スキルの記事一覧
2023/01/04
【第二十九章 鉱山】第二百九十五話
よくわからない状況になった。 中央大陸に向っている。もう、港に辿り着いた。 船の手配も終了している。 竜族に乗っていくという話も有ったが、中央大陸に行くのには向かないと判断された。 一人、強固に反対した者が居たので、今回は船で移動する。 船も、通常なら数日から待つ時には2-3週間は待機の日数が必要になるのだが・・・。俺たちの予約は、すんなりと通って、今は船の上だ。 あと数時間で出港する。 横に居る人物に声を掛ける。 「ルート。本当に大丈夫なのだな?」 本来なら俺の代わりに、チアル大陸を統治する。ルートガーが…
続きを読む2022/12/07
【第二十九章 鉱山】第二百九十四話
ダンジョンを俺たちが攻略してしまえば、ダンジョンの所有権は俺たちが取得することになる。 そのうえで、ゼーウ街に借用するような契約にすればいい。 近隣の街から文句を言われたら、デ・ゼーウは俺たちに交渉を丸投げすればいい。 俺たちは、面倒だからゼーウ街に”ダンジョンを丸投げしている”立場を取る。そのうえで、他の街が交渉してきたら、デ・ゼーウ以上の好条件を出さない限りは提供しないと言えばいい。 それでも、ダンジョンにアタックする奴らは出てくるだろう。 見逃してもいい。自己責任でアタックするのなら、勝手にすればいい…
続きを読む2022/12/06
【第四章 スライムとギルド】第一話 贈り物
少女との会談は、無事に終了した。 無事だと思いたい。最低限。本当に、最低限のラインは守れた。少女たちと敵対はしていない。 「円香!」 孔明が何か怒鳴っているが気にしないようにしている。 千明がアトスを撫でている。私も、千明と一緒に現実逃避したい。茜は、少女からの依頼を達成するために、端末で格闘している。 「円香!」 「孔明(こうめい)。聞こえている」 「聞こえているのなら、返事をしろ。それに・・・」 孔明が見つめる先にあるのは、少女から渡された”贈り物”だ。 あの日、少女は、女王蟻をライ殿に吸収させた。 そ…
続きを読む2022/11/28
【第三章 スライム今度こそ街へ】第二十話 少女からの提案
横に座る少女からは、害意は感じられない。 話を進めるにも、困った表情を私に向ける。本当に、”人”ではないのか?それとも、”人”なのに”魔物”なのか? 魔石の話から始めなければならない。 少女から渡された魔石の取り扱いだ。 「壊れましたか?」 私の問いかけに、少女から返ってきた話で、思考が停止してしまった。 慌てて、少女が何を言いたいのか考えた。 私の質問の仕方が悪かったようだ。 「そうではなく、主(あるじ)殿が作られたと、ライ殿から聞きました」 「そうですね。私が、魔石にスキルを付与する形ですが・・・。実際…
続きを読む2022/11/13
【第三章 スライム今度こそ街へ】第十九話 不思議な少女
「円香さん。私も行かなきゃダメですか?孔明さんと蒼さんだけで・・・。私、留守番していますよ?」 茜がまだ行かないと言っている。 二日前から同じことを繰り返している。 「茜。諦めろ。ライ殿とはお前も会っている。”行かない”のはダメだ。もしかしたら、茜か千明しか会話ができない可能性があるのだ。何度も言わせるな」 ライ殿とライ殿の主と言われる方に会う。 もしかしたら、停滞した事柄が一気に動き出すかもしれない。まだ、ギルド本部には報告を上げていない。私の所で止めている。 長沼公園での出来事は、思い返しても不思議だ。…
続きを読む2022/11/08
【第二十九章 鉱山】第二百九十三話
ファビアンの話を聞いて、少しだけ考える。 新しく入れてもらったカップの縁を指で弾きながら状況を整理する。 現在、ゼーウ街には二つの問題がある。 一つが、ドワーフ族だ。これは、鉱石を求めている。厳密に言えば、自分たちが自由にできる鉱山が欲しいのだろう。ドワーフ族は、鍛冶をしていなければ、たんなる酒飲みだ。そして、鍛冶をやらせていても、多くは愚か者の集団だ。話を聞けば、ゼーウ街で文句を言っている氏(うじ)族は、武器を得意とする者たちだ。 武器の需要は確かにある。しかし、武器は消耗品になってしまっているために、品…
続きを読む2022/11/06
【第三章 スライム今度こそ街へ】第十八話 スライムとギルド
新しい服の購入は諦めた。諦めたというよりも、私のことを簡単に説明する方法を考えついた。 制服姿になって、待ち合わせ場所で待っていることにした。 ライはギルドの人に解りやすくするために、スライムの姿で待っていることにした。 私もライも、結界を張って、隠蔽のスキルを発動すれば、認識は難しい。 家の近くで試してみたが、誰も私が居るとは気が付かなかった。テストの仕上げは、最寄り駅の駐輪場で行ってみたが、誰にも気が付かれなかった。 スライムの状態で、カーディナルとアドニスに乗って移動をして、待ち合わせ場所で制服を着て…
続きを読む2022/11/03
【第二十九章 鉱山】第二百九十二話
ファビアンの話を聞いても、よく解っていないことだけが解った。 「本当か?」 ファビアンが知っている限りだという前提だが、中央大陸にはドワーフ”だけ”が住む街や村は存在しない。エルフの様に、大陸を支配しているわけではない。 「はい。過去には、一つの大陸をドワーフ族が支配していましたが・・・」 「どうした?」 「いえ、ご存じだと・・・」 「いや。俺は、歴史に詳しくない。説明してくれると助かる」 「わかりました」 ファビアンが知っている。 中央大陸とドワーフ族の関わりと、ドワーフ族の公になっている歴史を教えてもら…
続きを読む2022/10/26
【第二十九章 鉱山】第二百九十一話
結婚騒動は、子供ができた場合でも、仕事に配慮すること、産まれた子供を安全に預かる場所を作ること、これらのことを、ルートガーに宣言をさせた事で、落ち着いた。 獣人族は”子供は皆で育てる”が染み付いているので、それに倣った形だ。 ルートガーは、最初は抵抗したのだが、クリスからの説得を受けて、最後には受け入れて、宣言を出すのに賛成した。ルートガーが反対していた理由も理解ができる。上流階級で産まれて教育を受けてきたルートガーには、獣人族のやり方が正しいと言われても納得ができないだろう。俺も、クリスも、獣人族が正しい…
続きを読む2022/10/23
【第三章 スライム今度こそ街へ】第十七話 賭け
家で、天使湖で得た物(ドロップ品)を整理していた。 こればかりは、私かライにしかできない。判断した物を、まとめるのは、家族にもできるのだけど、まずは必要な物なのか判断しなければならない。 そして、”必要な物”を判断するのが難しい。 殆どの物が、ギルドの買い取りリストに載っていない。 買い取りができないのか?それとも、知られていない物なのか判断が私にはできない。情報がない。 そして、魔石の買い取りは出ているが、ゴブリンの魔石程度の大きさしか買い取っていない。魔物の名前ではなく、大きさでの買い取りが書かれている…
続きを読む2022/09/28
【第二十八章 新婚】第二百九十話
ギュアンとの話を終えて、崖の住居に戻ることにした。 シロも一緒だ。フラビアとリカルダは、フリーゼが帰ってくるのを待って、決まったことを、フリーゼに説明を行う。 崖の下に移動したら、久しぶりに顔を見る面子が揃っていた。 シロが、俺の前に出るが、肩を叩いて下がらせる。俺が前に出ると、一人の男が、俺の前に出てきて頭を下げる。 「どうした?イェレラ?皆で揃って来た理由は?俺に解るように説明してくれるよな?クリスとルートガーの従者であり、護衛であるお前たちが職場を放棄してきたとは考えていない。だから、緊張しなくていい…
続きを読む2022/09/28
【第二十八章 新婚】第二百八十九話
フラビアとリカルダの案内で、ギュアンとフリーゼが仕事をしている舟屋に向かった。住居は以前に与えた物で変わっていない。仕事場としている舟屋で待っていると教えられた。 舟屋の数は増えていない。 船の数が増えているように思える。当然だな。当初の数では、増え続ける人口を支えるだけの魚を確保するのは不可能だろう。 「ツクモ様」 ギュアンが俺に気が付いて舟屋から出てきた。どうやら、フリーゼは、所用で出かけているようだ。ギュアンが、フリーゼの不在を詫びてきた。 ギュアンの態度が少しだけ固いように思える。表情も前に会った時…
続きを読む2022/09/28
【第二十八章 新婚】第二百八十八話
湖の集落に行く前に、フラビアとリカルダから報告を受ける。 湖の集落は、ギュアンとフリーゼが仕切っていたのだが、人が増えた。フラビアとリカルダも運営の手伝いを行ったが、限界が近いようだ。 元々は、別荘地にする予定で整備を行っていた。 そのために、交通の便や、移動のしやすさや、生活を行う為の設備が少ない。 フラビアとリカルダは、馬車の本数を増やして対応を行っていた。 「そもそも、湖の集落は、別荘地だぞ?そこに、利便性を求めるような奴は、他に移動した方がいい」 俺の言葉に、フラビアが反応した。 どうやら、最初はそ…
続きを読む2022/09/28
【第二十八章 新婚】第二百八十七話
シロとのデートを終えて、部屋に戻ってきた。 途中で、ギュアンたちが居る”湖の集落”に寄ろうという話も有ったが、時間も遅くなってしまったために、明日以降に行くことにした。 「シロ。今日は、上で過ごすか?」 「はい!」 シロが嬉しそうにする。 崖の上に作られた、屋敷?は、改修に改修を加えて、十分に屋敷としての機能を持たせることが出来ている。 地下に作った部屋は、部屋で実験が行える状況になっているので、残している。地下には、俺とシロと眷属しか入ることを許していない。ダンジョンからの進入路は、既に潰してある。 部屋…
続きを読む2022/09/28
【第二十八章 新婚】第二百八十六話
リヒャルトは、俺と話をして、安心したのか、来た時とは違う表情で、部屋から出て行った。 おかしい。 俺も新婚なはずなのに、忙しい。忙しくなりたくなかったから作った仕組みがうまく行けば、また忙しくなってしまう。 「カズトさん」 シロが、部屋に入ってきていた。 テーブルの上に乗ったカップを片づけている。 今まで居たはずのメイドは下がらせたようだ。 「どうした?」 「僕が、カズトさんと・・・」 「いいよ。少しだけ話をしよう」 「はい!」 帰ってきてから、シロとの時間はそれほど無かった。誰かが訪ねて来たり、用事が出来…
続きを読む2022/09/28
【第二十八章 新婚】第二百八十五話
執務室で、カトリナと打ち合わせを行った。俺の後ろにはメイドが控えている。必要ないと思ったが、シロからの指示だと言われて受け入れた。 「ツクモ様。本当に、いいのですか?」 「構わない。それよりも、もう一度だけ聞くけど、本気か?」 「はい」 カトリナから提出された計画書だが、長老たちでは判断ができなくて、ルートガーに回されて、奴は考慮の必要がないとばかりに、俺に回してきた。俺にしか判断ができないと言うのが、ルートガーの言い分なのだが、別に俺でなくても大丈夫だと思う。 そして、内容なのだが、ロックハンドを一大リゾ…
続きを読む2022/09/28
【第二十八章 新婚】第二百八十四話
ルートガーも平等と公平の違いがわからない。 そもそも、公平なら平等が成り立つと思っているようだ。 「ルート。公平は、誰かが判定している。平等は、皆が等しく冷遇される世界でしか成立しない」 「??」 まぁ解らないだろう。 ルートガーが不思議そうな表情をする。クリスは、思考を放棄しているように見える。 「皆が平等なら、冷遇されるのはおかしくないか?」 「いいか、簡単な例だ。ルートがこの大陸の覇権を目指したとする」 「!」 ルートガーは机を叩いて立ち上がる。ルートガーが覇権を目指していないのはわかる。今は、クリス…
続きを読む2022/09/28
【第二十八章 新婚】第二百八十三話
ルートガーも実際に使われ始めた時期や言葉が産まれた経緯は把握していなかった。クリスは、俺が何を問題にしているのか解っていない。ルートガーもクリスも小さな村や町の・・・。支配層の人間だ。 支配層から見れば、身分は解りやすい指標になる。対応する態度を簡単に選択ができる。 「わかった。ルート。他には?」 「他?」 「言葉遊びで、他人を傷つけている連中が居るのか?」 「わからない」 ルートガーを見つめているが、本当に解らないようだ。 長老衆よりも、市井に詳しい人間に聞いた方がいいのか? クリスも俺が気分を悪くしてい…
続きを読む2022/09/28
【第二十八章 新婚】第二百八十二話
ギュアンとフリーゼに結婚の許可を出した。 同時に、クリスを通して、ルートに召喚状を出す。 反応は、すぐに返ってきた。 ”忙しいから、俺の拠点にはいけない”と、いうそっけない物だ。 しょうがない。行政区で待ち合わせをすることにした。 内容は、住民の婚姻に関してだと伝えた。 「ツクモ様」 行政区にある。俺の執務室で待っていると、ルートがクリスと一緒に入ってきた。 「デートの最中に悪いな」 ニヤニヤして、揶揄うと、クリスは目を見開いてから、言葉の意味が理解できたのか、耳まで赤くした。ルートは、憮然とした表情で俺を…
続きを読む2022/09/28
【第二十八章 新婚】第二百八十一話
状況はわかった。俺がしなければならない事も理解した。 そして、総合的に判断した結果、俺の状況は・・・。やることが無くなって暇になった。 報告書を読む限りでは、玩具の開発は順調だ。俺の雑な下書きからすでに試作が行われている。今回は、値段が低く押さえられた物からリリースするので、試作段階では、自由区の住人たちに試してもらうことになった。新しい技術ではなく、”おもちゃ”なので”遊べるか?”や”価格帯は?”を調べる必要がある安全性の確認よりも、市場調査がメインになっている。”遊び”だが、真剣になり、ギャンブルに発展…
続きを読む2022/09/28
【第二十七章 玩具】第二百八十話
俺の執務室に、書類が大量に運ばれてきている。 この部屋に入る許可が出ているのは、眷属を除くと多くない。多くはないが、許可を持つ者はいる。それに、クリスは眷属の属性は外れていない。 何が言いたいかと言うと・・・。 「カズト様。追加の書類です」 自分の部屋に逃げようかと思ったのだが、書類の山が無くなってから帰ろうと考えたのが間違いだった。 それに、自分の部屋に逃げても、クリスなら俺の自宅に入る許可を出してしまっている。 「クリス。少しだけ、本当に少しで構わないから、手伝ってくれないか?」 「ダメです。ルートから…
続きを読む2022/09/28
【第二十七章 玩具】第二百七十九話
俺は、カトリナと打ち合わせをするために、カトリナの事務所に残る事にした。俺に、話を聞く為に、ルートガーがついている。事後で話を聞いたり、まとめられた書類を読むよりも、最初から話を聞いていた方が良いと判断したようだ。 シロは、フラビアとリカルダが待っていると、ルートに教えられて、カトリナに挨拶だけをして、湖の畔にある家に急いだ。馬車は、シロがそのまま使うことになったが、御者だけはカトリナから借りることになった。ルートガーが連れてきた御者は、ルートガーの護衛を兼ねている。 俺の前には、カトリナが居る。 ルートガ…
続きを読む2022/09/28
【第二十七章 玩具】第二百七十八話
馬車がゆっくりとした速度で、行政区に向かっている。 「なぁルート。あれは、なんだ?」 俺が、目の前に座って居るルートガーを睨むが、俺が指さした物を見て、さも初めて見たかのように驚いて見せた。 「私も始めてみました。どっかの誰かに似ていますね。そういえば、ヨーン殿やロータル殿が、仲間を集めて、何かを作っていました。あれがそうだったのですね」 ルートが澄ました表情で語っているのには、嘘があるのは解っている。 解っているが、指摘できない。 指摘したとしても意味がないことが解っている。 俺の石像が立っている場所は、…
続きを読む2022/09/28
【第二十七章 玩具】第二百七十七話
野営地を出ると、遠くに中央が見えてくる。 帰ってきたという思いと、また忙しい日々が来るのかという思いが交差する。 「旦那様」 モデストが御者台から声をかけてくる。 「どうした?」 「ルートガー様が街道でお待ちです」 「ルートが?一人か?」 「はい。お一人のようです」 「わかった。馬車を、ルートの近くで止めて、要件を聞け。一緒に行くのなら、中に誘導しろ」 「はっ」 シロが不安な表情を浮かべる。 確かに、街道まで来ているのは、異常なことだが、ルートだけで来ているのなら、なにか問題が発生していると考える必要はない…
続きを読む2022/09/28
【第二十七章 玩具】第二百七十六話
本当か? 原因を切り分けていくと、起因している状況が似てきている。 「カズトさん?」 俺がまとまった資料を見ていると、シロが飲み物を差し出してきた。 資料をまとめるのは、シロも手伝ってくれたから、内容は理解が出来ている。 「シロ。すまん。少しだけ驚いただけだ」 本格的な調査は、戻ってから行うとしても、取っ掛かり位はつかめればと思って、始めた作業だったが、想像以上に、人はどこに居ても人なのだと、納得させられてしまった。 「そうですね。余裕が出来て、できた余裕の為に、争って余裕が無くなる」 「そうだな。愚かだけ…
続きを読む2022/09/28
【第二十七章 玩具】第二百七十五話
船旅も終わりに近づいてきた。 「カズトさん」 「シロか?」 「はい。モデストが、もうすぐ到着だと知らせに来ました」 「わかった。起きるか!」 「はい」 シロも俺も全裸だ。 扉の外に、モデストが控えているのが解る。シロを抱き寄せて、キスをする。 カイとウミは、甲板に出て居る。 どうやら、海の中に居る魔物を狩るのが楽しいようだ。 着替えを済ませて、シロの恰好を確認する。 問題はない。俺の恰好は、シロが確認する。 「モデスト」 「はい。まもなく、到着します」 扉の外側で、モデストが応える。 「わかった。リヒャルト…
続きを読む2022/09/28
【第二十七章 玩具】第二百七十四話
リヒャルトの話をまとめると、カトリナは狂ったように商売に邁進しているようだ。 スキルカードが足りない者には、物々交換を申し出て資源を確保したりしているようだ。 どこかで、”物々交換”のルールを定めないと、経済がくるってしまう。俺たちの制御下から離れてしまう可能性すらある。 「リヒャルト。カトリナの話はわかった。それで・・・」 「なんですか?」 「そんなに警戒するなよ。自分もやっていると言っているようなものだぞ?」 さっきまでとは違って緊張した顔になる。 「え?」 「よし、帰ったら、商人と行商人に、物々交換の…
続きを読む2022/09/28
【第二十七章 玩具】第二百七十三話
モデストとステファナが戻ってくるのを待って、エルフ大陸から離れた。 「旦那様」 ステファナが、シロの世話を終えたのか、モデストと二人で戻ってきた。 「少しだけ、待ってくれ、リヒャルトが持ってきた資料に目を通しておきたい」 「はい。何か、お持ちしましょうか?」 「そうだな。カイかウミが、果実を持っていたと思う。適当に貰って、絞ってくれ」 「かしこまりました」 ステファナが、部屋から出ていく、俺は出港する前からなぜか船長室を占拠して書類に目を通している。 ルートから渡された書類らしい。決済をしなければならない書…
続きを読む2022/09/28
【第二十七章 玩具】第二百七十二話
リヒャルトが船内を案内してくれた。 俺たちが泊まる部屋は、船長室と同じフロアにある特別室だ。どうやら、俺が泊まるためだけに作られたようだ。 乗船は、一般客として乗り込んだあとで、特別室に通された。 「旦那様。奥様」 ステファナが、部屋で待っていた。 どうやら、リヒャルトが二人を先に見つけて、特別室に隣接している従者の部屋に案内をしていた。 「ステファナ。モデスト。大丈夫なのか?」 「旦那様。エクトルが、エルフを掌握できたので、大丈夫です」 掌握はできるとは思っていたけど、早いな 「へぇ早いな。殺したのか?」…
続きを読む2022/09/28
【第二十七章 玩具】第二百七十一話
結局、エルフが治める大陸にある港で、2週間の時間を過ごした。 実は、この間が新婚旅行っぽかったと思うのは内緒だ。 模擬戦を申し込まれていた、シロだが連戦連勝してしまって、港の警備を行っていた者たちの心が折れてしまった。4日ほどで、シロもやることが無くなってしまった。二人で、港町の散策をしても、復興の途中だ。邪魔にならないように、欲しい物だけを購入して、宿に戻るような生活をしていた。宿では、無事にイチャイチャすることができた。 食料も不足気味だったが、さすがは港町。 エルフから食料の提供が少なくなっている状況…
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