ご都合主義の記事一覧

2022/01/21

【第十章 エルフの里】第二十話 襲撃

 ラフネスは、ナビに驚いている。  今までの者たちも、移動速度にも驚くが、一番に衝撃を受けるのは、ナビの地図情報だ。  この世界では、地図は一般的ではない。国家機密と言ってもいいほどだ。しかし、神殿から提供している”アーティファクト(トラック)”には簡易的な物になってしまっているが、ナビが付けている。  知識があれば、取り外しもできるだろうが、簡易キットでもしっかりと固定している。外すと、主要な部品が離れるようにしている。盗難対策だ。アーティファクトないの道具だから、アーティファクトがなければ動かないと思っ…

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2022/01/16

【第六章 ギルド】第七話 ミア

「リン様。一つ、お願いがあります」  突然、猫人族の長が俺に話しかけてきた。 「ん?」  長は、連れてきた少女を呼んでいる。固有名詞が無いのは、不便ではないのだろうか?  少女が、俺の前に出てきて、跪く。  どういう状況なのか解らない。ブロッホを見ても、何か納得した顔をしているだけだ。ミルを見てみても、首を横に振るだけで、俺と同じで困惑している。 「長?」 「リン様。この者を、リン様の従者として連れて行って頂けないでしょうか?」  状況がさっぱり解らない。 「どういうこと?」  ブロッホが耳打ちするように説…

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2022/01/12

【第十章 エルフの里】第十九話 大興奮

 話がまとまったので、リーゼを呼びに行く、隣の部屋なので、結界を解除して、声をかければ、すぐに部屋に入ってきた。  そこまではよかった。  栗鼠(カーバンクル)と、猫(キャスパリーグ)と、鷲(ガルーダ)を見て大興奮。  可愛い以外には言葉が離せなくなってしまったのかと思うくらいに大興奮だ。 「リーゼ?リーゼさん?」 「なに、ヤス。今、忙しいのだけど!」 「眷属に会ったことがあるよね?」 「・・・。うーん。栗鼠(カーバンクル)には会っていない!ヤス!こんなかわいい子を隠していたの?」 「隠していない。会わせた…

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2022/01/07

【第六章 ギルド】第六話 猫人族

 力の波動?を抑える話になっていたが、元々は、ブロッホに洞窟の奥に潜んでいる獣人との接触を頼むためだ。 「ブロッホ」 「はい」 「洞窟の中に居る獣人は、無事なのか?」 「無事か・・・。解りませんが、こちらを警戒しています」 「わかった。俺とミルは少しだけ離れた方がいいか?アイルが居れば、大丈夫だろう?」 「はい。旦那様たちは、入口から離れた場所でお待ちください」 「ミル。少しだけ離れるよ」 「うん」  ミルが、俺の腕を取る。  洞窟から直接見えない位置まで下がる。丁度いい場所に、露出している岩があったので、…

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2021/12/31

【第十章 エルフの里】第十八話 召喚

「ヤス様。主様?」  ラフネスが、跪いている。  不思議に思ったのが、ラフネスの立ち位置だが、問題にはならないようだ。  まずは、立たせたい。それで、ソファーに座らせた方がいいだろう。 「大丈夫だ」 「すぐに移動を開始しますか?」  移動と言われても、リーゼには準備が必要だろう。エルフの里だと言っているのだから、森の中を歩くことになるのだろう。俺も、靴は変えた方がいいかもしれないし、準備が必要になる。  それに、森で襲われたら、いくら結界があっても、絶対に安全だとは思えない。森は、やはりエルフの主戦場だ。 …

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2021/12/26

【第六章 ギルド】第五話 力?

 洞窟の中から、こちらを伺っている様子が伝わってくる。 「リン。ぼくが行こうか?」 「どうして?」 「うーん。うまく言えないけど、中から伝わってくる雰囲気が、リンを恐れているように思える」 「俺?人畜無害だぞ?」 「ぼくは知っているから大丈夫だけど、すごい力を感じるよ?」 「え?俺が?」 「うん。気が付いていなかった?」  俺が驚いていると、リデルがミルの肩で頷いている。  気が付くわけがない。ミルもマヤも眷属たちも、態度が変わらないし、そうだ! 「ナナも、何も言わなかったぞ?」  え?なに?ミルが盛大な溜…

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2021/12/14

【第十章 エルフの里】第十七話 ラフネス

 遮音の結界が発動した。  長老は、何かを探している。目線が、ボイスレコーダーで止まる。もしかしたら、遮音の力で、ボイスレコーダーが無効になっていると期待しているのか?原理が解らなければ、無効になると考えても不思議ではない。  遮音の結界だけではなく、物理攻撃を弾く結界も発動しているようだ。外部からの攻撃を警戒しているのか?気が付かないフリをしておいた方がよさそうだ。何か、進展があったのだろう。  俺が考えるのもおかしな話だけど、もう少し腹芸とか学んだ方がいいと思うぞ?商人に騙されまくって、終わってしまうぞ…

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2021/12/04

【第六章 ギルド】第四話 王都の途中

 街道に出るまでは、急いだ。アゾレムからの追っ手を警戒したが、追っ手どころか、俺たちの後ろからは誰もついてきていない。まだ、商人が揉めているのだろうか? 「リン?」  ミルが不思議そうな表情で俺を確認してくる。 「さて、森に向かおう、誰かが来ているだろう」 「うん」  ミルと二人で、近くの森に向かう。  さすがに、王都に向かう街道だけあって、整備されている。  マガラ渓谷を越えてから、1時間くらい走ると、いろいろな街道からの合流地点が見えてくる。この近くに森がある。この辺りで、お供として王都に向かう者がいる…

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2021/11/23

【第十章 エルフの里】第十六話 ネタバラシ

 長老との話はマルスを通して、リーゼも聞いていた。  リーゼが自分の責任だと言い始めてしまったためだ。リーゼに責任は一切ない。元々が、リーゼの願いが始まりだったが、今回の件は間違いなく、エルフ側の問題だ。  アーティファクト(Fit)に手を出そうとしなければ、この自体にはなっていない。  それを含めて解らせるために、リーゼには聞かせていた。  宿に戻ると、リーゼが抱きついてきた。 「リーゼ?」 「ごめん。ごめん。ごめん」  泣き顔で、俺に抱きついてきたリーゼは、謝るだけだ。  何に対して、謝っているのか?リ…

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2021/11/23

【第六章 ギルド】第三話 王都へ

 ミルと二人で、マガラ渓谷の受付に並んでいる。  チケットは持っている。通過はできるとは思うが、マガラ渓谷は敵方(アゾレム)の関所だと考えられる。  ミルは大丈夫にしても、”死んだことになっている”俺はどういう形になるのかわからない。 「次!」  関所の人間が偉そうにしている。  次が俺たちの番だ。  前は、行商人のようで、荷物を検めるのに時間が必要になっているようだ。 「リン。どうして、マガラ渓谷を越えるの?」  ミルの素朴な質問だけど、確かに説明をしていなかった。  まだ、時間が掛かりそうだし、簡単な説…

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2021/11/17

【第十章 エルフの里】第十五話 償い

 カップが割れる音が、二人の間に決定的な違いが存在していることを物語っている。  ヤスは、エルフ族の長老が”綺麗事”だけを言っているようにしか思えない。”皆”のため。”繁栄”のため。そんな”こと”のために、長老衆やそれに近い者以外のエルフが犠牲になっている。  犠牲になっている者たちも、騙されているとは思わないまでも、何かがおかしいと感じるから、自分たちでなんとかしようとする。そのために、外部の者に攻撃的な態度を取る者たちが増えていく。そして、一部の者たちと手を組んで、愚かな行為に出る。  自分たちが”優位…

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2021/11/02

【第六章 ギルド】第二話 いい女

 ナナは、俺とミルの話を黙って聞いてくれた。  冷え切った飲み物で、喉を潤す。  俺とミルの話が終わったと思ったのか、ナナは閉じていた目を開けて、俺を見つめてくる。 「リン君。いくつか、質問をしてもいい?」 「あぁ」 「まず、マヤちゃんは生きているのよね?」 「ミルと一つになったが、生きている。今は、神殿に居る。妖精になってしまっているから、連れてくるのは問題があると考えた」 「そう、わかった。マヤちゃんの本当の姿?なのよね?」 「マヤは、そう言っている。俺もよくわからないが、マヤは困らないから大丈夫だと言…

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2021/10/27

【第六章 ギルド】第一話 三月兎

 ミルは、妖精の姿を気に入っていて、元のサイズに戻ったときにも、背中に羽を生やそうとしていた。 「ミル。やっぱり、羽は・・・」 「僕には、似合わない?」  可愛く言っても・・・。確かに、似合っている。似合っているが、人ではないのが解ってしまう。 「似合うよ。すごく、可愛い。でも、これから、王都に行くのに、スキルやステータスは隠蔽でごまかせるけど、羽は無理だからね?」 「うん。わかった」  ミルは、服の袖を握りながら、目を閉じた。  羽だけを消すようだ。 「これでいい?」 「完璧!」 「よかった」  ミルが腕…

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2021/10/24

【第十章 エルフの里】第十四話 長老

 紅茶を飲み込んでから、ヤスは長老を睨みつける。  諦めたのか、ヤスの前まで歩いてくる。  ヤスは、また指を鳴らす。  今度は、ヤスの対面に椅子が出現する。 「座れよ」  ヤスが自分のカップに注いだポットから、長老の前に置いたカップに紅茶を注ぐ。  ハイエルフだけあって、魔法の素養は人族に劣らない自信があった。  しかし、ヤスが使っている技(魔法)が見抜けない。他の長老との会話も不可能で、一人にされてしまった。  ヤスは、懐からボイスレコーダーを取り出す。  これも、長老には何をするものかわからない。 「警…

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2021/10/03

【第五章 マヤとミル】第二十話 王都へ

 神殿の拡張と、運営をマヤとロルフに任せて、俺とミルは、ギルドとの交渉を行うために、王都に向かうことにした。 「ロルフ。マヤ。神殿を頼むな」 「うん!」『かしこまりました』  マヤは、妖精の姿をしている。ブロッホの肩に乗って、元気に承諾をした。  マヤとミルは、二人で一人なのだ。ミルと一緒に王都に向かうと決めてから、いろいろと確認をしなければならなかった。  最初に確認したのは、”マヤとミルが離れても大丈夫なのか”だったが、距離は、問題にはならない。  マヤを乗せた、アウレイアとアイルが、王都を超える距離ま…

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2021/09/15

【第五章 マヤとミル】第十九話 草案と説明

「ミル。マヤは?」 「うーん」  ミルが渋っているところを見ると、マヤはマヤで用事があるのだろう。 「無理なら無理でいいよ。ロルフ」  今回は、ロルフと話をして、神殿の草案を考えればいい。そのあとの拡張は、ロルフとマヤで行えばいい。 『はい。にゃ』 「神殿の入り口を、マガラ渓谷の挟む形で作って、そこから一直線に通路を作る。両側に、店舗になるような建物を作る。中間地点に、訓練所に向かを場所を作るようにしたい。訓練所の通路を挟んだ正面には、集会場になるような広場を作りたい」  アロイの街は、アゾレムが管理してい…

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2021/09/12

【第十章 エルフの里】第十三話 立ち回り

「弟?」  ヤスに近づいてきたエルフ族は、目が虚ろになっている。  それだけで、ヤスが無視するには十分な理由だが、ヤスは”弟”という言葉に反応した。 「そうだ!俺の大切な弟を、貴様が攫った」 「は?」 「弟は、お前のような人族が持つには相応しくない物を回収しようとしただけだ。何も間違っていない。貴様が悪い!」 「あ!?」  ヤスのどこから出ているのかわからないような、威圧が含まれる声に男は気後れした。  しかし、自分が威圧で負けているのが気に食わないのだろう。さきほど以上の声でヤスに文句をぶつける。 「そう…

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2021/09/03

【第五章 マヤとミル】第十八話 神殿の拡張

 ミルは、生き残れていないと判定されてしまうのではないかと考えているようだ。アドラの気持ち次第かもしれないが、多分ミルはまだ排除されていないように思える。アドラなら、負けが確定した時点で、無条件で白い部屋に戻すだろう。 「俺は、ミルはまだ大丈夫だと思っている。でも、たしかに、可能性は広げたほうがいいな」 「うん。僕もそう思う」 「マヤは?」 「うーん。まだダメ」 「そうか、マヤが活動出来るようになったら、話をしよう」 「うん。でも、瞳たちと協力体制は必須だと思うよ?」 「そうか?」 「うん。生き残るだけなら…

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2021/08/31

【第十章 エルフの里】第十二話 交渉?

 ヤスの目の前には、FITに攻撃を仕掛けた愚か者たちが、気絶した状態で放置されている。 『マルス!』 『はい』 『愚か者は、ここに寝ている連中か?』 『否』  ヤスの顔からは、”やっぱり”という表情が読み取れる。  実際に、FIT に攻撃してきた者たちは、先にFIT を盗もうとした者たちを助け出そうとした。何も出来ないと悟って、攻撃を加えたのだ。 『そうか、ひとまず、商人に話を・・・。面倒だな』 『マスター。個体名ラフネスに連絡して、引き取らせることを提案します』 『それが良さそうだな。マルス。ラフネスの居…

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2021/08/28

【第五章 マヤとミル】第十七話 拡張の理由

 ブロッホは、謝罪するかのように頭を下げて、何も語らない。 「ブロッホ!」  マヤが無理をして、ミルを危険に晒すような行為を、”なぜ”俺に相談をしないで実行した。その理由が知りたいだけだ。 「リン。ブロッホは、悪くない。僕とマヤで決めた」 「ミル・・・。だから、”なぜ”を知りたい」 「リン。この神殿の、最初の拡張はリンがしたよね?」 「あぁ皆が過ごしやすいように・・・。虐げられた者たちでも、安心できる場所を作りたかった」 「うん。ロルフから話を聞いた。上位種であるアウレイアやブロッホは別にして、リデルやヴェ…

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2021/08/25

【第十章 エルフの里】第十一話 愚者

「ヤス。ごめん」 「リーゼが謝る必要はない」 「でも・・・」 「そうだな。気になるのなら、帰ったら、西門にできた店で、奢って貰おうかな?」 「え?あっうん!いいよ!帰ったら、一緒に西門に行こう!僕が運転するからね!」  テンションが上がったリーゼを見て、良かったと考えている。リーゼの責任ではない。エルフたちが悪いのは、ヤスにもリーゼにもわかっている。しかし、リーゼは、自分がエルフの里に来てしまったことが問題になっていると考えてしまったのだ。  ヤスに置いていかれると心の片隅で恐怖とともに、感じてしまっていた…

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2021/08/16

【第五章 マヤとミル】第十六話 管理者

「アウレイア。他には、魔力溜まりは見つかっていないのだな?」 『はい』 「ミル。見つかった魔力溜まりは任せていいよな?」 「うん。マヤと相談するけど、問題はないよ」 「それなら、神殿に戻るか?」 『マスター。眷属を、魔力溜まりの監視に残したいと思いますが、ご許可をいただけますか?』  監視は必要だな。それに、魔物が必要でも、間引きはしておいたほうがいいよな。 「そうだな。監視は、必要だ。ミル。いいよね?湧いた魔物の、間引きを含めて、アウレイアたちに頼んでも?」 「うん」  アウレイアたちには、引き続いて森の…

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2021/08/11

【第五章 マヤとミル】第十五話 嫌がらせ

『マスター!新しい、魔力溜まりを発見しました!』 「はぁ?」  街道までの距離を計測していたアウレイアからの報告だ。 『アウレイア。どういうことだ?』  アウレイアからの報告では、街道近くに新しい魔力溜まりができていて、低位の魔物が産まれ始めているという報告だ。 「ミル。どうする?」 「うーん。アウレイア。その場所って、神殿からどっちの方向?」  ミルが、普通に俺と話をしながら、アウレイアに繋げるという器用なことをしている。俺も練習をしてみよう。できるようになれば、いろいろなことができる。  アウレイアの報…

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2021/08/01

【第十章 エルフの里】第十話 リーゼの想い

 ヤスとリーゼは、ラフネスの言い訳とも考えられる、”エルフの事情”を聞いた。 「そうなると、長老たちは、リーゼに無関心なのだな?」 「・・・。はい」  ラフネスは、素直にヤスの質問に答えた。  実際に、暴走したのはエルフの村に着ていた商人たちと取引があるエルフだ。それも積極的に、商人と交流を行って他種族と関わりを持とうとしていた。  ただ、やり方を間違えた。  今まで、他種族との付き合いをしてこなかった者たちが、いきなり商人と取引をした。そして、騙された。エルフ族は、アフネスなど、外の世界で生きていくことを…

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2021/07/31

【第十章 エルフの里】第九話 エルフの事情

 ラフネスは、ヤスとリーゼに事情を説明した。  説明を聞き終えたヤスは頭痛を抑えるような仕草をする。リーゼは、事情がよく飲み込めていないようで、ラフネスとヤスの表情を必死に読み取ろうとしている。 「ラフネス。率直な意見を言っていいか?」 「何を言いたいのか解っていますが、どうぞ?」 「エルフはバカなのか?」 「・・・」  リーゼがヤスの服の袖を可愛らしく引っ張る。 「ねぇヤス。どういうこと?エルフ族が、僕の持っているお金が欲しいってこと?」 「そうだな」 「僕、お金なんて持っていないよ?」 「そうだな。今の…

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2021/07/31

【第五章 マヤとミル】第十四話 魔力溜まり

「ミル!」 「大丈夫」  魔力溜まりに飲み込まれる状態になっている、ミルの声だけが聞こえてくる。  気のせいかも知れないが、魔力溜まりが小さくなっているように思える。 『マスター?』 「わかっている。周りには魔物は居ないのか?」 『はい。すでに駆逐しました』 「そうか、ありがとう」  魔物が湧いて出る様子もなくなった。周りを警戒していた、眷属たちが戻ってきている。  皆が、小さくなっていく魔力溜まりを見つめている。  5分くらい経って、ミルが顔を出す。 「ミトナルさん?」 「あっ・・・。説明、忘れた」  魔…

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2021/07/05

【第五章 マヤとミル】第十三話 ミルと狩り?

「リン。おはよう」 「マヤ?」 「うん!」「リン。今日は、マヤが身体を使う」  二人で取り決めでもしたのか?  ミルが妖精の姿で、俺の肩に止まる。 「リン。僕。今日は、ロルフと神殿の調整を行うけどいい?」 「え?調整なら俺が行うぞ?それに、言ってくれたら、施設を作るぞ?」 「・・・。リン。僕にやらせて、お願い」 「・・・。わかった。無理するなよ?神殿の調整には魔力を使うぞ」 「うん!大丈夫だよ!ありがとう」  マヤがミルの止まっていない方向から抱きついてきて、頬に唇をあてる。 「マヤ!」  ミルが、俺の耳元…

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2021/07/05

【第五章 マヤとミル】第十二話 マヤとミル

「ふっふん!いいよ!ミル。リンに確認してもらおう!」「わかった」  マヤがミルの肩に移動している。  二人で一緒に詠唱を始める。  ん?魔法やスキルの呪文ではないな。はぁ・・・。フュ○ジョン?誰の仕込みだ?7つの珠を集めて、ギャルの(以下、自粛)。  光が二人を覆った。眩しいほどではないが、直視していると目が痛くなりそうだ。光は、それほど長い間は光っていなかった。 「え?」  間抜けな声が出てしまったが、しょうがないだろう。  光が収まったところに立っていたのは・・・。 「マヤ!」  それも、全裸の状態に戻…

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2021/06/17

【第五章 マヤとミル】第十一話 全裸で復活?

「リン!ミルになんてことをするの!僕は、リンと居られるのなら、姿なんてどうでも良かった!リン!聞いているの?」  小さな小さな羽が生えている。不思議な形をした生き物だが・・・。マヤだ。マヤが、俺に話しかけている。 「マヤ」 「リン!僕のことは、いいの!なんで!ミルを犠牲にしたの!僕、本当に怒っているのだよ!」  マヤが、名前を呼んでいる。  手を伸ばす。 「・・・。マヤ。マヤ。マヤ。マヤ。マヤ。・・・」 「え?リン?何?」  マヤを両手で包むようにして、抱き寄せる。  温かい。小さな小さな妖精になってしまっ…

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2021/05/27

【第十章 エルフの里】第八話 エルフたち

「リーゼ様。ヤス殿。私は、エルフの里長候補の1人で、ペドロと言います」  ヤスを、射殺すような目線で見てから、リーゼに頭を下げながら”ペドロ”と名乗った。ヤスは、面倒な流れだと思いながらも、ペドロを観察し始める。  ヤスの存在は、ペドロの中からは完全に消えていた。リーゼの従者としてしか認識をしていない。  ペドロが、リーゼに美辞麗句を並び立てている所で、ドアがノックされた。 「誰だ!リーゼ様が、この俺様!ペドロ様の話をお聞きしているのを邪魔するのは!」  ヤスは、ペドロから出たこのセリフだけで、目の前に居る…

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