スキルの記事一覧

2021/09/14

【第一章 スライム生活】第十二話 実験

 うーん。  スキル:結界も、情報が伏(・)せ(・)られている。私としては、安全になる可能性が高いし、使えるようになりたい。  魔石は、ギルドが”買い取ってくれる”ことはわかったけど、私にはギルドに売りに行く手段がない。  魔物(スライム)が、ギルドの窓口で”魔石”を売っていたらシュールだ。考えなくても、無理だとわかる。  私はどうやら成長するスライムらしい。”らしい”と言って、断言出来ないのは、寝て起きたら、サイズが大きくなった・・・。ような、きがする。実際に体積を測っていたわけでも、体重を量っていたわけ…

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2021/09/13

【第一章 スライム生活】第十一話 裏山

 やること(復讐)は、私の中で決定した事柄だ。  そのためには、私は弱すぎる。  幸いなことに、魔物(スライム)になってしまった。魔物(スライム)には、日本の法律、だけではなく、世界中のどの国の法律も、適用が不可能だろう。魔物に感情があり、知恵があるとは思われていない。そもそも、弱肉強食の世界だ。いつ、どこで、殺されても不思議ではないのが、魔物の世界なのかもしれない。  せっかく作った裏庭の池。  ビオトープではないが、水草や周りの環境も整えたい。本当なら、街に出て、ジャンボエンチョーとかで買い物をすれば、…

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2021/09/12

【第一章 スライム生活】第十話 里見茜

 私は、里見茜。  ギルド日本支部で、働いている。英語が活かせる職場だと聞いて、応募した。学生の時に、機械学習を専門にやっていたことを認められて、喜んで居た。過去形だ。こんなに、ブラックな状態になるとは考えても居なかった。 「茜!今日・・・。も、無理そうね」 「うん。ごめん。無理」 「主任は?」 「おじさんたちとデート」 「それは、ご愁傷さま」 「貴女の部署の上司も含まれているのだけど?」 「え?聞こえない。聞こえない。あのハゲは、滅ぼしていいよ。誰も困らない」 「でも、次の会長選に出るのでしょ?」 「え?…

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2021/09/11

【第一章 スライム生活】第九話 練習

 僕が得たスキルは、ギルドで検索を行っても”未知”のスキルのようだ。  やはり、僕だけの素晴らしいスキルなのだ。  当然だ。魔物(スライム)にしてしまうという凶悪なスキルだ。もしかしたら、ギルドは、この偉大なスキル”魔物化”を知っていて、Aランクという規格外のスキルを隠しているのかもしれない。  そうなると、僕もスキルを隠したほうがいいだろう。  スキルを隠すようなスキルを取得すればいい。  なんだ、簡単なことだ。  僕には、魔物を作り出せる能力がある。  スライムを作って、殺せばいい。  どうする?  誰…

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2021/09/10

【第一章 スライム生活】第八話 スキル

 気持ちよかった。スライムボディは本当に優秀だ。  今になって気がついたけど、もしかしたら・・・。家に帰ったら試してみよう。たしか、丁度いい物があったと思う。私は興味が無かったけど、ママのママが買ってくれた。あまりにも興味がなかったから、天井裏に入れたままになっている。  まずは、アイテムボックスの整理だ。  アイテムリストを見る。  え?ほぉ・・・。並び替えが出来るようになっている。使っていると、レベルでも上がって、機能が増えるの?  ゲームみたいだけど・・・。まぁ便利になるのだから、文句はない。  試し…

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2021/09/09

【第一章 スライム生活】第七話 ギルド日本支部

「主任!」 「どうした?」  主任と呼ばれた女性は、部下の女性からの呼びかけに、資料に落としていた目線を上げる。 「今日の会議での資料です」 「ありがとう。また、ハゲオヤジたちの相手をしなければならないのか・・・。代わりに出ては・・・」  部下の女性は、にっこりと笑ってから勢いよく首を横に降る。 「ギルド内の会議だけならいいのだけど・・・。なんで、利権にしか興味がない議員先生が出てくる必要がある」 「ギルドが利権の塊にでも見えるのでは?」 「赤字団体だぞ?私たちの給料だって、実動部隊を除けば・・・」 「主任…

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2021/09/08

【第一章 スライム生活】第六話 家

 うーん。  ソファーに座り?ながら考える。  学校に行けない(最終学歴は、中卒になるのか・・・)以外で、困ることがなさそうだ。  両親たちの保険が、口座に残っている。多分、前の生活を続けても、死ぬまで困らなかっただろう。  困るのは、食事くらいかと思ったが、スライムボディは優秀だ。一日が経過したが、食事をしたいとも、排泄をしたいとも、思わない。困るのは、睡眠が必要ないこと・・・。正確にいうとしたら、睡眠が出来ないことだろう。目を瞑っても、周りが見えてしまう。そもそも、目を瞑っているのかさえもわからない。 …

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2021/09/07

【第一章 スライム生活】第五話 魔物化

”なぜ、僕の呼び出しに、誰も・・・”  僕が、魔物化という素晴らしいスキルを得てから、何度も呼び出しているのに、奴らは、一人として呼び出しに応じない。  実験で、待ち合わせ場所に来ていた女子をスライムには出来た。 — 「よし!メッセージは送られた!」  彼は、覚えているアカウントに対して、呼び出しのメッセージを送った。  自分のアカウントだと、知られないように、フリーのアカウントを取得して使っている。  普通に考えて、知らないアカウントから、”お前の秘密を知っている。バラされたくなかったら・・・…

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2021/09/06

【第一章 スライム生活】第四話 魔物

 遅かった。  私の考えが、足りなかった。  私は、このまま魔物(スライム)生を終えてしまうのだろうか?  山の頂上から、丸くなって転がった・・・。までは、よかった(と、思いたい)。木々にぶつかっても痛くは無かった。岩にぶつかって止まってしまったことは有ったが、問題ではなかった。  転がっている最中に、名前が把握できている草木を、取り込みますかと連続で言われて、面倒になって、自動で取り込めないかと考えたのも問題ではない。その結果、自動採取という項目が増えたのも、問題ではない。何も、問題ではない。アイテムボッ…

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2021/09/05

【第一章 スライム生活】第三話 自衛官

 ドアがオックされる音で、部屋で書類を整理していた男は、顔を上げる。 「少佐。報告に来ました」 「入ってくれ」 「はっ」  ドアを開けて入ってきたのは、自衛隊の標準的な制服を来た。男性隊員だ。部屋の主である。少佐と年齢は同じだ。防衛大の同期なのだ。階級に差が出来てしまっているのは、中尉が”不良隊員”だと嘯いて実際に行動で”不良”を示してしまったからだ。  少佐と呼ばれた男は、報告に現れた男の顔を見て、一瞬だけ驚いた表情をした。  上から、本日付けで、少佐の副官が変わると通達が来ていたのを思い出した。上の考え…

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2021/09/04

【第一章 スライム生活】第二話 山道

 学校のなんとも言えない状況を知ってしまった、女子更衣室を抜けて、プールから山道に入った。  山道を、人の足で5分ほど歩けば、小屋が有るはずだ。まずは、小屋を目指す。スライムの身体での、移動時間の目安になるだろう。  私のスライム生は始まったばかりだけど、かなり慣れてきた。跳ねる移動方法も、最初は”うさぎ跳び”の要領で疲れてくるのを心配したが、歩くように移動できる。手が無いのも、触手?を伸ばすことで対応できる。もしかしたら、人だったときの感覚とスライムの感覚が混じって使いやすくなっているのかもしれない。今も…

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2021/09/03

【第一章 スライム生活】第一話 移動

 私は、どうやらスライムになってしまったようだ。 ”魔物になってしまった”  なんて例は、掲示板にもギルドにもないだろう。 ”ぽよんぽよん”  うーん。自分ながら、可愛い。是非、ペットにしたい。  現実逃避をしていても、何も変わらない。  私が持ってきていた荷物が無い。  そう言えば、着ていた服や下着は?誰かが持っていった?え?やだ!  私・・・。今、全裸?  これって、もし、スライムから、人間に戻ったら、全裸になってしまうの?  ここに居てはダメだ。  スライムになってしまった理由はわからないけど、ここに…

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2021/09/02

【序章】第三話 スキル

 怖い。怖い。怖くない。怖くない。怖い。怖い。怖くない。僕なら・・・。そう、僕は、選ばれた存在だ。  一般の人なら見つけられない。コボルトを見つけた。これで、僕の目的が果たせる。  犬と言うよりも、出来損ないの狼男だな。  出来損ないなら、完璧な僕が負けるわけがない。理科準備室は、入られなかったけど、調理クラブに入られて、包丁も借りてきた。ナイフも有った。そして、胡椒と一味を振りかければ、犬科なら撃退できるだろう。やはり。僕は天才だ。  まずは、真っ直ぐな場所に誘い込む。  そこで、一味をぶつける。怯んだ時…

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2021/09/01

【序章】第二話 登校日

 表現には注意していますが、”いじめ”や虐待の描写があります。苦手な人は、スキップしてください。 —  なんで、夏休みなのに、学校に行かなければならない?  アイツらに会いたくない。僕が何をした。何もしていない。  パパは、助けてくれない。それどころか、僕がアイツらに言われて、パパの財布からお金を盗んでも何も言わない。最初は、1,000円だった。それが、5,000円になって、10,000円になった。パパは、僕に無関心なのだ。僕が、殴られて、顔を腫らして帰ってきて何も言わない。見てもくれない。  …

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2021/08/31

【序章】第一話 え?

 空想上の生き物が目の前にいる。  違う。正確には、ガラスに映るのは、私だ。でも、私ではない。 『認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちというものを・・・』  ダメだ。現実は、何も変わらない。  私史上、言ってみたいセリフの15位(適当)を呟けない。  これってあれだよね?  ニュースで流れていた。”モンスター(魔物)”。  私も、人並みにゲームを嗜むから、すぐに理解できた。日本に、地球に、魔物が発生した。そして、モンスターを討伐すると、”スキル(異能)”が芽生える。始めて討伐するときには、高確率で…

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2020/08/31

【第二章 救出】第三十話

/*** イサーク Side ***/  食事を終えて、部屋を移動した。  少し低い感じの椅子があり、そこに腰掛ける形になった。フィリーネが、俺の正面に座って、新しくやってきた、ドリュアスが、ピムの正面に座る。  俺の右隣に、ナーシャが座って、左隣がピムだ、その隣に、ガーラントが座る形になった。  テーブルの上には、何種類かの飲み物が置かれている。  飲み物の他には、パンのようだけど、一口サイズの物が置かれて、それが乗っている皿には、蜂蜜だと思われる物と、赤い甘い匂いがする物と、柑橘の同じく甘い匂いがする物…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十九話

/*** フィリーネ Side ***/  私は、フィリーネ。大主様に仕える、ドリュアスの1人です。  ドリュアスの中で、名前持ちは、私と、もう1人だけなのです!  私たちは、ライ様の眷属である、スーン様の配下となるが、ライ様とスーン様から、大主様直轄になることを許されている。  他の眷属も同じ扱いだ。その中で、名前持ちは、魔蟲がそれぞれ6匹。最初に進化した者だと教えられた。エントも同じく、スーン様配下で5体が名前持ちになっている。ドリュアスは、スーン様からのご命令で、ヒト型になって、大主様のお世話をするメ…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十八話

/*** 獣人族 Side ***/ 「猫族よ。それは・・・いや、嘘を言ってもしょうがないな」 「エーリックたちは、知っていたのか?」  今まで、話の成り行きを見守っていた、ロロットが口を開いた。 「いや、もしかしてという気持ちは有ったが・・・伝説級の魔物を眷属に従えている。いや、伝説級に進化したのか?」  エーリックが、ロロットの問いかけに答える。  事実としては、”伝説級に進化した”が正解なのだが、今は、どちらでも結果は、変わらない。 「ヘルズ。これでわかったか?」  ロロットがヘルズに話しかける。 「…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十七話

 さて、どうしたものか?  目の前で行われている事を、どう理解したらいいのだろうか?  俺は、獣人族の救出を行った。ここまでは、俺の気分の問題だ。俺がやりたいから、”やった”だけだ。  救出した獣人族を引き連れて、拠点に帰ってみれば、岩山の麓に、石壁が出来上がっていた。どのくらいの長さがあるのだろうか?  確かに、”獣人族を連れて帰る”と伝えた、伝え方が悪かったのか?2,000名規模なら、こんなにいらないよな?  数キロ・・・スーンからの報告では、5キロ位になるのだろう。扇形に石壁が作られている。俺がなんと…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十六話

/*** スーン Side ***/  大主様が、明後日にはご帰還なさる。  獣人族を、1,274名引き連れてくるようだ。カイ様やライ様から、お聞きした所では、スキルカードや武装をかなりの数、確保されたようだ。  武装に関しては、大主様しか使わないのだが、人族の作る物の研究になるだろう。  当初、カイ様とウミ様が来られた時には、反抗的な態度を取って、ボコボコにされたのが懐かしい。”人族(カズト・ツクモ)に仕えないか?”と言われて、頭に来たのだが、エルダー・エントの我を軽く吹き飛ばす、カイ様と、スキルを使いこ…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十五話

 各所に網を張っていた、人族を倒して、捕まっていた、獣人族を解放していった。  中央に突っ込んでいった、ライとはすぐに合流できた、ライに付けた蜘蛛たちは、保護した獣人族や、捕縛した人族を、エイントたちが作っていた、退避場所に送ったと言っていた。  残ったのは、ライと、一回り大きいリーダに指名した蜘蛛だけだ。  俺と、カイとライで、ウミの援軍に向かう事にした。  苦戦しているわけではなく、捕えられていた獣人族が多いのと、人族も多いので、移動が難しいと連絡が入っている。 「ライ。近くに居る、エントやビーナやアン…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十四話

/***** カズト・ツクモ Side *****/ 「エーリック。戦闘場所に検討がつくのか?」 「すまん。いえ、すみません。話から、黒豹族辺りだとは思います」 「エーリック。別に、言葉遣いは、普段のままでいいぞ。それよりも、場所か・・・戦闘が行われている。そうか!」 『ライ。近くに、スーンの手の者がいるよな?』 『うん』 『逃げた獣人たちは保護しているのだよな?』  近くに居るエントから念話が届く。 『はい。大主のお言いつけ通りに』 『案内はどうしている?』 『エントとドリュアスを付けています』 『わかっ…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十三話

/***** 3人の獣人 Side *****/  スーンが、部屋から出ていった。 「ふぅー」「死んだかと思った」「・・・」 「豹族の。お主」 「すまん。俺は、ブリット=マリー。ブリットと呼んでくれ。白狼族の、熊族の、すまん」  豹族の男は、頭を下げる。  事実、熊族や白狼族が言っている事はわかるが、3人居ればなんとかなると思っていたのも事実だ。それが、見透かされて、殺気だけで、心が折れてしまいそうになる。なんとか踏みとどまったのは、自分の肩に、豹族の命運がかかっている。それだけで、踏みとどまれた。 「いい…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十二話

「それで?」 「はい。奴隷商人も捕えております」 「そっちはいい。獣人族は?」  夕方の時間帯に、野営していた奴隷商人たちを急襲した。  戦闘は、10分もかからず終わったようだ。こちらには犠牲者はいないということだ。奴隷商人の側にも、怪我程度の者は居るらしいが死亡者はいないということで、参加した者たちを褒めることにした。  捕えられていた獣人族も最初は戸惑っていたようだが、食事を与えた所、落ち着いてきたと言う。  眷属たちが護衛している場所で一晩を過ごしてもらうことにした。奴隷商人は、全員に目隠しをして、こ…

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2020/08/31

【第二章 救出】第二十一話

/***** イサーク Side *****/  俺は今猛烈に後悔している。  逃げるのが正解だったのではと思い始めている。しかし、逃げられるものではないと理解もしている。  ガーラントが小声で教えてくれた。  聞かなければよかったと思った。  俺たちを案内した4人だが、エントとドリュアスだという事が判明した。その上位者が居るという事は、エルダーエントである可能性が高い。  エルダーエント。  ”万物を知るもの”。”森の賢者”。そして、ブルーフォレストの支配層の一角。  それを従える者が居る。  俺たちは、…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第二十話

/***** ピム Side *****/  僕はいま執事に抱きかかえられながら、ブルーフォレストの中を疾走しています。  当初は、僕も一緒に歩いていましたが、休憩時に、日数的にギリギリだと執事に相談した所、今のような所業になったのです。  なにこの速度?僕が普通に走るよりも早いそれだけではなく、近寄ってくる魔物を瞬殺している。  目で追っていると、瞬殺された魔物を、フォレストビーナが抱えて持っていっている。あぁこうして、危険が無いように間引いているのだな。  約4日かかった経路が、半日で踏破されてしまいま…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十九話

 俺は、柄にもなく緊張していた。  今日始めて眷属以外の人と会うのだ。数日前から、エントやドリュアスに、客人への対応を教えていた。  教えると言っていたが、俺のリハビリでもある。  生前?は、いろんな人種に会ったが、失礼が無いように事前に知識を入れていたりしたが、こちらの人間の情報はあまりなかった。礼儀作法なんて知識も、与えられていない。もちろん、カイやウミやライは知らないようだし、エントやドリュアスも同じだ。  そこで、俺が考える・・・旅館のシステムを作ったときに、女将に聞いた最低限の礼儀作法(の触り)を…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十八話

/***** ピム Side *****/  岩山の麓で一晩過ごした。  ブルーフォレストの奥地だ。イサークが目指していた山だが、近づいて、その切り立った山肌を目の当たりにすると、ヒルマウンテンだと認識できた。ミュルダから見える山が目の前にある。ミュルダから見える山肌は切り立った崖の様になっていて、サラトガやアンクラムから見える山肌は、木々が生い茂る普通の高い山に見えるのだ。  僕ら、ミュルダで生まれ育った者たちに取ったら、ヒルマウンテンは、”悪いことしたら、ヒルマウンテンに捨てるからな”と言われて育ってき…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十七話

 俺の所に、冒険者から”会談を申し込む”と、いう連絡が来た。正確には、俺ではない。  ”デススパイダー・デスアント・デスビーナの主人に会って話がしたい”と書かれていた。それなら、ライやヌラ/ゼーロ/ヌルなのだろうけど、話ができるとは思えないし、本蟲?から、俺が大主だから、俺が出るのが良いという事になった。  相手も、”あるじ”が言葉が通じるのかわからないようで、羊皮紙に書かれた会談の申し込みを、俺が用意した温泉に貼り付けていったようだ。  言葉が理解できれば、これを持っていくだろうと考えた結果だ。先に、自分…

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2020/08/31

【第一章 遭遇】第十六話

 45階層のセーフゾーンは、いつものようになっている。  スキルは、レベル6石化がもらえたようだ。カイとウミとライと、眷属たちも無事スキルを得ている。初踏破時のボーナスは、どうなっているのかわからないが、少しだけいいものが出る時に、全く”ハズレ”の時がある。ガチャだと思っていればいいのだろう。  人数?的な縛りは無いが、ボス戦に参加していなかった者は、通常の踏破ボーナス相当で、初踏破ボーナスは、ボス戦に”はじめから”参加していた者だけで、呼子で呼び寄せた場合は対象にはならない。それでは、最初から大量に連れて…

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