スキルの記事一覧

2023/08/19

【第四章 スライムとギルド】第四十三話 治療の裏で(3)

発見した盗聴器を、口喧嘩を終えた二人に見せます。 「茜。これは?」 円香さんなら見ればわかるでしょう。 あえて聞いてきたのだとしても、答えは決まっています。 「孔明さんの家に仕掛けられていた盗聴器です」 「それは、見れば解る。なぜ、茜はこれら(盗聴器)が仕掛けられているのがわかった?」 質問の意図はわかっていました。 答えられる物ではないので、解っていることを答えます。 「え?そういえば・・・。スキルの恩恵?」 「ようは、解らないのだな?」 解らないことが解ってもらえました。 「はい」 円香さんの視線が怖い…

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2023/08/18

【第四章 スライムとギルド】第四十二話 そのころ(2)

男だけ45人が乗った改造されたワンボックスの中は指令室になっている。監視している者たちからの情報が集まってきている。 暫く、動きを見せていなかったターゲットが、動きが活発になってきている。 指令室には、上層部からの指示が出ている。ターゲットが何かを発見したと思われる動きが伝えられている。 ターゲットが、海外のギルドカードに紐付けされた企業に送金していることが掴んでいる。 ターゲットを監視しているのは、自分たちの組織だけではない。民間や別の組織が監視しているのが解っている。 それらの組織を出し抜く為にも、ター…

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2023/08/15

【第四章 スライムとギルド】第四十一話 治療の裏で(2)

本当に、主殿。貴子ちゃんには、いい加減にして欲しいと伝えたい。 問題の本筋は、貴子ちゃんが”よくわかっていない”ことです。これは、ギルドが持っている。世間に公表している常識を覚えてもらえばいいと思っています。 でも・・・。本当に数時間で・・・。”困った”が溜まってしまいました。 まとめておかないと、後で困るのは私です。間違いなく、円香さんは、私に”丸投げ”してきます。 貴子ちゃんと一緒に居られるのは嬉しいのですが・・・。貴子ちゃん。本当に、ギルドに属してくれないかな? まず、問題になりそうなのは、動物の魔物…

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2023/08/14

【第四章 スライムとギルド】第四十話 そのころ(1)

ギルドに残った千明は、蒼を問い詰めていた。 「蒼さん!」 二人だけ残されたのが、気に入らなかったのではない。 自分だけ事情を知らないのが気に入らないのだ。 「だから、孔明には、妹が居て、怪我をしていて、それで・・・。あぁ面倒だ!」 蒼は、真子にも会って話をしたこともある。 事情も理解している。真子が治るとも思っていないが、孔明がなんとかして治そうと足掻いている状況も理解している。 「あぁ説明を放棄した!普通の怪我なら、スライムさんが一緒に行く必要はないですよね?茜も一緒なのは何故?私だけ知らされていない!?…

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2023/08/13

【第四章 スライムとギルド】第三十九話 治療の裏で(1)

円香に、真子の部屋から連れ出された。 茜嬢は理由を察しているようだが、俺には解らない。解らないが、治療に必要な事なのだろう。 10分くらい経っただろうか、貴子嬢が真子の部屋から出てきた。 そして、治療で大量に水分が出てしまう可能性があるから、水分補給用の飲み物を買ってきて欲しいと言われた。 茜嬢が、自分たちの食事も欲しいと言ってきたが、長丁場になると考えれば、当然だ。 貴子嬢は肉がいいと言ったので、肉を買いに行く。あとは、飲むゼリーも買ってくる。治療中の真子が食べられるのなら、食べさせたい。 車は、ギルドか…

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2023/08/12

【第四章 スライムとギルド】第三十八話 治療(10)終了

真子さんの快楽の波が少しだけ落ち着いたようです。 「たか・・・こちゃん」 「はい」 身体を起こしてくれました。 自分の手を見て、涙を流しています。 指が無かった手にゼリーを渡します。 まだ力が入らないのでしょう。でも、自分の手でしっかりと触れたので、嬉しいのでしょう。手で顔を覆って、涙を流しています。 足の復活はもう少し後になりそうです。 今は、顔や腕や肩の傷が盛り上がって治っていくようです。 再生の速度がゆっくりになっているのは、スキルの調整が出来るようになったからなのでしょうか? あとで、真子さんに話を…

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2023/08/11

【第四章 スライムとギルド】第三十七話 治療(9)

ライがモモちゃんにスキルを取得させている間に、結界から出て、リビングに向かいます。 茜さんが私に気が付いてくれました。 「貴子ちゃん?どうしたの?何か、問題?」 「貴子嬢。真子は?」 「大丈夫です。デメリットの説明が終わって、真子さんの治療が始まった所です。それで、孔明さんに、お願いがあります」 「なんでも言ってくれ」 「この辺りの地理に詳しくないので解らないのですが、スポーツドリンクを買ってきて欲しいのです」 「わかった。真子が飲むのか?」 「はい。治療時に汗とかで水分が出てしまう可能性が高いこともあり、…

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2023/08/10

【第四章 スライムとギルド】第三十六話 治療(8)

「あっ最後のデメリットですが・・・」 「え?はい」 真子さんが、姿勢を正して私を見てきます。 「”再生”のスキルが発動している状態で、快楽が身体を襲います」 「え?」 「本来、”再生”は、記憶を再生するので、痛みも再生されます」 「・・・」 「”治療”のスキルは、治療中の痛みを快楽に変えます」 「え?」 「これは、私が試せなかったので、デイジーに聞いた話です」 「治療中?」 「この辺りが微妙なのです。痛みが必ず快楽に変わるわけではないようです。スキルで与えられた痛みが、快楽に変るようなのです」 「・・・。そ…

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2023/08/10

【第三十一章 本腰】第三百十三話

方向は決まった。 アトフィア教の連中が怪しいという目安も立ったが、問題は方法が解らないことだ。 ノービスの連中に会いに行くか? 「カイは、シロの護衛を頼む」 『はい』 シロの護衛は、フラビアとリカルダも居るし、大丈夫だとは思っている。 ステファナも本調子になってきたし、レイニーも従者兼護衛になっている。そもそも、アズリやエーファやレッチュが居る段階で、龍族でなければ相手にならないだろう。 それで、なぜかエリスがシロにべったりらしい。エリスがシロの近くから離れようとしない。らしい。 報告では、護衛にもなってい…

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2023/08/09

【第四章 スライムとギルド】第三十五話 治療(7)

言葉は、茜さんが教えてくれるようです。良かったです。 茜さんは優しいから、お姉ちゃんみたいで頼ってしまいます。 「真子さん。話がごちゃごちゃしてごめんなさい」 「いいよ。私は、何をしたらいいの?どうしたら・・・」 真子さんが、布団から出ている手や足を見ます。 足は、欠損の状態がはっきりとわかります。指は、解らないように、ギプスのような物が付いていますが、見れば義指だとわかります。 「最初に伝える事があります」 「はい」 まっすぐに私を射抜くような視線で見てきます。 「モモちゃんと契約すると、モモちゃんの寿命…

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2023/08/08

【第四章 スライムとギルド】第三十四話 治療(6)

ライが、モモンガちゃんに触れます。 「ライ?」 「うん。大丈夫」 ライが。大丈夫だと言っているので、モモンガちゃんとのパスが繋がったのでしょう。 強制はしたくないのですが、最悪は強制的にスキルを付与させることも出来そうです。 「え?なにが?え?」 「真子さん。治療の方法を説明します」 外に居るライが。孔明さんを抑えておく必要がなくなったと報告を上げてきます。 結界の必要もないですし、外に居るライに結界を解除してもらいます。 ついでに、円香さんと茜さんを呼んできてもらいます。 孔明さんだけに見てもらうよりは、…

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2023/08/06

【第四章 スライムとギルド】第三十三話 治療(5)

桐元家は、マンションでした。真子さんが部屋に引き籠っていることや、孔明さんが帰ってきて寝るだけの部屋があれば十分なので、戸建てでは無いようです。 「円香。茜嬢。適当に座ってくれ、貴子嬢。さっそくだけど、頼めるか?」 私とライは、孔明さんについて行きます。 「真子」 ドアの前で、ノックをしてから、話しかけます。 部屋からの返事がない。真子さんが居るのは、ライの使っているスキルで解っている。真子さんとモモンガが居る。 「真子。今日は、お前を」「お兄ちゃん。もう・・・。いい。私の為に、お兄ちゃんが傷つかなくて・・…

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2023/08/05

【第四章 スライムとギルド】第三十二話 治療(4)

桐元孔明(よしあき)さんの妹さんが、スキル利用者になりそうです。真子さんと呼んでいいのかわかりませんが、皆さんが”真子さん”と呼んでいるので、私も真子さんと呼ばせてもらいます。 それから、孔明(よしあき)さんのことも、桐元さんではなく、孔明(よしあき)さんと呼んだ方がよさそうです。 真子さんは、孔明さんのご実家にいらっしゃるとのことでした。 ご実家は、富士宮にあるらしい。移動は、迷いましたが、孔明さんの運転する車に便乗させていただくことにしました。茜さんと円香さんも一緒です。心配性の家族が上空を飛んでいます…

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2023/08/04

【第四章 スライムとギルド】第三十一話 訪問準備

ライと一緒にギルド職員の茜さんのご自宅に行くことになった。 友達ではないけど、知り合いのおうちを訪ねるなんて、小学生以来で緊張します。 勢いで言ってしまいましたが迷惑じゃなかったのでしょうか? 茜さんの声が、歓迎しているようにも聞こえたので、大丈夫だと思う事にします。 手土産と、治療に必要な準備をしましょう。 「ライ。アイテムボックスを作って、時間停止でいいかな?」 「うん。わかった」 私のスキルの一つ。”記憶保持”が実は、アイテムボックスに付与できることがわかりました。 時間停止とは違うとは思いますが、中…

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2023/08/03

【第四章 スライムとギルド】第三十話 蒼と千明

俺は、上村蒼。元自衛官だ。 今は、紆余曲折あってギルドに世話になっている。 蒼という名前から、女性だと勘違いされることもあるが、れっきとした男だ。 自衛藍では、魔物の出現が確認されてから新設された混成部隊の分隊の隊長を務めていた。 魔物の駆除が主な任務だった。人の領域に出てきてしまった魔物は、警察が駆除するが、人里に降りてくる前に駆除するのが任務だった。 前の職場も居心地は良かったが、ギルドの居心地も悪くない。任務が仕事になったが、大きな違いはない。 魔物の駆除よりも、情報収集や情報の整理が多くなっている。…

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2023/08/02

【第四章 スライムとギルド】第二十九話 治療(3)

結局、円香さんと孔明さんの眼力に負けて、ライが新しく出した”鑑定”スキルは私が取得することになりました。魔物鑑定があるからいらないと粘ったのですが無駄でした。 「貴子さん。これから、スキル付きの結晶は、簡単に出さないで貰いたい」 円香さんが注意します。 主殿には必要な事です。簡単には出しているとは思いませんが、価値が高いと思っていない可能性はあります。 魔石を磨くという技術も凄いのです。そもそも、”鑑定”と”錬金”スキルがなければできないのですが、”錬金”がなくても、魔石を磨くことはできるのでしょうか?聞い…

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2023/08/01

【第四章 スライムとギルド】第二十八話 治療(2)

お金の話が出来て良かったです。 主殿に、価値を知ってもらえれば、自重を覚えてくれるでしょう。 そういえば、果物も”魔石”が使われた土から作っているので、ポーションの材料になるようです。どの果実で作るのが、効果が高いか解らないようです。 「うーん。うーん」 主殿がうなっています。 何か、問題が発生したのでしょうか? 「どうしたの?」 「1億も持ったことがないから・・・。パソコンは、パパの使っていた物があるし、知識もないから新しい物にしても設定ができるか解らないし、スマホも困っていないし・・・。食べ物も、果物が…

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2023/07/31

【第四章 スライムとギルド】第二十七話 治療(1)

皆を見送りました。 ユグドの分体で覆う計画は、主殿が来てから、他に何か方法がないか聞いてからにします。ユグドに負担をかけたくないこともあるのですが、ギルドにはギルドで、主殿に依頼をしてでもセキュリティを高める方法を考えて欲しいと思います。お金しっかりと払いましょう。 孔明さんが内通していた組織があるのです。情報管理は、これからはもっと厳しくした方がよいと思います。 孔明さんが横流ししたアイテムが、ギルドから安く売り出されれば、自分たちが騙されたと考えるでしょう。 あの手の組織は、”ドラマ”では自分たちが下に…

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2023/07/30

【第四章 スライムとギルド】第二十六話 報告(7)

「あっ。円香さん。まだ報告は終わっていません。これは、主殿の家族の紹介です」 立ち上がりそうな円香さんの表情が固まります。 わかります。 でも、普段の円香さんなら気が付いてくれると思います。冷静に考えれば答えが導き出されます。 円香さんを見つめます。 「何を・・・」 円香さんが動揺しているのがわかります。 椅子に座りなおしてくれました。 まだ、大丈夫です。 話が出来ます。良かったです。 「主殿は、私や千明と同じです」 「あっ・・・」 「そうです。主殿は、眷属の親です。私と千明が、クロトやラキシやアトスが得た…

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2023/07/29

【第四章 スライムとギルド】第二十五話 報告(6)

「茜。いろいろ聞いたが、そろそろ、この部屋の説明をお願いできるか?」 解っています。 そんなに睨まないで欲しいです。 あぁ・・・。 ”ユグド。クシナとスサノを連れて部屋に来て、すぐに終わるから、15分くらい時間を頂戴” ”うん。わかった!” 「少しだけ待ってください。あっ」 ユグドがドアを開けて部屋に入ってきました。 「ユグド。本体を、見せて大丈夫?」 「うん。平気!もう、僕が本体の役割を持っているよ?」 それなら良かった。 かき分けたら、女の子が寝ていたらショックだ。 「先に、クシナとスサノの説明をします…

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2023/07/29

【第三十一章 本腰】第三百十二話

雑談だったが、船長から有力な情報を貰った。 船長には悪いとは思ったが、ルートガーを含めて正式に話を聞く場を設けた。 そこで、ルートガーにも情報が伝えられた。 船長が、俺が使っている船室から出た。船長を何時までも拘束していては、船の運航が滞ってしまう。俺たちの安全を考えて、話は俺から質問をして、短時間で終わらせた。雑談を含めると、かなりの時間、船長を拘束してしまう結果になる。それに、ルートガーは雑談が苦手だ。 船長は、問題はないと言っていたが、俺たちの安全の為に、通常業務に戻ってもらった。 今の所、考えられる…

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2023/07/28

【第四章 スライムとギルド】第二十四話 報告(5)

部屋に、私が隠し持っていたお菓子を持って戻りました。 蜂蜜はなしです。普通の飲み物です。 今回は、お茶にしました。日本茶です。掛川のお茶農家から買った美味しいお茶です。湯山のお茶も捨てがたいのですが、今日は掛川のお茶です。 お菓子には、お茶です。異論は認めますが、私の信念は変わりません。 部屋に戻った私は、円香さんに捕まりました。 「茜!?」 「はい?」 「廊下の音が聞こえない。どういうことだ?」 盗み聞き対策です。とは、答えにくい状況です。 千明も円香さんも同じような作りの部屋に住んでいます。 廊下を歩く…

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2023/07/27

【第四章 スライムとギルド】第二十三話 報告(4)

主殿の正体と、ライの身元調査は、報酬に関わってくるので、最後にしましょう。 部屋の様子は、聖樹・・・。ユグドに関わってくるので、後回しです。 主殿の正体に関わることで、主殿の戦力ですが、これも最後に回しましょう。 魔石へのスキル付与とポーションの説明が先でしょう。 その前に、休憩ですね。 私も疲れました。 皆はもっと疲れていると思います。 「円香さん。一度、休憩にしませんか?」 「あぁそうだな」 円香さんは、周りを見て休憩を決めました。 休憩と言っても、情報の精査を行う時間が必要なのでしょう。身体の休憩では…

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2023/07/26

【第四章 スライムとギルド】第二十二話 報告(3)

「茜。主殿には、他にも魔物がいるのか?」 「それは、後にしましょう。先に、蜂蜜の話をしましょう。美味しいですよね?ギルドで買い取りますか?全部で、100瓶くらいあります。1キロくらいの瓶が100本です」 「茜嬢。これも、受諾販売でいいのか?」 「はい」 「蜂蜜の成分は解っているのか?」 「わかりません。ただ、ミツバチが一生懸命に、いろいろな花から蜜を集めていました。それこそ、ブドウみたいな果実やスミレみたいな花とか、あぁロウバイの花も咲いていました。リンゴも桃も柿も、イチゴもありましたよ」 「ちょっとまって…

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2023/07/25

【第四章 スライムとギルド】第二十一話 報告(2)

「売りましょう。スキルが付与されていない物ですし、ギルドが持っていても意味がありません」 「茜。いいのか?魔石は、鑑定石で使うのではないのか?」 「そうですね。他にも、いろいろ使い道があるのは解っています。でも、アイテムボックスの中にあるものは売っても大丈夫です。数が多いので、全部売れるのか・・・。そちらの方が心配です」 「茜嬢。魔石は、有ればあるだけ売れる。売ってしまっていいのなら、日本国内だけではなく、海外にも欲しがる者は多い。でも、いいのか?残さなくて?」 「大丈夫です」 私は、両手をテーブルの上に置…

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2023/07/24

【第四章 スライムとギルド】第二十話 報告(1)

方向性が決まった。 まずは、ポーションを用意しよう。それから、魔石を持っていってもらう。 ユグドに相談かな? 円香さんと孔明さんが、何かを話している。銀の名前が出ていることから、さっきの話なのだろう。私には解らない。そっちは、円香さんと孔明さんに任せてしまおう。 ”ユグド” ”なぁに?” ”ポーションを作りたいのだけど、材料は揃っている?” ”うーん。お水が欲しい。出来れば、綺麗なお水がいい!” ”綺麗な水?” ”うん” 二人を見ると、まだ話をしているけど、報告を終わらせたい。 「円香さん!孔明さん!」 「…

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2023/07/20

【第三十一章 本腰】第三百十一話

ゼーウ街から、チアル大陸には、デ・ゼーウが用意した船で向かうことになった。 チアル大陸に本拠地を置いている商人に頼む予定だったのだが、デ・ゼーウが前に拿捕した船を下賜した者が立ち上げた商家だ。運営実績も問題がない。チアル大陸との取引も行っている。 船は、元アトフィア教の司教が使うために作られていた物なので、豪華になりすぎた感じの船だ。 船倉は、無かったと言っていたが、奴隷を連れ帰る為の場所が存在していた。アトフィア教らしい船だ。 その奴隷を詰め込んでいた場所を船倉に改造した。 この船で、アトフィア教の港にも…

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2023/07/05

【第四章 スライムとギルド】第十九話 メモ

心に刺さっていた棘が抜けた。 まっすぐに俺を見ていた視線で、里見茜嬢が何かに気が付いたのだと思った。 そして、円香から直球を頭に投げられた。 気持ちが楽になった。 ギルドの情報を流す役割を持っていたからだ。 奴らの語っている”正義”には、どの角度から考えても共感が出来ない。しかし、真子を治すのには・・・。苦渋の選択ではない。俺は疲れてしまっていた。真子を殺して、俺も死ぬ事を考え始めた時に、奴らが俺に声をかけてきた。 最初は、眉唾以上の感想はなかった。 しかし、誘われるままに、奴らの会合に行くうちに、信じては…

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2023/06/29

【第三十章 新種】第三百十話

デ・ゼーウに情報を提供するために、ルートガーが部屋から出て行った。 方針も決まったのだし、もう大丈夫だろう。 もういい加減にチアル大陸に戻りたい。差し迫ってやることは思いつかないが、適当な理由を考えて帰ってしまおうか? ルートガーが戻って来るまで、新種に関して、解っていることを考察しておこう。考えるだけしかできないけど・・・。 中央大陸は安定してくれた方が嬉しいが、荒れたら荒れたで接し方を変えるだけで、チアル大陸への影響は少ない。少なくなるように動けばいい。 そうなると、安全面や今後の動きを考慮すれば、”新…

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2023/06/21

【第三十章 新種】第三百九話

新種の話は一旦、棚上げすることにした。新種は気になるが、すぐに動くことができない。情報も不足している。今、動いても無駄になってしまう可能性が高い。 それ以上にやらなければならないことも残っている。 ルートガーからの報告は、大きな問題はなさそうだ。 ドワーフたちが思っていた以上に理性的だったのは、予想とは違ったが、いい誤算だ。 ドワーフたちは、求めていた鉱石を、デ・ゼーウから譲り受ける事で合意した。 必要な分量を確保することを、デ・ゼーウが約束したからだ。 デ・ゼーウは、ダンジョンを公開すると約束して、攻略を…

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