第三章 スライム今度こそ街へ】第九話 また街へ

街に行ってから、2か月が経過した。 家の中に居るのも飽きてきて、裏山の改造をしている。 頂上付近にある小屋を物見やぐらに変更した。細かいことは、私かライが行う必要があるけど、分体が居るので、平行作業ができるのはありがたい。別に、人が登れるような櫓を作っているわけではない。カーディナルたちが、羽を休めながら遠くを見るための場所だ。人だったころは登るのは不可能だけど、優秀なスライムボディなら問題なく登れる。 物作りや改造は、スキルを使いこなす意味もある。スキルの数が多すぎて把握が追いついていない。新しい家族が増…

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2022/07/02

【第三章 スライム今度こそ街へ】第八話 休日?

今日は、休日・・・。暦の上では・・・。 スライムになってから、曜日の感覚が無くなっている。 曜日とは一切・・・。関係がないが、気が付いたら、家族たちの知性?が上がっている。 特に、カーディナルとアドニスは顕著だ。 あと、なぜかパロットの知性が爆上がりしている。 知性が上がった事で、カーディナルとアドニスは、行動範囲を広げた。 私に許可を求めてきたので、許可したら、静岡市・・・。安倍川までをテリトリーと決めた。東は富士川。西は安倍川。南は駿河湾(岸から離れた位置)。北は県境までをテリトリーと決めて、監視網の構…

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2022/06/16

【第三章 スライム今度こそ街へ】第七話 後始末

天使湖の異常な状態が鎮静した。謎の人物?の参戦によって、天使湖に居た魔物たちは駆逐された。 朝日と共に飛び立った鳥たち。一人の少女と少年が居たように見えた。私だけにしか見えなかった。円香さんも、孔明さんも、蒼さんも、千明も、見ていない。私の勘違い? 大きい鳥。鷲とか鷹とかだと思うけど・・・。地面から飛び立った時には、少女も少年も居なくなっていた。眠気は無かった。透明な壁(結界?)に覆われていた場所から、一斉に鳥が飛び立った。種類もいろいろだ。鳥には詳しくないけど、一種類ではない。複数の種類が一斉に飛び立つ。…

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2022/06/02

【第三章 スライム今度こそ街へ】第六話 帰り道

必要な物は揃えられたと思う。買い忘れが有っても困らないけど、もう一度だけ確認しておこう。 ライに持ってもらっている物もあるけど、不思議な事にスキルのレベルが上がったのか、私とライの”アイテムボックス”に共有の部分が出来ている。買った物を共有の場所に入れておけば、二人で取り出しができる。今度、距離の問題があるのかとか検証をしてみようと思う。 今は、買い物の確認をしておこう。 「ライ。買い忘れはない?」 「うん。あっ!」 「どうした?」 「お姉ちゃん。あのね」 「うん?」 「パロットが、”ちゅーる”が欲しいらし…

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2022/05/17

【第三章 スライム今度こそ街へ】第五話 買い物?

帰りは、セノバから電車に乗って、清水まで移動して、市場(河岸の市)に行こう。留守番をしてくれている子たちにお土産を買っていきたい。肉よりも、魚系が好きな子が多い。街中で買ってもいいけど、しっかりした物を買うのなら、河岸の市が便利だ。 「ライ。他に、何か欲しい物はある?」 「お姉ちゃん。文字や言葉が学べる本ってある?」 「ん?文字や言葉?」 「うん。僕は、読めるけど、カーディナルやアドニスたちも、文字が読みたいみたい」 「え?カーディナルたち?」 「うん。他の者たちも!」 「そう?わかった。セノバの上に本屋が…

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2022/05/08

【第三章 スライム今度こそ街へ】第四話 町から街へ

早く駅に到達する方法は、カーディナルに送ってもらうか、人の姿で、スキルを使って走り抜ける方法だ。 しかし、目立つので、その考えは、頭から追い出して、素直に自転車を使う。 通いなれた下り坂を、いつも以上の速度で降りていく、カーディナルに乗って移動していたときに比べれば、遅く感じてしまう。 駅について、ホームに移動する。 誰にも怪しまれていない。地下の自転車が置いてある場所から、ライも一緒だ。ライは、交通系カードを持っていないから、二人分の切符を購入した。 『お姉ちゃん!お姉ちゃん!』 「ライ。声を出していいよ…

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2022/05/01

【第三章 スライム今度こそ街へ】第三話 出発

「お姉ちゃん」 「うん」 ライが、男の子の姿になって、私を”お姉ちゃん”と呼ぶ。 外では、マスター呼びは目立つうえに不審者に見えてしまう。似ては居ないが、”姉”という設定だ。名前は、”ライ”のままだ。本名は”雷太(らいた)”とでもしておけば不自然ではない。と、思う。ちなみに、女の子(私の分体)は、”フウ”だ。本名も、”風(ふう)”だ。とある、漫画の好きなキャラクターの名前だ。設定をマルパくした。誕生日は12月12日。射手座のA型。身長だけは、156cmには出来なかったのが心残りだ。 ”にゃ!” 「パロット。…

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2022/04/19

【第三章 スライム今度こそ街へ】第二話 確認

服は・・・。さすがに、制服はダメだろう。 でも、困った。平日の昼間に、街に行ったら、間違いなく怪しまれる。最悪は、警察の厄介になってしまう。 学校を辞めているから、補導されても困らない。でも、身元を証明するもの・・・。あ! (マイナンバーカード!) 良かった。作っておいて・・・。 写真も入っている。身分証明書として使える。親も親戚も居ないから、補導されたら・・・。うーん。 補導されない様にすればいいのか? 学校がある時間はダメだ。 夕方は、移動を考えると、難しい。まず、過保護な家族から許可が出ないだろう。 …

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2022/04/12

【第三章 スライム今度こそ街へ】第一話 家族会議

新しい子たちが、我が家の庭と裏庭に揃うまで3週間もかかった。 しょうがないのだろうけど、”転移”のスキルとか無いのかな?移動が面倒だ。私とライだけなら、カーディナルやアドニスに乗っていくこともできるけど、家族で移動を考えると、難しい。 高校を卒業したあとな、免許も取れていただろうけど・・・。今は、免許は無理だ。人の姿になれる。確認したけど、指紋もある。声は出せるようになった。遠征で新しいスキルが沢山芽生えた。まだ、ライや家族たちが検証中だ。私が得たスキルで、一つだけは私だけが得たスキルのようだ。 私が得たス…

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2022/04/01

【第二章 スライム街へ】第二十七話 謎?

透明な壁の中に充満していた煙?が消えた。 その後で、ムクドリ?スズメ?種類までは分からないが、鳥が一斉に飛び立った。 どこに、これほどの鳥がいたのか・・・。 それだけでも不思議なことだが、透明な壁の中にいた魔物たちが・・・。倒されている? なぜだ?何があった?戦闘音だけではない。”何も”音がしなかった。 「円香!」 隣にいる円香も、俺と同じように、魔物たちがいた場所を見つめている。 「孔明」 「円香。何が見えた!」 「・・・。聞きたいか?」 「俺も聞きたい」 蒼も俺と同じ考えのようだ。 俺には、何も見えなか…

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2022/03/14

【第二章 スライム街へ】第二十六話 ??

オーガ・キング(仮称)が倒れた。 ラストアタックは、私がもらってしまった。別に、ラストアタックだから、特典があるわけではない。多分。 ”ライ!” 『ダークとフィズの一部がオーガの範囲攻撃で怪我をしましたが、かすり傷です。命にも、移動にも、問題はありません』 ”よかった。他は?” 『疲れは出ていますが、問題はありません』 ”わかった。一度、拠点で休んでから、家に戻ろう” 『はい。結界に使った魔石は、回収しますか?』 ”うーん。回収をしておいたほうがいいとは思うけど、難しいよね?” 『いえ、人と接している場所は…

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2022/03/08

【第二章 スライム街へ】第二十五話 決着

”キング!クイーン!お待たせ” キングとクイーンが、オーガたちにスキルを浴びせかける。 ”ライ!” 『はい。タイミングはマスターがお願いします』 ”わかった。キング。クイーン。離脱!” 二人から、了承が伝えられる。 ”テネシーとクーラーは、キングとクイーンが抜けた場所にスキルを!” 『マスター。サポートに、フィズを!』 ”お願い。皆。キングとクイーンの離脱をサポート。行くよ!” キングとクイーンを追撃しようとしていたオーガがスキルを受けて、立ち止まる。離脱が成功したのを見て、ライから作戦が伝えられる。 『マ…

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2022/02/23

【第二章 スライム街へ】第二十四話 掃討

 キングとクイーンに、追加の援軍を送った。オークの処置は、後方で待機していた者たちに頼んだ。 ”ライ!” 『はい。ダークとドーンで、結界の外を警戒させます』 ”うん。魔物が居たら、討伐を頼める?” 『上位種までなら、色違いが居たら、ピコンとグレナデンを向かわせます』 ”お願い”  ダークとドーンなら、結界の外に居ても不自然には思われない。と、いいな。 『マスター。結界の外、2キロ範囲には、魔物は居ないようです』 ”わかった。動物も?” 『魔物になってしまった。猫が3匹だけ確認できました』 ”え?魔物?猫?”…

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2022/02/17

【第二章 スライム街へ】第二十三話 説明

 プロジェクターで表示されたデータを食い入るようにギルドのメンバーが見ている。 「それで円香?見えない壁がどうした?」 「孔明。説明の前に・・・。茜」 「はい?」 「把握出来ている魔物の位置を追加して欲しい。あと、獣は除いてくれ」 「難しいことを・・・。少しだけ待ってください」  里見茜が端末で、データの整理を行う。 「円香?」 「予想が当たれば、これからの対応が少しだけ楽になるかもしれないぞ?」  上村蒼は、榑谷円香の言葉を聞いて、浮かせた腰をまた椅子に降ろした。  柚木千明が、里見茜がデータの精査をして…

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2022/02/09

【第二章 スライム街へ】第二十二話 中盤

 結界はまだ作用している。  キャンプ場に居た魔物たちは、討伐できている。人の遺骸も見つかっている。人数は解らないが、マスコミが騒ぎ出すには十分な数なのだろう。 ”ライ。人らしき遺体は、一か所にまとめて” 『すでに指示をだしてあります』 ”ありがとう”  さて、中盤戦だ。  オークの上位種と色違いが相手になる。  オークの上位種だけなら、私とカーディナルなら、100体でも対応ができる。  でも、上位種の後ろに色違いが見える。オークが群れになっている。色違いは、戦力分析が難しい。よくわからない。  オークのテ…

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2022/01/31

【第二章 スライム街へ】第二十一話 想定外

 ゴブリンの上位種や色違いを討伐した。 ”ライ。慎重に対処して” 『はい』  ライから、皆に向けての指示が飛ぶ。  キャンプができる場所の殆どを解放できた。川?湖に隣接部分は、すでに魔物は掃討できている。 ”ライ。こちらの被害は?”  見た感じでは、被害は無いと思っている。  大けがを追えば、ライがすぐに知らせてくれる。撤退を考えなければならない。  気分が悪いだけで戦っている状況だ。無理をする必要はない。 『ナップが、人が放つ光で目をやられましたが、復活しています。アイズが、ゴブリンの色違いの攻撃を受けま…

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2022/01/23

【第二章 スライム街へ】第二十話 序盤

”ライ!状況を常に報告して” 『はい!』  ライにお願いをして、私たちは天子湖のキャンプ場に向かう。  向かっている最中も、外周部から攻めている者たちの状況が報告されてくる。  先行していた、フィズとナップが結界の中に入って、魔物たちへの牽制を始める。少しでも、私たちの負担を減らそうとしてくれているのだろう。 ”フィズ!魔物よりも、人の牽制をお願い。制服を来ている人と、スキルを持つ人には注意して!結界の内側から牽制をお願い”  フィズとナップから了承と返事が来る。  ライとのリンクで、制服を来ている者には注…

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2022/01/19

【第二章 スライム街へ】第十九話 開戦

 夕日が眩しい時間だ。  天子湖から、私たちがいる場所は離れている。私は、スライムになってカーディナルに乗っている。  状況分析と最終確認をしている。  結界も上手く作動しているから、天子湖にいる人たちは中には入られていない。  数名の、—多分自衛官だと思うけど・・・。結界を調べている。もしかしたら、鑑定のスキルを持っている人がいるのかもしれない。何度も、鑑定で調べているけど、私に繋がるような情報は結界では表示されない。  もし、私に繋がったとしても、今の私はスライムだ。問題になったとしたら、逃…

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2022/01/01

【第二章 スライム街へ】第十八話 報告

 円香さんにお願いされたミッションはクリアでいいのかな? 「千明!」 「あっ円香さん。舞に情報を渡してきました」 「そうか、解った」 「よかったのですか?」 「なにが?」 「舞は、直接報道はしませんが、制作ですよ?」 「構わない。どうせ、どこかに流す情報だ。それに、調べればわかることだ」  確かに、新しい情報もあるけど、調べればわかる事だ。  実際に、ギルドのメンバーになってみて解ったけど、隠すべき情報は、ほとんど存在しない。秘匿コードで呼んでいる、”ファントム”の情報くらいだ。ファントムを秘匿しているのも…

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2021/12/04

【第二章 スライム街へ】第十七話 絶望

 望月舞は、迷っていた。  手元にあるネタだけでは、番組にならない。ギルドのメンバーに、昔なじみの”柚木千明”を見つけて話しかけたが、重要な情報は聞き出せなかった。自分たちが持っている情報と違いはなかった。  ギルドから配られた情報には、知らなかった内容が含まれているが、それは皆に共有されてしまっているので、ネタとしては弱い。  本社筋からは、ギルドや警察や自衛隊を無視して、キャンプ場に突入しろと意味がわからない命令まで出ている。  もう、何人も死んでいる。幸いなことに知り合いに犠牲は出ていないが、地元の猟…

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2021/11/23

【第二章 スライム街へ】第十六話 最終確認

 円香が、テーブルの上に放り投げた資料は、以前に見せてもらった”ファントム”に関する物だ。 「そうか、ファントムか・・・。結界のスキルを持っている可能性があったのだよな?」 「あぁ。しかし・・・。この中に”ファントム”が居るとは思えない」  円香は、キャンプ場に集まっているマスコミや自衛官や警察官や消防官を見回している。 「そうなのか?!」  蒼は、驚くが、俺もこの中に”ファントム”が居るとは思えない。 「ファントムが、どんな移動手段をもっているのかわからないが、自衛隊や警察の関係者である可能性は低い」 「…

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2021/11/17

【第二章 スライム街へ】第十五話 結界?

 皆が、私の周りに集まってくる。  報告は、ライが受けている。 「ご主人さま」  ライが、皆からの報告をまとめてくれた。キャンプ場の囲い込みは成功した。問題は、小屋の周りだったけど、成功した。結界を張った周りには、魔物が居ない所までは確認が出来た。 ”どうしたの?” 「休んでください」 ”うーん。疲れていないけど・・・。そうだね。順番に休もうか?” 「はい」  私が休まないと、家族も休まない。警戒の順番を決める。どうやら私は必要がないようだ。ライも同じだ。  結界が機能しているから、警戒は必要がないとは思う…

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2021/11/06

【第二章 スライム街へ】第十四話 主導権?

 ギルドの面々は、キャンピングカーから降りた。三匹の猫は、キャンピングカーのケージに入れられている。 「上村さん!あっ!桐元さん」 「おぉ松。久しぶりだな。お前の部隊が来ているのか?」 「はい!松原小隊が封鎖及び魔物の掃討を行います」  桐元孔明も、上村蒼も、小隊が出てくるとは思っていなかった。分隊が出てきて、封鎖を行っていると思っていた。初期段階で、小隊が出てきているのに驚いた。 「ギルドの皆さんですか?山梨県警古屋です」  警察手帳を見せながら、古屋は松原と話をしていた、桐元孔明と上村蒼に話しかける。現…

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