ご都合主義の記事一覧

2022/05/17

【第六章 ギルド】第十九話 メリット

イリメリは、俺をまっすぐに見ている。 挑むような目線ではない。表現が難しいけど、挑発されているわけでも、攻撃されているわけでも、よくわからない目線だ。 「”白い部屋”で話された内容を考えてみた」 「え?」「続けて」 ルナが疑問に思っているような声を上げるが、イリメリが全員を見てから、俺を見つめて、説明を続けるように言葉を続ける。 「勝利条件は、全員を殺せとか、王になれとか、そんな事ではない」 ここで、全員を見れば、覚えているのだろう。頷いてくれる。 イリメリは思い出したのだろう。俺のメリットが解ったようだ。…

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2022/05/09

【第六章 ギルド】第十八話 会話?

俺の言葉を受けて、サリーカは”やっぱり”という表情をしているが、他は、まだ理解が追いついていない。 「リン君」 やはり、サリーカだけが神殿の意味がわかるようだ。 「出入口だけど、例えば、メロナとアロイに設置した場合に、メロナから入って、アロイに出られる?」 最初に聞いてきたのが、さすがだな。 「可能だ」 「神殿の広さは?」 質問の流れから通路だろう。 「通路の幅や建物は自由に設置できる。もちろん、馬車がすれ違えるくらいの幅にできる。今は中央に、ラウンドアバウトを設置している。神殿の広さは、ダンジョンのよくあ…

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2022/05/04

【第十章 エルフの里】第二十九話 エルフ

エルフの里まで戻ってきた。 歓迎されている雰囲気は皆無だが、俺とリーゼが行った事は、ラフネスから皆に伝えられているのだろう。嫉妬や嫌悪の視線は消えていないが、前の様に侮蔑を含んだ視線は少なくなっている。 ”助けてやった”から、感謝しろとは言わないが・・・。本当に、この種族を延命させたのは正しかったのか疑問に感じてしまう。 そして、コアからある事実を教えられた。当然の事だが、考えてもいなかった。このエルフの里には、ハイエルフを含めて、300名程度が住んでいる。外に作られた村には、里に入ることができないエルフた…

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2022/05/01

【第六章 ギルド】第十七話 合流

ドアが勢いよく開かれた。 タシアナが、涙目のミトナルの腕を引っ張る形で、入ってくる。 タシアナとミトナルの後ろには、ルアリーナとサリーカが続いて、フェムやカルーネやフレットやアルマールも居る。最後には、目を伏せたイリメリが続いている。イリメリは、ミアと手を繋いでレオの首輪を握っている。さすがは、委員長だ。ここでも、委員長をやっているのだろう。 タシアナの目が怖い。 俺を睨んでいる。涙目のミトナルから推測できる。俺が想定していた中では、最悪な部類だ。 次は、タシアナがいうセリフも想像ができる。 「ギルドマスタ…

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2022/04/28

【第十章 エルフの里】第二十八話 行商

ヤスは、ラフネスから受けた依頼を考えていた。 神殿から、エルフの里までの距離が問題になってくる。ヤスがディアナで移動するには、無理がある。集積所を作る場所も問題になってくる。 しかし、ヤスはラフネスの依頼を前向きに考えていた。物流ですべてが解決するとは思っていないが、神殿から派遣する行商人なら、エルフの里に喰い込んでいた商人の様に、エルフ族を騙して至宝を掠め取ろうとしたり、結界の中に無理矢理入ったり、愚かな行為は控えるだろう。 ”マリア(コア)”と絡んでしまったから、見捨てる選択肢はないのだが、面倒なことに…

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2022/04/27

【第六章 ギルド】第十六話 説明準備

ギルドはうまく回っているが、うまく回り始めているから、新しい問題が出始めている。子供やメンバーが狙われ始めている。 ナッセの話し方から、理解したことだ。 ナッセが目配せをする。 「そうか、それで、監視しているのだな?」 そこまでヒントを貰えれば、さすがに判るだろう。 それに、”監視”対象は、中に居る者たちではないだろう。ミルが、ギルドのメンバーと話をして、問題が無いと判明したら、監視している視線が弱まった。 「気が付きましたか?」 「入口やギルドに近づく者たちを監視しているのだな?」 テーブルの上に置かれて…

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2022/04/20

【第六章 ギルド】第十五話 ナッセ・ブラウン

ミアと手を繋いで、ギルドに近づく。 ミルが警戒を強めるが、誰も襲ってくる様子は無い。視線は増えていない。監視は、俺やミルを見ているわけではなさそうだ。 (ギルドを監視している?) フェム辺りなら、状況を把握しているのだろう。王都の様子を含めて聞いたほうがいいかもしれない。 「ねぇリン?」 「ん?」 「リンの事を話すの?」 ミルは、時々・・・。言葉を抜いた・・・。省略した話し方をする。 俺の何を話すのか?ミルの中では、詳細な説明をしているつもりのようだが、俺からしたら、言葉が足りない。 「俺の何を?」 「ん?…

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2022/04/05

【第十章 エルフの里】第二十七話 決着?

この神殿。詰んでいないか? いや、まだ大丈夫だ。魔物への対処ができればいい。それに、大物は多くない。対処が可能な魔物だけなら、問題ではない。 どうやら、俺がこのコアを吸収するのはできるようだが、そうなると、エルフたちをどうするのか考えなければならない。神殿に依存している者たちを、俺の神殿に住まわせるだけで終わるのならいいのだけど、問題まで一緒につれていくことになりそうだ。 それでなくても、俺の神殿は”多種族”が住んでいる。 エルフのように他種族を見下す者たちは来て欲しくない。他種族との接触を避けるために、エ…

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2022/04/03

【第六章 ギルド】第十四話 監視

おばちゃんから話を聞いた。 思っていた以上に王都は悪い方向に進んだようだ。これなら、王都を拠点にしないで、ギルドの本部ごと神殿に移動させたほうがいいかもしれない。いや、俺が考えることではない。ギルドのメンバーやハーコムレイたちが考えるべきことだ。 俺は、皆が”神殿”を選んだときに、受け入れるだけだ。 「リン。どうする?」 ミルが、レオの上に乗るミアの手を握りながら、俺に問いかける。 おばちゃんの話はたしかに衝撃的だけど、俺たちに何ができるかわからない。貴族同士の見栄の問題にまで発展しているのなら、俺たちがで…

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2022/03/24

【第十章 エルフの里】第二十六話 善後策

いい方法が思い浮かばない。 俺は、所詮はトラックの運転手だ。小難しい事を考えるのは、専門にやっている奴が行うべきだと考えてきた。 しかし、このエルフの里の奴らは・・・・。 最低限の事さえもできていない。説明をしても理解ができるとは思えない。最大の問題は、魔物の排除が行える力があるのかさえも怪しい。 「なぁ」 「なに?」 リーゼが、俺の問いかけに返事をするが、俺が聞きたかったのは、リーゼではない。神殿のコアに善後策を考える上での、条件やできる事を聞きたかった。俺が考えた事がどこまでできるのか、確認が必要になっ…

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2022/03/24

【第六章 ギルド】第十三話 王都

ミルが戻ってきた。 怪我もしていないので、相手は問題になるレベルではなかったのだろう。 「リン!」 ミルが駆け寄ってきて、ミアを見つけて、安堵の表情を浮かべる。その表情のまま、俺に抱きついてくる。 ミルの頭を撫でながら、状況を聞く。 「どうだった?」 ミルの様子から、奴らでは無い。貴族関係の者でもなさそうだ。 「関係ない人たちだった。僕や、ミアを見て、奴隷として売ろうと考えたみたい」 それは、それで問題だけど、確かに、ミアは珍しい種族だし、ミルは”美少女”だ。狙うのは理解ができる。でも、簡単に捕まえられない…

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2022/03/05

【第十章 エルフの里】第二十五話 鍵

いつまでも、神樹を見上げていても何も解決しない。 解っているが、見上げる首が痛くなっても見て居たい気持ちにさせる。 神秘的な風景は、TVや本で見てきたが、一線を画す美しさがある。言葉で表すとチープになってしまうが、他に表現できる言葉が見つからない。 「ヤス。ヤス」 「なんだ?」 「すごいね」 「そうだな」 リーゼも同じ気持ちのようだ。 どんなに言葉を飾っても、チープに思えてしまう。 『(・・・)神殿の主様』 ん?リーゼのはずがない。 マルスも、俺を”神殿の主”とは呼ばない。 「リーゼ。何か、聞こえたか?」 …

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2022/02/25

【第六章 ギルド】第十二話 散策

 見る物すべてが珍しいのか、ミアは周りを見ては、ミルに質問をしている。  ミルも嬉しそうに、ミアの手を握りながら、説明を行っている。俺から少しだけ前を歩く形になっていて、俺には二人の会話が聞こえない。 「あるじ!」  ミアが、後ろを振り返って俺を見た。 「どうした?」 「ミルお姉ちゃんと、あるじは”ふうふ”なの?」 「ん?ミトナルさん?」  ミルを見ると、視線を逸らした。  レオが目線をそらすという器用な真似をしている。 「レオ!」 ”ワフ・・・”  レオは、ミルを見つめる。  やはり元凶は、ミルのようだ。…

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2022/02/21

【第十章 エルフの里】第二十四話 神樹

 ほぉ・・・。  マルスが守る神殿とは違った美しさがある。  馬車を降りてから、20分ほど森の中を歩いて到着したのは、エルフたちの集落のはずだ。 「ここは?」 「集落の入口です」 「ヤス様。リーゼ様。里に向かう前に・・・」  ラフネスが、俺とリーゼの前に出て頭を下げる。  リーゼの方を向いている。 「そうだな。リーゼ。墓を見に行こう。里の中には作られていないのだろう?」  長老が申し訳なさそうな表情をするが、俺としては、素直に墓参りができそうな事に驚いた。何か、対価を要求してくる可能性があると考えていた。そ…

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2022/02/19

【第六章 ギルド】第十一話 到着

 王都に入る為には、パシリカの時でもなければ、検閲を受けなければならない。  ハーコムレイ辺りと、ギルドが交渉してくれたら、もしかしたら楽になるのかもしれない。  今は、列に並ぶのが自然な事だ。  それに、目立ちたくない俺たちに取っては、列に並ぶ以外の選択肢はない。  結局、列に並ぶ前に、アウレイアの眷属をどうするのか結論が出なかった。  ミアがテイムしている”白狼(ホワイトウルフ)”だということにした。  本人?に確認をしたら、そのままミアの護衛としてテイムされても問題はないということになった。身振り手振…

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2022/02/12

【第十章 エルフの里】第二十三話 秘密

 里に向かって、”結界の森”を進む。  エルフたちは、この森を”結界の森”と呼んでいると教えられた。  結界は、なんとなくだが簡単に突破できそうな雰囲気がある。 「なぁ」  俺の前に座っているのは長老だ。  長老なら、俺の疑問に答えてくれるだろう。 「なんでしょうか?」 「結界を越える条件はなんだ?」  俺たちは、結界をすんなりと越えられた。  ラフネスも長老も問題はなかった。  この結界は、”ほぼ”俺がよく知っている結界と同じ物だ。 「え?」 「俺たちを襲った奴らは、結界に入る前に襲ってきた。これは、結界…

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2022/02/09

【第六章 ギルド】第十話 神殿では

 リンとミトナルが、王都に到着しようとしている時、神殿では、マヤが頭を抱えていた。 「え?何?」  マヤは、リンが作成した地下通路の中央部に来ている。  中央部には広場が作成されているのだが、広場から離れて奥まった場所に、ロルフの反対を押し切って、森林を設置して、森林の先に一軒家を作った。森林の広さは、マヤたちが住んでいた村と同じくらいの広さがあり、一本の道が伸びている状態だ。  家には、一つの寝室とキッチンと風呂場とトイレとリビングがあるだけのシンプルな作りになっている。リンとマヤが元々住んでいた家から、…

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2022/02/06

【第十章 エルフの里】第二十二話 ルーサ

「旦那!」  おい。おい。 「ルーサ?お前が来たのか?」 「おぉ。セバス殿から連絡を貰って、誰が来るのか揉めたけど、俺が勝ち取った」 「ん?」 「”大将が困っている”と聞いたぞ?」 「そうだな。困っているが、ルーサが来るほどの事ではないぞ?」 「別に、誰が来てもよかったのなら、俺でもよかったのだろう?それに、大型のアーティファクトが必須だと聞いたぞ?」  たしかに、最初の段階では必要がなかったが、襲撃者が増えてしまった。今では、バスでも狭い。トラックの荷台に詰め込む形がベストだな。  ルーサが乗ってきたアー…

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2022/02/01

【第六章 ギルド】第九話 ギルド(仮)本部では

 リンがマガラ神殿で、マヤとミトナルが起きるのを待っている頃。  王都では、いろいろな事が発生していた。  王都の一等地に立つ店舗のような建物の中にある。一つの部屋で、女性だけ8人が集まって会議をしている。 「ルナ。それで?リン君たちはまだ見つからないの?」  王国に初めてできる組織の方向性を決める会議をしていた。先ほどまで、次期国王であるローザス王子とハーコムレイ次期辺境伯とギルドが正式に認められた場合に、ギルド長に内定しているナッセ・ブラウンと人材面のサポートを行うアッシュ・グローズが参加していた。  …

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2022/01/27

【第十章 エルフの里】第二十一話 誰?

 逃げ出すのか?  男は、俺に土なのか?石なのか?わからない物を投げつけてきた。結界に阻まれているが、気分のいい物ではない。  石?に、気を取られたすきに、背を向けて逃げ出す。逃げられないのに、ご苦労なことだ。  聞こえるかどうかの声量で、マルスに指示を出す。 「(ファイアーウォール)」  逃げる男の前方に炎の壁が出現する。横に逃げようとしても、同じように、炎の壁ができる。  戦闘を終えた、ガルーダが俺の肩に降りて来る。 『マルス。戦闘不能にした者を確保してくれ』 『了』  戦闘不能になっていた、46人の足…

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2022/01/24

【第六章 ギルド】第八話 ステータス

 ミアは、自分が従者だと認識はしていても、従者の役割がよくわかっていない。  今も、アウレイアの眷属に跨って・・・。正確には、眷属の白狼に抱きついて眠ってしまっている。俺とミルが、自分に危害を加えないとわかったのだろう。安心して眠ってしまっている。 「リン」  ミルは、ミアの髪の毛を触りながら、僕を見つめて来る。  もう、他の猫人族が離れてしまっているので、神殿にミアだけを向かわせるのは難しい。不可能だと言い切ってもいい。戻すのなら、俺たちも、一度神殿に戻る必要がある。せっかく、マガラ渓谷を抜けたのに、戻っ…

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2022/01/21

【第十章 エルフの里】第二十話 襲撃

 ラフネスは、ナビに驚いている。  今までの者たちも、移動速度にも驚くが、一番に衝撃を受けるのは、ナビの地図情報だ。  この世界では、地図は一般的ではない。国家機密と言ってもいいほどだ。しかし、神殿から提供している”アーティファクト(トラック)”には簡易的な物になってしまっているが、ナビが付けている。  知識があれば、取り外しもできるだろうが、簡易キットでもしっかりと固定している。外すと、主要な部品が離れるようにしている。盗難対策だ。アーティファクトないの道具だから、アーティファクトがなければ動かないと思っ…

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2022/01/16

【第六章 ギルド】第七話 ミア

「リン様。一つ、お願いがあります」  突然、猫人族の長が俺に話しかけてきた。 「ん?」  長は、連れてきた少女を呼んでいる。固有名詞が無いのは、不便ではないのだろうか?  少女が、俺の前に出てきて、跪く。  どういう状況なのか解らない。ブロッホを見ても、何か納得した顔をしているだけだ。ミルを見てみても、首を横に振るだけで、俺と同じで困惑している。 「長?」 「リン様。この者を、リン様の従者として連れて行って頂けないでしょうか?」  状況がさっぱり解らない。 「どういうこと?」  ブロッホが耳打ちするように説…

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2022/01/12

【第十章 エルフの里】第十九話 大興奮

 話がまとまったので、リーゼを呼びに行く、隣の部屋なので、結界を解除して、声をかければ、すぐに部屋に入ってきた。  そこまではよかった。  栗鼠(カーバンクル)と、猫(キャスパリーグ)と、鷲(ガルーダ)を見て大興奮。  可愛い以外には言葉が離せなくなってしまったのかと思うくらいに大興奮だ。 「リーゼ?リーゼさん?」 「なに、ヤス。今、忙しいのだけど!」 「眷属に会ったことがあるよね?」 「・・・。うーん。栗鼠(カーバンクル)には会っていない!ヤス!こんなかわいい子を隠していたの?」 「隠していない。会わせた…

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2022/01/07

【第六章 ギルド】第六話 猫人族

 力の波動?を抑える話になっていたが、元々は、ブロッホに洞窟の奥に潜んでいる獣人との接触を頼むためだ。 「ブロッホ」 「はい」 「洞窟の中に居る獣人は、無事なのか?」 「無事か・・・。解りませんが、こちらを警戒しています」 「わかった。俺とミルは少しだけ離れた方がいいか?アイルが居れば、大丈夫だろう?」 「はい。旦那様たちは、入口から離れた場所でお待ちください」 「ミル。少しだけ離れるよ」 「うん」  ミルが、俺の腕を取る。  洞窟から直接見えない位置まで下がる。丁度いい場所に、露出している岩があったので、…

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