2020/03/16

【第七章 王都ヴァイゼ】第八話 寒村は宝の山です

「ドーリス。こっちでいいのか?」 「はい。間違いないです」 「わかった。速度を落とすから、曲がるのなら教えてくれ」 「はい」  ヤスは、山道を走っている。  山道と言ってもほぼ一本道だ。山道に進路を変更するときに、ドーリスの指示が遅れてUターンして戻った経緯があるので、ヤスはそれから速度を緩めるようにした。 「今更だけど、今から向かう村の名前を教えてくれ」 「そうでした。説明していませんでした。村の名前は、『エルスドルフ』という名前です」 「なぜその村に塩を届ける?」 「何も無い村で、交易品が無いので塩の購…

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2020/03/15

【読了】出遅れテイマーのその日暮らし 2 (MFC)

雑感 攻略はしていませんが、日記なのは間違いないですね。やっと書籍版の1巻が終わったくらいでしょうか?もう少し描写があってもいいかと思いますが、店舗が落ちてしまいますからしょうがないですよね。VRMMO関連のコミカライズでは、掲示板回の表現が難しいですよね。 書籍紹介 内容紹介 未知への扉はゴミ拾いにあり!? 超マイペースVRMMO攻略日記第2巻! 何度も死んだことが幸いし称号「白銀の先駆者」をゲットしたユート。とはいえステータスは貧弱で、従魔のオルトも戦闘力はゼロ。しかたなくゴミ拾いクエストに勤しむユート…

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2020/03/15

【読了】出遅れテイマーのその日暮らし 1 (MFC)

雑感 最近のイチオシ。Web版を呼んで、書籍版を買って、コミカライズも購入しています。無自覚系のVRMMOかな?ご都合主義な所は有るけど、全部が主人公が持っていくのではないのがいい感じです。バランスが良いです。 書籍紹介 内容紹介 攻略そっちのけの最強“生産職”冒険譚が開幕! 話題のVRMMORPG『LJO』にログインしたユート。職業にモンスターを使役できるテイマーを選択し、課金パワーでステータスを引き上げ、いざゲームスタート! したのはよかったものの初期モンスターに戦闘力皆無のノームを引き当てゲーム開始早…

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2020/03/14

【読了】魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画(3) (電撃文庫)

書籍紹介 内容紹介 有希たちへ迫り来る新たな影――それは『術式解体』の使い手! 西暦二〇九六年一〇月。黒羽文弥の直下で殺し屋を生業とする榛有希。彼女に新たな依頼が舞い込んでくる。 今回の暗殺ターゲットは、国防軍の軍人たちだった。用心深く警戒を重ねる標的の懐になんとか潜り込んだ有希だが、『鉄シリーズ』を名乗る謎の乱入者に標的の命を奪われてしまう。その正体は、国防軍自らが過去に生み出した調整体の魔法師だった。 調整体の青年は、自らの手で国防軍への復讐を完遂すべく、立ちはだかる有希たちへもその牙を向ける――! 彼…

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2020/03/14

【読了】銀河英雄伝説全15巻BOXセット (創元SF文庫)

雑感 一家に1セットは必要な物です。是非お買い求めください。 書籍紹介 内容紹介 銀河系に一大王朝を築きあげた帝国と、民主主義を掲げる自由惑星同盟が繰り広げる飽くなき闘争のなか、若き帝国の将“常勝の天才”ラインハルト・フォン・ローエングラムと、同盟が誇る不世出の軍略家“不敗の魔術師”ヤン・ウェンリーは相まみえた――。 日本SF史にその名を刻む壮大な宇宙叙事詩『銀河英雄伝説』正伝10巻と外伝5巻を、特製文庫BOXに収納してセット販売します。BOXのイラストは、創元SF文庫版を飾った星野…

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2020/03/13

【読了】公爵令嬢の嗜み (7) (角川コミックス・エース)

書籍紹介 内容紹介 高まる“戦争”の気運と多数の“命”を背負う重み…お嬢様、覚悟の時――! アイリスお嬢様、次の課題は“戦争”!? 隣国トワイル国による策略を感じるなか、護衛のディダは問う!「殺される覚悟をもって相手を殺せと命じることができるのか」お嬢様にかかるは“命”の重圧――! 関連作品 原作者関連作品 著者関連作品 著者関連作品

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2020/03/13

【読了】偽りのフレイヤ 4 (花とゆめCOMICS)

書籍紹介 内容紹介 陥落寸前のレレン砦。 絶体絶命のその時、突如現れた牡鹿の角をもつ集団――森の民・ゲルダによりフレイヤ達は救われる。 彼らの中に、崖から落ちたはずのアレクシスの姿を見て…? 過酷な運命の代償に、少女が得たものとは――… 2020年3月刊 関連作品 著者関連作品

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2020/03/13

【読了】幼なじみの魔女について (花とゆめCOMICS)

書籍紹介 内容紹介 十和の幼なじみ、星川陽は、現代では珍しい“男の魔女”。 女の肌に触れないと魔法が使えない“男の魔女”は17歳になると、魔女以外の身近な女性に誓いの指輪を渡さなければならない。 陽はその相手に十和を選ぶが、一方的な話に十和はその誘いを断ってしまい……? 「魔女くんと私」のスピンオフの表題作をはじめ、縞あさとが贈る珠玉の読切4編を収録した待望の読切集! 収録作品:「幼なじみの魔女について」、「藍くんと忘れな草」、「波のはざまに」、「シザーリセット」 2020年3月刊 …

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2020/03/13

【読了】劉備徳子は静かに暮らしたい 5 (花とゆめCOMICS)

書籍紹介 内容紹介 平和な三国高校に、不穏な影!? 階段から落ちた操が記憶喪失に! 夏侯を筆頭に、あの手この手で記憶を取り戻そうとするけど!? そして、ようやく恋心を自覚した関は徳子に告白を…? 学園転生☆三国志ラブコメ、感動の完結巻! 2020年3月刊 関連作品 著者関連作品

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2020/03/13

【読了】君は春に目を醒ます 5 (花とゆめCOMICS)

書籍紹介 内容紹介 絃の“憧れのお兄ちゃん”・千遥が同級生になってから、絃の想いは加速するばかり。 クリスマスに2人きりで出かけることを千遥と約束した絃。 千遥から“妹”ではなく、“女の子”として意識してもらうため、絃はクリスマスに向けて準備を始めるが……? 一方の千遥も、絃のことをどう思っているのか考え始めていて……? 2020年3月刊 関連作品 著者関連作品

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2020/03/13

【読了】赤髪の白雪姫 22 (花とゆめCOMICS)

書籍紹介 内容紹介 光る植物・フォスティリアス植栽の許可を得るために、オリオルド関を訪れた白雪・オビ・リュウの3人。 しかし、北の地の情勢を鑑みた騎士団長からの返答は、有力諸侯・ルギリアの判断を仰ぐというものだった。 白雪は、そのエイセツ・ルギリアという人物に直接会いに行こうと提案するが…!? 新たな地で未来に光を灯す第22巻! 2020年3月刊 関連作品 著者関連作品

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2020/03/13

【積読】オーバーロード14 滅国の魔女

雑感 読書中。あとがきから読まないことを推奨 書籍紹介 内容紹介 シリーズ累計800万部! 魔導国の馬車が王国の貴族に襲われた。 偶然か?謀略か? いかなる理由であれ、王国が魔導国と正面を切って戦うことを選んだと 判断したナザリックは王国に宣戦布告。 カッツェ平野での大虐殺で未だ混迷を極める王国のさらなる窮地に 王子ザナックが、蒼の薔薇が、ブレインが、 背水の陣を承知で立ち上がる。 容赦なく遂行される殲滅作戦。 勝ち目のない戦いを強いられた王国に崩壊の足音が迫る。 内容(「BOOK」データベースより) 魔導…

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2020/03/13

【読了】魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 4 (HJコミックス)

雑感 コミカライズだけを読んでいます。HJコミックスだったのですね。原作が10巻じゃなければ買ってもいいなぁと思った作品です。キャラクターたちのポンコツ具合が好ましいです。 書籍紹介 内容紹介 魔王ザガン 幼女を養女にする!? 事件の裏で糸を引いていたバルバロスを倒し、囚われていた奴隷エルフの少女・ネフィを奪還した魔術師ザガン。 二人の心の距離がさらに縮まる中、城を突如襲撃に来た魔術師ウォルフォレ。 見た目は全身甲冑に身を包んでいるが、中には衝撃の人物が――!? 関連作品 原作者関連作品 著者関連作品

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2020/03/13

【読了】自称!平凡魔族の英雄ライフ(4) ~B級魔族なのにチートダンジョンを作ってしまった結果~ (シリウスKC)

雑感 コミカライズだけを読んでいます。平凡の定義を考える必要がありそうですが、このくらいの方が面白く読めます。 書籍紹介 内容紹介 田舎から出てきた魔族の青年クロノは魔王城での学園生活の傍ら「歴代魔王のダンジョン」を探索する日々を続ける。「鬼神」の事件の後、クラスメートのリリィに異変が起きて――!? 「小説家になろう」発人気小説をコミカライズしたファンタジー学園ライフ、第4巻! 関連作品 原作者関連作品 著者関連作品

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2020/03/13

【読了】漆黒使いの最強勇者 仲間全員に裏切られたので最強の魔物と組みます (3) (ガンガンコミックスUP!)

雑感 コミカライズだけを読んでいます。水の勇者と武器の勇者が登場してきています。最初の悲壮感がなくなっていますが良いのでしょうか?問題ないのでしょうね。 書籍紹介 内容紹介 水の勇者アリアと闇の勇者シオン、運命の再会!武器の勇者と共に飛翔魔族との激戦に挑む!! 旧知の少女である【水の勇者】アリアと運命の再会を果たした元【闇の勇者】シオンは 、白狐のハクと共にロトラの街で起きている獣人のオーガ化事件解決に乗り出す。 王の命により【武器の勇者】クレイルとその従者達と作戦を共にすることになったシオン一行は、 瘴気…

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2020/03/12

【読了】アラフォー賢者の異世界生活日記~気ままな異世界教師ライフ~ 3 (ガンガンコミックス UP!)

雑感 話が飛びすぎですね。しょうがないのかも知れませんがもう少しストリーを追って欲しいです。 書籍紹介 内容紹介 おっさん、作る武器も育てる生徒も規格外!! とあるゲームのトッププレイヤーだった大迫聡は、 ゲームのステータスを全て引き継いだ状態の大賢者ゼロスとして、剣と魔法の異世界に転生! そこでなぜか魔法の家庭教師をすることに!! 鉱石を採りに鉱山へやってきたゼロス。 偶然出会った女の子クリスティンのピンチを救うと同時に、 そこにいた魔物を本来この世界にはないはずの魔法で殲滅してしまう! 一方その頃学院に…

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2020/03/12

【読了】アラフォー賢者の異世界生活日記~気ままな異世界教師ライフ~(2) (ガンガンコミックスUP!)

雑感 メディアファクトリからも発売されていますが、絵柄がこちらの方が好みだったので、こちらを購入することにしました。 書籍紹介 内容紹介 最強のおっさん大賢者、転生者と初遭遇する! とあるゲームのトッププレイヤーだった大迫聡は、ゲームのステータスを全て引き継いだ状態の大賢者ゼロスとして、剣と魔法の異世界に転生! そこでなぜか魔法の家庭教師をすることに!! 生徒達に力を付けさせるべく、魔の森ファーフラン大深緑地帯に挑ませたゼロス。 壮絶なサバイバルの末、彼らは大きくレベルを上げることに成功する! そしてその帰…

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2020/03/12

【読了】アラフォー賢者の異世界生活日記 ~気ままな異世界教師ライフ~(1) (ガンガンコミックスUP!)

雑感 メディアファクトリからも同名のコミカライズが発売されています。そういうのは止めて欲しいと思えてしまうがしょうがないのでしょうね。大人の事情でしょう。 書籍紹介 内容紹介 おっさんが美少女のカテキョに! ゲームにのめりこみ、トッププレイヤーに上り詰めた大迫聡(40)は、ログイン中に発生した事故によりその生涯に幕を下ろした。 しかしゲームのステータスをすべて引き継いで異世界に転生! そして、なぜか少女の家庭教師をすることに…! ! 「小説家になろう」発! 人気異世界アラフォーファンタジー! ! ※「小説家…

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2020/03/12

読了/積読 データ

現在の登録数は、全体の5%程度だと思われる。 ここ2年で購入した物がほとんどを占めている。また、購入書籍の7割を占める白泉社系列の本はまだほとんど手つかずになっている。 現時点の登録 1,789冊 購入金額(概算) 1,245,202円 https://nfox.biz/book/

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2020/03/08

【第七章 王都ヴァイゼ】閑話 クラウス・フォン・デリウス=レッチュ辺境伯

 フォルツから報告を聞いた。  神殿の主は、強者の雰囲気は一切纏っていないと説明された。フォルツが腰の剣を振り下ろせば殺せると思えてしまったようだ。  しかし、フォルツが試しに殺気を神殿の主に向けて踏み込もうとした瞬間に自分が殺されているビジョンしか見えてこなかったと言っている。強者ではないが、逆らってはダメな人間だ。フォルツは、儂に進言してくる。 「クラウス様。神殿の主。ヤス様と敵対しないでください。敵対したときには、全力で逃げてください。何分間の時間を稼げるかわかりませんが全力で間に入ります。もしかした…

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2020/03/07

【第七章 王都ヴァイゼ】第七話 領主からの依頼

 ヤスはエミリアに命じて結界を解除した。 「ヤス殿。感謝します」  コンラートが近づいてきて、まずヤスに感謝の言葉を口にした。  ヤスはコンラートの言葉を流しながらドーリスに話しかける。 「いや、それは良いけど・・・。ドーリス。もう出られるのか?次の街に行こう」 「いえ、領主から依頼がありまして、その関係で彼らに来てもらいました」  襲撃犯を完全に無視してヤスとドーリスは話をしているのだが、目の前で拘束された連中がなにか文句を言っている。 「・・・。はぁ・・・。ドーリス。そこで転がっている芋虫以下の奴らは潰…

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2020/03/06

【第七章 王都ヴァイゼ】第六話 アーティファクトは偉大です?

 ドーリスが各ギルドを回って神殿への不干渉を取り付けて冒険者ギルドに戻ってきた。 「ちょうど良かった。ドーリス。塩を積んだ馬車と護衛が到着した」 「よかった。それでは行きましょう。ヤス殿が待っている・・・。と、思います」 「なぜ言い切らない」 「アーティファクトの中で寝ている姿が想像出来たので・・・」 「寝られるのか?」 「寝られます。私は入っていませんが、リーゼとアフネス様とダーホスとイザークは乗ったと言っていました」 「そ、そうか?でも、アーティファクトと言っても安全では無いのだろう?寝るとは・・・」 …

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2020/03/06

【第七章 王都ヴァイゼ】第五話 攻撃?0%なら怖くない

 ドーリスが、領主とコンラートに神殿の主であるヤスについての話をしている頃・・・。  当のヤスはエミリアでダウンロードしてあった小説(ラノベ)を読みふけっていた。普段は、書籍を購入していたがネット小説はオフラインでも読めるようにダウンロードしてあったのだ。続きが読みたいと思うのだが、続きはまだ表示されていない。アクセスをしているようにも思えるので新作が出てくるのを少し期待しているのだ。 (まだ掛かりそうだな。一眠りしておくか?)  エミリアに表示されている結界の様子を見ながらヤスは身体を横にした。 『マスタ…

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2020/03/06

【第七章 王都ヴァイゼ】第四話 ヤスは?不在でも話は進む

 ドーリスは神殿の状況とヤスに関して感じたことを率直に語った。  あたたかいお茶を口に含んだ。神殿で出されたお茶よりも美味しく感じない。領主が一緒なので、お茶にも気を使っているのだろうが神殿で出されたお茶の方が美味しく感じてしまっている。 「ドーリス殿。今の話はどこまで真実なのですか?」  話を聞き終えた領主が最初に言い出した。 「全部です。信じてもらえるとは思っていませんが、事実だけを語っています。感じたことやサンドラさんと考察したことを含めたらもっと荒唐無稽な話になってしまいます」  ギルドマスターであ…

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2020/03/06

【第七章 王都ヴァイゼ】第三話 領都にはすぐに着きます

 ヤスは、正門には向かわずに西門にハンドルを切った。 「ヤス殿?どちらへ?」 「西門から一気に降りて関所を越えようと思っている」 「西門?」 「目の前に有るだろう」 「門?ユーラットじゃなくて?」 「そうだな。領都に行くのなら近い方が良いだろう」  セミトレーラが近づくと門が開いた。ドーリスには門の先がどうなっているのかわからない。見えないのだ。  近づくと崖になっているように見えるはずだ。 「え?うそ?ですよね?」 「行くぞ!ドーリス。しっかりと掴まっていろよ!舌を噛むなよ!」 「うぅぅぅぅそぉぉぉぉぉぉ…

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2020/03/06

【第七章 王都ヴァイゼ】第二話 出発・・・最初の目的地!

 寝室でヤスが寝ているとセバスが入ってきた。 「旦那様」  セバスが起こしに来る少し前にヤスは目覚めていた。 「ん?あぁセバスか?」 「お水です。冷たい物と常温の物がありますが?」 「冷たい物をもらおう」 「かしこまりました」  ヤスはセバスから適度に冷やされたコップを受け取り、中に入っている水で喉を潤す。 「ん?セバス。このコップは?」 「はい。工房で作成された物です。旦那様に使って欲しいと持ってこられました」 「そうか・・・。早いな」  ヤスは出されたコップを眺める。  ガラスではないのは持った手触りで…

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2020/03/06

【第七章 王都ヴァイゼ】第一話 出発・・・出来ない

 ヤスは出発を遅らせた。  ユーラット-神殿の定期運行が開始されて、ユーラットから”朝の漁で捕れた魚”が届けられたのだ。同時に、何人かの商人がアフネスに連れられてやってきた。ヤスは、商人から挨拶を受けるという仕事をこなしたのだ。商人には、セバスを紹介して今後の窓口はセバスが担当すると説明した。 「旦那様。アフネス様が面会を求めております」 「アフネスが?」  ヤスは、考えたが理由が見つからない。 「はい」 「わかった。ギルドの部屋って使える?」 「大丈夫だと思いますが、すでに運営を開始しております」 「そう…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】幕間 ディアス(2)

 ファイブについていくと一つの扉の前で止まった。 「ここは?」 「神殿の迷宮区に降りる場所です」 「え?それはギルドから行くのではないのですか?」 「はい。ギルドからももちろん行けますが、あちらは”ギルドの許可”が必要です。こちらは眷属とマスターに従属したものが使える場所です」 「え?私は?」 「はい。資格を有しております」 「・・・。そうなのですか?」 「はい」  資格と言われても従属?眷属にはなっていない。 「それで、従属とは?」 「はい。簡単に説明しますと、マスターが作られた場所に住まわれて、この場所…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】幕間 ディアス(1)

 私は、ディアス。アラニスの姓は捨てた。  今は、ただの”ディアス”です。王国にあった神殿に保護された・・・。一人の女です。  ”大木の都(ヒュージツリーラント)”に住み始めてから数日が経った。  神殿の主は、広場と呼んでいたが、私とカスパルとリーゼとサンドラで決めた呼称が”大木の都(ヒュージツリーラント)”だ。住んでいる場所を、神殿の都(テンプルシュテット)。門を神殿の守り(テンプルフート)と呼んでいる。  最初は、私達だけでわかる呼称がほしかったのだが、ギルドにサンドラ様が来られて”仮称”で名前を決めよ…

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2020/03/06

【第六章 神殿と辺境伯】幕間 父と娘

 サンドラの心は荒れていた。  自分の考えがアフネスに見透かされていた。それだけではなく、悪手だと指摘されたのだ。  魔通信機から聞こえてくる–ノーテンキにも聞こえる–父親の声に嫌味の一つも言いたくなってしまったのはしょうがないことだろう。 「お父様!」 「それで、サンドラ。神殿の主は依頼を受けてくれるのか?」 「お父様。まずは、お父様のスタンスをお決めください」 「スタンスと聞かれても、領民が苦しまなければ”よい”と思っている」  サンドラは現状を把握しきれていた父親の言葉に軽いめ…

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