魔物の記事一覧
2023/09/08
【第四章 スライムとギルド】第五十三話 今後の話(5)
「家の場所が決まったみたいです」 貴子嬢が、茜嬢と真子とライ殿が話している内容を教えてくれた。 「貴子。奥に敷地が増やせるようなら、増やして病院兼研究所を作ろう」 貴子嬢の説明では、通りには間口が狭い通路を作って、通路の両脇には”草木”を植える。 通りに繋がる場所には、門を設置する。 門から、奥の家に繋がる通路は約20メートル。 その先に、離れを作る。離れは、真子と茜嬢が生活をする場所になると言っているが、この場所がギルドの支部になるのだろう。 その先に今のところは3つの空き家があり、それらの敷地を買い取っ…
続きを読む2023/09/07
【第四章 スライムとギルド】第五十二話 今後の話(4)
真子と茜嬢と人に戻ったライが席を立って、ソファーに向う。 これからする話は、確かに、真子に聞かせないほうがいい話だ。 貴子嬢は、少しだけ不思議そうな表情をしてから、俺と円香を見て、何かを納得した。 高校生だと聞いていたが、人の顔色を見て育ったのだろうか? 違うな。家族から愛情を注がれて育ったが、家族が奪われて、汚い大人の世界に叩きこまれた。真子や茜や円香と方向性は違うが、同じなのだろう。 話を終えても、貴子嬢は変わらなかった。 — は? 眷属?俺たち? メリットは解る。 デメリットは・・・。ない…
続きを読む2023/09/05
【第四章 スライムとギルド】第五十一話 今後の話(3)
円香さんから、真子さんを連れてソファーに移動するようにやんわりと言われました。 多分、真子さんに聞かせたくない話なのでしょう。おそらくは、孔明さんが貴子ちゃんに打ち明けるのでしょう。信頼を得るために必要な事などは思いますが、賭けの要素が大きいように思えます。 今までの言動や行動から、貴子ちゃんがギルドというか、組織という物をあまり信用していないのは解っています。ギルドを信用してくれとは言いませんが、私たちを信用して欲しいとは思います。私は、貴子ちゃんの味方になろうと思います。 そして、私の腕に掴まって・・・…
続きを読む2023/09/03
【第四章 スライムとギルド】第五十話 そのころ(5)
円香から、真子の治療が成功したと連絡が入った。 千明と話をしたが、成功率は半々だと思っていた。実際に、真子の四肢が揃って立っている状況を見せられても、合成だと疑ってしまった。 「蒼さん。良かったですね」 「ん?なぜ?」 「え?気が付いていないのですか?涙が出ていますよ?」 千明に言われて、頬を伝う涙の存在に気が付いた。 孔明が真子のために隠れて何かをしているのは解っていた。俺を頼って欲しいとは思ったが、俺には何も出来ない。真子を元気づける事も、孔明の手助けをすることも・・・。俺は、無力だ。スキルを得て、なん…
続きを読む2023/09/02
【第四章 スライムとギルド】第四十九話 今後の話(2)
円香さんからの提案を真剣に考えてみる。 私にとって、デメリット・・・。存在しない。それ以上に、私(スライム)の事を調べてもらう事もできるかもしれない。 「円香さん。私、お金が沢山・・・。あります」 「貴子さん。これからも、増えるぞ、今の倍・・・。いや、10倍くらいにはなる」 「え?今でも、信じられないくらいですよ?私、お金、そんなに使わないですよ?」 「ははは。そうだな」 私の言い方が悪いのか、円香さんと孔明さんが笑ってしまっている。 「あの・・・。円香さん」 「なにかな?」 「呼び捨てにしてもらえると嬉し…
続きを読む2023/09/01
【第四章 スライムとギルド】第四十八話 今後の話(1)
貴子嬢が、話をしている最中に立ち上がった。 真子が起きたから迎えに行ってくると言い出した。俺が行こうとしたが、円香に止められた。 秒針の進みが遅い。まだ、30秒しか経っていない。真子は、大丈夫なのか?本当に治ったのか?立てるのか? 真子が部屋に入ってきた。 貴子嬢に支えられているが・・・。立っている。俺に向って、治った手を広げて見せている。 真子の足が治った。真子が歩いて居るのを見ても信じられなかった。貴子嬢が”幻影で見せている”と言われたほうが・・・。現実味がある。 真子が夜に魘される声を何度も聞いて過ご…
続きを読む2023/08/31
【第四章 スライムとギルド】第四十七話 真子のスキル
そうだ! 思い出してきた。 腕を上げる。 指が・・・。 足は見なくても解る。布団を掛けられている?でも、布団を確かに感じる。足が、私の失っていた足が・・・。 ”プクプク!ププゥ!” 「え?」 ”プク!” 「モモ?」 ”プクプク!” え?これがスキルの影響?モモが何を言っているのか解るようになっている。 凄い! 「モモ。私が言っていることが解るの?」 ”ププゥ!” 嬉しい。 指や足が治ったのも嬉しいけど、モモと話が出来るのが嬉しい。 「モモ。これからもよろしくね!」 ”ププゥ!” モモが、私の胸に飛び込んでく…
続きを読む2023/08/24
【第四章 スライムとギルド】第四十六話 そのころ(4)
おかしい。僕は天才なのに、なぜ新しいスキルが芽生えないのか。最初に得たスキルは天才の僕に相応しいとは思えない。 スキルを得てから、いろいろ研究をした。僕の天才的な頭脳にかかれば、スキルの解析くらいは余裕だ。スキルの検証も進んだ。 僕のスキルは、攻撃に分類される。どんな動物でもスライムにしてしまう。スライムは、核を壊せば簡単に倒すことができる。僕の明晰な解析の結果、容易に魔物を倒すことができるスキルだと判明した。 スライムを何万匹倒しても意味がない。煩いママをスライムに変えて、殺しても何も変わらなかった。 帰…
続きを読む2023/08/21
【第四章 スライムとギルド】第四十五話 治療の裏で(4)
本当に不思議な少女だ。 少女と呼んでいいのか解らないが、茜の隣に座って、手を握って貰って喜んでいる姿は、少女と呼ぶのが適切だろう。 それにしても、頭の痛い問題が重なった。 孔明の澱みが強くなっているのは感じていた。 孔明の裏切りには、情状酌量の余地がある。二人だけになってしまった兄妹だ。真子を助けたい気持ちが強いのは理解している。それでも、相談をして欲しかった。対策が無かったことも確かだが、それでも一言でも貰えれば、いい方向に利用することも考えられた。 孔明からの聞き取りでは、ギルドの情報は流れているが、問…
続きを読む2023/08/20
【第四章 スライムとギルド】第四十四話 そのころ(3)
東京の神保町にある雑居ビルが、その協会の登記場所となっている。実際には、理事の全員が揃っているわけではない。受付や職員は別のビルで仕事のような業務を行っている。 日本異能推進協会。通称、日本ギルド。 豪華な部屋で、豪華な椅子に座りながら、送られてきたリストを見ている男がいる。 魔物素材でもっとも価値がある物はなにか? 魔獣のドロップ品は研究材料としての価値が高い。また、牙や爪も装飾品としての価値がついている。 やはり金銭的な価値という意味では、もっとも価値があるのは”魔石”だと思われている。 ギルド日本支部…
続きを読む2023/08/19
【第四章 スライムとギルド】第四十三話 治療の裏で(3)
発見した盗聴器を、口喧嘩を終えた二人に見せます。 「茜。これは?」 円香さんなら見ればわかるでしょう。 あえて聞いてきたのだとしても、答えは決まっています。 「孔明さんの家に仕掛けられていた盗聴器です」 「それは、見れば解る。なぜ、茜はこれら(盗聴器)が仕掛けられているのがわかった?」 質問の意図はわかっていました。 答えられる物ではないので、解っていることを答えます。 「え?そういえば・・・。スキルの恩恵?」 「ようは、解らないのだな?」 解らないことが解ってもらえました。 「はい」 円香さんの視線が怖い…
続きを読む2023/08/18
【第四章 スライムとギルド】第四十二話 そのころ(2)
男だけ45人が乗った改造されたワンボックスの中は指令室になっている。監視している者たちからの情報が集まってきている。 暫く、動きを見せていなかったターゲットが、動きが活発になってきている。 指令室には、上層部からの指示が出ている。ターゲットが何かを発見したと思われる動きが伝えられている。 ターゲットが、海外のギルドカードに紐付けされた企業に送金していることが掴んでいる。 ターゲットを監視しているのは、自分たちの組織だけではない。民間や別の組織が監視しているのが解っている。 それらの組織を出し抜く為にも、ター…
続きを読む2023/08/15
【第四章 スライムとギルド】第四十一話 治療の裏で(2)
本当に、主殿。貴子ちゃんには、いい加減にして欲しいと伝えたい。 問題の本筋は、貴子ちゃんが”よくわかっていない”ことです。これは、ギルドが持っている。世間に公表している常識を覚えてもらえばいいと思っています。 でも・・・。本当に数時間で・・・。”困った”が溜まってしまいました。 まとめておかないと、後で困るのは私です。間違いなく、円香さんは、私に”丸投げ”してきます。 貴子ちゃんと一緒に居られるのは嬉しいのですが・・・。貴子ちゃん。本当に、ギルドに属してくれないかな? まず、問題になりそうなのは、動物の魔物…
続きを読む2023/08/14
【第四章 スライムとギルド】第四十話 そのころ(1)
ギルドに残った千明は、蒼を問い詰めていた。 「蒼さん!」 二人だけ残されたのが、気に入らなかったのではない。 自分だけ事情を知らないのが気に入らないのだ。 「だから、孔明には、妹が居て、怪我をしていて、それで・・・。あぁ面倒だ!」 蒼は、真子にも会って話をしたこともある。 事情も理解している。真子が治るとも思っていないが、孔明がなんとかして治そうと足掻いている状況も理解している。 「あぁ説明を放棄した!普通の怪我なら、スライムさんが一緒に行く必要はないですよね?茜も一緒なのは何故?私だけ知らされていない!?…
続きを読む2023/08/13
【第四章 スライムとギルド】第三十九話 治療の裏で(1)
円香に、真子の部屋から連れ出された。 茜嬢は理由を察しているようだが、俺には解らない。解らないが、治療に必要な事なのだろう。 10分くらい経っただろうか、貴子嬢が真子の部屋から出てきた。 そして、治療で大量に水分が出てしまう可能性があるから、水分補給用の飲み物を買ってきて欲しいと言われた。 茜嬢が、自分たちの食事も欲しいと言ってきたが、長丁場になると考えれば、当然だ。 貴子嬢は肉がいいと言ったので、肉を買いに行く。あとは、飲むゼリーも買ってくる。治療中の真子が食べられるのなら、食べさせたい。 車は、ギルドか…
続きを読む2023/08/12
【第四章 スライムとギルド】第三十八話 治療(10)終了
真子さんの快楽の波が少しだけ落ち着いたようです。 「たか・・・こちゃん」 「はい」 身体を起こしてくれました。 自分の手を見て、涙を流しています。 指が無かった手にゼリーを渡します。 まだ力が入らないのでしょう。でも、自分の手でしっかりと触れたので、嬉しいのでしょう。手で顔を覆って、涙を流しています。 足の復活はもう少し後になりそうです。 今は、顔や腕や肩の傷が盛り上がって治っていくようです。 再生の速度がゆっくりになっているのは、スキルの調整が出来るようになったからなのでしょうか? あとで、真子さんに話を…
続きを読む2023/08/11
【第四章 スライムとギルド】第三十七話 治療(9)
ライがモモちゃんにスキルを取得させている間に、結界から出て、リビングに向かいます。 茜さんが私に気が付いてくれました。 「貴子ちゃん?どうしたの?何か、問題?」 「貴子嬢。真子は?」 「大丈夫です。デメリットの説明が終わって、真子さんの治療が始まった所です。それで、孔明さんに、お願いがあります」 「なんでも言ってくれ」 「この辺りの地理に詳しくないので解らないのですが、スポーツドリンクを買ってきて欲しいのです」 「わかった。真子が飲むのか?」 「はい。治療時に汗とかで水分が出てしまう可能性が高いこともあり、…
続きを読む2023/08/10
【第四章 スライムとギルド】第三十六話 治療(8)
「あっ最後のデメリットですが・・・」 「え?はい」 真子さんが、姿勢を正して私を見てきます。 「”再生”のスキルが発動している状態で、快楽が身体を襲います」 「え?」 「本来、”再生”は、記憶を再生するので、痛みも再生されます」 「・・・」 「”治療”のスキルは、治療中の痛みを快楽に変えます」 「え?」 「これは、私が試せなかったので、デイジーに聞いた話です」 「治療中?」 「この辺りが微妙なのです。痛みが必ず快楽に変わるわけではないようです。スキルで与えられた痛みが、快楽に変るようなのです」 「・・・。そ…
続きを読む2023/08/09
【第四章 スライムとギルド】第三十五話 治療(7)
言葉は、茜さんが教えてくれるようです。良かったです。 茜さんは優しいから、お姉ちゃんみたいで頼ってしまいます。 「真子さん。話がごちゃごちゃしてごめんなさい」 「いいよ。私は、何をしたらいいの?どうしたら・・・」 真子さんが、布団から出ている手や足を見ます。 足は、欠損の状態がはっきりとわかります。指は、解らないように、ギプスのような物が付いていますが、見れば義指だとわかります。 「最初に伝える事があります」 「はい」 まっすぐに私を射抜くような視線で見てきます。 「モモちゃんと契約すると、モモちゃんの寿命…
続きを読む2023/08/08
【第四章 スライムとギルド】第三十四話 治療(6)
ライが、モモンガちゃんに触れます。 「ライ?」 「うん。大丈夫」 ライが。大丈夫だと言っているので、モモンガちゃんとのパスが繋がったのでしょう。 強制はしたくないのですが、最悪は強制的にスキルを付与させることも出来そうです。 「え?なにが?え?」 「真子さん。治療の方法を説明します」 外に居るライが。孔明さんを抑えておく必要がなくなったと報告を上げてきます。 結界の必要もないですし、外に居るライに結界を解除してもらいます。 ついでに、円香さんと茜さんを呼んできてもらいます。 孔明さんだけに見てもらうよりは、…
続きを読む2023/08/06
【第四章 スライムとギルド】第三十三話 治療(5)
桐元家は、マンションでした。真子さんが部屋に引き籠っていることや、孔明さんが帰ってきて寝るだけの部屋があれば十分なので、戸建てでは無いようです。 「円香。茜嬢。適当に座ってくれ、貴子嬢。さっそくだけど、頼めるか?」 私とライは、孔明さんについて行きます。 「真子」 ドアの前で、ノックをしてから、話しかけます。 部屋からの返事がない。真子さんが居るのは、ライの使っているスキルで解っている。真子さんとモモンガが居る。 「真子。今日は、お前を」「お兄ちゃん。もう・・・。いい。私の為に、お兄ちゃんが傷つかなくて・・…
続きを読む2023/08/05
【第四章 スライムとギルド】第三十二話 治療(4)
桐元孔明(よしあき)さんの妹さんが、スキル利用者になりそうです。真子さんと呼んでいいのかわかりませんが、皆さんが”真子さん”と呼んでいるので、私も真子さんと呼ばせてもらいます。 それから、孔明(よしあき)さんのことも、桐元さんではなく、孔明(よしあき)さんと呼んだ方がよさそうです。 真子さんは、孔明さんのご実家にいらっしゃるとのことでした。 ご実家は、富士宮にあるらしい。移動は、迷いましたが、孔明さんの運転する車に便乗させていただくことにしました。茜さんと円香さんも一緒です。心配性の家族が上空を飛んでいます…
続きを読む2023/08/04
【第四章 スライムとギルド】第三十一話 訪問準備
ライと一緒にギルド職員の茜さんのご自宅に行くことになった。 友達ではないけど、知り合いのおうちを訪ねるなんて、小学生以来で緊張します。 勢いで言ってしまいましたが迷惑じゃなかったのでしょうか? 茜さんの声が、歓迎しているようにも聞こえたので、大丈夫だと思う事にします。 手土産と、治療に必要な準備をしましょう。 「ライ。アイテムボックスを作って、時間停止でいいかな?」 「うん。わかった」 私のスキルの一つ。”記憶保持”が実は、アイテムボックスに付与できることがわかりました。 時間停止とは違うとは思いますが、中…
続きを読む2023/08/03
【第四章 スライムとギルド】第三十話 蒼と千明
俺は、上村蒼。元自衛官だ。 今は、紆余曲折あってギルドに世話になっている。 蒼という名前から、女性だと勘違いされることもあるが、れっきとした男だ。 自衛藍では、魔物の出現が確認されてから新設された混成部隊の分隊の隊長を務めていた。 魔物の駆除が主な任務だった。人の領域に出てきてしまった魔物は、警察が駆除するが、人里に降りてくる前に駆除するのが任務だった。 前の職場も居心地は良かったが、ギルドの居心地も悪くない。任務が仕事になったが、大きな違いはない。 魔物の駆除よりも、情報収集や情報の整理が多くなっている。…
続きを読む2023/08/02
【第四章 スライムとギルド】第二十九話 治療(3)
結局、円香さんと孔明さんの眼力に負けて、ライが新しく出した”鑑定”スキルは私が取得することになりました。魔物鑑定があるからいらないと粘ったのですが無駄でした。 「貴子さん。これから、スキル付きの結晶は、簡単に出さないで貰いたい」 円香さんが注意します。 主殿には必要な事です。簡単には出しているとは思いませんが、価値が高いと思っていない可能性はあります。 魔石を磨くという技術も凄いのです。そもそも、”鑑定”と”錬金”スキルがなければできないのですが、”錬金”がなくても、魔石を磨くことはできるのでしょうか?聞い…
続きを読む2023/08/01
【第四章 スライムとギルド】第二十八話 治療(2)
お金の話が出来て良かったです。 主殿に、価値を知ってもらえれば、自重を覚えてくれるでしょう。 そういえば、果物も”魔石”が使われた土から作っているので、ポーションの材料になるようです。どの果実で作るのが、効果が高いか解らないようです。 「うーん。うーん」 主殿がうなっています。 何か、問題が発生したのでしょうか? 「どうしたの?」 「1億も持ったことがないから・・・。パソコンは、パパの使っていた物があるし、知識もないから新しい物にしても設定ができるか解らないし、スマホも困っていないし・・・。食べ物も、果物が…
続きを読む2023/07/31
【第四章 スライムとギルド】第二十七話 治療(1)
皆を見送りました。 ユグドの分体で覆う計画は、主殿が来てから、他に何か方法がないか聞いてからにします。ユグドに負担をかけたくないこともあるのですが、ギルドにはギルドで、主殿に依頼をしてでもセキュリティを高める方法を考えて欲しいと思います。お金しっかりと払いましょう。 孔明さんが内通していた組織があるのです。情報管理は、これからはもっと厳しくした方がよいと思います。 孔明さんが横流ししたアイテムが、ギルドから安く売り出されれば、自分たちが騙されたと考えるでしょう。 あの手の組織は、”ドラマ”では自分たちが下に…
続きを読む2023/07/30
【第四章 スライムとギルド】第二十六話 報告(7)
「あっ。円香さん。まだ報告は終わっていません。これは、主殿の家族の紹介です」 立ち上がりそうな円香さんの表情が固まります。 わかります。 でも、普段の円香さんなら気が付いてくれると思います。冷静に考えれば答えが導き出されます。 円香さんを見つめます。 「何を・・・」 円香さんが動揺しているのがわかります。 椅子に座りなおしてくれました。 まだ、大丈夫です。 話が出来ます。良かったです。 「主殿は、私や千明と同じです」 「あっ・・・」 「そうです。主殿は、眷属の親です。私と千明が、クロトやラキシやアトスが得た…
続きを読む2023/07/29
【第四章 スライムとギルド】第二十五話 報告(6)
「茜。いろいろ聞いたが、そろそろ、この部屋の説明をお願いできるか?」 解っています。 そんなに睨まないで欲しいです。 あぁ・・・。 ”ユグド。クシナとスサノを連れて部屋に来て、すぐに終わるから、15分くらい時間を頂戴” ”うん。わかった!” 「少しだけ待ってください。あっ」 ユグドがドアを開けて部屋に入ってきました。 「ユグド。本体を、見せて大丈夫?」 「うん。平気!もう、僕が本体の役割を持っているよ?」 それなら良かった。 かき分けたら、女の子が寝ていたらショックだ。 「先に、クシナとスサノの説明をします…
続きを読む2023/07/28
【第四章 スライムとギルド】第二十四話 報告(5)
部屋に、私が隠し持っていたお菓子を持って戻りました。 蜂蜜はなしです。普通の飲み物です。 今回は、お茶にしました。日本茶です。掛川のお茶農家から買った美味しいお茶です。湯山のお茶も捨てがたいのですが、今日は掛川のお茶です。 お菓子には、お茶です。異論は認めますが、私の信念は変わりません。 部屋に戻った私は、円香さんに捕まりました。 「茜!?」 「はい?」 「廊下の音が聞こえない。どういうことだ?」 盗み聞き対策です。とは、答えにくい状況です。 千明も円香さんも同じような作りの部屋に住んでいます。 廊下を歩く…
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