2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】第七話 別れ

施設に充てた白鳥からのメールで、メーカにハードウェアに関する支払いを行いました。 要約するとそういう内容が書かれていて、振込用紙が添付されていた。 勿論、メーカではなく、副社長の会社に・・・だ。 (終わった・・・) それが真辺の感想だ。 多分、それを見た皆が同じ思いだったのだろう。 真辺は、最悪な状況だが、確認しておかなければならない事を、石川に問いただした。 「石川。この件は、施設側やSIerは知っていると思うか?」 「・・・わかりません。ただ、SIerは知っていると思います」 真辺の考えと同じだが、問題…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】第六話 修羅場

「ナベさん。ナベさん」 真辺は、山本に起こされた。 「あぁすまん。寝てしまったみたいだ」 「えぇそうですね。それに、なんど見てもびっくりしますよ。本当に器用に寝ますよね」 「特技だからな。なんなら、秘伝だが、お前になら伝授してもいいぞ?」 「遠慮しておきます。俺は、やわからなベッドの上が好きですからね」 「あぁそうだな。隣に愛おしい奥方が居れば尚良だろ」 二人は、お互いを見て笑った。 鉄火場。修羅場。デスマーチ。どんな言われ方をしていても火中にいるのには違いない。しかし、真辺たちは笑う事を忘れない。余裕がな…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】第五話 確執と問題

「ナベ。お前休んでいるのか?」 呼び出された会議室で、昨日まで倒れて休んでいた篠原が真辺に言い寄ってきた。 そう言われるのも当たり前だ。 6月から始まったデスマーチ。9月に入っても収束していない。 6月はまだ良かった。 7月から残業時間がおかしな数字になり始める。 7月の残業時間、280時間。勤務時間ではなく、残業時間だ。 8月はもっと酷くなる”残業320時間”国が定める過労死の時間を、4倍した時間と同じになっている。 9月は、前月の半分位になる計算だ。 それもそのはずだ。 元々請け負った業務以外に、テスト…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】第四話 消火活動

「はぁどういうことだよ・・・ですか?」 「すまん。気が回らなかった」 「いえ、すみません。篠原さんが悪いわけじゃないのは解っています。事情の説明をお願いします」 いつもの店員の女の子がお茶とお絞りを持ってきてくれた。 (ナベさんって・・・。あんな冷たい目つきをするのですね) (あぁ仕事の話をしていると、時々な) 奥で店長と店員が話しているが、それどころではない。 「・・・。あぁ、会社の副社長は知っているよな?」 「えぇどっちもよく知っていますよ」 「そうだな」 「それで、”ろくでもない&#822…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】第三話 状況確認

「片桐。すこし付き合えよ。聞きたい事が山ほどある」 「・・・。あぁ・・・。わかった」 真辺は、片桐を伴っていつも部下たちと行く居酒屋に向かった。 この居酒屋は独立系の居酒屋でオーナーが趣味で始めた店だ。独立系なので、チェーン居酒屋よりは値段は少々高いが、味がいいし、酒のセンスもいい。それに、店の作りが気に入っている。小さな個室から大きな個室まであるので、よく使っている。真辺の知り合いがデザインをした事でオープン時に紹介されてからの付き合いだ。 店に電話をかけて、個室の状況を聞いた。幸いにも、小さい個室が空い…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】第二話 新たな戦場^H^H職場

「ナベ!」 呼ばれた真辺は無視する事にした。正直なことを言えば、嫌な予感しかしない。声の主はすぐに解る。篠原営業部長だ、さっきの報告にも顔を出していたし、真辺が休暇を取る事を知っているはずである。 真辺は知っている。ここで、返事をしてしまうと、明日からの休暇がなくなってしまう可能性が高い事を・・・。 「ナベ!!聞こえているのだろう!」 真辺は聞こえないフリをして、自分の部署に急ぐ。 篠原と真辺の付き合いは長い。この会社に真辺を誘ったのが篠原だ。もう20年近い付き合いになる。篠原は、真辺の5つ上の先輩になる。…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】邂逅5 新人教育

倉橋の死から、7年が経過した。 その間、真辺たちは日々火消しに追われる生活をしていた。 真辺の部署は、人の出入りはそれほど多くない。多くないが、入ってくる人間が少ない。 20名を少し超えるくらいで推移している。 「ナベ」 「あ?あぁなんですか?俺は、明日からの休暇の為に、一番見たくない人の顔を見るのですか?」 「お前、何言っているかわからないぞ?休んでいるのか?」 「休み?休みなんていついらいですか?俺を避けて通っているようですよ」 「あぁ新しい仕事じゃない。お前が希望を出していた人員の話だ」 「なんだ、そ…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】邂逅4 初仕事

『火消し専門部署』社内で語られる時の部署名だ。 正式名称は、『営業部付きインフラ開発部』だ。その後、『副社長付きソリューション開発部』と看板が付け替えられる。 『火消し部隊』や『真辺組』と呼ばれる事が多く正式名称を知っているものは殆ど居ない。 真辺と高橋と山本と小林と井上と倉橋の死を乗り越えた6名と篠原が引き抜いてきた8名の合計の20名での船出となる。 5月末に、真辺は篠原と一緒に専務に呼ばれた。 面倒な話である事は間違いない。 「石黒専務。篠原と真辺です」 「よく来た。入ってくれ」 本来個室など必要ないの…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】邂逅3 新たな部署

「ナベさん。私たちいつまでここにいればいいのですか?」 「さぁ?」 真辺は、篠原から状況を聞いているので、予測はついている。 今、ここに居る者たちが会社にでかけたりしたら、待ち構えているマスコミの絶好の的になってしまう。 マスコミが会社の前から居なくなるまでは、保養所で過ごす事になりそうだ。 「ナベさん。倉橋さんのお葬式は?」 「本人の希望で密葬になった。会社としての告別式は日を改めてやる事になるようだ」 「誰情報ですか?」 高橋も情報を貰っているようだ。 「俺は、篠原さんだな」 「私は、副社長から聞きまし…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】邂逅2 営業と開発

「ナベ!」 篠原は、客先から会社に帰る途中で、連絡を受けて病院に駆けつけた。 「篠原さん」 「どういうことだ!」 「それよりも、客先には?」 「それよりもだと!」 「篠原さん。貴方は営業でしょ?」 「あぁそうだ。だがな、その前に人間だ!ナベ。説明しろ」 真辺は、淡々と感情を殺した声で、倉橋の死が過労死である事。そして、苦しんだ様子がない事を説明した。 「篠原さん」 「なんだ」 「俺が、俺が居たからですかね?」 「なに?」 「俺が、居たから、倉橋さんは・・・」 「ナ・・・ベ・・・。お前?」 篠原は、この時点で…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】邂逅1 出会いと別れ

火消し部隊。この存在してはならない部署は、現在は真辺が率いているが、実際に立ち上げたのは別の人間なのだ。 倉橋という人間が、部署を立ち上げた。 元々は火消し専門の部署ではなかった。エキスパートが集まる遊撃隊だったのだ。当時のIT業界は、専門色が強くなっていた。汎用機を扱う部署。組み込みプログラムを扱う部署。ネットワークも、今のように標準化されたネットワークが存在していたわけではない。いろいろな会社が独自のネットワーク・プロトコルごとに部署が存在していた。 人は多くても仕事がある。 そのために、肥大化するシス…

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2020/01/22

【紡がれた意思、閉ざされた思い】第一話 火消し部隊

『火消し部隊』火消し専門の部署 それは、本来存在してはならない部署。しかし、いろいろな要因が重なり、納期に大幅な遅延が発生したり、重大な問題が発生したりして、急な対応を強いられた時は往々にしてある。そんな時にサポートを行う部署だ。 部署の性質上、その道のエキスパートが揃っている。そして、一癖も二癖も三癖も四癖もある連中が集まっている。 会社の中にあるが、組織図には掲載されていない。遊撃隊の様な位置づけになっている。社長が直接管理する部署となっているが、社長に命令権が有るわけではない。 全ての権限を持ち、この…

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2017/08/16

【読了】ぼっち転生記(5) (モンスター文庫)

内容紹介 殺されたアルをなんとか復活させたアッシュは、その代償で意識不明状態を彷徨うことになった。 約2か月後、側近奴隷たちの手厚い介護のおかげで、アッシュは目覚めることができたが、 それも束の間、冥界山脈からケルベロスたちがエターナル帝国へと攻め入ろうとしていた。 一方、奴隷としてアッシュに買われた同郷出身のサラは、帝国での豊かな生活に感謝しつつもアッシュが父の仇ではないかと疑念を抱き…… 「小説家になろう」発、大人気異世界冒険ファンタジー第五弾! 内容(「BOOK」データベースより) 殺されたアルをなん…

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2017/08/12

【読了】超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです! 5 (GA文庫)

内容紹介 エルム共和国を成立させ、通貨の発行によってその基盤を確かなものとした超人高校生たち。 だが、異世界の人々に国を委譲するための選挙を始めようとした矢先、亡国(ヤマト)の皇女 カグヤが現れた。エルムの基本理念『万民平等』をタテに、帝国に苦しめられている自分たちへ の援助を求めてきたのだ。 司は旧ヤマト領の扱いについて帝国への介入を始めようとするが―― 「俺はその方針には反対だ」 勝人が地球への帰還を優先するため、帝国元帥ネウロとの敵対を避けるべきだと言い出し、 超人高校生たちの間に不協和音が流れ始める…

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2017/08/10

【読了】灰と幻想のグリムガル level.10 ラブソングは届かない (オーバーラップ文庫)

内容紹介 このゲームみたいな世界で、おれは今日も生きていく――。緊迫の10巻!!! ある義勇兵が深い傷を負い、山中で一人その人生の終焉を迎えつつあった。 死に間際、彼は思い出す。元いた世界の残滓を。そして、疑問を抱く。 ――この“グリムガル”という世界とはなんなのか?と。 一方、千の峡谷(サウザンバレー)を抜けオルタナを目指し東へ進んでいたハルヒロたちは、道中の森で、巨大な猿のようなモンスター・グォレラたちの襲撃を受けていた。 レッドバックというリーダーに率いられたグォレラの群れに苦戦を強いられ…

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2017/08/09

【読了】異世界チート開拓記(1) (モンスター文庫)

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2017/08/09

【読了】モンスターのご主人様(9) (モンスター文庫)

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2017/04/24

【読了】異世界召喚は二度目です

間が空いていたので、1巻から読み直し。 それがあるから、積読本が溜まっていくんだよな。

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2017/04/24

【読了】エルフ・インフレーション

ヒーロー文庫とモンスター文庫は積読率が高い。 HJ文庫が一番少ないかな。 あぁオーバーラップ文庫も多いな。

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2017/04/24

【読了】鑑定能力で調合師になります

やっと落ち着いたと思った矢先の事件勃発って感じですね。 うまく利用されている彼がかわいそうにお終えてくる。

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