サイト小説の記事一覧
2020/08/29
【第二章 転生者】幕間 転生者(男)たち
/*** 立花肇 Side ***/ 俺は、立花肇。立花家の長男として生まれて、今年で13歳になる。 もう中学になっているし、お父さんも、俺を”跡継ぎにする”と、言ってくれている。 お父さんは、この国会議員で、この街で一番えらいと言っても間違いない。その息子で、跡取りだから、俺もお父さんの次位に偉いと言っても間違いじゃない。その証拠に、誰も俺に逆らわない。 身体も、同級生の中で一番背が高くて力もある。俺に逆らうやつはもう居ない。大人も俺に挨拶をするし、お父さんに連れられてパーティに行けば全員が俺に頭…
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【第一章 目覚め】第十一話 パシリカ
アロイからニグラまでの行程は、荷馬車の上で過ごせた。ファボスさんの話を聞きながら過ごせた事も大きかったが、奴隷との話もいろいろ参考になった。 マヤと僕が、どれほど世間知らずだったのかがよく分かる。特に、領主の評判は、僕達が思っていた以上に悪い物だ。生活には、それほど影響は出ていなかったが、商隊で訪れる時などは、他の領以上の税が課せられている。 その為に、往来する商隊が減ってしまう。減ってしまった商隊からの税を補うために、探検者や護衛任務にも税が課せられるようになってしまった。そして、フリーでやっていた…
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【第一章 目覚め】第十話 ニグラ到着
マガラ渓谷に突き落とされた。無事命をつなぐことはできた。 暫く経ってから、二人で地図を確認しながら、アロイに戻る事にした。 魔物の襲撃もあるかもしれないので、最大の警戒をしつつ動き始めた。 洞窟の中を進んでいると、 「ねぇリン。あれって何?」 洞窟の中に、何か鈍い光を放つ球体が、幾つか転がっていた。 球体を手にとって見る。鈍く光っている事には違いが無いが、大きさや形がバラバラなのが解る。 何か分からないが、マジックポーチに放り込む。 「!?」 「どうしたの?」 「マジックポーチに入れたら球体の…
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【第一章 目覚め】第九話 マガラ渓谷
結局昨日はマジックポーチを確認しないで寝てしまった。 ナナが言うには、マジックポーチは大きさが限られているし、袋の中の時間は通常よりはゆっくり進むが、止まっているわけではないから、腐ってしまうような物を入れる場合には、注意しろとの事だ。 母さんの事だから、気にしないで袋の中に入れている可能性がある。夜に荷物を盗まれた事もあるから、しっかり確認をしておく必要がある。 それにしても、マヤは本当によく寝る。 今も、ベッドを専有して寝ている。移動中にまた荷物を狙われるかもしれないし、マジックポーチを持って…
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【第一章 目覚め】幕間 領主の息子と取り巻き
そこは、アロイの街でも一番と言ってもいい豪華な宿の一室だ。 一人の若者がソファーに座っていた。陽も沈んで辺りを闇が支配している。 豪華な部屋には不釣り合いな、小汚い袋が一つ、若者の前に置かれていた。 床には、袋の中身だと思われる物が、散乱していた。安っぽい服や食料品がゴミのように扱われていた。 「おい。間違いなく、あいつらの部屋の荷物はこれだけだったのか?」 「はい。ウォルシャタ様」 「むっふむ・・・」 「どうかされましたか?」 「あいつらはこれ以外に荷物を持って居なかったか?」 「男が、外に出るの…
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【第一章 目覚め】第八話 アロイの街
柵の中に入って、一息付くことが出来た。まだ、街に入れているわけではない。 街に入るには身分証の提示が必要になって、そこでも時間が取られるのだが、身分証を確認されること無く通過出来た。 領主の息子が仕切りたがっているのか、街の中央に集合するように言っていた。 少し開けた広場の様な場所で、何やら偉そうに語っていたが、『俺様が、居たから”ここ”まで無事に来られた。明日には、マガラ渓谷を、越えるけど安心しろ』といいたいようだ。 「ねぇ。リン。」 「ん?」 「アイツは何が言いたかったの?」 「あぁ”俺様がすご…
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【第一章 目覚め】第七話 アロイへ
ニグラにむかう為に、門の前に集まっている。 領主からありがたいお言葉があるらしい。そこに現れたのは、領主の息子のウォルシャタだった 「ウォルシャタだ。俺がお前たちをニグラまで連れていく、安心しろ」 領主が現れた 「護衛も腕利きを用意した。護衛の指示もウォルシャタが行う事になる。安心して行程を進んで欲しい」 護衛が一人ずつ簡単に名前と役割を話していく。 護衛のリーダらしき人間が日程の説明をしている。 日程は以前から知らされている通りだったが、領主の息子が先頭を歩いて、村ごとに隊列を組んで歩く事にな…
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【第一章 目覚め】幕間 領主の館
領主の館では、ウォルシャタのパシリカへの出立祝いをしていた。 「ウォル。出立の準備はできているのだろうな?」 「無論。しっかりパシリカでアゾレム家に相応しいジョブを授かってきます」 「期待しているぞ。騎士職でも魔法職でも、お前なら十分使いこなすことが出来るだろう」 「ウォルシャタ様なら間違いありません」 各村や領主の街から、同じ時期にパシリカを受ける数名が、領主の息子である、ウォルシャタを囲んで話をしていた。 「そうだろう。この前、コボルトを成敗したのだから、間違いなく騎士職になるだろうからな」 そう…
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【第一章 目覚め】第六話 暗雲
小鳥たちが、なにかを訴えている。 僕たちにだけ発生している事なのか、それとも、街全体なのかわからない。でも、僕に小鳥たちが、警戒を訴えているのは間違いない。 僕に抱きついて、だらしなく寝ているマヤを起こした。 「リン。どうしたの?」 「鳥が何か騒いでいる、何か有ったかもしれない。マヤ」 僕の真剣な声に、マヤが一気に覚醒する。 こういうときのマヤは昔から感覚が優れている。マヤの感に救われた事もあった。 小鳥たちの警戒はすでに少なくなっている。 マヤも何か有ったのだと感じて、見紛えた。携帯していた…
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【第一章 目覚め】第五話 兄妹
領主の街に着いた、辺境だといっても領主にまでなった人が住んでいる街なので、僕達が住んでいる村と違って、いろいろ進んでいる。 城壁と言われるような物もあり、魔物の侵入を拒んでいる。城塞都市と呼ばれているのもうなずける。 数年に一度魔物が、大量発生して襲ってくる時でも、町を守ることが出来るとの事だ。 村や城砦がない場所が、襲われたときには、”奇跡の力”を使う”アウラ・パラティア”のマルクトが近隣にいてくれればいいが、そうでない場合には、街一つが魔物に寄って滅ぼされてしまう。 領主の城下町は、城壁のおか…
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【第一章 目覚め】第四話 リンとマヤ
僕は、動物の声を聞きながら、微睡みの中にいられる。この時間が大好きだ。 その静穏を壊す声が聞こえてきた。 「リン。どこにいるの?隠れていないで出てきなさい。」 「何?マヤ。何か有ったの?」 「やっぱりここに居たのだね。リン。」 「なんだよ?僕は忙し「何言っているの?どうせ、寝ていただけでしょ」」 僕に最後まで言わせないで、僕が上っている木の幹を蹴る。 「村長が、リンの事を呼んでいたよ”すぐに来い”ってさ」 「いいよ。面倒だし、見つからなかったって言っておいてよ」 「ダメだよ。降りてこないのなら、木を蹴…
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【序章】第三話 スキル!?
茂手木が手を上げた。 『何?質問?』 「うん。スキルに関してだけど」 『うん。スキルがどうしたの?』 「何が付くのはわからないだろうけど、スキルの説明はしてくれるの?」 『あぁ残念だけどそれは出来ない。成人の儀式の時に、神官から告げられるとおもう』 「そうなんだぁあとそれでね」 『うん。何?』 「それじゃ先人の儀式の前にスキルを隠蔽するとかは出来ないの?」 『する必要はないとおもうけど?』 「ううん。今からスキルが判明するでしょ?」 『そうだね』 「スキルは現地でも珍しくは無いけど、ユニークスキルやエクス…
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【序章】第二話 転生するの?
「どういう事だよ。なんで俺が残っているんだ?死ぬのは、うすのろだけでいいだろう?」 立花も残されていた。 「私も?」 消えるような声で瞳が口に手を当て呟いた。 その表情には、自分が残されたことが納得出来ない様子が伺えた。周りを見回したが、バスの運転手や添乗員さん、先生や副担任といった大人は、誰も残されていない。20名前後の生徒だけが残されていて、立花の取り巻き連中は、全員残されていた。 女子も、ひとみの周りに7人ほどが集まっている。 一人でいるのは、女子1名と男子1名だけだ 『おちついてね。君たち…
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【序章】第一話 白い部屋
/**** ?? Side 時期:?? 場所:白い部屋 ****/ 何もない、ただ白い壁に覆われた窓もドアも無い部屋に集められた、 高校と言う場所で”生活をしている”という共通点を持ち同じ状況に置かれた21人。 子供の形をした”何か”が告げる言葉を待っている。 正面には、パソコのディスプレイを思わせる物が何枚も設置され、さながらデイトレーダーになっている。しかし、映しだされているのは、中世ヨーロッパの町並みや、江戸時代の町並みである。 21枚のディスプレイには、それぞれの名前が書かれていて、下には…
続きを読む2020/08/27
【手紙と約束】届いた手紙
「おばあちゃん!なんかTV局の人が来ているけど?」 「なにごとだい?」 「わからない!でも、なんか・・・。アメリカの人と一緒に来て『”ようすけ”からの手紙を届けに来た』と言っているよ?」 「よ・・・う・・・すけ?」 「え?・・・。あっ・・・。う・・・ん?通していい?」 「離れで待っていてもらってくれ。婆もすぐに行く」 洋介さん。貴方からの手紙なの? もう私は97歳にもなってしまったのよ? いつまで待っていればいいの? — おばあちゃんがTVで紹介された。 でも、そのおばあちゃんは放送を…
続きを読む2020/08/27
【何度でもあの子を愛する】僕が愛した人
塾の帰り道、公衆電話で親友が電話をかける。 そして、少しだけ話をして僕に受話器を渡す。 僕は、誰だろうと思って受話器に耳を当てる。 最初は何も聞こえない。 永遠に思える5秒間が過ぎた。 親友は少し離れた所に居る。相手が誰か聞く前に離れてしまった。 僕は、勇気を振り絞って話しかける 「もしもし。静間(しずま)誠司(せいじ)だけど?」 相手の息遣いが聞こえてくる。小さな吐息のようだ。 僕が緊張しているように、相手も緊張しているのだろうか? 「ねぇ。誠司くん。まだ私の事、好き?」 え? この…
続きを読む2020/08/27
【残された赤】赤い視界
君が俺の所から旅立って、もう23年が経っているよ。 でも、やっと、やっと、やっと、俺は君の所に行ける。 でも、俺はもう40を超えて、50に近くなってしまっているよ。君に嫌われないか不安でしょうがない。 頑張ったよ。君が好きだと言ってくれたスーツ姿。同じ形のスーツを着られるように、体型を維持しているよ。 髪の毛も薄くなるかと思ったけど、薄くならないで良かったよ。 白い色の髪の毛が目立つけど、君の所に行くときには、あの頃と同じで茶色に染めていくよ。 もう少しだから、もう少し・・・。 もう少しだけ…
続きを読む2020/08/27
【止まってしまった時計】動き出す時間
PM10時50分 病院の椅子に座る女性の手には、3時で止まってしまっている血塗られた時計が握られている。 3時で止まってしまった時計。あれから、何時間が経っているのか、女性にはわからない。わからないが、興味はなかった。 女性は血塗られた時計を、止まってしまった時計を握りしめている。動きを止めてしまった時計。 ただ時計を握りしめて居る。 女性は、時計に向けて何を祈っている。 その祈りを止める事は誰にもできない。 ★☆★ PM2時40分 「沙織!早くしないと塾の授業に間に合わないわよ!」 「大丈夫!…
続きを読む2020/08/27
【神社と僕たち】僕たちのお返し
二人の少女は、学校の帰り道にある神社に来ていた。 (おねがいです。大好きなだいちゃんと両思いになれますように!) (大好きなたっくんが私の事を好きになってくれますように、お願いします) — 4人の少年と少女は、学校の帰り道にある神社に寄った。 学校の宿題をするためだ。 「ねぇ本当に”ここ”なの?」 「宿題には丁度いいだろう?」 反対する女子に、男子が肯定させるための意見を話している。 「そうだけど、ちょっと怖いよね」 もうひとりの女子も怖がっている。 「大丈夫だよ。俺、この前の祭りでも…
続きを読む2020/08/27
【精神融解】とけていく
最近、同じ夢ばかりを見る。 1人の女の子がいじめられて自殺する夢だ。 いじめる方は毎回違う。でも、最後は決まって、知らない海に飛び込んでの自殺だ。 最初の事は、はっきりしなかった顔も今でははっきりと見る事ができる。 私ではない。私が知っている顔でもない。 青い海が赤く染まって、私を溶かしていく、海の中から空を眺めながら沈んでいく、赤い空が溶けていく私を見つめている。 そこで目を覚ます。 原因はわかっている。いつの頃なのかわからない。私の引っ越しの荷物の中に入っていた一冊の日記。 私が書いた…
続きを読む2020/08/27
【バレンタイン】初めて食べた手料理はしょっぱかった
俺が通う高校までは電車で30分くらいかかる。 朝早い電車で駅員が居ない日もある。 市にある工業高校に通っている。そこで、部活をやっている。 最寄り駅までは、家から自転車で通っている。 自転車置場はすぐにいっぱいになってしまうのだが、朝練に向かうような早い時間帯なら自転車置き場も空いている。 毎日、電車に乗るわけでも無いのに、ベンチに座って居る2人のおばちゃんにも挨拶をする。 寝ているのか起きているのかわからないけど、挨拶しないでいると後で思いっきり怒られたりする。 「隆史(たかし)今日も部活か…
続きを読む2020/08/27
【発覚】大事な事は、奴らが教えてくれる?
俺は、心霊現象と言われる類の物が好きになれない。 怖いからではない。見えてしまうからだ。 いつ頃からだろうか? 俺は、心霊現象を認知する事ができる。幽霊と言われる物がはっきりと見えてしまうのだ。相手も、俺が見えている事が解るのだろう。コンタクトを取ってきたりする。 「田村!どうした?疲れ切っているぞ?」 「うるさい。話しかけるな」 「おっおぉ・・・」 会社の同僚の村田だ。 同期だという事もあり、よく飲みに行ったりしている。お互いの事情もある程度は知っている。 違うな。奴の事情は、奴から聞いたわ…
続きを読む2020/08/27
【新しい絆】新しい傷
僕の左手首には、古い傷がある。 手首に横一文字に切られた傷だ。リストカットをしたかのように見える。 高校受験のときに、担任から傷の事で注意を受けた。 「平田。その傷は隠しておけよ」 「なんでですか?」 「俺は、お前が自殺なんてしていないのは知っているが、始めて会う人には伝わらないだろう?不快に思う人が居るかもしれないからだ」 「そんな高校には行きたくありません」 「お前な」 「だってこの傷は、ママが僕を守ってくれた証拠です」 最後までしっかり言えたと思う。思うけど、涙が出てきてしまう。 「わかった。…
続きを読む2020/08/27
【ぬくもり】背中に感じたぬくもり
背中に感じていたぬくもりがなくなってから、5年が経過していると教えられた。 冬になると実感として感じてしまう。 ついこの間までは、背中に当たる彼の背中から確かなぬくもりを感じる事ができていた。 そして、途中から加わったもう一つのぬくもりが・・・。 本当に、それだけで良かった。 私には、彼から感じるぬくもりと、彼と私が望んだぬくもりの二つがあれば十分だった。そして、新たに加わるはずだったぬくもり。ぬくもりの数だけ幸せを感じる事ができた。 たったそれだけのことだったのに、私が寒くて凍えそうなのに、…
続きを読む2020/08/27
【待つ】青い鳥を待つ人
私の会社は・・・私が就職した会社は、IT企業だ。とある大企業の子会社になる。 社長は関連会社と言っているがどう見ても子会社だ。資本関係がないので、子会社で無いのはわかっているが、役員などはとある大企業の元部長だとかが就任している。ちなみに、肩書だけなのか、会社でその姿を見た事がない。 別にそれを不満に思う事はない。仕事内容も別段大きな問題はない。ただ、システム会議に出ると、自分たちの立場を再認識させられるだけだ。私たちは、邪魔な存在だと現場では認識させられている。 なので、親会社の業績がダイレクトに…
続きを読む2020/08/27
【一冊の本】忘れられた絵本
私は、この図書館が好きだ。 でも、街の事情とやらでこの図書館は今月末で閉じることが決っている。 今日は、その月末だ。ほとんどの本が持ち出されている。近隣の図書館や学校に送られているのだと言っていた。残された本は、痛みが激しかったり、引き取り手が居なかった本達だ。 閉じることが知らされた時に、私は会社を休んで図書館を訪れることに決めていた。会社の同僚にはバカにされたが、自分が好きな場所がなくなるのだ、そのくらいはいいだろうと思っている。 図書館に残された本は、欲しい人が持ち帰っていい事となっていた。…
続きを読む2020/08/20
【第九章 神殿の価値】第十九話 リーゼの仕事
「ねぇヤスは?」 リーザは、ファースト(専属メイド)に神殿の主であるヤスの居場所を尋ねる。 「セバスの話では、明日には帰ってくるそうです」 「わかった。明日だね。ねぇ僕が相談したいことがあると言ったらヤスは会ってくれるかな?」 「大丈夫だと思います。事前に、お伝えしておきますか?」 「え?あっうん。お願い」 ファーストが、すぐにリーゼの家から出て、神殿に向かった。 セバスかツバキに、リーゼの要望を伝えるためだ。 幸いなことに、セバスが神殿に居たので、リーゼの要望を伝えた。 セバスは、マルスに伝達を…
続きを読む2020/08/14
【第九章 神殿の価値】第十八話 ヤス。爆走中
『マスター。個体名サンドラから依頼が入っています』 「ディアナに出してくれ」 『了』 ヤスは、ディスプレイに表示される文字を目で追う。 目的地も解る。荷台が空にならないように、サンドラやドーリスが調整をしてくれているのが解る。 今の荷物を運び終わってから空荷になるのはローンロットまでだな。 「マルス。積み込みは?」 『おおよそ、52分で終了します』 「わかった。少しだけ寝る。終わったら起こしてくれ」 『了』 ヤスは、居住スペースに移動する。 もともと、改造されて快適に過ごせるようになっていた居住ス…
続きを読む2020/08/09
【第九章 神殿の価値】第十七話 物流倉庫
ヤスは、各地に出来た拠点に荷物を運んでいた。 拠点から拠点に荷物を運んでいる。主に、建材に使うような物が多く、馬車ではそれこそ、数ヶ月にも渡って搬送しなければならない建材も、ヤスなら1-2日で搬送できる。それも、馬車の何倍もの量を積んでも大丈夫なのだ。 「旦那様」 「あぁ今日、神殿の主が来たのだったな。どうだった?」 「・・・。はい」 「どうした、正直に話せ。何か、無茶なことをいいだしたのか?それなら、辺境伯に苦情を言わなければならない」 「いえ、違います。神殿の主様は、ヤス様と名乗られまして、その荷物…
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